過去のノートにある映画感想メモシリーズ。
part2からのつづき。
若かりし頃のメモなので、不適切な表現、勘違い等はお詫び申し上げます/謝罪
なお、あらすじはなるべく省略しています。
■『セリア』(1988)
監督:アン・ターナー 出演:レベッカ・スマート ほか
子どものイノセントな視点による世界では、全てがおとぎ話のつづきみたいだ。
父が隣りのアリスに言い寄ったり、普通にちょっと考えると怖いかもしれない出来事も
あっさりと描く女流監督の切り口の鋭さは『PAPER HOUSE』と同様に佳作。
セリア役のレベッカが、トム・ソーヤーの女の子版のように活発でスカッとする演技。
理不尽なリーダーの写真の顔を青く塗るなんてセンスある。
子どもの意見だってバカにできない。
■『ドリーム・チャイルド』(1985)
監督:ギャビン・ミラー 出演:コーラル・ブラウン、イアン・ホルム ほか
現代も年齢に関わりなく、その不可思議なストーリーと美しい挿絵で世界中に愛されている童話、
『不思議の国のアリス』が基。フシギと完全な映画化はされていなかった。
NYの「ルイス・キャロル生誕百年パーティ」に招かれたアリス。
彼女が思い出す幼き頃と、ドジソンの思い出、そして“ティーパーティー”や悲しむウミガメ、
イモムシ等の童話キャラクターと、10歳のアリス、老いた彼女の世話をする孤児ルーシーと、
米記者の若き恋も交えて、ちょっと違った角度から描いている。'30代の雰囲気がイイ。
キャロル役のI.ホルム、幼いアリス役のA.シャンクリーもさることながら、
英国女性らしい厳格さとユーモアにあふれた'80代のアリスを演じたコーラルが素晴らしい。
原作を再読し、天才童話作家のプライベートな部分も知りたくなった。
■『浴室』(1988)
原作:ジャン・フィリップ・トゥーサン 監督:ジョン・ルボフ
出演:トム・ノバンブル、グニラ・カールセン ほか
バスルームの居心地の良さに、そこに居坐ることになるまでの過程ではなく、
その「平穏な日々を危険にさらす」必要を感じて外に出てからの話。
“浴室世代〜サル・ド・バン・ジェネレーション”なんて言葉を生み出したほどフランスの若者の心をつかんだ作品。
きっと原作本のほうが面白いと思う。先に映画を観たのはまずかった。
小説「シルシー」を映画化したようなものだもの。
主人公の男がどうやらかつて有名なテニスプレーヤーらしい設定が面白い。
フランス人プレーヤーがなかなかトップ10に入らないのは何事にも観念的思考が入り込んでくる国民気質のせいか?
あんな様子ではとてもワールドツアーしていくことは出来なそう。
「この街は1年に3ミリずつ沈んでいる。だから(階段から飛び降りる遊びを)一緒にやろうヨ」その気持ちも分かる。
超シンプルで非人間的で、無機質。パスカルの言葉にキーがありそう。忘れちゃったけど。
同作者の『ムッシュー』も気になる。
■『五月のミル』(1989)
監督・脚本:ルイ・マル 出演:ミシェル・ピコリ、ミシェル・デュショソワ、ミュウミュウ ほか
先ごろ世を去った名匠ルイ・マル作品。人間臭さプンプン漂うピコリを中心に
母の葬儀で久々集まったブルジョア家族の様子をフランス五月革命('68)を交えて描いた。
人の持つ暗い部分、明るい部分をちょうどよく引き出していて、遊びのジョークもイイ。
孫娘が祖母に「地獄に行ったらウインクして」と囁いたり、
開いた口に土が入るからと一生懸命閉じようとする、その足元を覗くミル。「数年後が楽しみだ」
クレールがレズビアンで女友だちとアランの仲を嫉妬し「邪魔かしら?」「いや、なぜ?」「邪魔者だから」
ピルやらの事をいちいち子どもが聞いたり、それぞれ秘密の関係があったり、
「3人も子がいて、料理してばっかり」とカミーユがキレちゃったり
こーゆー家族いるよなあ。さすがルイ・マル。
■『SF/ボディ・スナッチャー』(1978)
監督:フィリップ・カウフマン 出演:ドナルド・サザランド、ブルック・アダムス、ジェフ・ゴールドブラム、レナード・ニモイ ほか
まさにSFの真髄。原題は体がすり替わる何者かの侵略ってとこかな。
何度もリメイクされた3作のうちの2作目。適材適所のキャストが豪華。
ニモイがフツーの人でドラマやっているのは珍しいと思ったら、やっぱり宇宙人だったw
効果音もバツグン。特殊メイクや鞘から花びらと複製人間が出てくるリアルな映像は『エイリアン』も真っ青!
別の惑星の寄生植物が雨と混ざって降ってきて、他の植物に寄生する前フリも効果的。
臭いをかいだか、根から養分となるDNAを吸われたか原因は不明だけど、
本人が眠る間に鞘から複製人間が生まれてすり替わっちゃう恐い話。
感情がないから愛や憎しみ、個人的欲望もなくなればきっと平和になるだろうけど、やっぱりそれじゃ植物と同じで人間じゃないな。
エゴで汚れた世界。自分が自分でなくなって『カメレオンマン』のゼリグみたく、
周りに溶け込まざるを得ない現代人の社会からの疎外感すら訴えているような作品。
D.サザランドだからなおさらキョーレツなラスト。
こんなに増えて、地球を乗っ取ったら、その後どうしようってのか?
それは本能で別の惑星の侵略に取り掛かるのか。誰かさんみたいに。
■『カストラート』(1994)
監督:ジェラール・コルビオ 出演:ステファノ・ディオニジ ほか
兄弟2人の俳優はもちろん、脇を固める『MINA』の女優に、『妻への手紙』の女優、
そして忘れてならないのは天使のような病弱の少年。
体中を補強の鎧に包まれながら、少年とは思えない苦痛と慈愛を知っている。
この美しい少年、そしてカルロの声を演じたソプラノ歌手、彼女なしにはクラシックの美しい感動は得られない。
ファリネリは実在の人物?この中世の時代にこれだけ高尚な音楽が存在し、人々が楽しんでいたなんて
ロックンロール世代の私たちには到底想像しがたい世界。クラシック音楽とは一体何なんだろう!?
そこに命はおろか魂まで売り渡した音楽家、それを描き上げた映画を観る私たちのなんとも不可思議な感動!
フランスだろうか、広々とどこまでも続く5月の暖かな、自由な、草原のような丘々を
馬であてもなく駆けてゆく姿を追うカメラワークが素晴らしい。
「お前に与えられなかった平凡な生活を返そう」
■『Life on the Ege』(1989)
監督:トム・バーマン 出演:ジュリエット・ルイス ほか
今までかつてこんなに下品で不潔で汚い映画があったろうか 前頁作品との2本立ては、キョーレツなチョイス。
この監督、今作が初作らしく『キャプテンE.O』てのを撮ってヒットしたらしいけど、
どうにも食後には決してオススメできない。今やアイドルスターのルイスが出演しているのにはビックリ!
とってもunusualだけど、これが私たちのいう進化した文明社会をデフォルメしてるって意見を否定はできないから怖い・・・
オーブンで背中を焼かれて、顔もドロドロのフレディみたくなって、ナイフを刺されても死なないオヤジはスゴイ(こんな役楽しい?!
「暴力で解決しない。何事にもタイミングが肝心だ」と教えも受け、ちゃんと昇進したお父さん。
妙なほど戦時中のアメリカの理想的な家族の図を守り抜いている根性がエライ。
■『キートンのエキストラ』(1930)
監督:エドワード・セジウィック 出演:バスター・キートン、アニタ・ペイジ ほか
キートンが喋った歌った踊ったなんという驚き。ミュージカル映画で一世を風靡したMGMの力はスゴイ。
バスターがMGMと契約を交わし、初めて出演したトーキー映画。
とにかく当時はフィルムから音が出るだけで大喝采の時代。出る人、出る人、みんな歌って踊らなきゃならなかった。
サイレントの王様もさぞかし困惑・混乱・工夫して苦労したに違いない。
美しい踊り娘にバスターが歌と踊りを教えるシーン♪Free and Easy は注目。
同じステップの繰り返しながら結構さまになってる。
サイレント時代の作品にあったシュールさはないのが寂しいけど、最初の緊張感の中では上手くやってるって感じかな。
ドタバタのスラップスティックも残して、トーキーとなるとドラマ性が強くなるし、言葉で笑わせなきゃならない。
何か面白いことを言わせなきゃって力みがある。野太く渋い声はバスターらしいとしても、
やっぱり、放り出された後みたいな表情と仕草のはかなくコミカルな美しさはサイレントに生きてるって思っちゃうのはファンの僻みか。
■『クール・ランニング』(1993)
監督:ジョン・タートルトーブ 出演:リオン、ダグ・E・ダグ ほか
やっぱりジャケットのうたい文句より観た人の評判のほうが信用できる。知人のオススメ。
新作の時から気にはなってたけど、今回が初見。W.ディズニー製作。
ノリノリのレゲエに乗って、常夏のジャマイカンムードを満喫
でも彼らが活躍するのは氷点下25℃のカナダ、カルガリー冬季オリンピック
実際にボブスレーに出場したジャマイカチームの実話に基づいて撮った作品だってゆうからさらにビックリ。
ブラックムーヴィブームが高まる中、こんなに楽しくて泣ける、感動のコメディ映画がいっぱいできればいいね。
■『ブルックリン横丁』(1945)
原作:ベティ・スミス 監督:エリア・カザン
出演:ドロシー・マクガイヤー、ジェイムズ・ダン ほか
長編小説を1冊読み終えた感じ。『若草物語』や『にんじん』みたいな家族のあったかさを思い出させてくれるような
バイオレンスに性描写が日増しに過熱しているハリウッド映画に慣れて荒んだ感情を柔らかく解きほぐして心が洗われる逸品。
原作も読みたい。50年も前のモノクロながら、訴えかけてくる映像と美しいメッセージは決して色褪せることはない。
デートを申し込まれたフランシーが弟に「私キレイ?」「まあまあだよ」「優しいのね」「よせよ気味悪い」なんて何気ない会話もイイ。
「何かにさよならを告げたみたいで寂しい気がする」
いろんな思い出をいっぱい作って、厳しい現実と向き合いながら大人になっていくことを楽しいと感じられるなら素敵だよね。
part2からのつづき。
若かりし頃のメモなので、不適切な表現、勘違い等はお詫び申し上げます/謝罪
なお、あらすじはなるべく省略しています。
■『セリア』(1988)
監督:アン・ターナー 出演:レベッカ・スマート ほか
子どものイノセントな視点による世界では、全てがおとぎ話のつづきみたいだ。
父が隣りのアリスに言い寄ったり、普通にちょっと考えると怖いかもしれない出来事も
あっさりと描く女流監督の切り口の鋭さは『PAPER HOUSE』と同様に佳作。
セリア役のレベッカが、トム・ソーヤーの女の子版のように活発でスカッとする演技。
理不尽なリーダーの写真の顔を青く塗るなんてセンスある。
子どもの意見だってバカにできない。
■『ドリーム・チャイルド』(1985)
監督:ギャビン・ミラー 出演:コーラル・ブラウン、イアン・ホルム ほか
現代も年齢に関わりなく、その不可思議なストーリーと美しい挿絵で世界中に愛されている童話、
『不思議の国のアリス』が基。フシギと完全な映画化はされていなかった。
NYの「ルイス・キャロル生誕百年パーティ」に招かれたアリス。
彼女が思い出す幼き頃と、ドジソンの思い出、そして“ティーパーティー”や悲しむウミガメ、
イモムシ等の童話キャラクターと、10歳のアリス、老いた彼女の世話をする孤児ルーシーと、
米記者の若き恋も交えて、ちょっと違った角度から描いている。'30代の雰囲気がイイ。
キャロル役のI.ホルム、幼いアリス役のA.シャンクリーもさることながら、
英国女性らしい厳格さとユーモアにあふれた'80代のアリスを演じたコーラルが素晴らしい。
原作を再読し、天才童話作家のプライベートな部分も知りたくなった。
■『浴室』(1988)
原作:ジャン・フィリップ・トゥーサン 監督:ジョン・ルボフ
出演:トム・ノバンブル、グニラ・カールセン ほか
バスルームの居心地の良さに、そこに居坐ることになるまでの過程ではなく、
その「平穏な日々を危険にさらす」必要を感じて外に出てからの話。
“浴室世代〜サル・ド・バン・ジェネレーション”なんて言葉を生み出したほどフランスの若者の心をつかんだ作品。
きっと原作本のほうが面白いと思う。先に映画を観たのはまずかった。
小説「シルシー」を映画化したようなものだもの。
主人公の男がどうやらかつて有名なテニスプレーヤーらしい設定が面白い。
フランス人プレーヤーがなかなかトップ10に入らないのは何事にも観念的思考が入り込んでくる国民気質のせいか?
あんな様子ではとてもワールドツアーしていくことは出来なそう。
「この街は1年に3ミリずつ沈んでいる。だから(階段から飛び降りる遊びを)一緒にやろうヨ」その気持ちも分かる。
超シンプルで非人間的で、無機質。パスカルの言葉にキーがありそう。忘れちゃったけど。
同作者の『ムッシュー』も気になる。
■『五月のミル』(1989)
監督・脚本:ルイ・マル 出演:ミシェル・ピコリ、ミシェル・デュショソワ、ミュウミュウ ほか
先ごろ世を去った名匠ルイ・マル作品。人間臭さプンプン漂うピコリを中心に
母の葬儀で久々集まったブルジョア家族の様子をフランス五月革命('68)を交えて描いた。
人の持つ暗い部分、明るい部分をちょうどよく引き出していて、遊びのジョークもイイ。
孫娘が祖母に「地獄に行ったらウインクして」と囁いたり、
開いた口に土が入るからと一生懸命閉じようとする、その足元を覗くミル。「数年後が楽しみだ」
クレールがレズビアンで女友だちとアランの仲を嫉妬し「邪魔かしら?」「いや、なぜ?」「邪魔者だから」
ピルやらの事をいちいち子どもが聞いたり、それぞれ秘密の関係があったり、
「3人も子がいて、料理してばっかり」とカミーユがキレちゃったり
こーゆー家族いるよなあ。さすがルイ・マル。
■『SF/ボディ・スナッチャー』(1978)
監督:フィリップ・カウフマン 出演:ドナルド・サザランド、ブルック・アダムス、ジェフ・ゴールドブラム、レナード・ニモイ ほか
まさにSFの真髄。原題は体がすり替わる何者かの侵略ってとこかな。
何度もリメイクされた3作のうちの2作目。適材適所のキャストが豪華。
ニモイがフツーの人でドラマやっているのは珍しいと思ったら、やっぱり宇宙人だったw
効果音もバツグン。特殊メイクや鞘から花びらと複製人間が出てくるリアルな映像は『エイリアン』も真っ青!
別の惑星の寄生植物が雨と混ざって降ってきて、他の植物に寄生する前フリも効果的。
臭いをかいだか、根から養分となるDNAを吸われたか原因は不明だけど、
本人が眠る間に鞘から複製人間が生まれてすり替わっちゃう恐い話。
感情がないから愛や憎しみ、個人的欲望もなくなればきっと平和になるだろうけど、やっぱりそれじゃ植物と同じで人間じゃないな。
エゴで汚れた世界。自分が自分でなくなって『カメレオンマン』のゼリグみたく、
周りに溶け込まざるを得ない現代人の社会からの疎外感すら訴えているような作品。
D.サザランドだからなおさらキョーレツなラスト。
こんなに増えて、地球を乗っ取ったら、その後どうしようってのか?
それは本能で別の惑星の侵略に取り掛かるのか。誰かさんみたいに。
■『カストラート』(1994)
監督:ジェラール・コルビオ 出演:ステファノ・ディオニジ ほか
兄弟2人の俳優はもちろん、脇を固める『MINA』の女優に、『妻への手紙』の女優、
そして忘れてならないのは天使のような病弱の少年。
体中を補強の鎧に包まれながら、少年とは思えない苦痛と慈愛を知っている。
この美しい少年、そしてカルロの声を演じたソプラノ歌手、彼女なしにはクラシックの美しい感動は得られない。
ファリネリは実在の人物?この中世の時代にこれだけ高尚な音楽が存在し、人々が楽しんでいたなんて
ロックンロール世代の私たちには到底想像しがたい世界。クラシック音楽とは一体何なんだろう!?
そこに命はおろか魂まで売り渡した音楽家、それを描き上げた映画を観る私たちのなんとも不可思議な感動!
フランスだろうか、広々とどこまでも続く5月の暖かな、自由な、草原のような丘々を
馬であてもなく駆けてゆく姿を追うカメラワークが素晴らしい。
「お前に与えられなかった平凡な生活を返そう」
■『Life on the Ege』(1989)
監督:トム・バーマン 出演:ジュリエット・ルイス ほか
今までかつてこんなに下品で不潔で汚い映画があったろうか 前頁作品との2本立ては、キョーレツなチョイス。
この監督、今作が初作らしく『キャプテンE.O』てのを撮ってヒットしたらしいけど、
どうにも食後には決してオススメできない。今やアイドルスターのルイスが出演しているのにはビックリ!
とってもunusualだけど、これが私たちのいう進化した文明社会をデフォルメしてるって意見を否定はできないから怖い・・・
オーブンで背中を焼かれて、顔もドロドロのフレディみたくなって、ナイフを刺されても死なないオヤジはスゴイ(こんな役楽しい?!
「暴力で解決しない。何事にもタイミングが肝心だ」と教えも受け、ちゃんと昇進したお父さん。
妙なほど戦時中のアメリカの理想的な家族の図を守り抜いている根性がエライ。
■『キートンのエキストラ』(1930)
監督:エドワード・セジウィック 出演:バスター・キートン、アニタ・ペイジ ほか
キートンが喋った歌った踊ったなんという驚き。ミュージカル映画で一世を風靡したMGMの力はスゴイ。
バスターがMGMと契約を交わし、初めて出演したトーキー映画。
とにかく当時はフィルムから音が出るだけで大喝采の時代。出る人、出る人、みんな歌って踊らなきゃならなかった。
サイレントの王様もさぞかし困惑・混乱・工夫して苦労したに違いない。
美しい踊り娘にバスターが歌と踊りを教えるシーン♪Free and Easy は注目。
同じステップの繰り返しながら結構さまになってる。
サイレント時代の作品にあったシュールさはないのが寂しいけど、最初の緊張感の中では上手くやってるって感じかな。
ドタバタのスラップスティックも残して、トーキーとなるとドラマ性が強くなるし、言葉で笑わせなきゃならない。
何か面白いことを言わせなきゃって力みがある。野太く渋い声はバスターらしいとしても、
やっぱり、放り出された後みたいな表情と仕草のはかなくコミカルな美しさはサイレントに生きてるって思っちゃうのはファンの僻みか。
■『クール・ランニング』(1993)
監督:ジョン・タートルトーブ 出演:リオン、ダグ・E・ダグ ほか
やっぱりジャケットのうたい文句より観た人の評判のほうが信用できる。知人のオススメ。
新作の時から気にはなってたけど、今回が初見。W.ディズニー製作。
ノリノリのレゲエに乗って、常夏のジャマイカンムードを満喫
でも彼らが活躍するのは氷点下25℃のカナダ、カルガリー冬季オリンピック
実際にボブスレーに出場したジャマイカチームの実話に基づいて撮った作品だってゆうからさらにビックリ。
ブラックムーヴィブームが高まる中、こんなに楽しくて泣ける、感動のコメディ映画がいっぱいできればいいね。
■『ブルックリン横丁』(1945)
原作:ベティ・スミス 監督:エリア・カザン
出演:ドロシー・マクガイヤー、ジェイムズ・ダン ほか
長編小説を1冊読み終えた感じ。『若草物語』や『にんじん』みたいな家族のあったかさを思い出させてくれるような
バイオレンスに性描写が日増しに過熱しているハリウッド映画に慣れて荒んだ感情を柔らかく解きほぐして心が洗われる逸品。
原作も読みたい。50年も前のモノクロながら、訴えかけてくる映像と美しいメッセージは決して色褪せることはない。
デートを申し込まれたフランシーが弟に「私キレイ?」「まあまあだよ」「優しいのね」「よせよ気味悪い」なんて何気ない会話もイイ。
「何かにさよならを告げたみたいで寂しい気がする」
いろんな思い出をいっぱい作って、厳しい現実と向き合いながら大人になっていくことを楽しいと感じられるなら素敵だよね。