■ドラマ『紙の月』
出演:原田知世、光石研、水野真紀、西田尚美、ミッキー・カーチス、満島真之介、富士真奈美 ほか
たまたま観て、とても心動かされ、原作が角田光代さんと分かって納得。
『空中庭園』(2005)、『八日目の蝉』(2011)、どれもハズレがない素晴らしい作品だったもんね。
『時をかける少女』のピュアな雰囲気をずっと保ったままの知世ちゃんに見とれるとともに、
満たされない女性の孤独が痛いほど伝わってきて、胸が締め付けられるようだった。
「誰かの役にたてないなら、存在する意味がないと思うの」
●1話「名前のない金」
お嬢さま高校で、アフリカに学校を建てるためのボランティアがあり、1ヶ月に50万円も寄付していたリカ。
結婚後、10年間、専業主婦をして、アキに言われて銀行でのパートの仕事を始める。
子どもができず、不妊治療をしたくても、非協力的で、本音を言わない夫は、
「箱入り主婦」だの、「たかがパート」だのとバカにしすぎ
顧客の孫・光太から、自主制作の映画出演を頼まれ、「魅力的だ」と言われて、
高い化粧品を買う際、手持ちがなく、顧客のお金を一時借りたことから歯車が狂い始める。
その後、1億円の横領事件で指名手配され、海外で暮らすリカを回想する同窓生のユウコとアキ。
「あの頃の私は、誰かに愛されて、誰かに必要とされれば、満たされると信じて生きていた」
時に誰かといるほうが、一人より数倍孤独なことってあるよね。
●2話「満たされた渇き」
せっかくの夫への誕プレの時計も「こうゆう安いのちょうど欲しかったんだよ」ってヒドすぎる・・・
資格をとって、フルタイムで働いても夫の態度は変わらない。
「なにかするなら徹底的にするか、なにもやらないかのどっちかじゃないかな」
「私は自由だ。唐突にそう感じた。私が感じていていたのは、罪悪感ではなく、
大きな解放感と、それよりも大きな“万能感”だった。
もしかしたら私は、やろうと思ったことを、何でもやれるのかもしれない。
行こうと思った場所に、どこへでも行けるのかもしれない。
後に何度思い返してみても、私の中の何かを変えてしまったのは、
この得体の知れない万能感であったような気がしてならなかった」
「あなたにとって私は、夫に守られて、養われて、
そうでないと生きていけない女じゃなきゃならなかったのよね。
そうゆう風にあなたは私を必要としてたのね。
お金なんかのことであなたの存在が揺らいだりしなかったのに。
お金なんて、お金でしかないのに。バカバカしい」
●3話「清らかな罪」
光太の祖父だからという理由で、証書の偽造を思いついたのが、初めての犯罪。
光太の借金が200万と聞いて、50万を渡して、残りもすぐに渡すと約束する。
相手に気まづい思いをさせないよう、金持ちの気まぐれだというフリをして、
その後も大量に高い買い物 をして見せるリカ。
顧客のタマエは「娘が夜中に忍び込んで、お金を盗んでいくの!」と乱心する。
それを利用して、返された300万を自分の口座に平然と入れてしまう。
夫は上海栄転が決まり、当然妻も来ると思っていたが、断られて怒り、
「自分一人では、やっていけないだろう」と決めつける。
犯罪にもいろんな動機があるんだな。
単純な善悪じゃなく、親切のつもりでやってることもある。
本人がそう心底信じている時には。
「お金って何なんだろうね。こうゆう所にいると、みんな笑顔で、親切で、丁寧で。
だから、世の中はなんて柔らかいんだろうって錯覚する。
悪意も、無自覚な乱暴も、軽蔑もなくて、あるのはただ、フワフワとした善意だけ。
私たちが住んでいるのは、そうゆう世界だって思ってしまうそうになる。
本当はお金に守られてるだけなのにね」
リカは、光太のアムステルダム行きのチケットも気前良く払ってしまう
夫のPCで偽造証書を作っているところを、上海から急に帰ってきて見られてしまうが、なんとか誤魔化す。
使いすぎたカード請求額を補填するために、さらにカモを探して、偽造を続ける。
アキは、離婚して2年も会っていなかった娘と再会。本当の離婚理由は、買い物依存症だと言えずにいた。
ユウコは、両親がいつもお金で言い争っていたことから、
自分の家庭はお金でモメたくないと思い、過度な節約を家族に強要している。
夫が娘と遊んだといって帰ってきた日、高額なレストランの領収書を見つけて疑惑を持つ。
「怖いのは万能感を失うこと。誰にも必要とされない本当の自分に戻ること」
●4話 楽園の終わり
光太と過ごすマンションの1室を買って過ごしはじめる。
話し合おうという夫に「いらないの、あなたの許しはもう、いらないのよ」
夫「君はやっぱり変わったな」てセリフも辛いね。。
光太は、いつのまにか大学も映画製作もやめ、株取引を始めたという。
リカ「もし、私が無一文だったらどうする?」
光太「一緒に働こう。金がなくても大丈夫」(言ってることが矛盾してないか?
顧客から急に「500万円を解約してほしい」といわれ、消費者金融で80万を借りる。
「お金の辻褄を合わせるためだけに、私は走り続けた。
止まれば、現実に捕まってしまうのだから」
興信所に頼んで調べてもらうと、光太には同じ大学の後輩だった恋人ができていた。
「2012年の12月に地球が終わるって聞いたことある? もうすぐだね。 終わっちゃえばいいのに」
ユウコは、夫の浮気メールを見つける。
アキは、娘に服を買ったりしているうちに、「お金を貸して」と頼まれるようになる。
タマエは認知症症状が悪化する。
「病気だと分かれば、銀行や親戚の思うツボ。このことは2人だけの秘密にして! 私はこの家で死にたいの」
リカを素行の悪い実娘だと思い込み「リカさんはいい人よ。私に親切にしてくれるの」てセリフは号泣/涙
●5話
夫がもうすぐ帰国できると電話があり、光太に相談しようとして断られる。
タマエ「誰かを愛するには、まず自分を愛さなくちゃダメよ。自分を愛せない人が一番不幸なのよ」
「他人と比べたり、羨んだり、いつから自分を愛せなくなったんだろう。
ありのままの自分でいいと思えなくなったのは、どうしてなんだろう?」
光太「オレ、ここから出て行きたい。ここから出して」
リカ「ここって・・・どこ?」
「私はようやく気づいた。私が私を愛してこなかったことが、すべての始まりだったんだ」
他店で1000万円の横領が発覚したため、銀行に一斉検査が入る。
VISAなしで国にいられる期限が迫っていた。
「国際手配されていなければ、イミグレーションを通れる可能性もある。
けれど、私は一体どこへ行きたいのだろう?」
アキ「なんでいつも幸せになる方法を間違えちゃうんだろ?」
ユウコ「何が欲しかったのか分からなくなっちゃった。
昔、お兄ちゃんが言ってた。本当は人間は誰でも簡単に幸せになれるんだよって」
アキ「私ね、一人になるのが怖かっただけなんだと思う。だから、もう大丈夫。一人で大丈夫」
「ほんとうは、答えはずっと私の中にあったのだ。
自分を探して逃げるのではなく、愛してみよう。
その時私は、本当にどこへでも行けるのだから」
2015年には劇場版が公開予定。主演は宮沢りえ。
出演:原田知世、光石研、水野真紀、西田尚美、ミッキー・カーチス、満島真之介、富士真奈美 ほか
たまたま観て、とても心動かされ、原作が角田光代さんと分かって納得。
『空中庭園』(2005)、『八日目の蝉』(2011)、どれもハズレがない素晴らしい作品だったもんね。
『時をかける少女』のピュアな雰囲気をずっと保ったままの知世ちゃんに見とれるとともに、
満たされない女性の孤独が痛いほど伝わってきて、胸が締め付けられるようだった。
「誰かの役にたてないなら、存在する意味がないと思うの」
●1話「名前のない金」
お嬢さま高校で、アフリカに学校を建てるためのボランティアがあり、1ヶ月に50万円も寄付していたリカ。
結婚後、10年間、専業主婦をして、アキに言われて銀行でのパートの仕事を始める。
子どもができず、不妊治療をしたくても、非協力的で、本音を言わない夫は、
「箱入り主婦」だの、「たかがパート」だのとバカにしすぎ
顧客の孫・光太から、自主制作の映画出演を頼まれ、「魅力的だ」と言われて、
高い化粧品を買う際、手持ちがなく、顧客のお金を一時借りたことから歯車が狂い始める。
その後、1億円の横領事件で指名手配され、海外で暮らすリカを回想する同窓生のユウコとアキ。
「あの頃の私は、誰かに愛されて、誰かに必要とされれば、満たされると信じて生きていた」
時に誰かといるほうが、一人より数倍孤独なことってあるよね。
●2話「満たされた渇き」
せっかくの夫への誕プレの時計も「こうゆう安いのちょうど欲しかったんだよ」ってヒドすぎる・・・
資格をとって、フルタイムで働いても夫の態度は変わらない。
「なにかするなら徹底的にするか、なにもやらないかのどっちかじゃないかな」
「私は自由だ。唐突にそう感じた。私が感じていていたのは、罪悪感ではなく、
大きな解放感と、それよりも大きな“万能感”だった。
もしかしたら私は、やろうと思ったことを、何でもやれるのかもしれない。
行こうと思った場所に、どこへでも行けるのかもしれない。
後に何度思い返してみても、私の中の何かを変えてしまったのは、
この得体の知れない万能感であったような気がしてならなかった」
「あなたにとって私は、夫に守られて、養われて、
そうでないと生きていけない女じゃなきゃならなかったのよね。
そうゆう風にあなたは私を必要としてたのね。
お金なんかのことであなたの存在が揺らいだりしなかったのに。
お金なんて、お金でしかないのに。バカバカしい」
●3話「清らかな罪」
光太の祖父だからという理由で、証書の偽造を思いついたのが、初めての犯罪。
光太の借金が200万と聞いて、50万を渡して、残りもすぐに渡すと約束する。
相手に気まづい思いをさせないよう、金持ちの気まぐれだというフリをして、
その後も大量に高い買い物 をして見せるリカ。
顧客のタマエは「娘が夜中に忍び込んで、お金を盗んでいくの!」と乱心する。
それを利用して、返された300万を自分の口座に平然と入れてしまう。
夫は上海栄転が決まり、当然妻も来ると思っていたが、断られて怒り、
「自分一人では、やっていけないだろう」と決めつける。
犯罪にもいろんな動機があるんだな。
単純な善悪じゃなく、親切のつもりでやってることもある。
本人がそう心底信じている時には。
「お金って何なんだろうね。こうゆう所にいると、みんな笑顔で、親切で、丁寧で。
だから、世の中はなんて柔らかいんだろうって錯覚する。
悪意も、無自覚な乱暴も、軽蔑もなくて、あるのはただ、フワフワとした善意だけ。
私たちが住んでいるのは、そうゆう世界だって思ってしまうそうになる。
本当はお金に守られてるだけなのにね」
リカは、光太のアムステルダム行きのチケットも気前良く払ってしまう
夫のPCで偽造証書を作っているところを、上海から急に帰ってきて見られてしまうが、なんとか誤魔化す。
使いすぎたカード請求額を補填するために、さらにカモを探して、偽造を続ける。
アキは、離婚して2年も会っていなかった娘と再会。本当の離婚理由は、買い物依存症だと言えずにいた。
ユウコは、両親がいつもお金で言い争っていたことから、
自分の家庭はお金でモメたくないと思い、過度な節約を家族に強要している。
夫が娘と遊んだといって帰ってきた日、高額なレストランの領収書を見つけて疑惑を持つ。
「怖いのは万能感を失うこと。誰にも必要とされない本当の自分に戻ること」
●4話 楽園の終わり
光太と過ごすマンションの1室を買って過ごしはじめる。
話し合おうという夫に「いらないの、あなたの許しはもう、いらないのよ」
夫「君はやっぱり変わったな」てセリフも辛いね。。
光太は、いつのまにか大学も映画製作もやめ、株取引を始めたという。
リカ「もし、私が無一文だったらどうする?」
光太「一緒に働こう。金がなくても大丈夫」(言ってることが矛盾してないか?
顧客から急に「500万円を解約してほしい」といわれ、消費者金融で80万を借りる。
「お金の辻褄を合わせるためだけに、私は走り続けた。
止まれば、現実に捕まってしまうのだから」
興信所に頼んで調べてもらうと、光太には同じ大学の後輩だった恋人ができていた。
「2012年の12月に地球が終わるって聞いたことある? もうすぐだね。 終わっちゃえばいいのに」
ユウコは、夫の浮気メールを見つける。
アキは、娘に服を買ったりしているうちに、「お金を貸して」と頼まれるようになる。
タマエは認知症症状が悪化する。
「病気だと分かれば、銀行や親戚の思うツボ。このことは2人だけの秘密にして! 私はこの家で死にたいの」
リカを素行の悪い実娘だと思い込み「リカさんはいい人よ。私に親切にしてくれるの」てセリフは号泣/涙
●5話
夫がもうすぐ帰国できると電話があり、光太に相談しようとして断られる。
タマエ「誰かを愛するには、まず自分を愛さなくちゃダメよ。自分を愛せない人が一番不幸なのよ」
「他人と比べたり、羨んだり、いつから自分を愛せなくなったんだろう。
ありのままの自分でいいと思えなくなったのは、どうしてなんだろう?」
光太「オレ、ここから出て行きたい。ここから出して」
リカ「ここって・・・どこ?」
「私はようやく気づいた。私が私を愛してこなかったことが、すべての始まりだったんだ」
他店で1000万円の横領が発覚したため、銀行に一斉検査が入る。
VISAなしで国にいられる期限が迫っていた。
「国際手配されていなければ、イミグレーションを通れる可能性もある。
けれど、私は一体どこへ行きたいのだろう?」
アキ「なんでいつも幸せになる方法を間違えちゃうんだろ?」
ユウコ「何が欲しかったのか分からなくなっちゃった。
昔、お兄ちゃんが言ってた。本当は人間は誰でも簡単に幸せになれるんだよって」
アキ「私ね、一人になるのが怖かっただけなんだと思う。だから、もう大丈夫。一人で大丈夫」
「ほんとうは、答えはずっと私の中にあったのだ。
自分を探して逃げるのではなく、愛してみよう。
その時私は、本当にどこへでも行けるのだから」
2015年には劇場版が公開予定。主演は宮沢りえ。