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『目でみるバイオの世界1 バイオってなあに』(学研)

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■学研絵とき科学シリーズ『目でみるバイオの世界1 バイオってなあに』(学研)
さすがに昭和63年初版版てことで年季が入ってて、昭和ちっくなイラストにも味がある。文字が小さすぎるのが難。
今のバイオ研究とは、さすがに開きがあるだろうけど、本書の段階だと「バイオ怖い・・・」てゆうのが感想


【内容抜粋メモ】

●バイオテクノロジー
生物のもつ特別な能力を人間の生活に利用しようという新技術。


受精卵を分割し、仮親に移植してうまれた五つ子(雪印乳業)

●食糧問題に利用
同じ面積でより多くの穀物をつくったり、より多く牛乳や肉を得られるように家畜を改良している

●不要なものから必要なものをとりだす
・下水のメタンガスを集めて発電用燃料とする。
・サトウキビの搾りかすからアルコールをとり、自動車燃料にする
・間伐材(杉などから間引いた成長の悪い木)からウシのえさをつくる。
・イカの内臓から液晶、スケトウダラの骨から人工骨・人工歯根をつくる。


********************************生物学の歴史

1.仲間分けして種名をつける「分類学」からはじまった。
2.暮らしを観察し、記録した。
3.分布を調べた。


●パスツール
1860年頃、発酵は微生物のはたらきで起こると証明した。

●メンデル
数学が得意だったため、エンドウの交配実験を数学的に分析した。

「メンデルの法則」
・優劣の法則
・分離の法則
・独立の法則

●遺伝子の本体DNA発見
フリードリヒ・ミーシャー→トーマス・モーガン→オズワルド・エイブリー→クリック&ワトソン(二重らせん構造)

「分子生物学」
顕微鏡などの進歩で、化学者、物理学者も一緒に生命現象を研究した。

遺伝子操作技術が確立されて、バイオは著しく発展した。


********************************バイオの歴史

昔から微生物を利用して、ワイン、お酒、味噌、醤油、チーズ、ヨーグルトなどをつくってきた。
日本の発酵技術は世界のトップレベル。


日本酒用酵母


●動植物の品種改良


ヒトは、動物を生活に役立つよう、長い年月をかけて、さまざまな姿・形に改良してきた。

ダックスフンド
突然変異の足の短いイヌと、兄弟イヌを交配すると、子の中に足の短いイヌが混じる
何代も、何代もどんどん交配すると、生まれる子犬のほとんどが足の短いイヌになる。
アナグマを狩るのに利用した(同じ親族同士だから弱くなっちゃうんじゃないの?


「突然変異」
遺伝子の一部が変化する。遺伝するので、品種改良に利用できる。


イネ
もともと東南アジアにはえていた熱帯植物。今では、寒さ、病気に強く、味が良い品種がつくられた。
「かわり穂(かわり種)」から増やす。

「人工交配と不稔」
1つの品種のめしべに、別の品種の花粉をつける。
人工交配ができるのは類縁の近いものだけ。縁が遠いと子孫を残す能力がない不稔となる。

「枝がわり」

1本の枝だけ突然変異で性質がかわる→台木につぎ木して増やす。

果物の多くは枝がわり・交配により、小さな実しかつけない野生種から、大きい実のなる品種に改良された。


生物学、生化学、分子生物学、電子工学
バイオマス、微生物育種下水処理、排物処理
組織培養、バイオリアクター化粧品、石鹸、洗剤
微生物育種、バイオリアクター食品、調味料
遺伝子組み換え薬品
遺伝子解析がん、遺伝病治療
細胞培養、細胞融合、遺伝子操作品種改良
染色体操作成長促進、めす魚生産
細胞融合、遺伝子操作、核移植、卵分割優良種生産、品種改良
人工材料、バイオケミカル人工内臓、人工骨
たんぱく質工学、バイオエレクトロニクスバイオコンピューター、バイオセンサー


********************************植物の組織培養・微生物を利用

植物の1コの細胞には、完全な植物体に再生する能力がある。
植物の細胞を培養すると「カルス(分裂した細胞のかたまり)」が形成され、芽や根が出る。

イチゴ
ウイルス病にかかると生産量が落ちる。「成長点培養」で「ウイルスフリー」のイチゴが作れる。

「種間雑種」
これまで不可能だった違う種同士の雑種をつくる。

ハクラン

ハクサイ+キャベツ(カンラン)を掛け合わせた新しい野菜。ほかにも千宝菜などがある。

口紅・石鹸
ムラサキの根を培養してとれたシコニンを配合。ほかにもソフォロリピッドをつかったソフィーナ化粧水などがある。

ハミガキ
歯垢を分解する酵素(デキストラナーゼ)を配合した「クリニカ」。

洗剤
微生物がつくるアルカラーゼを配合した「トップ」、セルラーゼを配合した「アタック」など。


********************************動植物の細胞融合、胚操作、染色体操作

「細胞融合」
異なった生物の細胞を、人工的に融合させる技術。
1978年に「ポマト」が話題となった。

細胞融合野菜・ハイブリッド野菜の種類一覧の概要

「胚操作」
受精卵の胚を分割して双子をつくったり、2つの胚を混ぜて「キメラ」をつくる技術(「鋼の錬金術師」じゃん/怖

1962年 キメラはマウスで成功した。
1965年 アメリカのハリスとワトキンスは、ヒトとマウスの細胞を融合させ、雑種細胞をつくるのに成功した(そんなことして、どうするの怖×∞
1985年 ヒツジ+ヤギで「ギープ」をつくる@イギリス(リンク先は参照
1986年 ウンシュウミカン+ネーブルで「シューブル」、グレープフルーツ+ネーブルで「グレーブル」を作出。


イネ
短期間で新品種がつくれる。病気・害虫に強く、肥料が少なく、収穫が多い。

ウシ
ふつう、1頭が一生かかって産む子牛は10頭ぐらい。
優秀なウシの受精卵を2つに分け、ほかのウシのお腹に入れて子どもを産ませると、1年間で10頭近く増やせる。


●成長促進・巨大化

「3倍体」

ふつうより染色体が多い魚をつくる。短期間で大きくなり、長生きする。


********************************遺伝子組み換え

●医薬品
糖尿病のインシュリンを合成することができる。


下垂体性小人症の治療に使われる「ヒト成長ホルモン」(住友製薬)


********************************バイオテクノロジーは安全か?

1975年、世界中の科学者がアメリカ・アシロマに集まって会議し、遺伝子組み換えの実験をする際の安全基準が決められた。
遺伝子を操作して、どんな薬もきかない猛毒をもつ病原菌をつくることもできるため。


(分かりやすい地獄絵だな

微生物をつかって遺伝子組み換え実験をする場合、微生物が出ないよう実験室のつくりが決められている。P1〜P4。


P1レベル実験室(危険性のほとんどない実験)


P4レベル実験室(極めて注意すべき実験を行う場合)
・気圧を外より低くして、空気が外に出ないようにする。
・グローブボックス:直接手で触れないような箱で実験する。「バイオハザートマーク」をつける。



********************************バイオテクノロジーの未来

●食料問題、環境問題などを解決する
農薬・肥料がいらない植物、光が弱くても育つ作物、砂漠でも育つ作物など。


未来の野菜工場はこんな感じ?

●大腸菌を使って、天然にない新しい人工たんぱく質を合成する
目標は「スーパー酵素」。


●バイオセンサー

酵素や微生物などを利用して、化学物質の性質・濃度をはかる測定器。

●バイオコンピューター
ヒトの脳のようなはたらきをもたせる。

●ハイブリッド型人工臓器
人工の材料に、本物の臓器の細胞を固定する技術。



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