■『もう、死なせない! 子どもの生きる権利』(フレーベル館)
桃井和馬/著
【内容抜粋メモ】
国連総会で採択された「子どもの権利条約」を、日本が批准したのは1994年。
当時は注目を集めたが、今、どれだけの人がこの条約を覚えているだろうか?
●アフガニスタン
長いこと戦争がつづき、爆弾で壊された銃弾だらけのビルで生活する子どもたち。
●アンゴラ
地中からとれるダイヤモンドを巡って50年近く戦争が続いた
多くの人たちが紛争地帯から逃れ、臨時の避難民キャンプで生活していた。
●エチオピア
ソマリア難民のためのキャンプでは、みんな病気や栄養失調で苦しんでいた。
●フィリピン
首都マニラ郊外「スモーキー・マウンテン」の巨大なゴミ捨て場では、数千人がゴミを拾って生計を立てている。
子どもも重要な働き手として家族を助けていた。
ゴミを観察すると、それぞれの社会の歪みを知ることができる。
●ペルー
たくさんのストリート・チルドレンの中の1人、10歳だったハビエルという元気な少年は、
5年後、再び会った時には、薬物中毒のため廃人になっていた。
●ロシア
寒さのきつい季節。暖房であたたかい駅を家がわりに生活するストリート・チルドレンたち。
家族を持たない彼らは、犯罪組織などに搾取される場合が多い。
●ルワンダ
ストリート・チルドレンの多くは、靴磨きなどをしてお金を得ている。
靴の修理で使う接着剤、シンナーを買って毎日吸い続けていた。
●タイ
虐待された子どもたちの写真。この現実は、タイだけでなく世界中どこにでもある。
●南アフリカ
10歳のジュリエットはエイズにかかり、命は残り3ヶ月。
世界中で年間500万人が新しくエイズにかかっている。
しかし、エイズは正確な知識を持っていれば感染を防ぐことができ、優れた薬も開発され、発病を遅らせることもできる。
●国後
北方領土は、100年以上、ロシアと日本が自分たちの領土だと主張してきた。
国がちがっても、住んでいるのは同じ人間。
●韓国
1950〜1953年まで続いた「朝鮮戦争」の結果、朝鮮半島は韓国と北朝鮮に分断された。
元は同じ国だから、家族や親族が2つの国に離れ離れで暮らしているケースも多い。
●南アフリカ
1990年代まで、肌の色で人間を差別する「アパルトヘイト」という法律が残っていた。
法律はもうなくなったが、黒人と白人の生活には、まだかなり格差がある。
差別:本人が変えようのないこと、変えたくないことを理由に見下すこと。
●イスラエル
首都エルサレムにある「嘆きの壁」はユダヤ教の聖地だが、すぐ隣りにはイスラム教の聖地がある。
四国ほどの大きさのこの国で、宗教と民族を理由にした激しい戦いがつづき、大量の血と涙が流されてきた。
ユダヤ教・キリスト教・イスラム教
同じ神を信じる兄弟みたいな宗教だが、聖地がみなエルサレムにある。
その聖地や領土の取り合いの紛争が絶えない。
●インドネシア
イスラム教に基づく教育をする学校の風景。
2億人のイスラム教徒がいる「世界一イスラム教徒の多い国」。
重要なのは、おたがいの考えや宗教を認め合うこと。
●チャド
チャド湖は、30年前、四国ぐらいの大きさだったが、今では1/10に小さくなった。
理由は、洋服などに使う綿を大規模に育てる時、湖の水を大量に使ったから。
砂漠化
毎年、地球上では、九州と四国を合わせたくらいの土地が砂漠になっていると言われる。
水不足は、近い未来、国と国の戦争の原因にもなると考えられている
●インドネシア・ボルネオ
アマゾンに次いで大きな熱帯雨林があと10年で消えると考えられている。
草や木にも「命」がある。森の殺戮は、ヒトの未来の殺戮だ。
山があり、森があってはじめてヒトは生きることができる。
●ドミニカ
隣国ハイチから来た多くの人たちが「奴隷」として働かされている。
農園で働いて収入は得ているが、農園内の売店は値段がやたらと高く、
食糧を買うだけで借金がふくらみ、それを返すために過酷な仕事をしなければならない。
これが現代の「奴隷制」だ。
世界で「奴隷制」を認める国はないが、様々に形を変えた奴隷制によって、今もたくさんの人たちが苦しんでいる。
●イラク
アメリカの空爆で破壊された建物で生活する家族。
2003年3月ブッシュ大統領は「イラクに大量破壊兵器がある」という理由でイラク攻撃を始めた。
イラクにはそんな兵器はなかったと、アメリカや国連の調査機関の調査から分かっている。
それではなぜ、アメリカはイラク攻撃をはじめたのか?
●アフガニスタン
戦争が続くアフガニスタンから逃れて、パキスタンに来た難民。
帰還民
難民に認定されると、国際機関などから支援が受けられる。
戦争が終わり帰国すると帰還民となるが、難民ほどは援助を受けられず、
仕事も土地もないため、食事も満足にとれない生活がつづく。
●アメリカ
銃を持ちたいという人と、銃の所持を規制したいと思う人は、アメリカの世論を真っ二つに分けている。
●ロシア・サンクトペテルブルグ
第二次世界大戦中、ドイツ軍にかこまれて食糧がなくなり、125万人が亡くなった。
社会主義
会社や工場、農場、商店などは「すべてみんなのモノ」で、それをまとめるのが国家という考え。
ソ連では少しでも反対意見を言うと、容赦なく罰が与えられた。
●ブラジル
ストリート・チルドレンだけでなく、家族で路上生活をするホームレスも多い。
●アンゴラ
植民地主義
16Cからポルトガルの植民地となり、アフリカでも有名な奴隷の輸出国となった。
奴隷たちは、アメリカで「綿花栽培」の労働力として強制的に働かされ、大勢が病気などで亡くなった。
●ペルー
経済格差は広がる一方。
●タイ
山で生活する少数民族「アカ」の子どもたち。不便だが、人と人とが助け合う暮らしが残っている。
●ギニア
世界で一番貧しい国のひとつ。一方で、豊富な地下資源がある。
その利益を特定の人が独占するのではなく、うまく社会に役立てることができれば、貧困から抜け出せるはずだ。
世界の子どもたちすべてに、静かで、心休まる時が訪れますように。
桃井和馬/著
【内容抜粋メモ】
国連総会で採択された「子どもの権利条約」を、日本が批准したのは1994年。
当時は注目を集めたが、今、どれだけの人がこの条約を覚えているだろうか?
●アフガニスタン
長いこと戦争がつづき、爆弾で壊された銃弾だらけのビルで生活する子どもたち。
●アンゴラ
地中からとれるダイヤモンドを巡って50年近く戦争が続いた
多くの人たちが紛争地帯から逃れ、臨時の避難民キャンプで生活していた。
●エチオピア
ソマリア難民のためのキャンプでは、みんな病気や栄養失調で苦しんでいた。
●フィリピン
首都マニラ郊外「スモーキー・マウンテン」の巨大なゴミ捨て場では、数千人がゴミを拾って生計を立てている。
子どもも重要な働き手として家族を助けていた。
ゴミを観察すると、それぞれの社会の歪みを知ることができる。
●ペルー
たくさんのストリート・チルドレンの中の1人、10歳だったハビエルという元気な少年は、
5年後、再び会った時には、薬物中毒のため廃人になっていた。
●ロシア
寒さのきつい季節。暖房であたたかい駅を家がわりに生活するストリート・チルドレンたち。
家族を持たない彼らは、犯罪組織などに搾取される場合が多い。
●ルワンダ
ストリート・チルドレンの多くは、靴磨きなどをしてお金を得ている。
靴の修理で使う接着剤、シンナーを買って毎日吸い続けていた。
●タイ
虐待された子どもたちの写真。この現実は、タイだけでなく世界中どこにでもある。
●南アフリカ
10歳のジュリエットはエイズにかかり、命は残り3ヶ月。
世界中で年間500万人が新しくエイズにかかっている。
しかし、エイズは正確な知識を持っていれば感染を防ぐことができ、優れた薬も開発され、発病を遅らせることもできる。
●国後
北方領土は、100年以上、ロシアと日本が自分たちの領土だと主張してきた。
国がちがっても、住んでいるのは同じ人間。
●韓国
1950〜1953年まで続いた「朝鮮戦争」の結果、朝鮮半島は韓国と北朝鮮に分断された。
元は同じ国だから、家族や親族が2つの国に離れ離れで暮らしているケースも多い。
●南アフリカ
1990年代まで、肌の色で人間を差別する「アパルトヘイト」という法律が残っていた。
法律はもうなくなったが、黒人と白人の生活には、まだかなり格差がある。
差別:本人が変えようのないこと、変えたくないことを理由に見下すこと。
●イスラエル
首都エルサレムにある「嘆きの壁」はユダヤ教の聖地だが、すぐ隣りにはイスラム教の聖地がある。
四国ほどの大きさのこの国で、宗教と民族を理由にした激しい戦いがつづき、大量の血と涙が流されてきた。
ユダヤ教・キリスト教・イスラム教
同じ神を信じる兄弟みたいな宗教だが、聖地がみなエルサレムにある。
その聖地や領土の取り合いの紛争が絶えない。
●インドネシア
イスラム教に基づく教育をする学校の風景。
2億人のイスラム教徒がいる「世界一イスラム教徒の多い国」。
重要なのは、おたがいの考えや宗教を認め合うこと。
●チャド
チャド湖は、30年前、四国ぐらいの大きさだったが、今では1/10に小さくなった。
理由は、洋服などに使う綿を大規模に育てる時、湖の水を大量に使ったから。
砂漠化
毎年、地球上では、九州と四国を合わせたくらいの土地が砂漠になっていると言われる。
水不足は、近い未来、国と国の戦争の原因にもなると考えられている
●インドネシア・ボルネオ
アマゾンに次いで大きな熱帯雨林があと10年で消えると考えられている。
草や木にも「命」がある。森の殺戮は、ヒトの未来の殺戮だ。
山があり、森があってはじめてヒトは生きることができる。
●ドミニカ
隣国ハイチから来た多くの人たちが「奴隷」として働かされている。
農園で働いて収入は得ているが、農園内の売店は値段がやたらと高く、
食糧を買うだけで借金がふくらみ、それを返すために過酷な仕事をしなければならない。
これが現代の「奴隷制」だ。
世界で「奴隷制」を認める国はないが、様々に形を変えた奴隷制によって、今もたくさんの人たちが苦しんでいる。
●イラク
アメリカの空爆で破壊された建物で生活する家族。
2003年3月ブッシュ大統領は「イラクに大量破壊兵器がある」という理由でイラク攻撃を始めた。
イラクにはそんな兵器はなかったと、アメリカや国連の調査機関の調査から分かっている。
それではなぜ、アメリカはイラク攻撃をはじめたのか?
●アフガニスタン
戦争が続くアフガニスタンから逃れて、パキスタンに来た難民。
帰還民
難民に認定されると、国際機関などから支援が受けられる。
戦争が終わり帰国すると帰還民となるが、難民ほどは援助を受けられず、
仕事も土地もないため、食事も満足にとれない生活がつづく。
●アメリカ
銃を持ちたいという人と、銃の所持を規制したいと思う人は、アメリカの世論を真っ二つに分けている。
●ロシア・サンクトペテルブルグ
第二次世界大戦中、ドイツ軍にかこまれて食糧がなくなり、125万人が亡くなった。
社会主義
会社や工場、農場、商店などは「すべてみんなのモノ」で、それをまとめるのが国家という考え。
ソ連では少しでも反対意見を言うと、容赦なく罰が与えられた。
●ブラジル
ストリート・チルドレンだけでなく、家族で路上生活をするホームレスも多い。
●アンゴラ
植民地主義
16Cからポルトガルの植民地となり、アフリカでも有名な奴隷の輸出国となった。
奴隷たちは、アメリカで「綿花栽培」の労働力として強制的に働かされ、大勢が病気などで亡くなった。
●ペルー
経済格差は広がる一方。
●タイ
山で生活する少数民族「アカ」の子どもたち。不便だが、人と人とが助け合う暮らしが残っている。
●ギニア
世界で一番貧しい国のひとつ。一方で、豊富な地下資源がある。
その利益を特定の人が独占するのではなく、うまく社会に役立てることができれば、貧困から抜け出せるはずだ。
世界の子どもたちすべてに、静かで、心休まる時が訪れますように。