過去のノートにある映画感想メモシリーズ。
part4からのつづきで、明るい緑色のノートのラスト。
若かりし頃のメモなので、不適切な表現、勘違い等はお詫び申し上げます/謝罪
なお、あらすじはなるべく省略しています。
■『ロズウェル』(1994)
原作:『UFO CRASH AT ROSWELL』ケヴィン・ランドル&ドナルド・R・シュミット著
監督:ジェレミー・ケイガン 出演:カイル・マクラクラン、マーティン・シーン ほか
映画は時に不動の体制や事物を自由に告発することができるメディアだ。直接伝わるインパクトの強い映像を通して。
今作にはかなりストレートにかなりショッキングな事柄が次々と暴き出される。
映画『未知との遭遇』は、'64に実際あった交渉を基にしている
「太陽系に別のところから入り込むのは難しい。多次元宇宙、彼ら高知能生命体はその境を行き来することができる」
宇宙には本当は果てなどない? エンジンもなく、高速で飛ぶUFO。傷つけ、折っても、すぐ元通りになる金属。
ジェシーは'80代に死去。証言者は350万人にも及んだ。米国民の1割がUFOを確認、半数が信じているというのに、
軍はどうしてこれほどまでにひた隠しにするのか。「統制力を失いたくない」ということか。
■『ナチュラル・ボーン・キラーズ』(1994)
監督:オリバー・ストーン 出演:ウディ・ハレルソン、ジュリエット・ルイス ほか
ただ殺しまくる大量殺人鬼の話題作かと思いきや、いろんな映像の要素で埋め尽くした
凝りまくり、かつその後ろにでっかいテーマがドーンとある。
監督がストーン、原案がタランティーノ、まさにこの2人の持ち味そのものの作品が出来上がったわけだ。
こんなところでロバート・ダウニーJr.とトミー・リー・ジョーンズに会えるなんて期待してなかった/驚
2人とも水を得た魚みたく爆発している。
「女が弱っている毒蛇を手当てしたが、元気になったヘビは女を噛んだ。
なぜ?と聞くとヘビは答えた。俺が毒蛇だと分かってたろ?」これはワニかなにかでも応用編あり。
「彼らは悪魔を飼っている。手助けは必要としていない」
彼らの子どもらはメディアや、腐った世の中に汚されることなく育てられることだろう。勉強は多少遅れるかもしれないけど。
でも暴行を受けた子は成人し、自分が親になると子どもに同じことをするという。2人は大丈夫だろうか?
途中、2人のドラマの隙間を埋め尽くすアメリカンコミック風ミッキーが突進していくアニメや、
血だらけの被害者たちや、幼かった頃の姿、イノセントそのもののカットらが銃弾のように押し寄せて、
観た後のサブリミナル効果は大きいかも。
理由あるなしに、銃が一番頼りになる味方とばかり撃ち殺してゆく。
時に正義と称して虫けらを殺していく世直しヒーロー、時に無意味に殺す単なる狂人。
ナチュラル・ボーン・キラーなど存在しないと思う。
子どもは育てられ方ひとつでどうにでも成長する真っ白なキャンバスなんだ。
日々テレビから垂れ流される暴力の嵐、狂っているのはミッキーとマロリーだけじゃない。
一応ミッキーが自分の行動に哲学的理屈を持っているところはスゴイ。
これだけ殺して天使になって空に昇ると信じているマロリーもすごいし。
このヒーロー、ヒロインもメディアの作りもの。この映画は実際のシリアルキラーたちのバイブルにもなり得る。
■『ワイルド・パームス第1章』(1993)
監督:キャスリン・ビグロー ほか 音楽:坂本龍一 出演:ジェームス・ベルーシ、キム・キャトラル ほか
面白い!アメリカはチャンネル数も多けりゃ、視聴率の剥奪戦もハンパないからね。
全米で反響を呼ぶほどの番組(少なくとも宣伝コピーでは)なら退屈するワケがない。
ヴァーチャルリアリティなんか目じゃない2007年には、茶の間に3Dそのものがフッと現れちゃう。
来るかもね、こんな映像の新時代が、そう思うだけでもうWPのツボにハマっちゃう。
『ツインピークス』並のミステリーとその他のアートな映像。
無意味なほど込み入った人物描写、この先が楽しみ。
なぜか京都ほか日本の名前があちこちに登場。そうとう日本企業の発展を買っている様子。
まあ、そう遠くない近未来だからね。衣装もなかなか面白い見どころのひとつ。背から生えた羽の絵もキレイ。
■『ワイルド・パームス第2章』(1993)
監督:キャスリン・ビグロー 出演:キース・ゴードン ほか
「THE FLOATING WORLD」
今作はつなぎみたいな話。つづきもののドラマだからね。一度目は途中で寝ちゃったから二度目のチェック。
なぜかジミヘンだの'60〜'70ロックがまだ流行ってるらしいのがイイ
「RIGING SONG」
展開がとっても早いね。追いつけなくなるほど。
どうやら善と悪のグループの構造が見えてきたけど、味方と敵の間を行き来するコマがたくさん。
バリバリ女マフィアのドンみたいだったのが急に骨なしに変わっちゃうのはちょっと気に食わない。
最初謎だらけの魔の使いペイジもハリーに傾いてチキを救うジャンヌ・ダルクみたく変わっちゃうし。
やたらと日本語が飛び出すのも特徴。妙な感じ。
妖しいバーで強烈キャラの歌手が歌うシーンなんか『ツインピークス』の雰囲気出てる。
■『ワイルド・パームス第3章』(1993)
監督:フィル・ジョアノー、キース・ゴードン
「HUNGRY GHOST」
なんだかこのシリーズって記憶に残らないのね。不思議と。話はどんどんつながっているんだけど。
ひき続いてGOチップを巡っての争い。これが何の役に立つのか?
それにジョジーって誰だっけ? 全員のキャラ覚える前に最終回になっちゃう
ミムジン中毒で寺院の幻を見るトミーのシーンがなぜか泣ける。
なぜ寺院なのか、潜在的なイメージかもしれないけど。ドラッグはいつの世にもあるね。
「HELLO, I MUST BE GONE」
この番組の毎回の話のタイトルはいつも詩的でカッコいい。今回「やあ、もう行かなくちゃ」。
と思ったら、なんと!G.マルクスの映画の中の歌だったんだ、嬉しい驚き
このドラマのスタッフもマルクスbros.のファンだったんだ。
♪やあ、もう行かなくちゃ 長居はしていられない 来て良かったが、やっぱり行くよ〜
グルーチョらしいもったいぶった長ったらしい面白さ。
♪2週間ほどいよう 夏中いよう でも言っとくよ 結局は行かなきゃ
なんて象徴的な歌なんだろう。
「楽園とはこの世にあるんだ、ここに!」
愛する者を失くした悲しみを癒すために映像に溺れるというのは『この世の果てまで』にも通じる。
なぜここまで日本的にするのかな。人物はやたら日本語を挟むし。
J.ベルーシは悪をやっつけるヒーローをそのまま演じている。これがアメリカン・スタイルだって感じ。
なんでもない弁護士一家が謎の女ペイジの出現とともになんとまあ激変したことか!マンガみたいに。
■『カリフォルニア』(1993)
監督:ドミニク・セナ 出演:ブラッド・ピット、ジュリエット・ルイス ほか
こちらもシリアルキラーというか大量殺人もので、ジュリエット・ルイスや、
Xファイルで一躍名を上げる前のD.ドゥキャブニーが出演してるのがなんといっても見物。
宣伝文句にはあくまでブラピを売りにしてるけど。
『ナチュラル・ボーン・キラー』と比べるとかなりシンプルで、理由もテーマもあやふやなまま、
なんとなくスターを撮った感じ。ルイスは純真な役で、甘ったるい喋り方は同じ。
彼女がロリータ系から脱皮する頃が楽しみ。いつのまにかこうゆう不良っぽい役が続いてるけど。
ブラピとドゥキャブニーの本気でやりあってるケンカシーンは痛そう。
Xファイルと違ってセクシーなシーンもあって、ますますファンが増えそう。キャラはほとんど似てるんだけどね。
■『ブロードウェイと銃弾』(1993)
監督:ウディ・アレン 出演:ジョン・キューザック、ダイアン・ウィースト ほか
ウディ、ウディ もうきっと60歳ぐらいにはなったかな。
家族愛を探究し続けるアメリカン・スタイルなど無視して、どっちかと言えば様々な愛の形を自由に描くフレンチ系。
でも、この頃は映画のための映画、アレンが夢見る頃の割れたラジオから流れる陽気な歌
エンタテイメントへの直接的で、純粋な郷愁が伝わってくる。
今じゃ2時間付き合うのが当然だけど、90分で十分楽しめるアレン独自の映画がココにある。
「僕は君を愛してる。僕はアーティストじゃない」このセリフになにか特別な意味がありそう。
使われているたくさんの'30代の曲がスパイスとして効いている
今作は味のある女優ウィーストが映画の通り、再成功したってワケだ。
■『チャタレイ夫人の恋人』(1993)
監督:ケン・ラッセル 出演:ジョエリー・リチャードソン、ショーン・ビーン ほか
GWの過ごし方は人それぞれと思うけど、連休にゆっくりとイイ映画を観るくらいいい過ごし方はないなあ
様々な愛の形を驚きの超映像で描いてきたK.ラッセルも御年69歳! そしてこの問題作を丁寧にロマンティックに映画化した。
ベテランの極意がここにあり。'22代の女性が性と束縛から解放されるまで。英国訛りが心地よい。
嵐の夜、妻が邸宅を抜け出して、裸で走るシーンが美しかった。
デッキのシーンもイイ。船長が「女のことを考えてるな。心配するな。行く先々にも女はいっぱいいる。
女が男の心に住みついたら、戦争中の疫病よりやっかいだ」
なぜ夫人と下男の恋愛ものは当たるのかな。
この妻が最初から全く偏見を持たず、地位やお金より愛情や自分の気持ちに真っ直ぐなのがイイ。
今じゃフツーのロマンスストーリーがこの時代は発禁だったんだものね。世の中の移り変わりを感じる。
■『キカ』(1993)
監督:ペドロ・アルモドバル 出演:ビクトリア・アブリル ほか
スペインだねえ。このファッションはスゴイキッチュ。
「今日の事件」てゆうベヴィな番組はポップだけど全体的にこれはシリアスな映画。
スペイン映画だとレイプシーンもなんだかコミカルだから余計に怖い。
結婚にもドライで、仕事はバリバリ、美しくて自信と愛とユーモアに溢れてるこの女性キカに幸せあれ!
■『甘い囁き』(1996)
監督:トニー・スピリダキス 出演:ティモシー・ハットン、リチャード・ドレイファス、シヴィル・シェパード ほか
なんて退屈なんだか。結局、暗い過去を持つストリッパーと作家の出会いと別れ、それが映画化されるまでの話で、
それが実話なら感傷たっぷりで本人らにとっちゃ忘れがたい思い出だろうけど、映画としては大失敗だな。
単なるロマンティック・サスペンスならまだ許せたけど、今作にどうしてこれだけ有名スターが出演しているのか不思議。
映画内容と同じ暴力団関連の金が絡んでいるのかも。「ハリウッドは巨大な銀行だ。しかも客は全員丸腰だ」
唯一の救いは今なお完璧に純粋無垢なキャラを演じられるハンサムなハットンのアップだけ。
T.ハットンをちゃんとまともに使える監督はいないのか???
■『イヴォンヌの香り』(1994)
監督:パトリス・ルコント 出演:ジャン・ピエール・マリエル、イポリット・ジラルド ほか
今作はとってもストレート。完璧モデルタイプの女優の美しさを撮り上げた作品。出会って消える、なんてトリックも驚きもなし。
ただゲイの老人ルネと叔父(この俳優、味があって好きだな)がイイ。
「冬は孤独で嫌いだ」この哀愁たっぷりの屈折した老人、ユーモアにあふれてて、人生に絶望してる。
彼はイヴォンヌの美しさのほかにどこに魅かれただろう。彼女ほど完璧ならひとつの恋じゃ物足りないことは請け合い!
女優を目指してるっていうけど、ハリウッドに行くほどの野心はない。
縛られずに恋愛が楽しめるなんてステキじゃない?
■『マディソン郡の橋』(1995)
監督・出演:クリント・イーストウッド 出演:メリル・ストリープ ほか
またここにひとつロマンスの名作の歴史が刻まれた。主演は超ベテランの2人。
『ダーティ・ハリー』以来変わらない筋肉隆々のイーストウッドと、
40代にして驚くほどピュアな美しさを見せた大女優メリル。
考えてみればハーレークイーンロマンスにもなりかねない話をリアリティに徹して、
静かなピアノの調べのごとくたおやかで美しい永遠の愛の物語に撮り上げたイーストウッドの
意外にも古風なロマンティストの一面が覗く
「結婚して子どもを産む選択を女は余儀なくされる。そこで人生が始まり、一方は止まってしまう。
子どもが離れてしまって、再び自分の人生を始めようにも歩き方を忘れてしまっている」
アラバマの田舎の主婦のセリフが現代の女性たちの胸を打ち、共感と感動の嵐を呼ぶなんて、
女性のジレンマは昔と全然変わっていないんだな。本当の幸福って何だろう???
「何で行くことができなかったのか、何で行かなきゃならないのか教えてほしい」
真実の愛ってこんなに哀しいものなのか?
とても傷つき苦しんだとしても、年老いてなお心の底に深く住みついた思い出を持つフランチェスカをとってもうらやましく思った。
これはぜひ母の日にプレゼントしなくちゃ。人生変わっちゃうかもよ。
2度3度観て、最初のこの大きく深い感動をもう一度味わうことはないだろうけど。人の記憶って不思議だね。
「俺が写真を撮り続けていたワケはこうして君と逢うためだったんだ」
戸田奈っちゃんは、いつも名作の翻訳にあたって、素晴らしいセリフを書いてくれる。
このストーリーを観て、再び恋人や結婚相手との関係を見直した人も多いだろう。
この選択が正しかったかどうかは誰にも分からない。真実は私たちが常に自分で行く道を選び続けなければならないということ。
選び損ねた選択のことを羨んでもしかたのないこと。
でも、こうして見ると、人が人生を生きるってことは男女が互いに愛を見つけて、また見つける努力をするこなのか?と思ってしまう。
40代まで退屈でも、突然こんな小説や映画みたいな恋に巡り会うかもしれないし、そうじゃないかもしれない。
要はいかに自分の意思に正直になれるかどうかということ。
イーストウッドは30歳も若いニュースキャスターと結婚したとのこと
チャンスは何度も巡ってくるということを彼自身実戦して見せてくれたってことだね。
【イベントメモ】
●イレーヌ・メイヤー展
●丹沢登山
part4からのつづきで、明るい緑色のノートのラスト。
若かりし頃のメモなので、不適切な表現、勘違い等はお詫び申し上げます/謝罪
なお、あらすじはなるべく省略しています。
■『ロズウェル』(1994)
原作:『UFO CRASH AT ROSWELL』ケヴィン・ランドル&ドナルド・R・シュミット著
監督:ジェレミー・ケイガン 出演:カイル・マクラクラン、マーティン・シーン ほか
映画は時に不動の体制や事物を自由に告発することができるメディアだ。直接伝わるインパクトの強い映像を通して。
今作にはかなりストレートにかなりショッキングな事柄が次々と暴き出される。
映画『未知との遭遇』は、'64に実際あった交渉を基にしている
「太陽系に別のところから入り込むのは難しい。多次元宇宙、彼ら高知能生命体はその境を行き来することができる」
宇宙には本当は果てなどない? エンジンもなく、高速で飛ぶUFO。傷つけ、折っても、すぐ元通りになる金属。
ジェシーは'80代に死去。証言者は350万人にも及んだ。米国民の1割がUFOを確認、半数が信じているというのに、
軍はどうしてこれほどまでにひた隠しにするのか。「統制力を失いたくない」ということか。
■『ナチュラル・ボーン・キラーズ』(1994)
監督:オリバー・ストーン 出演:ウディ・ハレルソン、ジュリエット・ルイス ほか
ただ殺しまくる大量殺人鬼の話題作かと思いきや、いろんな映像の要素で埋め尽くした
凝りまくり、かつその後ろにでっかいテーマがドーンとある。
監督がストーン、原案がタランティーノ、まさにこの2人の持ち味そのものの作品が出来上がったわけだ。
こんなところでロバート・ダウニーJr.とトミー・リー・ジョーンズに会えるなんて期待してなかった/驚
2人とも水を得た魚みたく爆発している。
「女が弱っている毒蛇を手当てしたが、元気になったヘビは女を噛んだ。
なぜ?と聞くとヘビは答えた。俺が毒蛇だと分かってたろ?」これはワニかなにかでも応用編あり。
「彼らは悪魔を飼っている。手助けは必要としていない」
彼らの子どもらはメディアや、腐った世の中に汚されることなく育てられることだろう。勉強は多少遅れるかもしれないけど。
でも暴行を受けた子は成人し、自分が親になると子どもに同じことをするという。2人は大丈夫だろうか?
途中、2人のドラマの隙間を埋め尽くすアメリカンコミック風ミッキーが突進していくアニメや、
血だらけの被害者たちや、幼かった頃の姿、イノセントそのもののカットらが銃弾のように押し寄せて、
観た後のサブリミナル効果は大きいかも。
理由あるなしに、銃が一番頼りになる味方とばかり撃ち殺してゆく。
時に正義と称して虫けらを殺していく世直しヒーロー、時に無意味に殺す単なる狂人。
ナチュラル・ボーン・キラーなど存在しないと思う。
子どもは育てられ方ひとつでどうにでも成長する真っ白なキャンバスなんだ。
日々テレビから垂れ流される暴力の嵐、狂っているのはミッキーとマロリーだけじゃない。
一応ミッキーが自分の行動に哲学的理屈を持っているところはスゴイ。
これだけ殺して天使になって空に昇ると信じているマロリーもすごいし。
このヒーロー、ヒロインもメディアの作りもの。この映画は実際のシリアルキラーたちのバイブルにもなり得る。
■『ワイルド・パームス第1章』(1993)
監督:キャスリン・ビグロー ほか 音楽:坂本龍一 出演:ジェームス・ベルーシ、キム・キャトラル ほか
面白い!アメリカはチャンネル数も多けりゃ、視聴率の剥奪戦もハンパないからね。
全米で反響を呼ぶほどの番組(少なくとも宣伝コピーでは)なら退屈するワケがない。
ヴァーチャルリアリティなんか目じゃない2007年には、茶の間に3Dそのものがフッと現れちゃう。
来るかもね、こんな映像の新時代が、そう思うだけでもうWPのツボにハマっちゃう。
『ツインピークス』並のミステリーとその他のアートな映像。
無意味なほど込み入った人物描写、この先が楽しみ。
なぜか京都ほか日本の名前があちこちに登場。そうとう日本企業の発展を買っている様子。
まあ、そう遠くない近未来だからね。衣装もなかなか面白い見どころのひとつ。背から生えた羽の絵もキレイ。
■『ワイルド・パームス第2章』(1993)
監督:キャスリン・ビグロー 出演:キース・ゴードン ほか
「THE FLOATING WORLD」
今作はつなぎみたいな話。つづきもののドラマだからね。一度目は途中で寝ちゃったから二度目のチェック。
なぜかジミヘンだの'60〜'70ロックがまだ流行ってるらしいのがイイ
「RIGING SONG」
展開がとっても早いね。追いつけなくなるほど。
どうやら善と悪のグループの構造が見えてきたけど、味方と敵の間を行き来するコマがたくさん。
バリバリ女マフィアのドンみたいだったのが急に骨なしに変わっちゃうのはちょっと気に食わない。
最初謎だらけの魔の使いペイジもハリーに傾いてチキを救うジャンヌ・ダルクみたく変わっちゃうし。
やたらと日本語が飛び出すのも特徴。妙な感じ。
妖しいバーで強烈キャラの歌手が歌うシーンなんか『ツインピークス』の雰囲気出てる。
■『ワイルド・パームス第3章』(1993)
監督:フィル・ジョアノー、キース・ゴードン
「HUNGRY GHOST」
なんだかこのシリーズって記憶に残らないのね。不思議と。話はどんどんつながっているんだけど。
ひき続いてGOチップを巡っての争い。これが何の役に立つのか?
それにジョジーって誰だっけ? 全員のキャラ覚える前に最終回になっちゃう
ミムジン中毒で寺院の幻を見るトミーのシーンがなぜか泣ける。
なぜ寺院なのか、潜在的なイメージかもしれないけど。ドラッグはいつの世にもあるね。
「HELLO, I MUST BE GONE」
この番組の毎回の話のタイトルはいつも詩的でカッコいい。今回「やあ、もう行かなくちゃ」。
と思ったら、なんと!G.マルクスの映画の中の歌だったんだ、嬉しい驚き
このドラマのスタッフもマルクスbros.のファンだったんだ。
♪やあ、もう行かなくちゃ 長居はしていられない 来て良かったが、やっぱり行くよ〜
グルーチョらしいもったいぶった長ったらしい面白さ。
♪2週間ほどいよう 夏中いよう でも言っとくよ 結局は行かなきゃ
なんて象徴的な歌なんだろう。
「楽園とはこの世にあるんだ、ここに!」
愛する者を失くした悲しみを癒すために映像に溺れるというのは『この世の果てまで』にも通じる。
なぜここまで日本的にするのかな。人物はやたら日本語を挟むし。
J.ベルーシは悪をやっつけるヒーローをそのまま演じている。これがアメリカン・スタイルだって感じ。
なんでもない弁護士一家が謎の女ペイジの出現とともになんとまあ激変したことか!マンガみたいに。
■『カリフォルニア』(1993)
監督:ドミニク・セナ 出演:ブラッド・ピット、ジュリエット・ルイス ほか
こちらもシリアルキラーというか大量殺人もので、ジュリエット・ルイスや、
Xファイルで一躍名を上げる前のD.ドゥキャブニーが出演してるのがなんといっても見物。
宣伝文句にはあくまでブラピを売りにしてるけど。
『ナチュラル・ボーン・キラー』と比べるとかなりシンプルで、理由もテーマもあやふやなまま、
なんとなくスターを撮った感じ。ルイスは純真な役で、甘ったるい喋り方は同じ。
彼女がロリータ系から脱皮する頃が楽しみ。いつのまにかこうゆう不良っぽい役が続いてるけど。
ブラピとドゥキャブニーの本気でやりあってるケンカシーンは痛そう。
Xファイルと違ってセクシーなシーンもあって、ますますファンが増えそう。キャラはほとんど似てるんだけどね。
■『ブロードウェイと銃弾』(1993)
監督:ウディ・アレン 出演:ジョン・キューザック、ダイアン・ウィースト ほか
ウディ、ウディ もうきっと60歳ぐらいにはなったかな。
家族愛を探究し続けるアメリカン・スタイルなど無視して、どっちかと言えば様々な愛の形を自由に描くフレンチ系。
でも、この頃は映画のための映画、アレンが夢見る頃の割れたラジオから流れる陽気な歌
エンタテイメントへの直接的で、純粋な郷愁が伝わってくる。
今じゃ2時間付き合うのが当然だけど、90分で十分楽しめるアレン独自の映画がココにある。
「僕は君を愛してる。僕はアーティストじゃない」このセリフになにか特別な意味がありそう。
使われているたくさんの'30代の曲がスパイスとして効いている
今作は味のある女優ウィーストが映画の通り、再成功したってワケだ。
■『チャタレイ夫人の恋人』(1993)
監督:ケン・ラッセル 出演:ジョエリー・リチャードソン、ショーン・ビーン ほか
GWの過ごし方は人それぞれと思うけど、連休にゆっくりとイイ映画を観るくらいいい過ごし方はないなあ
様々な愛の形を驚きの超映像で描いてきたK.ラッセルも御年69歳! そしてこの問題作を丁寧にロマンティックに映画化した。
ベテランの極意がここにあり。'22代の女性が性と束縛から解放されるまで。英国訛りが心地よい。
嵐の夜、妻が邸宅を抜け出して、裸で走るシーンが美しかった。
デッキのシーンもイイ。船長が「女のことを考えてるな。心配するな。行く先々にも女はいっぱいいる。
女が男の心に住みついたら、戦争中の疫病よりやっかいだ」
なぜ夫人と下男の恋愛ものは当たるのかな。
この妻が最初から全く偏見を持たず、地位やお金より愛情や自分の気持ちに真っ直ぐなのがイイ。
今じゃフツーのロマンスストーリーがこの時代は発禁だったんだものね。世の中の移り変わりを感じる。
■『キカ』(1993)
監督:ペドロ・アルモドバル 出演:ビクトリア・アブリル ほか
スペインだねえ。このファッションはスゴイキッチュ。
「今日の事件」てゆうベヴィな番組はポップだけど全体的にこれはシリアスな映画。
スペイン映画だとレイプシーンもなんだかコミカルだから余計に怖い。
結婚にもドライで、仕事はバリバリ、美しくて自信と愛とユーモアに溢れてるこの女性キカに幸せあれ!
■『甘い囁き』(1996)
監督:トニー・スピリダキス 出演:ティモシー・ハットン、リチャード・ドレイファス、シヴィル・シェパード ほか
なんて退屈なんだか。結局、暗い過去を持つストリッパーと作家の出会いと別れ、それが映画化されるまでの話で、
それが実話なら感傷たっぷりで本人らにとっちゃ忘れがたい思い出だろうけど、映画としては大失敗だな。
単なるロマンティック・サスペンスならまだ許せたけど、今作にどうしてこれだけ有名スターが出演しているのか不思議。
映画内容と同じ暴力団関連の金が絡んでいるのかも。「ハリウッドは巨大な銀行だ。しかも客は全員丸腰だ」
唯一の救いは今なお完璧に純粋無垢なキャラを演じられるハンサムなハットンのアップだけ。
T.ハットンをちゃんとまともに使える監督はいないのか???
■『イヴォンヌの香り』(1994)
監督:パトリス・ルコント 出演:ジャン・ピエール・マリエル、イポリット・ジラルド ほか
今作はとってもストレート。完璧モデルタイプの女優の美しさを撮り上げた作品。出会って消える、なんてトリックも驚きもなし。
ただゲイの老人ルネと叔父(この俳優、味があって好きだな)がイイ。
「冬は孤独で嫌いだ」この哀愁たっぷりの屈折した老人、ユーモアにあふれてて、人生に絶望してる。
彼はイヴォンヌの美しさのほかにどこに魅かれただろう。彼女ほど完璧ならひとつの恋じゃ物足りないことは請け合い!
女優を目指してるっていうけど、ハリウッドに行くほどの野心はない。
縛られずに恋愛が楽しめるなんてステキじゃない?
■『マディソン郡の橋』(1995)
監督・出演:クリント・イーストウッド 出演:メリル・ストリープ ほか
またここにひとつロマンスの名作の歴史が刻まれた。主演は超ベテランの2人。
『ダーティ・ハリー』以来変わらない筋肉隆々のイーストウッドと、
40代にして驚くほどピュアな美しさを見せた大女優メリル。
考えてみればハーレークイーンロマンスにもなりかねない話をリアリティに徹して、
静かなピアノの調べのごとくたおやかで美しい永遠の愛の物語に撮り上げたイーストウッドの
意外にも古風なロマンティストの一面が覗く
「結婚して子どもを産む選択を女は余儀なくされる。そこで人生が始まり、一方は止まってしまう。
子どもが離れてしまって、再び自分の人生を始めようにも歩き方を忘れてしまっている」
アラバマの田舎の主婦のセリフが現代の女性たちの胸を打ち、共感と感動の嵐を呼ぶなんて、
女性のジレンマは昔と全然変わっていないんだな。本当の幸福って何だろう???
「何で行くことができなかったのか、何で行かなきゃならないのか教えてほしい」
真実の愛ってこんなに哀しいものなのか?
とても傷つき苦しんだとしても、年老いてなお心の底に深く住みついた思い出を持つフランチェスカをとってもうらやましく思った。
これはぜひ母の日にプレゼントしなくちゃ。人生変わっちゃうかもよ。
2度3度観て、最初のこの大きく深い感動をもう一度味わうことはないだろうけど。人の記憶って不思議だね。
「俺が写真を撮り続けていたワケはこうして君と逢うためだったんだ」
戸田奈っちゃんは、いつも名作の翻訳にあたって、素晴らしいセリフを書いてくれる。
このストーリーを観て、再び恋人や結婚相手との関係を見直した人も多いだろう。
この選択が正しかったかどうかは誰にも分からない。真実は私たちが常に自分で行く道を選び続けなければならないということ。
選び損ねた選択のことを羨んでもしかたのないこと。
でも、こうして見ると、人が人生を生きるってことは男女が互いに愛を見つけて、また見つける努力をするこなのか?と思ってしまう。
40代まで退屈でも、突然こんな小説や映画みたいな恋に巡り会うかもしれないし、そうじゃないかもしれない。
要はいかに自分の意思に正直になれるかどうかということ。
イーストウッドは30歳も若いニュースキャスターと結婚したとのこと
チャンスは何度も巡ってくるということを彼自身実戦して見せてくれたってことだね。
【イベントメモ】
●イレーヌ・メイヤー展
●丹沢登山