■『戦争のつくりかた』(マガジンハウス)
りぼん・ぷろじぇくと/文
朝の連ドラ「ごちそうさん」でも、ひたひたと忍び寄る戦争の様子が描かれている。
いろんな食べ物が配給制になり、「贅沢は敵だ!」などの標語ポスターが貼られ、市民同士が監視し合い・・・
日常生活を送る中では、小さな変化は気づきにくい。
気づいても「気のせいだ」とか「今ちょっとの間だけだ」と誤魔化して見ないフリをしてしまう。
そうして、あっという間に、もう誰も文句がつけられなくなるくらいに戦争は生活を支配してしまっている。
日本が世界に誇る「もう戦争は二度としない」という憲法9条も、すこしずつ、すこしずつ、解釈を変更していくと・・・?
子どもでも読みやすい絵本の形をとって、いつのまにか「戦争ができる国」に変えられていく様子を描いた本書は、
日常生活に忙殺されている大人にもぜひ読んでほしい1冊。
●リボン・プロジェクト
【内容抜粋メモ】
国の仕組みや決まりをすこしずつ変えていけば、戦争しないと決めた国も、戦争できる国になります。
私たちの国を守るだけだった自衛隊が、武器を持ってよその国にでかけるようになります。
戦争のことは、ほんの何人かの政府の人たちで決めていい、という決まりを作ります。
「私たちの国は、戦争に参加できる」と、「憲法」を書き換えます。
政府が戦争すると決めたら、あなたは、国のために命を捨てることができます。
戦争のために死んでも、政府は褒めてくれます。国や「国際貢献」のために、いいことをしたのですから。
一番たいせつなのは、「国」になったのです。
もしあなたが「そんなのはイヤだ」と思ったら、大人たちに「大変だよ、なんとかしようよ」と言ってください。
大人は「忙しい」とか言って、こういうことになかなか気づこうとしませんから。
私たちは、未来をつくりだすことができます。戦争しない方法を選びとることも。
【この絵本ができるまで】
有事法案を読みこむ勉強会を続けてきた人たちがつながって、「成立を止めよう」というネットワークをつくりました。
はじめはサイトにウェブ絵本、次にDLして製本できるようにし、さらに冊子として自費出版しました。
【東京新聞特別報道部・田口透】
この国のもっとも大切な約束である憲法の解釈を広げるという、モザイクを積み重ねることで、
「ひとつの未来」が形作られる可能性を示しています。
立ち止まって、じっくりと考えないと見えてこない姿です。
すでに教育現場では、先取りの形で「心のノート」が「愛国心」を教えています。
治安、防犯という意味からの監視カメラの街角への設置。
イラク戦争反対のビラを配っただけで逮捕され、70日以上拘束された事件。
実は、じわりじわりと私たちの生活は息苦しくなってきています。
今の日本は、戦争、あるいは戦時に向けた準備万端が整っているようです。
日米安全保障問題を研究する大学教師の話。
「憲法9条が改正され、集団的自衛権の行使が認められたら、イラク戦争で自衛隊がどういう立場になったか考えてみてほしい。
日米安全保障の観点からも、開戦当初から自衛隊を派遣するという、英国と同じ道を歩んでいたはずだ」
「後世からみれば、満州事変前後に大きな昭和の転回期があったと分かるが、
当時の日本人は大いなる転回期を生きているとは分かっていなかった」
ただ、伝えたい、と力めば力むほど、相手は聞いてくれない。諦めずに、ボールを投げ続けるしかない。
会のメンバの義母は今でも防災訓練などには絶対に参加しないそうです。
「当時、日本が戦争に巻き込まれていたことに気づかなかった。戦争は突然やってきた。
後から思うとたしかに暮らしは厳しくなっていたけれど・・・」
「戦争は戦争の顔をしていません」
【本書の本文と関連が深い法律】
p16.
戦争が起こりそうな時は、あなたの家や土地を軍隊が自由に使える、という決まりを作ります。
いろんな人が軍隊の仕事を手伝う、という決まりも。
管理する施設の範囲
自動車整備工場
造船所
港湾施設
航空機または航空機用機器を整備するための施設
自動車、船舶または航空機に給油するための施設
医療等に従事する者の範囲
医師、歯科医師または薬剤師
看護婦
建設業者
鉄道事業者
自動車運送事業者
etc...
【すでに施行されている法律や政令、審査中の法案など】
自衛隊法
自衛隊海外派遣恒久法
武力攻撃事態対処法
特定公共施設利用法
PKO協力法
テロ特措法
武力攻撃事態対処法
国民保護法
危険業務従事者叙勲制度
etc...
りぼん・ぷろじぇくと/文
朝の連ドラ「ごちそうさん」でも、ひたひたと忍び寄る戦争の様子が描かれている。
いろんな食べ物が配給制になり、「贅沢は敵だ!」などの標語ポスターが貼られ、市民同士が監視し合い・・・
日常生活を送る中では、小さな変化は気づきにくい。
気づいても「気のせいだ」とか「今ちょっとの間だけだ」と誤魔化して見ないフリをしてしまう。
そうして、あっという間に、もう誰も文句がつけられなくなるくらいに戦争は生活を支配してしまっている。
日本が世界に誇る「もう戦争は二度としない」という憲法9条も、すこしずつ、すこしずつ、解釈を変更していくと・・・?
子どもでも読みやすい絵本の形をとって、いつのまにか「戦争ができる国」に変えられていく様子を描いた本書は、
日常生活に忙殺されている大人にもぜひ読んでほしい1冊。
●リボン・プロジェクト
【内容抜粋メモ】
国の仕組みや決まりをすこしずつ変えていけば、戦争しないと決めた国も、戦争できる国になります。
私たちの国を守るだけだった自衛隊が、武器を持ってよその国にでかけるようになります。
戦争のことは、ほんの何人かの政府の人たちで決めていい、という決まりを作ります。
「私たちの国は、戦争に参加できる」と、「憲法」を書き換えます。
政府が戦争すると決めたら、あなたは、国のために命を捨てることができます。
戦争のために死んでも、政府は褒めてくれます。国や「国際貢献」のために、いいことをしたのですから。
一番たいせつなのは、「国」になったのです。
もしあなたが「そんなのはイヤだ」と思ったら、大人たちに「大変だよ、なんとかしようよ」と言ってください。
大人は「忙しい」とか言って、こういうことになかなか気づこうとしませんから。
私たちは、未来をつくりだすことができます。戦争しない方法を選びとることも。
【この絵本ができるまで】
有事法案を読みこむ勉強会を続けてきた人たちがつながって、「成立を止めよう」というネットワークをつくりました。
はじめはサイトにウェブ絵本、次にDLして製本できるようにし、さらに冊子として自費出版しました。
【東京新聞特別報道部・田口透】
この国のもっとも大切な約束である憲法の解釈を広げるという、モザイクを積み重ねることで、
「ひとつの未来」が形作られる可能性を示しています。
立ち止まって、じっくりと考えないと見えてこない姿です。
すでに教育現場では、先取りの形で「心のノート」が「愛国心」を教えています。
治安、防犯という意味からの監視カメラの街角への設置。
イラク戦争反対のビラを配っただけで逮捕され、70日以上拘束された事件。
実は、じわりじわりと私たちの生活は息苦しくなってきています。
今の日本は、戦争、あるいは戦時に向けた準備万端が整っているようです。
日米安全保障問題を研究する大学教師の話。
「憲法9条が改正され、集団的自衛権の行使が認められたら、イラク戦争で自衛隊がどういう立場になったか考えてみてほしい。
日米安全保障の観点からも、開戦当初から自衛隊を派遣するという、英国と同じ道を歩んでいたはずだ」
「後世からみれば、満州事変前後に大きな昭和の転回期があったと分かるが、
当時の日本人は大いなる転回期を生きているとは分かっていなかった」
ただ、伝えたい、と力めば力むほど、相手は聞いてくれない。諦めずに、ボールを投げ続けるしかない。
会のメンバの義母は今でも防災訓練などには絶対に参加しないそうです。
「当時、日本が戦争に巻き込まれていたことに気づかなかった。戦争は突然やってきた。
後から思うとたしかに暮らしは厳しくなっていたけれど・・・」
「戦争は戦争の顔をしていません」
【本書の本文と関連が深い法律】
p16.
戦争が起こりそうな時は、あなたの家や土地を軍隊が自由に使える、という決まりを作ります。
いろんな人が軍隊の仕事を手伝う、という決まりも。
管理する施設の範囲
自動車整備工場
造船所
港湾施設
航空機または航空機用機器を整備するための施設
自動車、船舶または航空機に給油するための施設
医療等に従事する者の範囲
医師、歯科医師または薬剤師
看護婦
建設業者
鉄道事業者
自動車運送事業者
etc...
【すでに施行されている法律や政令、審査中の法案など】
自衛隊法
自衛隊海外派遣恒久法
武力攻撃事態対処法
特定公共施設利用法
PKO協力法
テロ特措法
武力攻撃事態対処法
国民保護法
危険業務従事者叙勲制度
etc...