10代のための「神との対話」（PHP研究所）

■10代のための「神との対話」（PHP研究所）
ニール・ドナルド・ウォルシュ／著

その１
その２のつづき


＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊成功＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

Ｑ：なんでも成功させなきゃならないって親は願っているけど、ほんとうの成功って何？
Ａ：
それに答えられるのは、あなただけ。ほかの誰かに答えさせてはいけない。
あなたがたの社会は「３つのＰ」と呼ばれるシステムの中で動いている。

１．Productivity（生産力）
２．Popularity（人気度）
３．Possessions（所有物）

この３つで成功を計ることに同意している。
あなたがこの考え方を選ぶなら、一生を「もっと、もっと」で過ごすことになる。
どれだけの生産力をもって、どれだけのモノを手に入れるか、人気を得られるかを計る秤として「お金」がとても重要になってくる。

すると、非常にバカげた競争、生産性を挙げてみせることで、人より価値があると勘違いしてしまう可能性がある。
「あること」より「すること」を重要視すると、人は無理をしてギリギリまで働き、地球の資源は損なわれていく。
物事の質より量を選ぶと、あなたの人生の質を決める。
政治家や芸人の中にも、このプロセスにはまりこみ、ほんとうの自分の考えや芸術性を投げ出してしまう人がいるね。

「人生でいちばんいいモノは無料（ただ）」という古い知恵を忘れて、
いいモノを手に入れるために、一生、身を粉にして働きつづけるだろう

成功はココロが歌いだすような気分になるなにかをすること！
何時間も夢中になれる、「タダでもやる」こと、「ボクにやらせて！」と言いたくなること。
「生活すること」より「人生を生きる勇気ある者」として。

報酬はいろいろな形でやってくる。
まず、世の中のためになるかどうかチェックしなくちゃいけないな。


Ｑ：なぜ個人では反対なのに、集団だと賛成しちゃうの？
Ａ：
集団心理。群れに従うほうが逆へ動くより楽だからさ。群れが崖に向かっていようとも。
あなたが、個人として自身を新しく定義しなおすこと。「成功の定義」をつくり変えることだ。
十分な数の人たちがそうすれば、社会のシステムをひっくり返すことができる。

神は何も要求しない。神は観察者だ。
あなたは「なりたいもの」「したいこと」「持ちたいもの」を選ぶことで、自分が何者であるかを決める。

ホリスティックな生き方のための３つのコンセプトに沿って人生の目的を決めることだ。
１．気づくこと
２．正直であること
３．責任をもつこと

身体・心・魂を完全に生きること。
いまここを生き、なりたい自分に気づき、気づいたことに正直になって、それに責任を果たすことだ。
面白いのは、これに沿って生きている人たちが、生産力、人気度、所有物も人生を楽しみながら生きる副産物として得られてしまうんだ。


＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊愛＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

Ｑ：彼女はいつも「愛してる」って言うけど、僕はいつ言っていいか分からない。
Ａ：
フィーリングだけになった時、我を忘れてクレイジーになっている時だけ。
でも、すべての人を愛しなさい。言葉を口にせず、ココロの静けさの中で。
ヒトは、愛の表現を３つに分類し「エロス」「フィレオ」「アガペー」と呼び、
それを「ロマンティックな愛」「友愛・兄弟愛」「神、全人類への宇宙的な愛」と定義しているが、
愛の違いは「量」「大きさ」とは関係ない。種類が異なるだけ。
あなたは、すべての人を同じ量、同じ大きさで愛することができる。
強さや量じゃなく、フィーリングと表現方法が違うだけなんだ。

それは、「ワンネス（ひとつであること）」の経験だ。
互いにバラバラではない。切り離されたことは一度もない。


Ｑ：愛してるの意味は？
Ａ：
多くのヒトが決めた「愛してる」の意味は、「私はあなたのもの。あなたに属するものです」
「私はあなたを所有する」で、これはすぐに「あなたには借りがある。私を幸せにする務めがある」へと変化する。
ヒトがその言葉を聞きたがるのも、それを言うのが難しいと感じるヒトがいるのもそのせいだ。
だって、そんなふうに生きるのはとうてい無理なんだから。

ほんとうは、「私の中の神があなたの中の神を見る」という意味だ。
感じ方が違うからといって、愛のレベルが違うと勘違いしないように。
特定のヒトを他のヒトより「たくさん」愛するとあらゆる困難を生み出すことになる

愛は量れない。

愛するか、愛さないかのどちらかなんだ。
「すべき」か「すべきでないか」という問題じゃない。
「すべき」は、困難を産む原因だ。「すべき」という思い込みを捨ててごらん。ヒトに対して思うのも。

すべての生命はバイブレーション（波動）だ。
あなたはそれを、ほかの生命とシンクロ（同調）させたり、ハーモナイズ（調和）させたりすることができる。
ハーモナイズは、あなたのバイブとほかの人のバイブを混ぜ合わせて「ハーモニー（和音）」をつくること。
（バンバンのハーモニーじゃん！驚

無条件の愛
愛に条件はない。条件があるなら愛ではない。それは自分のエゴを優先させているだけだ。

あなたは、あなたが言うものだ。私の定義では、あなたは聖人だ。
マザー・テレサ、ガンジー、マーティン・ルーサー・キングといったヒトたちと同じように。

「愛してる」には、あなたが思う以外の意味があることに気づくだろう。
ヒトは、あなたが差し出したものを、彼らの信じている意味で受けとる。
まったく同じ意味で捉えることはむしろ稀。けれど皆同じだと思っている。
これを熟知しているヒトたちは、わざとそれを利用する「心理操作」一種のウソだ。

「愛してる」の意味を彼女に正直に話しなさい。何か違いがあれば、それを明確にすることが大切だよ。


Ｑ：聖書には「あなたの敵を愛しなさい」て書いてあるけど、そんなことができる？
Ａ：
すべての人を愛するための第一歩は、あなた自身を愛すること。

自分が持っていないものを、ヒトに与えることは出来ない。

そのままのあなたが完璧だと知りなさい。
生き方を変える必要も、癖を直したり、成績を上げる必要もない。
あなたはそのままで、完璧に、愛される存在だ。

欠点を長所、もっとも素晴らしい個性だと思うこと。
ただ、そのボリュームが少しだけ上がりすぎているだけだ。
ヒトがあなたのことを大好きになる個性、そのまったく同じ部分のボリュームが上がりすぎると、ヒトはそれを批判する。
決断力のあるところが大好きだけど、強引にやりすぎると「威張ってる」というように。

あなたは愛されるために、何も変える必要はない。自分のどこかを「欠点」として直そうとしなくていい。
それぞれの場面で、自分のどの部分を表現するか、ボリュームをどのくらいに調整すればいいかを判断するだけだ。

そして、ほかの人たちも同じようにできるように気を配ること。彼らが彼らの一番いい表現ができるように。
時に「沈黙」は、あなたにできる最高の行いだ。


Ｑ：誰かを愛すると、どうしていつも傷つかなきゃならないの？
Ａ：
「愛」と「必要」を混同すると、そうなってしまう。
「あなたが神の必要を満たせば、神はあなたを愛してくれるが、そうしなければ愛してはもらえない」
あなたはそう教えられてきた。だから自分たちも神と同じように愛しているつもりなんだよ。

神は何も必要ない。「何か」を差し出さないと罰を受けるということもない。
私は、あなたが何かしてくれたから愛するのではない。あなたが、あなただから愛しているんだ。

愛に理由はない。何かへのお返しでもないし、望みをかなえるためのワイロでもない。
真実の愛は、あなたが相手にとって、どんな存在になるかという決意の結果だ。
あなたから太陽の光のように放射され、周囲のヒトは愛をかんじる。
ヒトは素晴らしくいい気分になって、あなたのことをステキだと感じる

あなたが完璧に幸せになるために、他のヒトから必要なものは何１つない。
特別なヒトが、特別な形で、いつも一緒でなければならないと考えるかもしれない。
すると、あなたの大切な部分が死んでしまうように感じる。
あなたは、あなたの大切な部分が死なないように、代わりに相手の大切な魂を殺してしまう。
相手はあなたの愛と必要で息が詰まって窒息してしまう。
「好み」を「必要」と取り違えてはいけない。


Ｑ：女の子と付き合うと、いつも彼女が行きたい方向にいって、自分の生き方を捨てちゃうんだ。
Ａ：
それは「恐れ」のことだね。あなたは、自分の意図する方向へ行こうとすれば、彼女が離れていくことを怖れているんだ。
だから自分の人生のほうを諦めてしまう。

そのパターンを崩すには、
１．私はどこへ行こうとしているのか？
２．誰とともに行くのか？　と問うこと。


Ｑ：母さんはパートナー（つまりボクの父）を探していますがなかなかうまくいきません。
Ａ：
今のままが完璧かもしれないということだ。
人生に何が起きていようと、そこに完璧さを見出し、感謝すること。
あるレベルでは、あなたがそれを望んでいると知ることで感謝できる。

魂のレベルではいつも理由がある。
ほんとうの自分を経験するために、ヒトとして産まれてきた魂だ。
あなたはその目的のために、ぴったりの人、場所、出来事を引き寄せている。
あなたの眼に映る悲劇は、もう悲劇じゃなく、チャンスとして見える。
宇宙全体がそのステージで、地球はあなたの立ち位置、演じる舞台なんだ。


Ｑ：私のことを愛して見守ってくれる人のもとへ送ってくれるのはいつですか？
Ａ：
あなたが探しているヒトになりなさい。
愛する人を捜す代わりに、愛される人になりなさい。
あなた自身が、求めるものになりなさい。
そうすれば、求めているもののほうが、あなたを見つけ出す。


＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊ドラッグ＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

Ｑ：ドラッグはそんなに怖いもの？　ほんのちょっと試してみようとしているだけなのに
Ａ：
合法か違法かは問題じゃない。
ヒトにとって「ほんのちょっと試してみる」ことが不可能だ。
「危ないから近寄るな」というと腹を立てて、「私なら大丈夫だ」と思っている。
スリルを味わうことに夢中で、データなどは無視してしまう。

ドラッグは、まずあなたの正常な考えをストップさせる。さらには、まったく考えられなくなる。アルコールも同じ。
あなたがたの世の中は、つまらないものをスゴイことにして、本当にスゴイことをつまらないと言っている。
エキサイティングなことを探しているのなら、人生より「スゴイ」ものはほかにない。
それはドラッグでどんよりした思考や蝕まれた身体でなく、明晰な思考、エネルギーに満ちた身体、
気高い魂を通しての経験のことだ。


＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊学校＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

Ｑ：学校では事実を教わるだけで、考えることはしないのはなぜ？
Ａ：
「考え」は物事をそのままにしておきたい者にとって危険だから
「社会」は、物事をある特定の考えで見る人たちのグループにすぎない。
彼らの伝統や制度、利害関係を脅かす恐れのあるものには必ず反対する。それを教えることなどできない。
「考える」のは考察を生む。「習う」のは記憶するだけだ。

さらに、それは事実でさえない。
どの社会、歴史に属する親のもとに生まれたかによって、まったく異なった理解をすることになる。
「親の罪は、７代の先まで子に引き継がれていく」（聖書）

本質的に２種類の人間がいる。「繰り返す者」と「変える者」。
「繰り返す者」は過去を見て、今までのことをくりかえす。
「変える者」は、過去を見て、同じ失敗をくりかえさないようにする。


Ｑ：学校を変えるにはどうしたらいい？
Ａ：
カリキュラム全体をホリスティックな生き方のコンセプト「気づき」「正直さ」「責任」によって立て直す。
人間としてより広い範囲の経験ができる授業、自己発見・自己表現・地方分権・公正な経済・
環境を守るライフスタイル・多様性を尊重し個性を役立たせる方法・性を尊ぶこと・創造的な考え方などのプログラムを組む。

年齢で分けるのではなく、興味や情熱の度合いによって分ける。

今の子どもたちは、20年前の３倍もの宿題を抱えている
テストを廃止し、点数で評価するのをやめ、目の輝き・行動に現れる喜びを見ることで
彼らの脳が刺激されているかを推し量ること。
学校の経営方針には生徒からも意見を出し、決定するメンバに加えること。

（これは理想的だ

あなたの人生を何より衰弱させるのは、最初から結果は分かっていると思い込んで試してもみないことだ。
始める前から、諦めてはいけない。


Ｑ：なぜみんないい子、落ちこぼれのグループに分かれちゃうのかな？
Ａ：
グループに分かれるのは、アイデンティティを探しているから。
人生は、自分が何者であるかを決め、定義することに尽きる。学校も変わりはない。
グループは分かれるものだ。それでグループが成立している。
グループに属さない個人同士なら友だちになれる。

成長こそ、すべての命の目的と役割。
あなたは、自身に気づいている。自己意識を持っている。
すべての変化は成長だ。「大きくなる」ことが必ずしも「よくなる」ことではない。


Ｑ：生物の先生が最悪なんだ！　授業なんかすぐ眠くなる
Ａ：
先生と話し合ってみること。ほかの生徒に聞いてみることもできる。
文句だけ言っても何も始まらない。


＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊親＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

Ｑ：私の親はなぜ離婚するの？
Ａ：
愛は何かをくれた相手へのお返しでなく、選択だと知ること。
ヒトは本質的に同じことを望んでいるからだ。大切なことは共通している。

一方、あなたは親が離婚しても幸せでいていいんだ。
人生を信頼しなさい。物事は、すべてのものにとって完璧なかたちで動いている。


Ｑ：子どもが親と違う意見を持つと、意見を押し付けようとするのはなぜ？
Ａ：
人間は「違い」を好まない。歳をとるとさらに嫌がるようになる。
ヒトは「同じ」が好きなんだ。同じなら、自分が「「正しい」証明になるから。
あなたが違うことを始めると、彼らは「間違っている」と言われているように感じ、不安に陥る。
ヒトは、なかなか自信を持てないんだ。


Ｑ：親は、なぜボクたちとまともに話ができないんだろう？
Ａ：
親もあなたと同じように「聞いてもらえず、誤解され、無視されている」と感じている。
互いに話し合わないから、いつまでも誤解が解けず、共通点がないと信じてしまう。「ジェネレーションギャップ」が完成する。
親は、あなたが話したくない、聞きたくもない、放っておいてほしいのだろうと思っている。
これは簡単な逃げ道だからね。

自身であること。より偉大な自分を経験すること。それが人類共通の関心事で、目的だ。
科学的に言えば、これこそ「進化」だ。


Ｑ：親はなぜボクの失敗ばかり目につくんだろう？
Ａ：
ポジティブなことは気にかけない代わり、ネガティブなことはとても気になる。これは人間の癖だ。
世の中は、あなたを映し出す鏡だ。自分のしたことが、自分に返ってくる。
いい事を見たら、いいことを言おう！

あなたがヒトに求めるものを、ヒトに与えなさい。
すると、あなたに何倍にもなって返ってくる。これは「宇宙の法則」だ。
受け取りたいものの源泉に、自分がなるんだ。

でも、同じ相手から、同じことが返ってくるとはかぎらない。
キミだって自分愛しているからという理由で、ヒトから愛されたくはないはず。
あなたであるから、あなたがそういう人間でありたいからという理由でヒトと接するんだ。


Ｑ：親って、なんでいつも、あんなに親らしくしてないといけないの？
Ａ：
親らしくふるまう親は、親というものは、子どもの前ではそうふるまうべきだと考えている。
でも、子どもたちは、そんなことで誤魔化されはしない。


Ｑ：私が親になったら、同じ失敗を繰り返すの？「あなたも親になったら、きっと同じことをするのよ」ていつも言われるから。
Ａ：
人生のどの瞬間にも、あなたは自身を定義している。毎日、自分が何者であり、何者になりたいかを決めているんだ。
そうする時、人生のターニングポイントがやってくる。
親がくれたものは、すべてが贈り物だ。全部が宝物だ。
あなたは、そのすべてから選び取ることができる。


＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊未来＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

Ｑ：ボクは将来、成功しますか？
Ａ：
もしあなたが「○○が欲しい」と言い、そう振舞うと、あなたがそれを「欲しがる」という経験を生み出す。
日頃、自分がどう考えているか、しょっちゅう口にする言葉や、しばしばやっていることをチェックすることが役立つだろう。


Ｑ：みんな地震かなにかで大陸が沈没するとか言ってるの。
Ａ：
あなたは、そんなことを話すのはやめて、地球の未来にはどんな素晴らしいことが起こるかを話すようにしなさい。
バランスのとれた気温を保てるよう気温を調査し、環境を大切にするよう大人たちに頼んでみよう
日曜の新聞を刷るために森林を伐採するのをやめるよう頼もう。
ヒトは自然がすることを自分たちで取って代わろうとして、自らを薬漬けにして殺そうとしている。

問題に取り組みながらだって、楽しめるんだ。
リラックスするのは、プロセスの中でもとても大切な部分なんだ。
人生を楽しみ、喜びを広げ、愛し合いなさい。これが３つの基本、目的、ヒトであることの醍醐味だ。