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たくさんのふしぎ傑作集『屋上のとんがり帽子』(福音館書店)

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たくさんのふしぎ傑作集『屋上のとんがり帽子』(福音館書店)
折原 恵/写真と文

NYのビル街の屋上にある謎の物体の正体は「給水タンク」。脚までいれると「給水塔」。
生活に使う水と、消火用の水が貯められている/驚

ペンキやニスを塗らない自然のままの杉の白木で作られている。
NYには、木のタンクが今でも1万個ある。


・給水タンクを作っている会社の社長さんにインタビュー

Q:なぜ木で作るのか?
A:NYは、夏は摂氏40度、冬は零下20度にもなる
  熱を通しにくい木は、夏は水を冷たく、冬は水を凍らせずに温かく保てるんです。

  鉄は錆びる、コンクリートはひび割れる、プラスティックは年月が経つと壊れやすい。
  木製なら、手入れをすれば40年、囲いがあれば60年もつ。
  1個500万円ほどだが、長持ちするから安上がりなのです。

  それから、木のタンクだと、水が傷まず、美味しいんです



Q:なぜとんがり帽子なの?
A:雪が積らないため




・給水タンクの仕組み


 


浄水場から来た水を、ポンプで屋上の給水タンクに送る


・給水タンクの組み立て方
タンクは屋上で組み立てている/驚

1.木材を加工して、ビルに運ぶ。
2.エレベーターに乗せて屋上に運ぶ。木材は長いので、天井を外す。

3.丸く組み立てたら、周りをワイヤーで縛る。

 
ユニフォームのタンクマークが可愛い
たいていのタンクには、鉄の脚がついていて、職人は、その上で作業をする、とても危険な仕事


・NYの給水タンクの歴史
NYは300年間、各国から移住してくる人たちの玄関だった
NYが世界の最先進都市となったのは、ほんの100年前のこと。
中心地マンハッタンは、小さな島で、ビルをどんどん高くするほかなかった

 
オランダ移民。1900年頃/現代のNY

「ローゼンワック社」の創設者・ハリス氏も移民の一人。約100年前のこと。
7階建て以上のビルには、給水タンクが置かれるようになった。
ハリスは桶職人だったため、桶屋に就職し、給水タンクを作り始めた。
4代つづくローゼンワック社は、今も最新ビルの屋上に、木のタンクを作り続けている。


ロックフェラーセンター建設現場のランチタイム。1930年頃


 
7/4独立記念日


  



それにしても、ひしめき合った都会のビル群は異様
日光が当たらないウチが大半じゃないかな・・・
布団干しとかどうしているんだろう・・・?

この「たくさんのふしぎ傑作集」シリーズには、私が大好きな写真家・星野道夫さんの本もいろいろある。

【ブログ内関連記事】
『アラスカたんけん記』星野道夫
『クマよ〜たくさんのふしぎ傑作集』星野道夫
『森へ たくさんのふしぎ傑作集』星野 道夫


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