■『くらべてわかる世界地図3 ジェンダーの世界地図』(大月書店)
菅原由美子、鈴木有子/著 藤田千枝/編
【内容抜粋メモ】
ジェンダー
社会的・文化的につくられた性差。
女性がジェンダーによる差別を受けているように、男性も社会的につくられた「男性像」に縛られている。
「男らしさ」がDV等の問題を生む原因の一つと考えられている。
例:「男は強くなければならない」「男は女性をリードするものだ」
●死亡率に男女差がある
男児は女児より約5%多く生まれ、男児のほうが多く死んで人口のバランスがとられている。
世界では、女の子だからという理由で中絶したり、産まれてすぐ捨てられる女の子がいる。
人口統計では「何もなければ生きているはずだった女児が少なくとも60000万人消えている」としている。
●学校に通う子の男女差
世界で学校に行っていない子どもは、女子6500万人、男子5600万人。
開発途上国の女性が学校に行く年数が1年延びると、
1000人中2人の妊娠・出産による死亡を防ぐことができ、
5歳未満の子どもの死亡率が5〜10%低くなると言われる。
ラテンアメリカ、カリブ海地域では、男子が思春期に退学してしまうのが問題。
日本でも1年間に約9万人の高校生が退学している。
●夫婦の名前
日本では、夫婦同姓が義務付けられている。実際には、97%の妻が夫の姓に改めている。
世界では、同姓しか認めない国はとても少ない。
●女性の労働と家事分担
「アンペイドワーク(無償労働・無報酬労働)
男性の全労働時間に占める家事労働の割合は、日本7%で一番低い。
夫は、仕事に約9時間、家事10分、育児時間16分。
日本の父親の育児休業取得率は、0.33%。理由は「仕事の都合がつかないから」。
●妊産婦の死亡率
妊産婦死亡
世界では、1日に約1400人の女性が妊娠・出産が原因で死亡している。妊産婦死亡は防ぐことができる。
●人工妊娠中絶
「リプロダクティヴ・ヘルス/ライツ」(性と生殖に関する健康と権利)
世界で年間6万8000人の女性が、危険な中絶で死亡している。
日本の20歳未満の中絶件数は、4万4000件(2002年)で増加を続けている。
●若者のエイズ感染の男女比
HIV/エイズとともに生きている若い男性は450万人、若い女性は730万人と推定されている。
身体的に女性は男性よりHIVに感染しやすく、危険性は男性の2〜4倍高い。
●女性への暴力
日本には買った人を罰する法律がない。
日本は性的な人身売買の受入国として有名で、アジア・中南米・東ヨーロッパ等から女性が「商品」として連れてこられ、
売春などをさせられている女性がたくさんいる。
性器切除
世界で毎年200万人、毎日約6000人の女性(女子)が性器切除を受けている。
女性に対する暴力は、人の生まれながらの特質ではなく、男性が支配する社会によるものである。
●犯罪者の男女比
DV(ドメスティック・ヴァイオレンス)
人に殺された女性のほぼ半分が、過去、現在の親しい男性からの暴力によるものである。
日本では5人に1人がパートナーから暴力を受けた経験がある。
●自殺者の男女比
失業や過労による中高年男性の自殺が急速に増えている。
1日約30人が自殺遺児になり、公的には何も対策がない。
いじめによる自殺は男子が多いが、「いじめ110番」に相談するのは女子が多いという。
「男は弱音を吐くな」「男は泣いてはいけない」という考えがあるため。
●賃金の男女差
日本の男女差は何年も縮まらないまま。
「ワークシェアリング」
オランダでは、仕事を分け合い、子育てに忙しい時は短時間働き、また正社員に戻る仕組みがある。
●女性議員の割合
「クォータ制」
割り当てをして、どちらかの性の割合が一定以下にならないようにする制度。
スウェーデンの政党は、40%のクォータ制をとっている。
日本の女性議員(衆議院)の割合は、世界183カ国中137位。
小選挙区制になってから、女性はいっそう当選しにくくなっている。
●女性差別撤廃条約
それまで父親が日本国籍をもたなければ国籍をとれなかったが、母親がもっていてもとれるようになった。
2003年、国連の女性差別撤廃員会から「男女の不平等は大きく、女性差別に対する対策が不十分だ」と指摘を受けた。
●女性の選挙権
女性の選挙権がない国は、クウェート、サウジアラビアなどアラブ諸国に多い。
●ノーベル賞受賞者は、圧倒的に男性が多い
ノーベル賞受賞者709人のうち、女性はわずか31人。
国際アンデルセン賞
「小さなノーベル文学賞」とも言われる、国際的な児童文学賞。
●オリンピックと女性
女性選手は増え続けているが、コーチ・役員はほとんど男性。
女性選手の体を触るなどのセクシャルハラスメントが問題になっている/驚
●メディアと女性
新聞記者の女性の割合は、日本では11%にとどまっている。
メディアの送り手に女性が進出することは、女性差別を改善する上でも大切だ。
●ジェンダー指数
「HDI(人間開発指数)」
平均寿命、教育水準、国民所得を使って計算したもの。日本は9位。
「GEM(ジェンダー・エンパワーメント指数)」
女性がどれだけ積極的に経済・政治に参加し、物事を決めることができているかを数字化したもの。日本は38位。
女性の国家公務員は、アメリカ、イギリス50%、日本は20%弱。
その他の書籍。
「ジェンダー・フリーの絵本」大月書店
菅原由美子、鈴木有子/著 藤田千枝/編
【内容抜粋メモ】
ジェンダー
社会的・文化的につくられた性差。
女性がジェンダーによる差別を受けているように、男性も社会的につくられた「男性像」に縛られている。
「男らしさ」がDV等の問題を生む原因の一つと考えられている。
例:「男は強くなければならない」「男は女性をリードするものだ」
●死亡率に男女差がある
男児は女児より約5%多く生まれ、男児のほうが多く死んで人口のバランスがとられている。
世界では、女の子だからという理由で中絶したり、産まれてすぐ捨てられる女の子がいる。
人口統計では「何もなければ生きているはずだった女児が少なくとも60000万人消えている」としている。
●学校に通う子の男女差
世界で学校に行っていない子どもは、女子6500万人、男子5600万人。
開発途上国の女性が学校に行く年数が1年延びると、
1000人中2人の妊娠・出産による死亡を防ぐことができ、
5歳未満の子どもの死亡率が5〜10%低くなると言われる。
ラテンアメリカ、カリブ海地域では、男子が思春期に退学してしまうのが問題。
日本でも1年間に約9万人の高校生が退学している。
●夫婦の名前
日本では、夫婦同姓が義務付けられている。実際には、97%の妻が夫の姓に改めている。
世界では、同姓しか認めない国はとても少ない。
●女性の労働と家事分担
「アンペイドワーク(無償労働・無報酬労働)
男性の全労働時間に占める家事労働の割合は、日本7%で一番低い。
夫は、仕事に約9時間、家事10分、育児時間16分。
日本の父親の育児休業取得率は、0.33%。理由は「仕事の都合がつかないから」。
●妊産婦の死亡率
妊産婦死亡
世界では、1日に約1400人の女性が妊娠・出産が原因で死亡している。妊産婦死亡は防ぐことができる。
●人工妊娠中絶
「リプロダクティヴ・ヘルス/ライツ」(性と生殖に関する健康と権利)
世界で年間6万8000人の女性が、危険な中絶で死亡している。
日本の20歳未満の中絶件数は、4万4000件(2002年)で増加を続けている。
●若者のエイズ感染の男女比
HIV/エイズとともに生きている若い男性は450万人、若い女性は730万人と推定されている。
身体的に女性は男性よりHIVに感染しやすく、危険性は男性の2〜4倍高い。
●女性への暴力
日本には買った人を罰する法律がない。
日本は性的な人身売買の受入国として有名で、アジア・中南米・東ヨーロッパ等から女性が「商品」として連れてこられ、
売春などをさせられている女性がたくさんいる。
性器切除
世界で毎年200万人、毎日約6000人の女性(女子)が性器切除を受けている。
女性に対する暴力は、人の生まれながらの特質ではなく、男性が支配する社会によるものである。
●犯罪者の男女比
DV(ドメスティック・ヴァイオレンス)
人に殺された女性のほぼ半分が、過去、現在の親しい男性からの暴力によるものである。
日本では5人に1人がパートナーから暴力を受けた経験がある。
●自殺者の男女比
失業や過労による中高年男性の自殺が急速に増えている。
1日約30人が自殺遺児になり、公的には何も対策がない。
いじめによる自殺は男子が多いが、「いじめ110番」に相談するのは女子が多いという。
「男は弱音を吐くな」「男は泣いてはいけない」という考えがあるため。
●賃金の男女差
日本の男女差は何年も縮まらないまま。
「ワークシェアリング」
オランダでは、仕事を分け合い、子育てに忙しい時は短時間働き、また正社員に戻る仕組みがある。
●女性議員の割合
「クォータ制」
割り当てをして、どちらかの性の割合が一定以下にならないようにする制度。
スウェーデンの政党は、40%のクォータ制をとっている。
日本の女性議員(衆議院)の割合は、世界183カ国中137位。
小選挙区制になってから、女性はいっそう当選しにくくなっている。
●女性差別撤廃条約
それまで父親が日本国籍をもたなければ国籍をとれなかったが、母親がもっていてもとれるようになった。
2003年、国連の女性差別撤廃員会から「男女の不平等は大きく、女性差別に対する対策が不十分だ」と指摘を受けた。
●女性の選挙権
女性の選挙権がない国は、クウェート、サウジアラビアなどアラブ諸国に多い。
●ノーベル賞受賞者は、圧倒的に男性が多い
ノーベル賞受賞者709人のうち、女性はわずか31人。
国際アンデルセン賞
「小さなノーベル文学賞」とも言われる、国際的な児童文学賞。
●オリンピックと女性
女性選手は増え続けているが、コーチ・役員はほとんど男性。
女性選手の体を触るなどのセクシャルハラスメントが問題になっている/驚
●メディアと女性
新聞記者の女性の割合は、日本では11%にとどまっている。
メディアの送り手に女性が進出することは、女性差別を改善する上でも大切だ。
●ジェンダー指数
「HDI(人間開発指数)」
平均寿命、教育水準、国民所得を使って計算したもの。日本は9位。
「GEM(ジェンダー・エンパワーメント指数)」
女性がどれだけ積極的に経済・政治に参加し、物事を決めることができているかを数字化したもの。日本は38位。
女性の国家公務員は、アメリカ、イギリス50%、日本は20%弱。
その他の書籍。
「ジェンダー・フリーの絵本」大月書店