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『早春物語』(1985)

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『早春物語』(1985)
原作:赤川次郎 監督:澤井信一郎
出演:原田知世、林隆三、田中邦衛、由紀さおり、仙道敦子 ほか
主題歌:♪早春物語/原田知世

“角川映画10周年記念映画。原作とはかなり違う内容となっている。”(ウィキ参照

図書館で「角川映画・女優ヴォーカル・セレクション」を借りて聴いたせいか、
角川映画の青春ものでまだ観てない作品がまだまだあるなあっと分かって、観たくなって借りた。
でも、あれ? 同時上映が『二代目はクリスチャン』なら、劇場で観たのかなあ〜?

“17歳の少女の春休みの経験を、17歳になった原田知世で春休みに撮影したのが今作です”
(パンフでの監督メッセージ

 
とにかく、背伸びをした知世ちゃんの初々しい姿が本作の要。
いまだに、その透明な魅力が全然変わっていないのは奇跡 その他の出演作も観たくなってしまった。


trailer

▼story
17歳の高校生・沖野瞳は、親友の麻子に青学の彼氏がいて、キスした話を聞いて焦る。
幼くして母を亡くしているヒトミにとって、異性や性の悩みを相談できるのはアサコだけ。

春休みに入って、父は1週間の出張。再婚予定の大家さん・敬子と2人で過ごすことに抵抗を感じるヒトミ。
写真部のヒトミは「春」をテーマに写真を撮るために奈良を訪れ、梶川真二と出会う。
(車が邪魔だからどかしてもらうって出会い方が新鮮

「君なんか春そのものだと思うけどな」
「それは、あなたにとってでしょ。私が私を撮ってもしょうがないじゃない!」

渋滞にハマった梶川を抜け道に誘導するつもりが失敗して、夕飯をご馳走になる。
梶川は42歳、ヒトミは「20歳の大学生」だと偽る。

梶川は鉄鋼を扱う商社マンで、NY支店を任されているが、経営ミスで日本に呼び戻されている。

「鉄を扱ってるんだ、すごーい最先端ってカンジ。ステキね」(セリフの端々に'80年代ぽさがあって可笑しいw

鎌倉を題材にした写真展に行くついでに、梶川に会おうと探すヒトミ。
アサコには「商社マンとデートなの」と自慢げに話すが「年上なんて遊ばれるだけで危険よ」と心配される。



梶川から「18時から六本木のパーティがあるから一緒に行こう」と誘われる。
妖艶な女性に誘われている梶川を見て、嫉妬するヒトミ。
「いつもこんな手で大人のお付き合いしてるの?」


仕事が延びて、母の命日の墓参りに間に合わなかったことを怒るヒトミ。「4年でもう忘れてしまったの!?
父と母は見合い結婚。父のひと目惚れで、返事が遅いから諦めていたら、ある日、職場に来て、涙ながらにプロポーズを承諾してくれたという。
「あの時は嬉しかったなあ!」「この顔にひと目惚れはないだろう!」とか、田中邦衛さんのセリフは泣かせるねぇ〜

昔の遺品を整理していて見つけた写真に、若い頃の梶川を見つける。

1泊旅行に誘われて、自分もそのつもりだというアサコ。
同級生のマサコは、妻子がある教師と真剣に付き合っているという。

母と梶川の思い出の場所、神田の「ランタン」という喫茶店で、昔、母がここでバイトをしていて、
梶川と付き合っていたが、NY勤務が決まって、仕事を選んで別れたと聞いてショックを受ける。

梶川と箱根にドライブに行き、その後、酔っ払って、海沿いで梶川は思わずヒトミにキスしてしまう。


「君、キスしたことなかったのか、すまない」
「何度もしたことある・・・何度も・・・何度も」

偶然、ケイコと会って、ディスコに行く。
真剣に付き合ったから悔いはないというケイコに

「私、今日は帰らない。あなたと会って、自分が中途半端な生き方しかしてないって恥ずかしくなったわ」
「ムリに傷つくことないわよ」
「傷つきたいの」
「辛いわよ」
「辛くてもイイ。傷ついたあなたってステキだもの」




梶川が来週アメリカに帰ってしまうと聞いて動揺し、部屋に押しかけるヒトミ。
「お母さんからはうまく逃げたつもりでしょうけど、私はカンタンに逃がさない!」


梶川は会社を辞めて南米でいちからやり直すという。空港に見送りにくるヒトミ。

 

「お母さんは見送りに来た?」
「いや、来なかった」
(『探偵物語』も空港での別れが名シーンだったねえ!


 
振り切るように挨拶して、颯爽と歩いて行く。


**************************

角川映画を観て、青春、恋愛に憧れて、いろいろ学んだ気がする。
98分って長さもちょうどイイv

林隆三さんも懐かしい! あれからどう活躍されているのかと思ったら、なんと先月4日にお亡くなりになられていた/驚
劇場で観た『グスコーブドリの伝記』の声優もやってたんだなあ!
グスコーブドリの伝記(ネタバレ注意
映画『グスコーブドリの伝記』2回目(ネタバレ注意

仙道敦子さんもとても好きな女優さん。
(『湯殿山麓呪い村』出演者は皆好きw 永島敏行さん、永島暎子さんも!
緒形直人さんと結婚してたんだ/驚 一線を退いているというのは残念。

美魔女役?で秋川リサさんてキャスティングも、この当時の角川映画っぽい!


【DVD特典】
劇場予告/メイキング/名場面集/劇場パンフレット(一部抜粋)/特典資料集

 

昔の映画はDVD化する際にいろいろ当時の資料や、今になって当時を振り返るインタビューなんかを入れてくれるのがお得v


知世ちゃんは、今回が初めてのキスシーンだったんだねえ!
監督もこれが3作目で、1作目が『野菊の墓』(1981年8月8日公開)で、2作目が『Wの悲劇』(1984年12月15日公開)だって、まさにど真ん中!

メイキングや、撮影中のインタビュー映像もけっこうたくさんあって、
改めて映画制作(ドラマもそうだけど)、時系列をバラバラに撮るから大変なんだなあ!
衣装を着て準備してても、雨などで中止になったり、通学していた知世ちゃんの都合もあったりして。

「撮休がたくさんあったから体力的にはラクだったけれども、役柄的にこれまでないものだったし、
 監督の指示がとても細かいので、精神的にはとても辛かったです。でも、これを乗り越えられてホッとしました」

監督の細かい指示、演技指導の様子がほんとスピーディで、セリフや動きもどんどん変わって、こりゃ本当に大変そう
最初からやけに大きな声で喋る積極的な女の子だから、それだけでも戸惑ったという。

「演技は技巧じゃないんだと。人間なんだと。そこが分かってくれたら〜」

「ボクが今回よかったと思ったのは、君がボクに対して反抗したり、悪口言ったりとかがあったということ。
 自分を主張したり、不快なときに不快な表情をしても、世の中渡っていけるんだよね。
 そういうことが多少でも分かってもらえれば〜」(監督談


ロケがまた原宿、新宿、渋谷等々、繁華街ばかりだから、そのたびに人だかりが出来て大変だったとか。そりゃそーだよ!
それでも、撮影の合間にはバトミントンをしたりして、知世ちゃんは意外とタフなんだなあ/驚×500
結局、編集でカットされてしまったという公衆電話のシーンでは、何度もダメ出しされてとうとう泣いてしまったとか


カラオケで松山千春さんの♪恋 を歌うシーンもよかった
そうそう、昔のカラオケって、こうゆう飲み屋で、変なスポットライトあたるようなお立ち台?みたいな感じなんだよね
私も派遣の歓送迎会で初めてカラオケしたのがこうゆうところで、歌ったのは♪守ってあげたい だったw






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