■『新社会科学習事典7 総合的な学習に役立つ 政治と国際理解を調べよう』(国土社)
菊地家達/著
改めて学んでみようシリーズ。今回は、国のなりたち、国際協力について。
それぞれの意味が短く、すっきり、分かりやすくまとめてあって、図解も的確で見やすい。
【内容抜粋メモ】
地球には約60億人が住んでいて、191の独立国(2001年現在)に分かれて暮らしている。
**************************国家
国家=領土・主権・国民の3つの要素から成り立っている。
元首=国の長として、国家を代表する人。日本は誰が元首かハッキリしていない。
君主制=君主(国王)を元首とする国の制度。
立憲君主国=君主国のうち、憲法に従って政治をしている国。
共和制=国民の代表者が国家の元首で、主権が国民にある国。
日の丸=日本の国旗。いつからそうなったかは、正確には分からない。
君が代=日本の国家。歌詞は『古今和歌集』巻7の読み人不詳がもと。曲は1870年、フェントンというイギリス人の作曲がもと。
明治憲法=プロシア(現ドイツ)の憲法を手本にしている。天皇中心の憲法だった。
日本国憲法=国民主権、基本的人権、平和主義が3つの大きな特色。
主権=国を治める最高の権力。統治権。
国民主権=国を治める最高の権力が国民にある。
基本的人権=ヒトがヒトとして生まれながら持っている大切な権利。
・平等権
・自由権
・生存権
・参政権=選挙権・被選挙権
・請求権
国民の義務
・教育を受けさせる義務
・働く義務
・税金を納める義務
平和主義
日本は外国に対し永久に戦争はしかけない。そのためには、戦争に利用されるような武力はいっさい持たない。(日本国憲法第9条)
これは、どこの国にもない、はっきりした規定。
第二次世界大戦後、民主主義の国としてスタートした日本は、軍隊を持たない国となった。
「自衛権」の発動は、外国から侵害された場合にのみ、と限定されている。
**************************政治
民主主義=ヒトの自由と平等を尊重する主義。
民主政治=「人民の、人民による、人民のための政治」(リンカーン大統領)
「そもそも国政は、国民の厳粛な信託によるものであって、その権利は国民に由来し、
その権力は国民の代表者がこれを行使し、その福利は国民がこれを享受する」(日本国憲法前文)
専制政治=1人の支配者が国のすべての権力を握って政治をするやり方。
独裁政治=ある個人、団体、階級が、少数の考えで政治を行うこと。ドイツのヒットラーが有名。
三権分立=政治を、それぞれの独立した仕組みとして、国会・内閣・裁判所に分けたもの。
・立法権
・行政権
・司法権=司法権を持つのは、裁判所だけ。
公共事業=人々が、社会生活を楽しくよりよいものにするために、国や地方公共団体が行う事業のこと。
公共施設=だれでも自由に使用できる場所・建物のこと。その費用のほとんどは税金。
**************************国会
国会=国の議会のこと。国会議員(国民によって選挙された代表者)が国の重要な事柄を決めている。
・法律をつくる。改める。
・予算を決める。正しく使われたかを調べる=決算
・内閣総理大臣を決める。ふつうは衆議院に多数の議員を持っている政党の党首が選ばれて、天皇が任命する。
・内閣不信任案を決める。
・裁判官をやめさせる。
・条約をみとめる。
二院制=衆議院と参議院。任期、人数、権限等に差を設けて充分に相談する。
衆議院
任期が短く、解散もあるため、国民の考えを代表していると考えられ、憲法では重くみている。
参議院
衆議院の審議や議決をチェックする任務を持っている。
両院議員総会
両院の議決が食い違った場合、両院から代表者がでて相談する。
それでもまとまらない時は、もう一度衆議院で相談し、2/3以上の賛成があれば通る。
通常国会=12月上旬から150日の会期で開かれる。
臨時国会=内閣が必要と思う時、そのつど開く。
特別国会=総選挙後、30日以内に内閣総理大臣を決める時に開かれる。
本会議・委員会=約20の委員会があり、議員は必ずどれかに所属している。
公聴会=学者・専門家・国民の意見を直接聞く場。
社会の進歩・発展によって、新たな問題が増え、国会で扱う範囲が広くなった。
常任委員会=衆議院に18、参議院に16が常設。
特別委員会=例:9.11後のテロ対策特別委員会が設置され、自衛隊が海外に派遣された。
**************************内閣
内閣=内閣総理大臣+国務大臣で構成。立法・司法以外はすべて内閣の仕事。
内閣総理大臣=国務大臣の任命・解任など。
国務大臣=内閣を構成している大臣。それぞれの行政官庁の責任者。無任所大臣もいる。
天皇=国の象徴。天皇の仕事の責任は内閣にあり、実際の政治とは関係ない立場。
行政官庁=行政の仕事をする役所。中央行政官庁、地方行政官庁、独立行政官庁。
独立行政官庁=独立して事務を行う。人事院、会計検査院など。
1999年 それまでの1府21省庁から大きく改革された。
2001年 1府12省庁制になり、より分かりやすく、ムダを減らした。
内閣府を追加し、国土交通省、総務省ができた。
副大臣=2001年の改編で決められた。大臣を補佐する。
内閣官房=閣議事項の整理、伝達、各省庁間の意見の調整などをしている。
官房長官=これらの仕事の統括者。
**************************選挙
普通選挙=制限なく誰でも平等に行われる選挙。
参政権=国民が政治に参加できる権利。
有権者=選挙権を持っているヒト。
選挙権=選挙することのできる権利。
被選挙権=選挙に立候補する権利。
公職選挙法=1945年にできた法律。20歳以上の男女に選挙権が与えられた。
選挙管理委員会
・中央選挙管理委員会
・都道府県選挙管理委員会
・市区町村選挙管理委員会
選挙制度=選挙区、議員定数、選挙のやり方などを定めた制度。
選挙区=大・中・小選挙区がある。
直接選挙=直接選ぶ。
間接選挙=選挙した選挙人を通じて選ぶ。
小選挙区比例代表並立制=1994年に約70年ぶりに改められた選挙制度。
小選挙区制=1つの選挙区から1位の議員を選ぶ。
比例代表制=2000年の改正で、非拘束名簿方式に改められた。
1.投票は、候補者個人名や政党名を選ぶ。
2.政党の獲得議席は、政党名と個人名の票数の合計に応じて比例配分する。
3.各政党の当選者は、個人名の得票数が多い順とする。
**************************政党
政党=政治上、同じ考えを持つ人々の集まり。
イギリスで17C頃から発達した。保守党・労働党がある。
アメリカは、共和党・民主党の二大政党。
政党政治=議会で多数の議員を持つ政党が行う政治。
与党=内閣に大臣を送っている政党。
野党=反対の政党。
保守政党=これまでのやり方で守ろうとする政党。自由民主党など。
革新政党=これまでの政治を改め、新しい社会を作ろうとする政党。
政策=政治のやり方。
**************************世論
世論=大勢のヒトの考え。政治は世論を反映して行われる。
世論調査=できるだけ大勢の考えを調べる社会調査のひとつ。回答方法としては、ペーパーによる記述など。
内閣支持率、政党支持率などは、とくに重要な項目。
内閣支持率=発足の頃は高く、終わりに近づくにつれて低下し、内閣が変わるという道筋が多い。
世論とマスコミ:マスコミの強い影響を受けて、世論が形成される。
日本国憲法は改正できるか?
「社会の変化に応じて改正するべき」
「第二次世界大戦後に、占領軍から押し付けられたものだ」
「世界に誇れる憲法を大切にすべき」などいろいろな意見がある。
2000年 衆議院・参議院に憲法調査会が設置された。
**************************裁判所
・簡易裁判所=全国448の市町にあり、軽い事件などを1人の裁判官で裁判する。
・家庭裁判所=家庭内のもめごと、14〜20歳までの罪。地方裁判所のところにある。
・地方裁判所=各都道府県庁所在地にある。
・高等裁判所=8ヶ所にある。地方裁判所、簡易裁判所、家庭裁判所などでの裁決に不満がある場合。
・最高裁判所=東京に1つだけ。長官1人+14人の裁判官で構成。「憲法の番人」と呼ばれる。
民事裁判
刑事裁判
**************************地方政治
それまでの「中央集権の政治」「官僚政治」が取りやめられ、地方自治が憲法で決められている。
リコール=住民の1/3以上の署名で議会、知事、市区町村長らを辞めさせるよう要求できる権利。
地方議会の解散請求権=リコールと同じ手続きで、議会を解散するよう要求できる権利。
請願権=学校を建ててほしいなど、議会、知事、市区町村長に頼む権利。
条例制定改廃請求権=条例を決めたり、改めたりするよう要求できる権利。
条例=地方議会の議決をへて制定するきまり。
地方公共団体=都道府県・市区町村のことをまとめて呼ぶ。地方自治体。地方公共団体と、23区のような特別地方公共団体がある。
地方自治法=地方公共団体の仕組み・運営の法律。
都道府県知事は、ある程度政府の指図や監督を受ける。
地方議会=地方公共団体の議会のこと。一院制。任期4年。定例議会・臨時議会がある。
・条例をつくる。
・予算を決める。
・知事、市町などの仕事の監督
委員会制度=できるだけ住民の意見を地方政治に生かすため、知事や市区町村長の命令に従わず、独立した役目を持つ。
政令指定都市=政府が決めて、指定した都市。定められた条件に合う100万人以上の大都市。都道府県なみの権利をもつ。
統一地方選挙=都道府県・市区町村の長・議員を同じ日に選挙する。
地方分権=今まで国がおさえていた権利や財源を、地方に少しずつ移すこと。
県のしくみ
市のしくみ
収用委員会=公共事業に必要な土地を民間から買い上げる時の世話をする。
知事=都道府県の政治を実行する最高責任者。
出納長=国の財務大臣にあたる。副知事と並び重要な役目。
都道府県庁=都道府県の政治を実行する役所。
市町村長=市町村の政治を実行する最高責任者。
市役所・町村役場=市町村の政治を実行する役所。
**************************税金
税金=国、都道府県、市区町村に納めるお金。国税・地方税がある。
国税=国に納める税金。
・所得税
・法人税
・相続税
・消費税
・酒税
・きはつ油税
・入場税
・関税
地方税
・都道府県税
・市区町村税
直接税=収入に対してかける税金。例:所得税、法人税
間接税=たばこ、酒、映画館の入場料などに含まれる税金。
**************************予算
国・地方公共団体が、1年間に必要な費用の見積もりをたてる。
歳入=毎年4/1〜翌年3/31までの1年間の収入。
歳出=毎年4/1〜翌年3/31までの1年間の支出。
予算案を国会に提出→審議、修正→承認
一般会計予算=基本的な仕事をまかなう。予算というとふつうこれをさす。
特別会計予算=一般会計とは別に設けられた予算。
補正予算=国会で決まった後、変更が生じた時、再度、国会で審議される予算。
暫定予算=期間内にまとまらない時、臨時として2〜3ヶ月つくる予算。
追加予算=急に必要になった予定外に追加する予算。
年ごとに伸びる国の予算
会計検査院=お金の出し入れが正しく行われているか検査、監督する役所。
決算=お金の締めくくり。
社会保障制度=国民がみんな健康で文化的な生活が送れるよう、保護・保証すること。
・社会保険=病気、失業に備えてみんなで助け合う。例:健康保険、厚生年金保険、恩給、雇用保険など。
・医療制度=病気、怪我、出産の際、保険金を受けられる。
・公衆衛生=伝染病予防、下水など。
・社会福祉=例:児童福祉、高齢者福祉、障害者福祉など。
年ごとに伸びる社会保障
**************************国際連合
国連の主な組織と置かれている場所
『国際平和をめざして 国際連合』(ほるぷ出版)を参照。
国連分担金=その国の能力に応じて、国連の費用を出し合う。
常任理事国の拒否権が災いして、しばしば動きがとれなくなるのが実情。
安全保障理事会は、総会と違っていつでも開くことができるよう、各理事国はNYにいつも代表を置いている。
平和維持活動(PKO)=軍事監視団、平和維持軍(PKF)を派遣して、武力衝突をおさめる活動をしている。
戦闘を目的とせず、中立・公正な立場。
日本は1992年、PKO協力法(国連平和維持活動協力法)が成立した。
経済社会理事会=貧しい国の生活を引きあげるなど。16の専門機関がある。
・ユネスコ(国連教育科学文化機関)=ユネコス村は、ユネスコの仕事を理解してもらう目的で作られた(そーなんだ/驚
・ユニセフ
『世界の子どもたちのために ユニセフ』(ほるぷ出版)参照。
・WHO
『世界の人びとを健康に世界保健機関』(ほるぷ出版)参照。
・万国郵便連合(UPU)=各国家間の郵便物の交換がよりよく行われるよう活動。
・FAO
・ILO
『児童労働 働かされる子どもたち』(リブリオ出版)参照。
・IAEA=原子力を平和のために役立たせる目的をもつ。
信託統治理事会=国連の監督のもとにある国がある地域を治めること。独立を進めるのが目的。例:パラオ共和国
国際司法裁判所=同一国から2人以上の裁判官を選出できない。
国際赤十字=赤十字の精神は、博愛・人道・平和。
『国際紛争や災害の被害者を救う 国際赤十字』 (ほるぷ出版)参照。
GATT(関税貿易一般協定)
1948年に発効した貿易に関する国際条約。
世界貿易の自由化・安定化、関税を安くし、制限をなくし、貿易を盛んにするのが目標。
OECD=加盟国の経済成長、発展途上国への援助などが目的。
オリンピック
フランスのクーベルタン男爵は、古代オリンピックに心を奪われ、スポーツを通した国際平和を考えた。
1894年、国際オリンピック委員会をつくり、4年に1回、大会を開くことを決めた。
「オリンピックとは、勝つことではなく、参加することにある」(クーベルタン
オリンピックのマークの5つの輪は、5つの大陸をあらわす。
**************************外交
外交=国々との交わり。各国の外務省が仕事を行う。
大使=国と国との交渉をするために、国を代表して外国に行っている外交官。
大使館=大使の事務所。
特命全権大使=特別大きな問題が起きた時に任命され、相手国と話し合う。
国連大使=NYの国連本部に行っている大使。
公使=大使の交わされていない国に行っている。仕事は大使と同じだが、地位は大使のほうが高い。
国連公使=NYの国連本部に行っている公使。
日本には、約180の外国公館があり、外国には約180の日本公館を置いている(2000年
領事=通商の仕事をしている。国民が旅行、留学する時の世話。
総領事=領事より地位が高い。
条約=国と国の間に取り決められた約束。例:通商条約、平和条約、安全保障条約など。
調印=国の代表が条約文書に署名すること。
批准=調印後、国の主権者の賛成で認められて初めて条約としての働きを持つ。
協定=調印+批准をしてない約束。議定書・協約・おぼえ書きなどがある。例:日米安全保障条約など
平和条約=戦争をやめ、仲直りするために結ぶ条約。
児童の権利条約
国連が「児童の権利に関する宣言」30周年の1989年に採択した。
1990年、子どものための世界首脳会議が国連本部で開催。日本も批准している。
サミット(先進国首脳会議)=1975年から仏・米・英・独・日・伊・カナダの首脳とEU委員長が参加して開催する会議。
**************************国際社会
交通、通信の発達が進むにつれて、国同士の経済的な相互依存が強くなり、文化交流も活発になった。
国際社会=互いの国が助け合い、支え合う社会。
国際協力=国同士で進められている助け合い、支え合い。
・平和のための協力
・政府開発援助(ODA)の拡充
・国際文化交流の強化
政府開発援助(ODA)=発展途上国中心の援助。
二国間援助
多国間援助=ほかの援助国や機関とともに援助する。
贈与=無償協力。無料でダム・学校などを建設したり、技術を教えるなど。
貸付
NGO(非政府組織)=より暮らしに密着した援助をしている。
青年海外協力隊=ODAの中の技術援助の1つ。すでに1万人以上が2年間の派遣任務を終え、毎年1000人以上が派遣されている。
原水爆禁止運動=原水爆の実験、製造、保有、拡散、使用などを禁止する運動。
世界政府運動
世界憲法を決めて、世界全体をひとつの国として世界連邦をつくり、ほんとうの世界平和をうちたてようという運動(アミみたい
1933年、アインシュタインの呼びかけによって始められた。
【地球に広がる環境問題】
地球温暖化、オゾン層の破壊、熱帯雨林の破壊、砂漠化、大気の汚れなど。
ヒトがよりよい生活、便利さを求めれば求めるほど、大量の化石燃料が使われ、対策が遅れてしまったことが環境問題を引き起こした。
国際理解
国境を越え、人種・宗教・習俗・習慣を越えて、互いの立場を理解し、仲良くして人類の未来を切り拓く力。
国際理解を進めるには、それぞれの国・民族のもつ文化の理解が必要。
菊地家達/著
改めて学んでみようシリーズ。今回は、国のなりたち、国際協力について。
それぞれの意味が短く、すっきり、分かりやすくまとめてあって、図解も的確で見やすい。
【内容抜粋メモ】
地球には約60億人が住んでいて、191の独立国(2001年現在)に分かれて暮らしている。
**************************国家
国家=領土・主権・国民の3つの要素から成り立っている。
元首=国の長として、国家を代表する人。日本は誰が元首かハッキリしていない。
君主制=君主(国王)を元首とする国の制度。
立憲君主国=君主国のうち、憲法に従って政治をしている国。
共和制=国民の代表者が国家の元首で、主権が国民にある国。
日の丸=日本の国旗。いつからそうなったかは、正確には分からない。
君が代=日本の国家。歌詞は『古今和歌集』巻7の読み人不詳がもと。曲は1870年、フェントンというイギリス人の作曲がもと。
明治憲法=プロシア(現ドイツ)の憲法を手本にしている。天皇中心の憲法だった。
日本国憲法=国民主権、基本的人権、平和主義が3つの大きな特色。
主権=国を治める最高の権力。統治権。
国民主権=国を治める最高の権力が国民にある。
基本的人権=ヒトがヒトとして生まれながら持っている大切な権利。
・平等権
・自由権
・生存権
・参政権=選挙権・被選挙権
・請求権
国民の義務
・教育を受けさせる義務
・働く義務
・税金を納める義務
平和主義
日本は外国に対し永久に戦争はしかけない。そのためには、戦争に利用されるような武力はいっさい持たない。(日本国憲法第9条)
これは、どこの国にもない、はっきりした規定。
第二次世界大戦後、民主主義の国としてスタートした日本は、軍隊を持たない国となった。
「自衛権」の発動は、外国から侵害された場合にのみ、と限定されている。
**************************政治
民主主義=ヒトの自由と平等を尊重する主義。
民主政治=「人民の、人民による、人民のための政治」(リンカーン大統領)
「そもそも国政は、国民の厳粛な信託によるものであって、その権利は国民に由来し、
その権力は国民の代表者がこれを行使し、その福利は国民がこれを享受する」(日本国憲法前文)
専制政治=1人の支配者が国のすべての権力を握って政治をするやり方。
独裁政治=ある個人、団体、階級が、少数の考えで政治を行うこと。ドイツのヒットラーが有名。
三権分立=政治を、それぞれの独立した仕組みとして、国会・内閣・裁判所に分けたもの。
・立法権
・行政権
・司法権=司法権を持つのは、裁判所だけ。
公共事業=人々が、社会生活を楽しくよりよいものにするために、国や地方公共団体が行う事業のこと。
公共施設=だれでも自由に使用できる場所・建物のこと。その費用のほとんどは税金。
**************************国会
国会=国の議会のこと。国会議員(国民によって選挙された代表者)が国の重要な事柄を決めている。
・法律をつくる。改める。
・予算を決める。正しく使われたかを調べる=決算
・内閣総理大臣を決める。ふつうは衆議院に多数の議員を持っている政党の党首が選ばれて、天皇が任命する。
・内閣不信任案を決める。
・裁判官をやめさせる。
・条約をみとめる。
二院制=衆議院と参議院。任期、人数、権限等に差を設けて充分に相談する。
衆議院
任期が短く、解散もあるため、国民の考えを代表していると考えられ、憲法では重くみている。
参議院
衆議院の審議や議決をチェックする任務を持っている。
両院議員総会
両院の議決が食い違った場合、両院から代表者がでて相談する。
それでもまとまらない時は、もう一度衆議院で相談し、2/3以上の賛成があれば通る。
通常国会=12月上旬から150日の会期で開かれる。
臨時国会=内閣が必要と思う時、そのつど開く。
特別国会=総選挙後、30日以内に内閣総理大臣を決める時に開かれる。
本会議・委員会=約20の委員会があり、議員は必ずどれかに所属している。
公聴会=学者・専門家・国民の意見を直接聞く場。
社会の進歩・発展によって、新たな問題が増え、国会で扱う範囲が広くなった。
常任委員会=衆議院に18、参議院に16が常設。
特別委員会=例:9.11後のテロ対策特別委員会が設置され、自衛隊が海外に派遣された。
**************************内閣
内閣=内閣総理大臣+国務大臣で構成。立法・司法以外はすべて内閣の仕事。
内閣総理大臣=国務大臣の任命・解任など。
国務大臣=内閣を構成している大臣。それぞれの行政官庁の責任者。無任所大臣もいる。
天皇=国の象徴。天皇の仕事の責任は内閣にあり、実際の政治とは関係ない立場。
行政官庁=行政の仕事をする役所。中央行政官庁、地方行政官庁、独立行政官庁。
独立行政官庁=独立して事務を行う。人事院、会計検査院など。
1999年 それまでの1府21省庁から大きく改革された。
2001年 1府12省庁制になり、より分かりやすく、ムダを減らした。
内閣府を追加し、国土交通省、総務省ができた。
副大臣=2001年の改編で決められた。大臣を補佐する。
内閣官房=閣議事項の整理、伝達、各省庁間の意見の調整などをしている。
官房長官=これらの仕事の統括者。
**************************選挙
普通選挙=制限なく誰でも平等に行われる選挙。
参政権=国民が政治に参加できる権利。
有権者=選挙権を持っているヒト。
選挙権=選挙することのできる権利。
被選挙権=選挙に立候補する権利。
公職選挙法=1945年にできた法律。20歳以上の男女に選挙権が与えられた。
選挙管理委員会
・中央選挙管理委員会
・都道府県選挙管理委員会
・市区町村選挙管理委員会
選挙制度=選挙区、議員定数、選挙のやり方などを定めた制度。
選挙区=大・中・小選挙区がある。
直接選挙=直接選ぶ。
間接選挙=選挙した選挙人を通じて選ぶ。
小選挙区比例代表並立制=1994年に約70年ぶりに改められた選挙制度。
小選挙区制=1つの選挙区から1位の議員を選ぶ。
比例代表制=2000年の改正で、非拘束名簿方式に改められた。
1.投票は、候補者個人名や政党名を選ぶ。
2.政党の獲得議席は、政党名と個人名の票数の合計に応じて比例配分する。
3.各政党の当選者は、個人名の得票数が多い順とする。
**************************政党
政党=政治上、同じ考えを持つ人々の集まり。
イギリスで17C頃から発達した。保守党・労働党がある。
アメリカは、共和党・民主党の二大政党。
政党政治=議会で多数の議員を持つ政党が行う政治。
与党=内閣に大臣を送っている政党。
野党=反対の政党。
保守政党=これまでのやり方で守ろうとする政党。自由民主党など。
革新政党=これまでの政治を改め、新しい社会を作ろうとする政党。
政策=政治のやり方。
**************************世論
世論=大勢のヒトの考え。政治は世論を反映して行われる。
世論調査=できるだけ大勢の考えを調べる社会調査のひとつ。回答方法としては、ペーパーによる記述など。
内閣支持率、政党支持率などは、とくに重要な項目。
内閣支持率=発足の頃は高く、終わりに近づくにつれて低下し、内閣が変わるという道筋が多い。
世論とマスコミ:マスコミの強い影響を受けて、世論が形成される。
日本国憲法は改正できるか?
「社会の変化に応じて改正するべき」
「第二次世界大戦後に、占領軍から押し付けられたものだ」
「世界に誇れる憲法を大切にすべき」などいろいろな意見がある。
2000年 衆議院・参議院に憲法調査会が設置された。
**************************裁判所
・簡易裁判所=全国448の市町にあり、軽い事件などを1人の裁判官で裁判する。
・家庭裁判所=家庭内のもめごと、14〜20歳までの罪。地方裁判所のところにある。
・地方裁判所=各都道府県庁所在地にある。
・高等裁判所=8ヶ所にある。地方裁判所、簡易裁判所、家庭裁判所などでの裁決に不満がある場合。
・最高裁判所=東京に1つだけ。長官1人+14人の裁判官で構成。「憲法の番人」と呼ばれる。
民事裁判
刑事裁判
**************************地方政治
それまでの「中央集権の政治」「官僚政治」が取りやめられ、地方自治が憲法で決められている。
リコール=住民の1/3以上の署名で議会、知事、市区町村長らを辞めさせるよう要求できる権利。
地方議会の解散請求権=リコールと同じ手続きで、議会を解散するよう要求できる権利。
請願権=学校を建ててほしいなど、議会、知事、市区町村長に頼む権利。
条例制定改廃請求権=条例を決めたり、改めたりするよう要求できる権利。
条例=地方議会の議決をへて制定するきまり。
地方公共団体=都道府県・市区町村のことをまとめて呼ぶ。地方自治体。地方公共団体と、23区のような特別地方公共団体がある。
地方自治法=地方公共団体の仕組み・運営の法律。
都道府県知事は、ある程度政府の指図や監督を受ける。
地方議会=地方公共団体の議会のこと。一院制。任期4年。定例議会・臨時議会がある。
・条例をつくる。
・予算を決める。
・知事、市町などの仕事の監督
委員会制度=できるだけ住民の意見を地方政治に生かすため、知事や市区町村長の命令に従わず、独立した役目を持つ。
政令指定都市=政府が決めて、指定した都市。定められた条件に合う100万人以上の大都市。都道府県なみの権利をもつ。
統一地方選挙=都道府県・市区町村の長・議員を同じ日に選挙する。
地方分権=今まで国がおさえていた権利や財源を、地方に少しずつ移すこと。
県のしくみ
市のしくみ
収用委員会=公共事業に必要な土地を民間から買い上げる時の世話をする。
知事=都道府県の政治を実行する最高責任者。
出納長=国の財務大臣にあたる。副知事と並び重要な役目。
都道府県庁=都道府県の政治を実行する役所。
市町村長=市町村の政治を実行する最高責任者。
市役所・町村役場=市町村の政治を実行する役所。
**************************税金
税金=国、都道府県、市区町村に納めるお金。国税・地方税がある。
国税=国に納める税金。
・所得税
・法人税
・相続税
・消費税
・酒税
・きはつ油税
・入場税
・関税
地方税
・都道府県税
・市区町村税
直接税=収入に対してかける税金。例:所得税、法人税
間接税=たばこ、酒、映画館の入場料などに含まれる税金。
**************************予算
国・地方公共団体が、1年間に必要な費用の見積もりをたてる。
歳入=毎年4/1〜翌年3/31までの1年間の収入。
歳出=毎年4/1〜翌年3/31までの1年間の支出。
予算案を国会に提出→審議、修正→承認
一般会計予算=基本的な仕事をまかなう。予算というとふつうこれをさす。
特別会計予算=一般会計とは別に設けられた予算。
補正予算=国会で決まった後、変更が生じた時、再度、国会で審議される予算。
暫定予算=期間内にまとまらない時、臨時として2〜3ヶ月つくる予算。
追加予算=急に必要になった予定外に追加する予算。
年ごとに伸びる国の予算
会計検査院=お金の出し入れが正しく行われているか検査、監督する役所。
決算=お金の締めくくり。
社会保障制度=国民がみんな健康で文化的な生活が送れるよう、保護・保証すること。
・社会保険=病気、失業に備えてみんなで助け合う。例:健康保険、厚生年金保険、恩給、雇用保険など。
・医療制度=病気、怪我、出産の際、保険金を受けられる。
・公衆衛生=伝染病予防、下水など。
・社会福祉=例:児童福祉、高齢者福祉、障害者福祉など。
年ごとに伸びる社会保障
**************************国際連合
国連の主な組織と置かれている場所
『国際平和をめざして 国際連合』(ほるぷ出版)を参照。
国連分担金=その国の能力に応じて、国連の費用を出し合う。
常任理事国の拒否権が災いして、しばしば動きがとれなくなるのが実情。
安全保障理事会は、総会と違っていつでも開くことができるよう、各理事国はNYにいつも代表を置いている。
平和維持活動(PKO)=軍事監視団、平和維持軍(PKF)を派遣して、武力衝突をおさめる活動をしている。
戦闘を目的とせず、中立・公正な立場。
日本は1992年、PKO協力法(国連平和維持活動協力法)が成立した。
経済社会理事会=貧しい国の生活を引きあげるなど。16の専門機関がある。
・ユネスコ(国連教育科学文化機関)=ユネコス村は、ユネスコの仕事を理解してもらう目的で作られた(そーなんだ/驚
・ユニセフ
『世界の子どもたちのために ユニセフ』(ほるぷ出版)参照。
・WHO
『世界の人びとを健康に世界保健機関』(ほるぷ出版)参照。
・万国郵便連合(UPU)=各国家間の郵便物の交換がよりよく行われるよう活動。
・FAO
・ILO
『児童労働 働かされる子どもたち』(リブリオ出版)参照。
・IAEA=原子力を平和のために役立たせる目的をもつ。
信託統治理事会=国連の監督のもとにある国がある地域を治めること。独立を進めるのが目的。例:パラオ共和国
国際司法裁判所=同一国から2人以上の裁判官を選出できない。
国際赤十字=赤十字の精神は、博愛・人道・平和。
『国際紛争や災害の被害者を救う 国際赤十字』 (ほるぷ出版)参照。
GATT(関税貿易一般協定)
1948年に発効した貿易に関する国際条約。
世界貿易の自由化・安定化、関税を安くし、制限をなくし、貿易を盛んにするのが目標。
OECD=加盟国の経済成長、発展途上国への援助などが目的。
オリンピック
フランスのクーベルタン男爵は、古代オリンピックに心を奪われ、スポーツを通した国際平和を考えた。
1894年、国際オリンピック委員会をつくり、4年に1回、大会を開くことを決めた。
「オリンピックとは、勝つことではなく、参加することにある」(クーベルタン
オリンピックのマークの5つの輪は、5つの大陸をあらわす。
**************************外交
外交=国々との交わり。各国の外務省が仕事を行う。
大使=国と国との交渉をするために、国を代表して外国に行っている外交官。
大使館=大使の事務所。
特命全権大使=特別大きな問題が起きた時に任命され、相手国と話し合う。
国連大使=NYの国連本部に行っている大使。
公使=大使の交わされていない国に行っている。仕事は大使と同じだが、地位は大使のほうが高い。
国連公使=NYの国連本部に行っている公使。
日本には、約180の外国公館があり、外国には約180の日本公館を置いている(2000年
領事=通商の仕事をしている。国民が旅行、留学する時の世話。
総領事=領事より地位が高い。
条約=国と国の間に取り決められた約束。例:通商条約、平和条約、安全保障条約など。
調印=国の代表が条約文書に署名すること。
批准=調印後、国の主権者の賛成で認められて初めて条約としての働きを持つ。
協定=調印+批准をしてない約束。議定書・協約・おぼえ書きなどがある。例:日米安全保障条約など
平和条約=戦争をやめ、仲直りするために結ぶ条約。
児童の権利条約
国連が「児童の権利に関する宣言」30周年の1989年に採択した。
1990年、子どものための世界首脳会議が国連本部で開催。日本も批准している。
サミット(先進国首脳会議)=1975年から仏・米・英・独・日・伊・カナダの首脳とEU委員長が参加して開催する会議。
**************************国際社会
交通、通信の発達が進むにつれて、国同士の経済的な相互依存が強くなり、文化交流も活発になった。
国際社会=互いの国が助け合い、支え合う社会。
国際協力=国同士で進められている助け合い、支え合い。
・平和のための協力
・政府開発援助(ODA)の拡充
・国際文化交流の強化
政府開発援助(ODA)=発展途上国中心の援助。
二国間援助
多国間援助=ほかの援助国や機関とともに援助する。
贈与=無償協力。無料でダム・学校などを建設したり、技術を教えるなど。
貸付
NGO(非政府組織)=より暮らしに密着した援助をしている。
青年海外協力隊=ODAの中の技術援助の1つ。すでに1万人以上が2年間の派遣任務を終え、毎年1000人以上が派遣されている。
原水爆禁止運動=原水爆の実験、製造、保有、拡散、使用などを禁止する運動。
世界政府運動
世界憲法を決めて、世界全体をひとつの国として世界連邦をつくり、ほんとうの世界平和をうちたてようという運動(アミみたい
1933年、アインシュタインの呼びかけによって始められた。
【地球に広がる環境問題】
地球温暖化、オゾン層の破壊、熱帯雨林の破壊、砂漠化、大気の汚れなど。
ヒトがよりよい生活、便利さを求めれば求めるほど、大量の化石燃料が使われ、対策が遅れてしまったことが環境問題を引き起こした。
国際理解
国境を越え、人種・宗教・習俗・習慣を越えて、互いの立場を理解し、仲良くして人類の未来を切り拓く力。
国際理解を進めるには、それぞれの国・民族のもつ文化の理解が必要。