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Channel: メランコリア
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notes and movies(1995.12〜 part4)

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過去のノートにある映画感想メモシリーズ。
part3からのつづきで、ベージュ色のノートのラスト。
若かりし頃のメモなので、不適切な表現、勘違い等はお詫び申し上げます/謝罪
なお、あらすじはなるべく省略しています。


■『キャスパー』(1995)
監督:ブラッド・シルバーリング 出演:クリスティーナ・リッチ、ビル・プルマン、エリック・アイドル ほか
話題のS.スピルバーグ製作総指揮作品。にしてはストーリー構成の弱い腑抜けた感じがあるけど、子ども向けにはgood。
褒めるべきはキャストとCGのオバケと特撮だね。変幻自在、透明にもなるし、物質の通り抜けもOK。
そんなオバケたちの表情豊かなディズニー風の動きが見物。
キャストの中には、C.イーストウッドや、メル・ギブソンが突然現れたり、
ゴースト・バスターズの格好でD.エンクロイドがちょい役で出たりの大サービス。
でも!なんといってもわれらがE.アイドルが'95も元気に楽しく映画で演じているのがファンには泣くほど嬉しい
ディズニー系でJ.クリーズも出てるし、お互い負けられないよね、俳優としても。


■『ネル』(1994)

監督:マイケル・アプテッド 出演:ジョディ・フォスター、リーアム・ニーソン ほか
ジョディが舞台を観て惚れ込み、自ら製作にも初挑戦、主演して、オスカーにノミネートされた力の入った1作
1作毎に違った魅力を出して意欲的な彼女が、今作では製作者としても大きなステップを踏んだと言える。
「野生少年」の話は実話でトリュフォーも映画化しているが、マスコミで世界に知られ、研究された結果、
成果は得られないまま死亡してしまったらしい。

日増しに電化製品によって高速に便利になってゆく世の中に、現代人の心は自然回帰を求めていることを鋭く見抜いたテーマ。
ロケ地はどこだろう? こんなに自然が美しいこと、そして多様な情報を伝えるメディアがこれほど残酷になり得ることを忘れていた。
ジョディのどこまでもピュアな演技の美しさはいつまでも心に残るだろう。
「ネルはネル。小さな世界にいるけどひとり。誰の助けも要らない」
「ひとりだけの生活、どう思う? 狂ってしまうかい?」
「人生は々円をたどっているようなものね。他人と距離を置いて、傷つかないかわりに寂しいわ」
子守唄のようなネルの言葉が耳に残る。


■『ジャングル・ブック』(1994)
監督・脚本:スティーブン・ソマーズ 出演:ジェイソン・スコット・リー、リナ・ハーディ、ジョン・クリーズ ほか
こちらも自然回帰と保護を訴える子ども向け映画だけど、こーゆーのを観て育った世代には
コンピュータもイイけど、動物や緑をいたわる心も育んでいってもらいたいもの。
ディズニーにも同作アニメがあって、もとは少年少女向けの冒険物語らしいけど、
野性味あふれるリーを起用して、ターザンの現代版みたいなロマンス、カルチャーギャップ、
そしてかつてインドを占領していた英国軍の歴史も見逃せない。
そして!J.クリーズがアイドル同様、ますます元気に演技とボケをかましてくれてるのがサイコー

「僕は人間でも動物でもない。人のルールは意味もなく殺すことだ」
決闘を観戦する表情豊かな猿の撮影をはじめ、芸をするオラウータンやクマ、ゾウなどの
動物シーンは大変苦労がいるだろうけど、かえって悲しい思いがした。


■『イン・ザ・スープ』(1992)
監督:アレキサンダー・ロックウェル 出演:スティーヴ・ブシューミ、シーモア・カッセル ほか
いつか隣りのマドンナを天使として出演させる映画を撮りたい。構想と脚本はあるが金がない。
「大切なのは絆、信頼だ、いいロマンス映画をつくれよ」
こんな突拍子もない事が本当にロックウェルの身に起こったのかしら?
としたら今作は彼の映画作り最初の意気込み、序章であり、先ごろ話題を呼んだ『FOUR ROOMS』他、これからが楽しみ。
彼が言うところのルノワールの絵画みたいな映像というのが所々モノクロになったり、色が褪せた感じがまたイイ。
どう見ても異国っぽい雰囲気のブシューミ、カッセル、ジェニファ・ビールス(彼女が好んで出演するアートフィルムは好き)が適材適所。
「違った、新しい映画がとりたい」新鋭の一風変わったイマジネーションの世界を観てほしい。


■『終電車』(1980)
監督:フランソワ・トリュフォー 出演:カトリーヌ・ドヌーヴ、ジェラール・ドパルデュー ほか
「1942年9月パリ。仏は独に2年もの間、占領下にあり、占領区と非占領区が南北に分かれていた。
 占領区は11時以降外出禁止でパリ市民は終電車を逃すと大変だった。
 人々は食糧を買うのに列を作り、寒さのため劇場に出掛けた・・・」

2大スターの共演による単なる三角関係のロマンスだけでなく、仏の歴史を舞台に、
劇場と芝居に魅せられた人間の情熱と、レジスタンスの若者の活動も描いている、2時間が長く感じられない作品。
ドヌーヴに「映画に帰れ」というセリフはキツイ。事実、映画向きだもんね


■『巴里のアメリカ人』(1951)

監督:ヴィンセント・ミネリ 出演:ジーン・ケリー、レスリー・キャロン ほか
先日この世を去ったジーン・ケリーの最高傑作 これで栄華を誇ったMGMミュージカルを代表するダンスの名手である、
フレッド・アステアと2人共に天に召されてしまった。だが映画は永遠だ。
アステアの優雅で上品なステップと対照的な、ケリーのもろアメリカンって感じで、肉体派な躍動感溢れる
コミカルで、ディズニーアニメのような動きは、裸一貫から築き上げたキャリアという雰囲気。
力強さ、スピード、腕をダラリと下げてタップを踏む独特なスタイル、その完成された形が今作にある。

このストーリーを最初からダンスで物語ってゆくジェリーの17分にもおよぶ圧巻の空想シーン。
主に噴水を舞台にロートレックのカンカンのシーンが印象的。
色彩鮮やかにめまぐるしく変わる衣装とシーンの数々。ポスターにもあるノースリーブのドレスのリズと、
赤いチェックのジャケにカンカン帽のケリーのモダンバレイとダンスの融合が素晴らしい。
彼女を抱いて回っているうちに花束に変わるシーンなどは哀愁に泣ける。
ラストまで一気にセリフは一切なし。サイレントに戻ったようなすべてダンス、ダンス、ダンス
そして静かに階段を降りてゆく美しいロングショットで締められる。
他にもたくさんの歌と楽しいダンスシーンが詰まっている。
名曲を無数につくって世界中に愛されているガーシュインという人物も興味深い。


■『ミセス・ジュリーの不倫な関係』(1978)

監督:ハイ・エイヴァーバック 出演:シビル・シェパード、チャールズ・フランク ほか
とってもフシギだけど、シビルって人気モデルから女優になって、クールビューティを生かしたマドンナ役で
ぴったり合っているにも関わらず、とってもコメディも向いているんだな
『ワン・モア・タイム』や、大ヒットした『ブルームーン〜』でも、
高嶺の花に留まらず、自分に正直で、恋愛にしても、いかにもハンサムな
浅黒く日に焼けたヤンキータイプはインチキ臭いってゆっちゃうような役だし。
実生活では双子のママで、バリバリのキャリアウーアン。本当に憧れる素敵な女性

なんだか安っぽいモーテルなのが気になるけど、浮気現場のメッカらしくて
ちょっとした騒ぎで皆いっせいに逃げ出すシーンは笑える。
ノーメイクでもつややかな肌、長い金髪、ライトグリーンの瞳、シビルの完璧な美しさを見ているだけで満足。
年齢を重ねても美しさは変わらず、もっとコミカルで多彩な作品に出演してほしい。


■『イースター・パレード』(1948)

監督:チャールズ・ウォルターズ 出演:フレッド・アステア、ジュディ・ガーランド ほか
観た後は素晴らしく美しい夢から醒めた感じ。モノクロが主流だった、しかも戦後まもなくの今作に
触れた人々の驚きと感動はいかほどだったか想像できるようだ。
ダンスのキングとクイーン、アステア、ガーランド、アン・ミラーという豪華な顔ぶれ
とにかく目を見張る美しい衣装、セット、ダンスのコンビネーション。
主役の2人とももうこの世にいないのがフシギな気がする。
自由で豊かなアメリカを象徴するMGMミュージカルとスターたちは幻だったんだろうか?

最初J.ケリーを予定していたというエピソードは有名。
おもちゃ屋のくだり等、ケリーが演ったらどうなっていたかなどと想像するのも楽しいが、
リッチなスターダンサーという設定はアステア向き。どこまでも繊細で上品な動きの1つ1つ、
甘いマスクと歌声はまさにアステアだけのone & only な魅力

田舎から出てきたっていうジュディのコミカルな演技が初々しい。
♪雨の日は恋におちやすい って歌がgood。
顔を浅黒く塗ったアステアがスローモーションの特撮でモダンなダンスを披露するシーンには当時の観客はビックリしたろうね。
その上品な2人が歯を黒く塗って浮浪者になり♪大通りを歩いていこう と歌い踊るシーンも楽しい
いつもお客を逃しちゃうフランス料理店長のくだりもgood。

グラビア美人が勢ぞろいしたシーンも圧巻だが、アン・ミラーの白から赤のグラデーションのドレスと
色香があふれんばかりの魅力も見どころのひとつ。
子役のイメージが強く、ギャップに苦しんだというジュディのプライベートと重なる部分もあって感慨深い。
彼女の感情豊かな歌声と魅力は永遠にスクリーンと人々の心の中に生き続けるに違いない。


■『ファニー・ボーン』(1994)
監督:ピーター・チェルサム 出演:オリバー・ブラット ほか
フシギな映画。
詰まるところストーリーは単純かもしれないけど、いろんな要素が予想もつかないところに割り込んできては消えてゆく。
つまり、人を笑わせることって難しくって、それを職業にしてるって皆命懸けてるんだよね。
喜劇王ジェリー・ルイスがどこに出ていたか分からなかったけど、たぶん芸を披露している出演者は全員現役。
兄弟のエキセントリックな芸はもっともっと見てみたいし、特にトム・ウェイツにソックリなジャック役の
「ラジオ」って芸は本物で、可笑しい。彼の狂気と天才芸で2時間引っ張ってる感じ。
ブルース系の音楽の使い方もイケル

死体置き場から死体を盗んでマジで遊んでる感覚が怖い。そこまでやらなきゃダメなのかって感じ。
「本当に醜く、痛みを伴わなければ笑いはとれないと知ってしまった」
ベガスのネオンにグルーチョの顔も見えるから、きっとスラップスティックの大ファンなんだろうね、監督は。
♪英国人は昼間愛してくれない なんてドギツイ歌もあり、オバケ屋敷で死体とピッタリ治まっている兄弟に
ギャーと怖がるシーン、独特の間のとり方で今までになかったタイプ。
「コメディアンには体で笑わせる者と、ジョークで笑わせる者がいる」


■『エド・ウッド』(1994)
監督:ティム・バートン 出演:ジョニー・デップ、マーティン・ランドー ほか
R.コーマン、A.ウォーホルほかB級映画監督は数多けれど、これを観るかぎり彼の作品はスゴそうだ。
これだけ多種多様の娯楽大作があふれている中で、こうして伝記映画や伝記小説がヒットして、
リバイバル・ビデオまで出て注目されているのにはワケがありそう。
それだけ現代の若者にマニアックなものに対する興味と余裕があるってことなのかな。
ノリノリのジョニデが一皮むけた軽く爽やか演技なのに対して、
オスカーをとったらしいランドーのベテランの重みが見どころ。

E.ウッドそのものより、この2人の年齢を超えて映画を愛する友情物語。
全篇モノクロでハリウッドの看板からズゥーーーっと街並みへカメラを引くあたりも凝ってて
往年の恐怖映画の興奮が感じられる。でも結局'78に54歳で亡くなったのね。
今頃有名になってもちょっと遅いけど、1本くらいは実際の作品を観てみたい気もする。
このチャチさで世界に通用するって信じてたってことのほうがスゴイかもしれない。
4日間の撮影で撮り直しもなく「Perfect」て言い切っちゃうんだもの。


■『裸の銃を持つ男』(1988)

監督:デビッド・ザッカー 出演:レスリー・ニールセン ほか
大人気シリーズとなったコメディ第1弾。現在も着々と続編が撮られていて、
久々スッコーンと抜けたナンセンスパロディって感じ
とにかく理屈なんか要らない、面白けりゃイイじゃんって根性がイイ。
しかし、今裁判真っ最中のO.J.シンプソンが思いっきりマヌケな演技していてビックリ。
ところでnaked gun てどんな意味なんだろね?


■『裸のガンを持つ男21/2』(1991)
監督・脚本:デビッド・ザッカー 出演:レスリー・ニールセン、プリシラ・プレスリー、ジョージ・ケネディ ほか
こちらが同スタッフで撮り上げた第2弾。1作目のパロまで丁寧に入れてもらっちゃって・・・
どことなくP.セラーズのPPほか数々のギャグと同じ香り。こうしてコメディも代々受け継がれてゆくんだな。
「セリフ一行の出演者たち」「スタッフお気に入りのエキストラ」の紹介まである芸の細かさ
フウ・・・1本にこれだけギャグを詰め込むのも大変だろうね。

(ギャグを全部メモったのか?ってほど記録してる自分にも感心してしまったw


■『読書する女』(1988)

原作:レイモン・ジャン 監督:ミシェル・ドビル
出演:ミュウミュウ、マリア・カザレス、パトリック・シェネ ほか
さすが芸術の都フランスの作品、奥が深い。単純明快なストーリー重視の映画に慣れてると
斬新な構成と感覚に映画の本当の素晴らしさを改めてしみじみ思い出させてくれる。
映画も読書も恋愛も人の心を大きく豊かに育ててくれるものなのね。

「戦争と平和」や、なんて題だったか、ヒロインが暗誦した著書は面白い。
「なぜ職業にしたのか?」「人と話すため。好きな言葉を分かち合いたいから」
とっても私的で描写的だけど奥深い仕事だ。
仏映のセリフは時に難解なパズルみたいで好意なのか悪意なのかまるで分からない。

盲目の友人に読んだ本はまたこよない美しさ。
「僕は歩けるが海の美しさが見えない。僕は見えるが海にいけない。2人は初めて理解し合い暗い海に入っていった」
「私は朗読家になる。世の中には本を読めない人がたくさんいるもの」
たった1.5時間の中に素晴らしい書物への愛情があふれている
書物の多くは人と人との愛情について書かれたものだった。


追。
1995.12.5 パソナに登録したって書いてあって、初仕事の様子も書いてあった。

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