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notes and movies(2002.10〜 part5)

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過去のノートにある映画感想メモシリーズ。
part4からのつづき。
昔のメモなので、不適切な表現、勘違い等はお詫び申し上げます/謝罪
なお、あらすじはなるべく省略しています。


■『トゥームレイダー』(2001)

監督:サイモン・ウェスト 出演:アンジェリーナ・ジョリー、ジョン・ヴォイト ほか
『ハムナプトラ』の女性版か。とにかくバツグンのスタイルと美貌のアンジーが
完璧カッチョいい完全無敵のアクションヒロインぶりがお見事
男の子にスーパーマンが必要なように、女の子にも彼女みたいなイコンが必要な時代。
余計なお色気シーンやお涙頂戴がないのが現代風。

犬ぞりしたり、スキーにカヌーにバンジーに銃撃戦etc...
あらゆる道具や状況を利用してのハイスピードアクションにコーフン。
長い髪にパツパツのタンクトップ、ホットパンツ? 極地でも寒くないのか?
白い動きやすそうな服も“デキル女”にピッタリのファッション。


■『インティマシー 親密』(2001)
監督:パトリス・シェロー 出演:マーク・ライランス、ケリー・フォックス ほか
結婚しても相手のことを何もかも知ることはできない。
それでも共同生活して運命をともにするフシギ。
離婚しても癒えない傷もある。男女の愛情の複雑なこと。

家を出る理由も、親友がなぜいつもトラブってるかもよく分からんし、
部屋を貸す貸さないでモメるシーンもよく分からん。
お互い愛し合っていたということか? 傷つきあうのを恐れて時期を逸してしまたか?
でもまたそれぞれの元へ帰るのはなぜだろう?? なんだか終始煙に巻かれた気分。
―――にしてもかなりリアルな絡みシーン。R18だっけ?
こんな演技を求められるなんて俳優もラクじゃないな


■『ショコラ』(2000)

監督:ラッセ・ハルストレム 出演:ジュリエット・ビノシュ、ジョニー・デップ ほか
とろ〜りとろける魅惑的なチョコレート。カカオマスには心と体を癒すフシギな力がある
魔女のように人の好みを言い当て、癒し、閉ざされた小さな村の人々の心を解きほぐす、ジプシーのような母娘。
チョコの誘惑にはどんな人も抗えないのと同様、自由な考えや行動を人に禁止することなど不可能だ。
とくに恋と食を謳歌するフランス人には。なぜ英語なのが気になるが、味のある役者をそろえた感動の1作。

毎日あんな魔法みたいに幸せをもたらすチョコを作ってくれる人なら私も嫁にもらいたいくらいだw
「何を禁じるかでなく、何を受け入れるかが神の愛であり、生き方であり、それこそ大切な人間性だ」
と神父が語り、村人が納得する。実際は人の考えを変えるのはこんな簡単じゃないし、
自由には常に危険と責任もついてくるが、それもひっくるめて底に流れる人の良心、
前向きで開放された温かい心の存在を信じさせてくれるような作品。


■『セッション9』(2001)
監督:ブラッド・アンダーソン 出演:デヴィッド・カルーソー、スティーヴン・ジェヴェドン ほか
わざわざ囲み枠の注意書きで「精神的に不安定な時は心して見るように」
みたいなことが書かれていたのにまんまと乗せられた
やたら長くて、遅くて、メリハリのない展開、それっぽい立派な建物とロケは良かったけど
話はなんてことない―――とゆーか前半〜中盤までちょっと眠りかけた
今作に期待して劇場に観に行った人に同情する。単に気分が悪くなっただけだろう。
一応、2001年ヴェネチア国際映画祭特別招待作品とかになってる。


■『タイムマシン』(2002)
監督:サイモン・ウェルズ 出演:ガイ・ピアース、ジェレミー・アイアンズ ほか
お金とCGを使った割りに奥行きのないドラマになってしまった。
妙に貧相な顔立ちのガイが中世向きじゃなかったせいか?
H.G.ウェルズのひ孫が撮ったらしい。

2037年には月が落ちてきて、その衝撃で気を失って、なんと80万7000年まできてしまう。
ここまでくるとコメディだ セットも作りきれないからジャングルだし、
コクーンみたいな場所(崖の側面)におびえて暮らすエロイ族の中に英語を話せる美人教師がいるのもなあ・・・
なんか『猿の惑星』と『スターウォーズ』の合作じみてきた。
『アルマゲドン』とかの世紀末ものも全部そうだが、すべてアメリカが世界の中心で
世界そのものみたいな描き方がいつも鼻につく。

とにかく、過去に戻っても人の寿命は変えられないというのが結論か?
『バック・トゥ・ザ・フューチャー』みたいなパラドックスは起こらないらしい。
それをやってたら映像化不可能になっちゃう。
人の想像は創造となり、実現するというが、今作に目新しい未来はないばかりか、
最近の近未来ものはいつも破壊、滅亡が多い。
変えたい過去、のぞきたい未来はいっぱいあっても、今現在の命を生きることが大切だって思う。


■『新仁義なき戦い 組長最後の日』(1976)
監督:深作欣二 出演:菅原文太、松原智恵子、尾藤イサオ、地井武男、成田三樹夫 ほか
今作で堂々、北九州市小倉が登場! だが“〜くさ”、“〜ばってん”他は関西弁なのはなぜ??
九州vs大阪、復讐に次ぐ復讐。今作では菅原が執拗な復讐の鬼と化す一方、
兄妹ドラマ、そして犯罪が少し複雑になって、女がより大きく関わってきている。

今シリーズで頭を使うヤクザ幹部として、いつも活躍している成田さんが渋い
あまり殺される役じゃなく、とりまとめ役が多い。スッキリとスーツを着こなしたインテリっぽさがイイ。
それにしても懲りない面々。人殺しても保釈金次第だったりで7年くらいで出てこれちゃう法律はおかしくない?


■『マレーナ』(2001)

監督:ジュゼッペ・トルナトーレ 出演:モニカ・ベルッチ ほか
甘い音楽とイタリアの明るく開放的な光、そして何といってもモニカの圧倒的な美しさが今作の見所。
戦時中、美しさ故に小さな村で残酷な仕打ち(セクハラもいいとこ)を受ける未亡人と
何も出来ずに想いを募らせる少年(ほとんどストーカー)の性の目覚めを描いて、
前半はコメディタッチ、後半はドラマチック。
最初で最後に交わした言葉が「お幸せに」であるとか、変わり果てた妻と再会し、
村に2人で戻るまでのドラマを敢えて描かずに想像の余地を与えたトルナトーレ監督の上手さに感動。

人間社会のルールは複雑怪奇で猿同然
「その他何人も女を愛したが思い出すのはマレーナだけ」とはイタリア人の言いそうなセリフw
父のズボンを勝手に切って自分用の長ズボンにしたり、マレーナのかけてたレコードをかけたり、
下着は盗むは、部屋は覗くは、やり放題。冗談みたいにオーバーアクションの父はそれほど政治的でもなく、
息子のために売春宿まで連れてきてあげるような理解者でもある
「シチリア女め」ってセリフがたくさん出てくるが、どこに行ってもいわれのない差別があるもんだな。


■『その後の仁義なき戦い』(1979)
監督:工藤栄一 出演:小松方正、星野美恵子、松方弘樹、原田美枝子 ほか
監督が違うから妙に人情臭いドラマ仕立てで、シリーズと離れた話っぽい。
1人1人丁寧すぎるほど描かれて、音楽はブギウギバンドと松崎のオンステージ状態。
でも舞台が再び小倉なのが嬉しいv

友情出演の萩原は飲み屋で絡む変な男のチョイ役。
今で言ったら浅野忠信と永瀬正敏みたいな人気だったろうから、
いろんなサービスショット満載にしたかっただけかも?

そもそもヤクザに人情、仁義、道理を通そうってのが間違ってる。
不良がこれを観て悪行をやめたり、更生するとも思えないし。
'80代の中途半端な邦画の雰囲気が随所に漂ってる点は仕方ない。
原田さんの作品が思いがけず観れたっていうので納得。


■『バイオハザード』(2002)

監督:ポール・アンダーソン 出演:ミラ・ジョヴォヴィッチ ほか
超〜〜〜〜おもしろかった ハイテクゾンビ映画だったんだw
めちゃ強いヒロインものが続くけど、今まで少年〜中年男らが無敵のヒーローに憧れる気持ちが分かった。
美しくも逞しいミラが狂犬にハイキックする瞬間から最後までドーパミン大放出


その1.たとえひっかき傷でも感染する。
その2.動きはトロいが食欲旺盛
その3.頭をぶち抜かない限り死なない。

外に逃げても皆ヤラれてるって結末は今までもあったが、「生き残る。たとえ1人でも」ってキャッチが効いてる。
めげないヒロイン、今度は世界と闘うのか
確かこのゲーム、社員さんが話してたやつかな?
ひたすらゾンビを撃つシューティングゲームより映画のほうが面白いんじゃないかな?
ゾンビになる前から怖いマリリン・マンソン?以外は皆美しい出演者たち。
メタリカ風サントラもカッチョいい


■『冬物語』(1991)
監督:エリック・ロメール 出演:シャルロット・ヴェリー、アヴァ・ロラスキ ほか
さて、今作がどーしてコメディ映画に分類されたのか?
笑えるギャグが1つも出ない代わりに、再会までの長いドラマで女性の自立の話でもある。
仏映にしちゃ珍しい、ギリギリでの超ハッピーエンディング。
さて、この後2人が何事もなく暮らせたかは、それぞれの想像に任せられる。

経済力のあるM、インテリで愛情も友情も支えてくれるR(やたら小難しい会話にはウンザリ)でもなく、
理想の初恋の人?を待ち続けたFは、カトリックではなく魂の転生を信じると熱弁。
Sともきっと縁があると言い切っていた。
欧米人には、なかなか自然に理解できる考え方ではないらしい。

美しい女の子が王子と結ばれるおとぎ話を聞いて育つ女のほうが“運命”や“偶然の出会い”なんか信じやすいだろう。
今作はロメールの撮った四季の映画の1つ。
劇中劇として同題のシェイクスピア劇が演じられるが、それが軸になっているのかも。


notes and movies(2002.10〜 part4)

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過去のノートにある映画感想メモシリーズ。
part3からのつづき。
昔のメモなので、不適切な表現、勘違い等はお詫び申し上げます/謝罪
なお、あらすじはなるべく省略しています。


■『砂の女』(1964)

原作:安部公房 監督:勅使河原宏 出演:岡田英次、岸田今日子 ほか
恐ろしい話! モノクロと鋭い笛の音みたいな音響効果がさらに際立たせる。

哲学でもある。自由を奪われた人間。たしかに愛する者と一緒にいられるなら
他に何もいらないってヒトもいるだろうけど。人はどんな環境にも適応可能だというし。
この男みたく目的と他者がいれば、外界の無意味な快楽・娯楽は必要ないのかもしれない。
強いストレスで抵抗するより降服・無気力を選ぶ心理もあるかも。

でも実際あっていいわけはない。女は外界を知らずに育ち、恐怖心に縛られていた。
男が消えるのにおびえ、都会に憧れながらも自発的行動より巣を守ることしか考えない。
そこに“自分”はないし、依存のみ。でも、それは外界にいても、地中にいても同じだと言いたいのか?
自分でその立場を選んだなら納得もいくが、そもそもなぜ閉じ込められたんだっけ?
過疎化だけじゃ不条理すぎる。ああ、“不条理”がメインテーマか。

失踪扱いとなってはや7年。
男はたぶんまだ穴にいるだろう。出ようと思えばいつでも出れると思いながら―――。
たしかに生きるのに意味はないと悲観はいくらでもできるが、広い世界を見て、
自分の力で生きる楽しみをイタズラに否定する必要もなかろう。
スタッフの印鑑を冒頭に見せたり、途中、村人が祭りのごとく太鼓を叩いたり、
狂気とスリルを盛り上げる演出がたくさん。


■『太陽の季節』(1956)x
監督:古川卓己 出演:南田洋子、長門裕之、石原裕次郎 ほか
ヌーヴェルヴァーグのフランス映画っぽい。今までこんなファジーなテーマで映画を撮った人はいなかったろう。
今作から“太陽族”が生まれたのか?
裕福な家に育って、ヨット遊びに別荘での休日、アイドルみたいなワンピを着て、
恋愛ゲームは肉体関係もこみ、ナンパもありだし、デートはダンスホールでお酒を飲みながらチークも踊る。
でも、何の目的も見いだせなくて、冷めて乾いた視線は今の若い世代と通じてさえいる。
ラジオからはホットなJAZZ、なかなかイイ時代だったんじゃない?
“トッポイ”とか、所々に挟む英単語とか、時代を反映した若者言葉も面白い。
今回、慎太郎氏がどこにゲスト出演してるか分からなかった。長門&南田は実際結婚したよね?
彼は恋人の死に泣いただろうか? でも死んでからじゃ遅すぎる。


■『新仁義なき戦い』(1974)
監督:深作欣二 出演:菅原文太、若山富三郎、渡瀬恒彦 ほか
一応、原作のほうは4作目で一区切りついて、今作はシリーズ6作目みたいだから、5作目がどこかにある?
でも山守組の内輪もめの1作目に話は戻ってる
だんだん撮り方もキャラも落ち着いて、演出効果も意識した感じ。

まさに親子の杯も兄弟分もない仁義なき戦いに終わりはない。
常に台頭する若いリーダーも次々と消えてゆく。極道といっても、のらくら遊んでばかりいられない。
完璧縦社会のプレッシャーでストレスたまるじゃん。
人殺して数年で出てこられちゃう仕組みがそもそもおかしくないか?
清順作品ではヒーローの宍戸も今作では飲んだくれの病気持ちで冴えない。


■『ザ・ギフト』(2000)

監督:サム・ライミ 出演:ケイト・ブランシェット、ジョヴァンニ・リピシー、キアヌ・リーヴス ほか
サム・ライミで納得。けっこー怖かった 途中で犯人分かったし、展開としてはありがちなんだけど、
それぞれハマリ役の役者揃いで2Hたっぷりハラハラドキドキの連続。

ヒロインの見るたくさんの幻がフラシュバックとなり、デヴィッド・リンチの『ツインピークス』状態の効果あり。
小さな町での殺人事件は、男女関係のもつれでドロドロしたものが多いのかな?
怪しいキャラが多い中で、ホラーサスペンスのルールに基づいて一番らしくないキャラが犯人だってことはすぐ分かったv


■『錆びたナイフ』(1958)
監督:舛田利雄 出演:石原裕次郎、小林旭、宍戸錠 ほか
ハリウッド映画みたいな台本。もっと予算をかけて2Hくらいでじっくり現代風に撮ったらイイかも。
S33だと、ヤクザもなんだか上品でカーチェイスも別撮りがバレバレだし、
悪の御大自ら殺しの手を下しにきちゃうのも甘過ぎる。
これを書いた本人が今や政治家なんだから現実は小説よりも奇なりw
当時から暴力団と警察、政治家の関係が疑われてたというワケだ。

手切れ金や脅迫でせびる金が10〜50万円なのは、今の物価に直すとどれくらいか?
慎太郎作品は、どれも兄弟が出てくるものが多いようだ。
小林も若く、裕次郎にしても仁義シリーズに比べたら余りに正義純情キャラで
とてもヤクザには見えない好青年ぶりなのが可笑しい。


■『レクイエム・フォー・ドリーム』(2000)
監督:ダーレン・アロノフスキー 出演:ジェニファー・コネリー、ジャレッド・レト ほか
本格的にドラッグの天国と地獄を描いた1作。
若者は一攫千金のため、老女は孤独なダイエットのため、その先のお先真っ暗な犯罪の世界、
行く末は病院か刑務所。簡単に手に入ってしまう世の中とあまりに無防備な人たち。

電気ショック治療ってまだやってるの? こんな時代遅れで野蛮なこと
みんな元はと言えばごく一般的な家庭の日常生活で起きていることっていうのが恐ろしい。
ドラッグの背景にある、もっと暗く絶望的な社会と人間像をとらえなければ根本的になくならない。


■『サウンド・オブ・サイレンス』(2001)
監督:ゲイリー・フレダー 出演:マイケル・ダグラス、ショーン・ビーン ほか
やっぱハリウッドは作り方と金のかけ方が上手い。
大して目新しいテーマじゃないのについ引きこまれてしまう。
ドロボウも医師もプロで、時間を限定することで展開をスピーディにしたところがミソ。
少女がダクトを通じて歌声を母に届けるシーンは『知りすぎた男』を思わせる。
母はスキーで骨折して動けない設定は苦しい。
緻密な部分と大ざっぱにまとめているのが気になる部分も混ざっているが全体的によくまとまってる感じ。
大体あんなモデル系ママはいないしなあ
本気で仕事したら10年越しの犯罪も一気に片付くってことか?w


■『新仁義なき戦い 組長の首』(1975)
監督:深作欣二 出演:菅原文太、山崎努、梶芽衣子、渡瀬恒彦、成田三樹夫 ほか
こんどはS43北九州が舞台。かなりテンション下がって歌あり、お色気あり
“〜くさ”がいっぱい出てくるほかは訛りも広島弁と変わらない? 流れ者の菅原が組を荒らす話。
寝ると殺される下げマン呼ばわりの色っぽい女優も大活躍?と思いきや、誰が死のうと構わない脇役だった。
演技派の山崎が若い! 小林稔侍を加えてがんばってる第7弾。


■『ピアニスト』(2001)
監督:ミヒャエル・ハネケ 出演:イザベル・ユペール、ブノワ・マジメル ほか
かなりショッキングでR15に納得。これを劇場で観たらさらに衝撃的だろう。
自伝的作品を原作にしているとのこと。

精神病院にいる父と、異常に過干渉の母に育てられた女性の、歪んだ形でしか表せない愛情と感情表現、
裏腹の音楽の研ぎ澄まされた感覚を生かして、ウィーン音楽学校で教えるカリスマ教師なのだから、
人の性欲を才能に開花させるという説もあながち嘘じゃなさそう。

男ばかりの個室でAVを観たり、トイレで何やらもぞもぞ仕込んだり?! その歪みっぷりはスゴイ。
ユペールのプライド高そうな仮面のような表情が対照的。
母を「愛してる!」と襲おうとしたり、異常行動はエスカレート。
だけどあんな母親に始終つきまとわれてたら狂うのも分かる。その後、彼女はどーなったろうか?


■『ボーイズ・ドント・クライ』(1999)
監督:キンバリー・ピアース 出演:ヒラリー・スワンク、クロエ・セヴィニー ほか
実話の映画化だろうか? 社会的問題となった“性同一性障害”。
いまだに日常でもメディアでも“オカマ”や“ゲイ”が特別視される中で、
先進国アメリカでも田舎では意外に堅いクリスチャンや偏見が多いと聞く。
彼らにはエイリアン同様に理解を超える存在なのかもしれない。
あえて主人公を男の心を持つ女の体とし、レイプされ、殺される最悪のエンディングによって
多くの人に問題意識を抱かせる必死の思いが感じられる。
なんといっても主演女優がハマリ役で素晴らしい。

心と体が食い違うというストレスがどれほど辛いか想像するのは難しい。
こっそり生理用品を買いに行ったり、胸をさらしで隠したり、愛する者に打ち明けるリスクや
対等に愛し合う難しさ、性転換手術のリスクも大きい。
その上、社会や家族からも阻害されてしまったら、生きるだけで大変な負担だ。
今までは世間から隠したり、自分を偽ってきた人々も、次第に世の中の変化
(よりオープンに、柔軟に、科学的、人間的に)によってカミングアウトし主張しはじめている。
あらゆるタイプの人間がいることを知り、自分のいる小さな世界からより広く大きな眼を見開くことが必要だ。
ラスト、1人で車を走らせるラナが象徴しているように。

notes and movies(2002.10〜 part3)

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過去のノートにある映画感想メモシリーズ。
part2からのつづき。
昔のメモなので、不適切な表現、勘違い等はお詫び申し上げます/謝罪
なお、あらすじはなるべく省略しています。


■『アザーズ』(2001)

監督:アレハンドロ・アメナーバル 出演:ニコール・キッドマン、フィオヌラ・フラナガン ほか
『パニック・ルーム』に劣らない面白さ。こっちは中世劇の心理サスペンス。
同じ母役でも光アレルギーの子どもを2人も抱え、愛の冷めた夫が戦後も前線から帰らず、
待つ孤独と、死者のうろつく大きな屋敷におびえる敬虔なクリスチャン役のニコールの役選びは
自分の個性を知った上での賢い選択だった。

「ウソをついた子の行く地獄はどこにあるの?」
「私はもう無知だから分からないわ」
「ここが私たちの家。もう離れない」

こうして家にゴースト現象が生まれるワケだ
しかし、何百年もたったら、それこそ混雑してあふれてしまうだろうに!
輪廻転生は信じても、魂や霊の存在は否定しているのか、場所に執着するからいつまでも成仏できないのか?
今と違って昔の郊外でシングルマザーが2人の光アレルギーの子どもを抱えて、
ずっと家に縛られているそのプレッシャーと孤独たるや想像を超えるものだろう。


■『GO』(2001)
監督:行定勲 脚本:宮藤官九郎 出演:窪塚洋介、柴咲コウ、山崎努 ほか
これが話題作。同じ低予算ながら、しっかりした脚本と窪塚のキャラで魅せた。
金城武じゃハマりすぎだし、永瀬じゃ上手すぎる。
特別カッコいいとも思わないが、インディーズの勢いがある。RIZEもオススメの1本。
元ボクサー役の山崎さんがイイ味出してる。でも毎度あんなに本気で殴ってたら骨折れてるんじゃない?

在日ってそんな深い意味があったのか? どこの生まれだって今の時代珍しくないじゃん。
でも現実に今でもこんな意味のない差別があるとしたらショックだ。
子より親、またその親の偏見、弱者意識でつながっているんだろう。

「警官の制服ももっとダサかったらな。セーラー服とかだったら誰も道聞かないだろうし」w

「腕を伸ばした範囲が大体お前という存在で守られてる。でも伸ばして外のものをひっつかめ。外の世界を見るんだ」

よく考えたら、私がもし欧米人でなくアジア人と結婚するって言ったら親が反対するかもね。
でも、どんどん変えていくのは私たちで、未来は国籍なんて言葉すら意味をなさないようにできるはず。
国家より個人、老人より若い世代なんだ。より明るく平和に良い方向に変えていくのは。


■『嵐を呼ぶ男』(1957)
監督:井上梅次 出演:石原裕次郎、北原三枝、青山恭二、小夜福子 ほか
これが有名なドラムのシーンと同タイトル曲。主役の裕次郎を一躍スターダムにのし上げた大ヒット作。
都会のセンスと、ワイルドで爽やかな魅力、甘い歌声すべてが人々を熱狂させたのだろう。
『太陽にほえろ』のボス役でしかリアルタイムで知らない世代には新鮮。
コーヒーのCMでも流れて、CGでよみがえり、昭和ブームの今、その他の代表作もチェックしたいところ。
ラストがいかにも母子泣かせなドラマみたいなのが可笑しいが、
当時の銀座がホットなJAZZと喧騒で賑わっていた感じが分かる。


■『仁義なき戦い 第一部』(1973)
監督:深作欣二 出演:菅原文太、松方弘樹、田中邦衛、金子信雄、梅宮辰夫 ほか
これが大ヒットシリーズの記念すべきエピソード1。ひやむ曰く「最初の3作目までの勢いが特にスゴイ」とのこと。
スピード感や迫力が伝わる。一発撮りに徹したという深作にならって、本シリーズにインスパイアされたアルバムも同様に録ったとか。
新作のサントラも演ることだし、予習必須。実際の事件が元か。

新勢力が台頭しては潰される、まさに無常な血で血を洗う殺し合いの繰り返し。
でも極道と道がつくからには、それなりの掟と美学を持ち、その中でも汚い連中は「腐れ外道」ってことか(専門用語その1
広島弁も面白い。

土建や競艇等ヤクザがらみの商売がいろいろ出てくる。
殺される場所も売春目的の風呂屋とか床屋のシーンは『ゴッドファーザー』を思わせる。
殺しても金で出所できちゃう仕組みが恐ろしい。「男になる」には組長を殺してムショに入ればカンタンになれるらしい。
新作では梅宮や松方が出てるけど、生き返ったのか?w


■『仁義なき戦い 広島死闘篇』(1973)
監督:深作欣二 出演:菅原文太、前田吟、成田三樹夫、梶芽衣子 ほか
だんだん話が見えてきた(とゆーか本編前説を観て)“広島20年ヤクザ抗争”の原作本の映画化なのね。
1作目は呉市を牛耳る山守組の若手分裂の話で、今作2作目は台頭する村岡組と大友組の話。
北大路が極道にもカタギにもなりきれない半端なもどかしさとマヌケさ、
反面、人間的感情をヒロインと絡めて描いている。千葉のキレ演技が弾けてる。
よくまあこれだけ次々とワルっぽい顔ばっかり毎度集められたな。

しぶとく生き残った山守ほか組長連と、次々芽を出しては血気盛んに暴れまわる若手。
今作は昭和30年までの話でまだまだ戦いは続いてゆく。

初めて人を撃った後、北大路が口笛を吹き、殺しの快感に変わるまで、
殺人現場を改めた後、再び口笛を吹いて警官に捕まるシーン、
そして最期、口笛を吹きながらなかば半狂状態で自殺する1発の弾をこめた銃身に砂をつめるシーン、
口笛という効果で様々な心理を描いているのが印象的。


■『ファンシィダンス』(1989)
監督:周防正行 出演:本木雅弘、鈴木保奈美、竹中直人 ほか
オフィのカキコミにあった通り、若き頃のスカパラメンバが最初と途中40分目ほどに出演。
ひやむがひたすら動き回る&グラサンなし姿が初々しい。ほかは顔がボヤけて分からん
話はなんてこたないラブコメディ。友だち曰くマンガ原作は面白いらしい。
『Shall we ダンス?』『しこふんじゃった』の監督。途中船こいじゃった


■『狂った果実』(1956)
監督:中平康 出演:石原裕次郎、北原三枝、津川雅彦 ほか
アラン・ドロンを主演にしてもイイ感じなラブサスペンス。
鎌倉を舞台に燃え上がる夏の恋愛と兄弟の愛憎劇。シンプルながら見応え充分。
当時水上スキーは最先端スポーツなのか? 今でも1人でヨットやボードを持って乗り回せる坊ちゃんは珍しいだろう。
石原のワイルドさと津川の対照的な演技、北原のヴァンプ的魅力、
脇を固める若手の岡田も離婚家庭のハーフで影のある役で際立つ。

「オレは一体何人目の男なんだ!? 体はオレのものでも、心は弟のものなのは気に食わねえ!」

この頃は葉山のあたりは外国人が多かったのか?
世間に冷めた見方をして、退屈する裕福な若者たち。彼らが太陽族?
水着も時代を感じさせる。ドレスもヒラヒラで'80アイドル歌手って感じ。
踊り方もすました型の決まったもの。こんな銀幕のスターに憧れた若者がずいぶん真似したものだろう。


■『スターウォーズ? クローンの攻撃』(2002)
監督:ジョージ・ルーカス 出演:ユアン・マクレガー、ナタリー・ポートマン ほか
急ピッチで製作され、完結へと向かっている今シリーズ。
エピソード2の見所は、なんといってもアミダラとアナキンの結婚と、自在に動くCGヨーダ
杖をついたじいさんに見えて、フォース使いの師匠は、ライトセーバーを持たせても
目にも止まらぬ速さで戦えるスゴイ奴だった!
アナキンの片腕が機械なのもクローン戦争の指導者に切られたせいだと分かるし。

ジャージャーも続出演してるし、エピソード1の面々もいるが、よく覚えてないからな
相変わらずお調子者の3POがクローンと頭をとりかえられて血迷うシーンとかで笑わせる。
処刑で使われる恐竜みたいなのや、戦闘キャラ、飛ぶマシン、もろもろの創造物が次々と目を楽しませ、
スピルバーグの頭の中の世界が限りなく広がり、ことごとく映像として全世界に具現化される様は圧巻。
現代のウォルト・ディズニーといったところか。
この分だといよいよクローン戦争となるエピソード3と、アナキンがダークサイドへ行くきっかけは何だったのか気になる。

May Force with you.


■『仁義なき戦い 代理戦争』(1973)
監督:深作欣二 出演:菅原文太、小林旭、渡瀬恒彦、山城新伍、辻玲子、成田三樹夫 ほか
今シリーズでフシギなのは、同じ俳優が別の役で何度も出てくるから、複雑な抗争劇がなおさらややこしくなるw
さすがにドス声&悪顔の男優はそんなにいないってことか? 第3弾の準主役は渡瀬恒彦。
組同士のいざこざでも実際働くのは下っ端、殺し合い、服役するのは常に若者だってこと。
母子物語にもとれるが、極道に入れてくれって頼んだ自業自得だ。明日なき世界なのは分かってたんだから。

とゆーワケで今回も広能らはしぶとく生き残って次作へ続く。
すっかり顔の広くなった広能は、なんだか皆の交渉人でもあり、いったん事が起これば特攻隊長にもなり、
なんだかんだで山守のたぬきオヤジとの因縁は続きそうだ。
S35まできて、政治も外交問題が悩みの種なのを反映して、ヤクザ社会と連動してるのも皮肉。
プロレス界とも通じてるのもスキャンダラスだ。


■『仁義なき戦い 頂上作戦』(1974)
監督:深作欣二 出演:菅原文太、梅宮辰夫、松方弘樹、小林旭 ほか
シリーズ中、もっともヒットしたという第4弾は、S39東京オリンピック後
やっと暴力反対に立ち上がった市民に警察が重い腰をあげ、マスコミはペンで闘い、
小さな事件も書きたて、世論によって組長、幹部級の一斉検挙によりいったん沈静化するまでの模様を描いた。
結局、死者20数名、負傷者20名弱、逮捕者1500人、一般市民の巻き添えも増え、
上が二の足を踏む中、若者の暴走が街を荒らした。

「わしらの時代は終わった」なんて言ってて、第5弾「完結」ではしっかり復活してる
賭けの対象も昔は花札、今や野球にまでのびてるのか。

notes and movies(2002.10〜 part2)

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過去のノートにある映画感想メモシリーズ。
part1からのつづき。
昔のメモなので、不適切な表現、勘違い等はお詫び申し上げます/謝罪
なお、あらすじはなるべく省略しています。


■『豚と軍艦』(1961)

監督:今村昌平 出演:長門裕之、吉村実子、三島雅夫、丹波哲郎、大坂志郎、加藤武、小沢昭一、南田洋子 ほか
冷牟田さんのコンピに入ってた今作。何と言っても長門さんのチンピラぷりがイイ
横須賀の港町を舞台に戦後の混乱期の昭和の貴重な記録でもある。
豊かなアメリカに負け、支配され、文化融合し、憧れすら抱いてきた日本。
高度経済成長を果たしても、その姿は変わらない。
貧しくても女1人で地道に働いて自立しよとするヒロインの強い表情のアップが頼もしい。


■『穴』(1957)
監督:市川崑 出演:京マチ子、船越英二、山村聡 ほか
『マルサの女』を思わせる女性記者。京マチ子といえば黒澤映画の妖艶な美女。
が、今作では変装するたびに様変わり! 女って着るもの1つでこうも変わるかって見本みたい。
軽快な音楽を取り混ぜて、早口なセリフ、スピード感あるコースター式ミステリー。
オマケに現都知事・石原慎太郎の甘〜い歌声も聴ける、痛快な1本。

今作も冷牟田さんのコンピに入ってたがスカパラの同名曲とは関係ないみたい。
モダンでセンスあるつくり。北が捕われた縄を外し、電灯を加工して感電させて脱出するシーンとかも面白い。


■『音曲の乱』(1992)

監督:林海象 出演:東京スカパラダイスオーケストラ、鰐淵晴子、佐野史郎 ほか
ついに TSUTAYA半額キャンペーンだからって、いつもより多く借りようと見てたら発見
くだらないムダなシーン満載の時代劇風コメディで長〜〜〜いプロモみたいな感覚。
一番演技っぽいことしてるのは川上さん、ひやむはさすがにチョンマゲじゃないが
得意の薔薇投げっぱなしでうっすら化粧もしてる?/驚
こーして映像で軌跡が残ってるってやっぱいいねえ〜。

谷中「生涯抱ける女には限りがある。その1人に選ばれてラッキーだったな!」
これ決まり文句なのかなw
谷中vsひやむの撃ち合いで倒れる渾身の演技にも注目v
なぜか全編セリフがほとんどないんだな、おかしなことに
しかしなんでこの映画を撮ったのか?w こーなったら他のもぜひ×1000観てみたい〜〜〜!


■『黒い十人の女』(1961)
監督:市川崑 出演:船越英二、岸恵子、山本富士子、宮城まり子、中村玉緒、岸田今日子 ほか

「どのみちこうなるんだわ。会話をしても男には女の話が分からないし、男の言い分は女には可笑しいだけ」

'61の時点ですでにTV界のいいかげん体質&ムダなハードワーク慣例は定着してたんだ
女性も本格的に社会進出して、肩を並べて働いてる。結婚して辞めるって体制は今も昔も変わらない。
Kを殺さず仕事という生き甲斐を奪ったのが結果的に一番いい懲らしめ方になったというオチか。
「オレを殺すのがそんなに面白いかな?」と飄々としたKのキャラは面白い。
10人の女が完全犯罪をする正統派ミステリー?と思って観てたら、
社会批判のブラックコメディでエンディングもあっけない。


■『関東無宿』(1963)
監督:鈴木清順 出演:小林旭、伊藤弘子、平田大三郎 ほか
こーゆーフツーの仁義ものも撮ってたんだ。噂のふすま倒しも観れたしv
背景が真っ赤に染まったり、画面横に赤い線が入ったりって演出が工夫されてる。
小林旭の太い眉はともかく、二枚目だったんだ。

「バカだね。白い着物(死)か、赤い着物(刑務所)なんて」

一昔前のヤクザは、極道なりにフツーより人間関係や作法に気を遣ってたのか。
変なルールだけど、敵側の奥さんに惚れちゃう日本版ロミジュリみたいなストーリーを意外にもじっくり描いた作品。


■『春婦傳』(1965)
監督:鈴木清順 出演:川地民夫、野川由美子、石川富子 ほか
初めて鈴木作品で泣いて感動するシーンがあった。ちゃんとドラマも撮れるんじゃん。
途中アレッ!?と思うつなぎの不自然な部分もあるけど、自らの戦争体験も生きてるんだろうか?
川地はクールで繊細でカッコいいし、野川はとにかく体当たりのハリウッドアクションヒロイン並み
銃弾びゅんびゅん飛ぶ中を走り抜けるシーンなんかランボーみたい。

生きようとする女と、恥とプライドをもって死のうとする男。結果は時代の価値観によって心中となる。
戦争のナンセンスさが伝わるが、実際は慰安婦の日常は言葉にならないほど壮絶なものだったらしい。
好きな男を待ってダラダラ考える余裕などあったろうか?

さすがに今作はモノクロだから色遊びもないし、変な挿入歌もナシw
96分が2時間半くらいに思えるくらい重い戦争ドラマだがロマンスを追うため、重すぎない。


■『花と怒濤』(1964)
監督:鈴木清順 出演:小林旭、松原智恵子、川地民夫、久保菜穂子、滝沢修、山内明 ほか
突飛な色遊びも演出もない代わりに、しっかりした脚本、伏線、キャラ設定、
唯一奇抜なのは、川地の怪人二十面相みたいなファッションw
“ベンガロスタイル”ていうらしいが、黒いスーツに、黒い帽子、マジシャンかと思いきや、
日本刀を振り回す神出鬼没の殺し屋がカッチョいい


■『悲愁物語』(1977)
監督:鈴木清順 出演:白木葉子、原田芳雄、水野哲、岡田眞澄、和田浩治、佐野周二 ほか
これが日活クビ事件から10年後に久々メガフォンをとった復帰第1作。
渋い節回しの歌謡曲から入って、女心を表す黄や黒のネイル、笑った顔のガラスに映った反転は青い影だったり、
宙ぶらりんの男etc...面白い仕掛けがたくさん入っているミステリー。とにかく江波杏子が怖い
今でいうとストーカーそのもの。精神異常者という設定ではあるが、正気と狂気は紙一重。
男のマネーゲームに踊らされるヒロインが落ちてゆく様、1人の女の執念によって歯車が狂い、
弟の姉への想いによって浄化されるまで。

パーティをやる部屋が天井にうつる風呂場のシーンもフシギだが、
弟と話す少女との桜吹雪のシーンも考えてみればブキミ。
弟の部屋がよく見えるというが、弟からは見えない幽霊なんだ。
髪をザンバラに切ったり、近所の奥さんが賞賛する裏で、嫉妬に狂い身包みはいでしまう様も異常で怖い。
白木は若く美しいヌードを披露。宍戸が前作を思わせるスーツに帽子の刑事役でちょい出演しているのは笑える。


■『カポネ大いに泣く』(1985)
監督:鈴木清順 出演:萩原健一、田中裕子、柄本明、チャック・ウィルソン、ランディ・レイス ほか
戦争で負けたアメリカ人に対抗して作ったらしいが、
舞台が横浜ドリームランドやウエスタン村じゃどーしても無理がある
やたら長いガンアクションシーンの連続とお祭りの喧騒のごとくひっちゃかめっちゃかで終わるまで
何度も眠気がさしてしまった チャックのアル・カポネぶりは一生懸命だが、
見づらい字幕に、聞きづらい英語で大半のセリフを読み飛ばした。

ひとつの時代が終わったことを示したかったのか?
浪曲初めての萩原が実際に猛特訓したという裏話もある。
ナニワブルースだとジャズセッションにハマるシーンはイイv


■『悪太郎』(1963)

監督:鈴木清順 出演:山内賢、和泉雅子、田代みどり ほか
日活らしからぬ?文芸作品の快作。これなら誰からも文句はつけられまい。清順さんもやればできるんじゃんw
妙な奇抜さを狙わなくても人情あふれる作品で感動を生み出せると証明した。

闊達な山内の清清しい潔さは気持ちよく、慣れないとコメントしている関西弁がとても心地いい。
にしても昔の中学が、今の高校生の年齢だとしても初体験は早熟な話だったろう。
異常に厳しい風紀係も“都会だ”という神戸出身者の文学説得ですんなり退散してしまう田舎の素朴さが可笑しい。

いい家の出で贅沢と自由があるせいか芸者遊びもして、それに聞き入る友人がボーっとしてしまうくだりも面白い。
恋愛がむやみに禁止されていた時代に、ここまで大らかに恋愛論を持つのは小気味いいが、
責任を伴わない少年の部分との微妙なアンバランスが通過儀礼として描かれる。


notes and movies(2002.10〜 part1)

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過去のノートにある映画感想メモシリーズ。
今回はスカパラベストのチラシが貼ってあるピンク色のルーズリーフからご紹介。
鈴木清順映画を漁ってます。

  

photo1:HEY! HEY! HEY! 公録が当たったFAX。
photo2:友だちが切り抜いてくれたスカパラの新聞記事。
photo3:兄の結婚式に安いスーツ着て行ったw

昔のメモなので、不適切な表現、勘違い等はお詫び申し上げます/謝罪
なお、あらすじはなるべく省略しています。


■『ツィゴイネルワイゼン』(1980)

監督:鈴木清順 出演:原田芳雄、大谷直子、大楠道代、藤田敏八 ほか
さらに清順度の濃い〜ヘヴィでディープでデカダンスで?な1作。
今作では、ついにどっちが生きてるのか死んでるのかも分からなくなる。

「オレが先に死んだら焼かずに骨だけにしてくれ。
 その代わりお前が先に死んだらお前の骨をくれよ」

全編に登場する男2人と女1人の芸人も怪しい。
互いに女を狙いつつ、下ネタの歌をうたってお金をもらっているのだが
決闘して殺し合ったのか、生きるために3人で結婚したのか、という真相も不明。

大谷が大量のコンニャクをちぎるのも怖いし、真っ暗な屋敷で赤い灯がついたり消えたりのまるでオバケ屋敷状態。

「オレがまともだったためしはない。それを承知でお前も付き合ってるんだろーがっ!」
逆ギレる妙な男・中砂役の原田の怪演も怖い。

この作品でこんだけ薄気味悪いんだから、TSUTAYAにあった古ぼけた円谷ちっくな
怪談っぽいビデオは夜観たら悪夢にうなされそうと思うと、なぜか笑える


■『くたばれ悪党ども 探偵事務所23』(1963)
監督:鈴木清順 出演:宍戸錠、笹森礼子、川地民夫、星ナオミ、金子信雄、佐野浅夫 ほか
こちらは単純明快なギャングもの。「濱マイク」にも通じる軽快なノリ。
ジャズっぽいサントラはスカパラがやってもハマる。
都内ロケらしいが街並みが今よりずっとハイセンス。ハードボイルド向きな'30NYっぽい!
クラブではチャールストンとか踊ってるし、モダンで粋な空気がみなぎってる。

クラブの女性歌手(元恋人)と♪バカな男だけど惚れてるの〜 みたいな歌を一緒に歌って踊るシーンも楽しい。
「ボスの女はグラマーだって相場が決まってるんだ」
セリフの端々に出てくるカタカナがいい味出してる


■『陽炎座』(1981)
監督:鈴木清順 出演:松田優作、大楠道代、加賀まりこ、楠田枝里子、麿赤児、原田芳雄、内藤剛志 ほか
松田優作がぜひにと申し出た作品。夢と現実の間をさまよう男女の愛憎、想念の世界。
音楽が和洋折衷なのもおもしろい。尺八ドロドロ+ジャズ風。
過去と現実、遠近もフシギと溶け合って、だまし絵を観ているようでもあり、
1人の女が心中を図るに至るまでの劇中劇のような設定でもある。
妖しげな世界を書き続けた原作者の泉鏡花の名はそこかしこで見られるが気になる。

「病院の見舞いに付き合って下さいませんか? ほおずき売りのばあさんが
 “死んだ女の魂だ”と言って気味が悪いので・・・」

「4度逢ったら恋。次会う時に死なねばなりません」

遊ばれたSの女の意地をかけた心中劇が舞われる。この少女がイイ
樽の中に沈み、ほおずきが着物から浮かんでいっぱいになるシーンも美しい。

「惚れた女に対する男の義務ですよ」

フシギなシーン、カットの連続ながら、セリフで逐一説明が入るのは親切か蛇足か。
楠田枝里子の演技は、背の高い着物姿と同様ぎこちないが、ドイツ女性という役柄上それもありか?


■『東京流れ者』(1966)
監督:鈴木清順 出演:渡哲也、二谷英明、川地民夫、玉川伊佐男、松原智恵子、吉田毅、北龍二 ほか
ヤクザの仁義もの。例によってタイトル同名のテーマ曲を渡哲也ほかが朗々と歌っている。
彼の名は今作の役名からとったのか?

冒頭から今とあまり変わらない都内の名物スポットが流れて観光ガイドになるかも?
途中、流れた先に九州・佐世保も出てくる。
組から外れたヤクザは、どこの土地に行っても派閥抗争に巻き込まれて大変なのね。
イヌやネコの縄張り争いみたい

「流れ者は、女と一緒じゃ歩けねえんだ!」てセリフは、カッコいいとゆーより侘しい感じ。
こーゆー男臭い世界に憧れる男もいるのか・・・理解し難いけど。
歌手のチエはテツにゾッコンだが追っても追ってもかたくななポリシー?でつっけんどんにされて泣くばかり。

モノクロ映像に一色、赤が映えたり、黄色いクラブとか色使いがおもしろい。
昭和初期から踊るクラブって流行ってたんだ。今の40〜50代も若い頃はオシャレしてけっこーイケてたのかもw
二谷のルパンみたいな緑のジャケットや、渡のまぶしい水色のスーツもどうなのか。
真っ白な靴ってゆーのがヤクザ界のオシャレ最先端なのかな?


■『河内カルメン』(1966)
監督:鈴木清順 出演:野川由美子、伊藤るり子、宮城千賀子、川地民夫、松尾嘉代、楠侑子 ほか
これまた日活チックな1作。バタ臭い若い松尾がバンプ役。
関西弁のセリフで、なんだかコテコテすぎるのがかえって怪しいが、大阪名所もいろいろ出てきて嬉しくなっちゃう。

「甲斐性なしの父ちゃんも知ってる。お前の代わりに母ちゃんが体張ってんだ」と開き直ってるのがスゴイ!

同性愛が病気みたく扱われてるのがヒドイ。
なんでも金中心なのが関西らしい?
今回ダンスホールで生バンドが歌うシーンはエルヴィス風。
カルメンってゆうと薔薇を口にくわえるって定番が可笑しいw
深く考えずに世渡りしていくヒロインの勢いがイイ。


■『けんかえれじい』(1966)
監督:鈴木清順 出演:高橋英樹、浅野順子、川津祐介、片岡光雄 ほか
何だか分からん終わり方の上に、疲れてて途中何度か寝ちゃった
昔の映画って主演俳優のキャスティングと年齢にムリがあるんじゃ・・・?
高橋が中学(旧制?にしても)ってゆーのは・・・
ヒロインに憧れ、コーフンしてあり余る力をケンカで発散する単純なケンカ話―――
のはずが、何だか急に暗転して、急にラストになっちゃった!
“会津魂”のとこだけアップになるのが可笑しい。


■『野獣の青春』(1963)
監督:鈴木清順 出演:宍戸錠、渡辺美佐子、川地民夫、小林昭二、江角英明 ほか
アルバム「STYLE TO KILL」の冒頭を飾るのは今作のアップテンポな曲
ストーリーはハードボイルド、モノクロ調に一輪の赤い花のシーンが始めと終わりに出るのが印象的。
ヤク中の女が出てきたり、ヌードショーのクラブや、コールガールetc...
新しい商売に手を広げていく暴力団の様子が描かれる。
ボスがサドマゾごっこが好きだったり、チンチラみたいなネコを可愛がってたり、
ギャングもののルーティンがもう出てきてる。
銃もピストルから散弾銃になってるし。カーアクション、ドンパチシーンも次第に派手になった。


■『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』(1999)

監督:ヴィム・ヴェンダース 出演:ライ・クーダー、ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ ほか
今年最後を飾るにふさわしい感動の1本
これほど人の心をとらえて離さない音楽がこの世に残っていたなんて奇跡だ。
80歳の人生、20世紀の歴史が背負われ息づいているからこそだろう。

一世を風靡した彼らが路上で忘れられていたのを'70キューバ音楽に感動したライが呼び集め、レコーディングした。
1人1人の紹介とともにカーネギーホールでたった二晩の珠玉のステージ。
'98に結実するまでをドキュメンタリータッチでゆったり描いた。
イヌと子どもがたわむれる古いキューバの街並みはハイテク等の冷たい未来とは
無関係のように信じられないくらい豊かな時間が流れている。

「女と花とロマンスと音楽が人生」
「愛する者を養うためなら靴磨きでも、ゴミ拾いでも関係ない」
葉巻をくゆらせ、酒に溺れる。粋に傾けた帽子のつばと合わせたスーツがとてもオシャレだ。

「NYは初めてだ。ずっと憧れていた。家族にも見せてやりたかったが、俺の目で見ておくとしよう」
きらびやかな高層ビルの明かり、ひしめく車の波etcは、彼らの目にはまぶしいのだろう。

この作品が素晴らしいのは、あくまで彼らの現在を映しているからで、
若き頃の栄光をイタズラに回顧してないところ。
刻まれた皺、一挙手一投足に一日一日を精一杯生きてきた証が見られる。

「歌をやめようとしたことがあった。耐えなければならないことがありすぎて」
しかし、ホール全体が揺れんばかりの熱いスタンディングオベーションに湧く時、
すべては報われ、ステージの上も外も一体化する至極の幸福に昇華した。

まさにgifted〜神から与えられたもの。
彼らが生まれた時、その頭上には音楽の天使が舞っていたことだろう。
一生を音楽に捧げ、自らと、周囲の世界をも幸せにする音を奏でるために。


■『ピストルオペラ』(2001)
監督:鈴木清順 出演:江角マキコ、山口小夜子、永瀬正敏 ほか
音楽:こだま和文、EGO-WRAPPIN'

あの仙人風のおじいさんが、ここまでブッ飛んだ映画を撮るんだからビックリ!
まさに自由にやりたいことを全部やらせてもらって独自の美を完結させた感があるのでは?
しかも自分の今までのネタを自らトリビュートしちゃってるのも可笑しい。
赤い椿や、原色の着物と、染めた背景、♪青い顔した殺し屋は〜 って歌もw

でも一番のオチはラストのテロップ。
「一部不適切な表現があるため音声が消えております」w

音楽がなんとエゴで、レゲエ、スカのたるい曲が絶妙のタイミングで流れるのが嬉しい
清順さんも江角さんのシャープで長い美形顔とスタイルに満足では?

「ゆっくりしたいが自殺はイヤだ。舞台の俳優のように美しく散りたいが相手がいない。
 そこでトーナメント方式で勝ち残ったのがのら猫」

農村に建つ旧家、1両編成のチンチン電車、今作のロケは癒し系
画面に赤い線、妙な効果音etc...今までやって散々けなされてきた手法のオンパレード
清順さんが撮るアクションはオペラになってしまった。


■『パニック・ルーム』(2002)

監督:デビッド・フィンチャー 出演:ジョディ・フォスター、フォレスト・ウィテカー ほか
『羊たちの沈黙』以来、ひさびさジョディの本格サスペンス。
最初ヒロインはニコールだったとか、妊娠・出産かなんかで撮影が大変だったとか、
いろいろ噂を聞いていたが、やっぱ面白い
だてに金かけてない。ハリウッドはちゃんと使い道知ってる感じ。

中からしか開けられない部屋の不自然さが、子を持つ母の直感で危険だと判断してから
様々な伏線を利用して息もつけない展開に。

シングルマザー、糖尿病の娘、老人介護で遺産の隠し場所を知った白人のチンピラ、
家族持ちのウィテカーも敵役だし、銃を持つ白人男の汚さや、マンハッタン区域の担当で
百戦錬磨っぽい刑事といい、キャラクターもハッキリしててハマる。

3Fまでのグイグイ引っ張るロングショットや、懐中電灯の芯まで見せたり、
鍵穴深くまでカメラが入ったり、一直線に部屋のあらゆる物の間を
視線が突き抜けていくシーンなんか一体どう撮ったのかビックリ!

夫の通報で来た警官が「もし何もいえない状況ならまばたきで合図してくれ」なんて言うあたりも、
犯罪の多いアメリカの警官ならでは。
だが結局は自分の身は自分でしか守れないってことか。


NHK大河ドラマ『軍師官兵衛』(2014)

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NHK大河ドラマ『軍師官兵衛』(2014)
出演:岡田准一、柴田恭兵、竜雷太、片岡鶴太郎、高岡早紀、尾藤イサオ、南沢奈央、濱田岳、江口洋介、竹中直人 ほか

こちらも1話ずつ追加していく予定なり。

●第1回「生き残りの掟」
万吉(のちの官兵衛)は、病弱な母のために薬草を摘みに敵の赤松領内に入ってしまう。
父・職隆は危険を承知で赤松を訪ね、「味方になってくれ」と言われるが断る。
万吉は母から自分一人の命ではないことを諭される。

 


●第2回「忘れえぬ初恋」
元服した官兵衛は、小寺のもとに仕える。目薬屋、人質と言われても父の期待に応えようと努力する。
初陣を迎え、罠を見破ったことで勝利に導く。

善助という農民が「家来にしてくれ!」と頼みにくる。

美濃を狙う信長を危機一髪に追いつめたのは竹中半兵衛。
小寺×浦上の政略結婚相手としておたつに白羽の矢が立つ。
2人は互いに思い合っていたものの身分の差から結ばれることはなかった。
そこに赤松が浦上の室津城に攻めに入ったという知らせが入る。
信長って弟の信行を暗殺してるんだ。戦国時代ってコワイ、コワイ

 
御着城は官兵衛が青春を過ごした場所


●第3回「命の使い道」
室津城が攻められ、婚礼を挙げたばかりのおたつは殺されてしまう(なんと儚い・・・
ショックで虚ろな官兵衛を境へ銃の買い付けに行かせる父。
途中、物盗りに遭い、牢人・荒木村重に救われる。

 
おお!哲さんの殺陣シーンが鮮やか/驚 この頃はずいぶんとボロボロな身なり。
「やってみろ! オレを敵に回すと怖いぞ」「世はまさに動いておる」
「天下取りに名乗りを上げる!」「夢は大きくな!」と舞台劇のような張りのある声で気勢をあげてますv
「饅頭は大好物だ」てセリフは、後の伏線か?

 
境を案内して、銃を売る商人を紹介し、自分は摂津に行くから案内料をくれと言う。
ほんと常に豪快に笑う役で、見ててスカッとする!
でも、ウィキを見たら、むしろ官兵衛よりも波乱万丈な人生を送ったようで・・・先々楽しみなような、心配のような
今回はまさに村重と官兵衛の運命的な出会いの話だった。


●第4回「新しき門出」
兄を殺された足利義秋は、味方も少なく、大名すべてに「上洛のお供をせよ」との書状を出す。
小野家だけでなく、黒田家にも届いたことや、跡継ぎの斎(いつき)の将来を心配した政職は、職隆の存在を警戒する。
危機を感じた職隆は、官兵衛に家督を譲ることを決意する。

官兵衛は狩場の偵察中に、光(てる)と出会い、縁を感じる2人。
光は櫛橋家の次女。政職は、官兵衛と櫛橋家の長女・力(若菜ちゃん!)との縁組を提案するが、
嫌がる力の代わりに「私が行きます」と名乗りをあげる光。

ようやく美濃を手に入れた信長は、義秋とともに上洛し、「天下布武」と掲げる。

話の進み具合がけっこう早い気がする。
怖いって言われてたナレーションが今回なかった?


サイエンスZERO@NHK

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予録がたまったから、ちょこちょこ見てみた。

火星は灰色だった!? 火星生命と人類移住計画

ゴーリー的なステキ火星人

 
火星探査機「キュリオシティ」が火星を6cm掘ってみたら、赤土のすぐ下に灰色の土が出てきた。
これによって微生物などが生きていける条件があるのでは?という希望につながった。
川、湖の軌跡も発見。今、彼女は山を目指して猛スピードで走ってるらしい。頑張れっ!

「テラフォーミング」
15年以上前から人類移住の可能性を調べていて、火星を住みやすく改造しちゃおうって計画もある。
それには大気を厚くする必要がある。だからフロンガスを放出して温室効果ガスをわざわざ作って、
今のマイナス55度の気温を上昇させ→地下にあると言われる氷が溶けたら→川が蘇る→植物が生える→CO2が酸素に変わる!

 

「マーズ・ワン計画」
オランダが思いついた。4人乗りのロケットで火星に行き(片道切符)どんどん移住していく。
2023年をメドにしてるって、スゴイやる気マンマン。もう希望者も大勢いるって。

「火星は地球の将来の姿」と言われている。
地球人は母星だけでなく、火星もゴミの山にして滅ぼすんじゃないかな
それより、あれだよ、もう火星の地底深くには、ずっと進んだ文明をもつ地底人が住んでいると思うな


秋の大科学祭スペシャル 科学の未来へレッツゴー!(前編)
山田健太郎さんは、一般の人にも科学を分かり易く説明する会を開いているという。

日本科学未来館の科学コミュニケーターをする本田さんのプレゼンも面白かった。

未来の生活はこうなる:
夢を録画・再生、クッキー1個だけで1日の栄養がとれる、
家で仕事をする、LAまで日帰りなどなど。もう研究が進んでいることも多いのに驚く。

「想像して話すことから科学ははじまる」

なぜか後半は予録し忘れた


シリーズ原発事故(11) 難関! 使用済み燃料 取り出しに挑む

 

福島第一原発の廃炉に向けて、耐震性に不安があるため住民から強い要望で4号機が最優先された。
だが、強い放射線を含む使用済み燃料1300体以上あるプールには、たくさんのがれきが落ちていた。
安全・確実に取り除くには、エキスパートの人間による作業が必要。

 

10mもの金属プレート、コンクリート片は500コ以上。
これらを21種類の治具を使って1個1個取り除く気の遠くなる作業。
人がもし近づけば、短時間で死に至る放射線量のある危険が伴う。
2014年5月には完了予定。

 


美しいだけじゃない! 誕生 スーパーダイヤモンド

 

これまでの人工ダイヤモンドの2倍の強度を持つ「スーパーダイヤモンド」は、金属加工に革命をもたらした。
材料は同じ「グラファイト」。
人工ダイヤモンドは、鉄を加えて金属に溶かす方法。

「単結晶ダイヤモンド」指定の方向に力が加わると割れ易い。
「ナノ多結晶ダイヤモンド」
3000tの圧力+2500度の高音により、グラファイトのみで造ることが出来るという構造が強度のヒミツ。

●世界有数のダイヤモンドの産地 アフリカ
かつて巨大噴火した火山があった場所に集中している。
「キンバーライト」にダイヤモンドが含まれている。

●地球内部の構造だけでなく、どんな材料でできているかが分かるかもしれない?!
地球を掘ると、玄武岩→かんらん石→ガーネット、ヒスイ→鉱石が発光する150km地下にダイヤモンドがあると言われる。
だが、ヒトが掘れる限界は、12kmが今のところ最高。

これまでは、地震波で構造は分かっていたが、詳しいことはまだ分からない。
そこで、地球中心部の圧力を再現+レーザーで熱を加える実験も行われている。
地球中心部までの距離は、約6400km。
研究が進めば、石を金属に変えたりできるかも???

(だから、地球内部には地底人が住んでるんだってば


特報! 旧石器時代の人骨 大量発掘
これまで人骨は見つからなかった「旧石器時代」。
2010年、石垣島の空港滑走路の真横から600点以上が見つかった。個体数としては20。2万年前のものと言われる。

日本の土は、酸性のため、埋まった骨は溶けてしまうが、縄文人は貝塚に墓を作ったため骨が残った。
沖縄は琉球石灰岩のためアルカリ性。

バラバラのかけらが多い中、頭蓋骨が出てきた。
これまで、1970年に発見された港川1号が唯一の復元モデルだったが、今回の人骨から復元モデルが作られた。

 

 


最新報告! どうなる地球温暖化
0.85度気温が上昇した地球。でも、ここ15年は0.05度でほぼ横ばい。
その理由は、「ハイエイタス現象」。

「アルゴ計画」



アルド・フロート(2m、30kg)を世界の海に入れて観測。
水深2000mから引き上げて、海水温などのデータをとり、リアルタイムで分かるという。
それで分かったのは、深海部の温度も上昇しているということ。
地上の熱を吸収するため、気温上昇が横ばいになっている。
だが、これは一時的だから、再び上昇するとうい予測がたっている。

●「極端現象」
気温上昇を2度までに抑えるために、今からCO2対策をすることが急務。
それ以上になると、異常気象がさらに頻発する危険がある。
IPCCの予測では、2076年に最大風速80m(竜巻並み)の台風が関東に上陸する可能性も指摘している。
これまで日本に上陸した台風で最大は伊勢湾台風で風速73m/秒。
その他にも「猛暑になる確率は5倍」、「梅雨に集中豪雨」なども考えられる。

●世界の平均海面水位は19cm上昇
海に浮かぶ氷が解けても体積は変わらないが、海水温度が上がると膨張することが原因といわれる。
陸上の氷河、グリーンランドの氷が解けたら、最高7m上昇するというデータもある。

 

IPCCの最新報告は今年3月に横浜で行われる予定。


天然の治療薬? 脂肪に潜むスーパー細胞



メタボの敵、脂肪は嫌われ者だけど、その中に「ASC」というスーパー細胞が発見された。
乳がんの乳房温存手術をしても大きな窪みが残ってしまって悩む女性が多い。
米子の病院で、お腹の皮下脂肪からASCをとり出し、患者本人の脂肪と合わせて注入することで、
手術前のように戻ったという結果が得られた。
5年以内に保険適応を目指して臨床試験が進められている。

尿失禁、アルツハイマーなど、その他のさまざまな病気にも利用が期待されている。

脂肪を注入すると、異物と思われて攻撃され死んでしまう。
ASCは「私は味方です」と伝えて攻撃を止める上、
「ここに血管をください」と伝えることで血管が伸びて脂肪が生きのびる!

iPS細胞やES細胞は、あらゆる細胞になることができる一方、人工のもので、がん化の可能性も指摘される。
ASCは、万能ではないが、元々ヒトの体にあるものだから安全。


ノーベル賞がひもとく生命と膜の神秘

 

生命を支える膜=「小胞」。たんぱく質を運ぶ。
「オートファゴソーム」侵入した細菌を包み込んでやっつけてくれる。
「オートファジー」がうまく働かないと、心不全やがんになると言われる。


双腕で未来をつかめ! 産業用ロボット最前線

 

産業用ロボットは、ロボットの90%を占めている。
2013年11月に開催された「国際ロボット展」で、最新ロボットがたくさん紹介された。

●制振制御
モノを掴む時の機械の揺れを制御する。

●協調制御
1台のコンピュータで2本の腕をコントロールすることで安定感が増す。

これまでは1台で1つの作業を繰り返す「ライン生産方式」。
これからは1台で複数の作業をこなす「セル生産方式」。

もうすでに建物の骨組みや、レジの自動釣銭機などで実用化されている/驚



医薬品の研究などでの「分注作業」の自動化では、熟練研究員のデータのバラつきが10%に比べて、「まほろ」くんは4%。
精度が上がれば、研究結果も変わってくる。

几帳面に働くロボットの姿が健気で可愛かった
未来は工業製品はすべてロボットがやって、ヒトはもっと創造的なことをして遊ぶんだ♪


独占密着! 深海に眠る「幻の大陸」
ブラジルと日本人研究者が「しんかい6500」に乗って、ブラジル沖に潜り、発見したのはアトランティス大陸か?!

「リオグランデライズ」

 

これまで、海底の移動と海嶺の盛り上がりで海山ができたというのが通説だったが、
2年前「花崗岩」(陸上にしかない)が発見されたため、南米大陸の一部が沈んだのでは?という説が出てきた。
船を安定させるために使っていた岩を落としたとも考えられるが?

今回10回潜った結果、黒い岩盤と、花崗岩と思われる岩も見つかり、
握力400kgのロボットアームでサンプルをとろうとして時間切れ
海底の砂地から「石英」が見つかり、花崗岩の存在があると思われた。

あんな狭い中に3人も入って、8時間もいるなんて、ぜってームリ!苦×5000


独占密着! 深海探査 巨大白骨の謎に迫れ

●鯨骨生物群集
今回は、クジラの骨が発見され、その鯨油を食料とする生物ごと採取した。

「ホネクイハナムシ」

骨の中に棲みつき、骨を溶かして吸収する。「ゾンビワーム」と呼ばれる。
ホネクイハナムシが歴史に現れたのは1億年前。クジラは5000年前。
その前はウミガメ、その前はクビナガリュウの骨に住んでいたと思われる。

20km×20kmの範囲に、大型クジラなら2頭、小型クジラなら22頭も骨が沈んでるって推定にビックリ!


国際宇宙ステーション大特集? ゼログラビティーがひらく科学の未来
先日、野口聡一『ワンダフル・プラネット!』を読んだからタイムリーv

 
最初に考えだされた宇宙ステーションは、まさに映画の世界

 

 


●宇宙飛行士の仕事とは?

 

公募で選ばれた大学や研究機関の実験を1人数十個ぐらい進めている。
若田さんは元飛行機技師、古川さんは医師。皆それぞれ専門分野の知識がある上に、
その他いろいろな勉強、訓練を重ねているんだなあ! まさにみんなの夢を背負ってるんだ。

 

宇宙飛行士の骨が脆くなる現象から、メダカを使って無重力空間での骨の研究が行われている。
宇宙に行くメダカは、300匹中16匹選抜された。
環境の変化に弱くパニックになるメダカも多く、変化に強いものだけが選ばれる。
おかげで、航行中ずっと生きのびたらしい(ホッ
この研究は日本のみ。研究のみならず、メダカたちはクルーたちの癒し的存在としても大いに活躍したというv



『南極楽園 これが地球の果てだ!』(エムジー・コーポレーション)

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『南極楽園(パラダイス) これが地球の果てだ!』(エムジー・コーポレーション)
西村淳/文・写真

映画「南極料理人」の原作「面白南極料理人」を書いた人なんだ/驚
風貌は、堺雅人さんとはだいぶ違ってるけど

コック、技術者、医者、その道のプロ集団。ここに女性がいないのが残念だな。
写真を見ると、かなりむさくるしい雰囲気。昔の山小屋的な
女性がいたら、もう少しサッパリするかも?! でも、恋愛話やケンカも増えたりして?



【内容抜粋メモ】

「昭和基地」

世界でも有数の設備を誇る。真っ白の世界で赤く塗られた壁が目印となる。

「ドームふじ基地」
平均気温マイナス54度、標高3800m。

 
観測隊にとって観測船「しらせ」は日本そのもの/「みゆきターボ105」と命名された大型雪上車


独りになりたい時の小部屋?「アップルハウス」

 
沈みそうで沈まない白夜期の太陽/昇りそうで昇らない暗夜期の太陽


一方向から吹く「カタバ風」により、砂粒が岩石に穴を開ける。1つの穴が完成するのに3000万年かかる!


福島ケルン
自分の手さえも見えなくなる「白い地獄・ブリザード」。4次隊の福島隊員は、その犠牲となった。

●危険と常に向き合う南極
移動の際は、1kmごとにおかれている道標代わりのドラム缶と、GPSの位置を正しく調節するなど地味な作業も欠かせない。


観測隊の任務は、大気を測定し、雪を掘り、気球を飛ばしたり。
そこから分かるのが地球の過去、現在、そして未来。


暗夜期が明けた10月に「昭和基地」から燃料補給に補給隊が来てくれる。
ほかの人との再会は、心の補給でもある

「ミッドウインター」(冬至)
南極で一番大きな祭り。この日が越冬の折り返しで、後は帰国が近づいてくる。

「苦労して大変だったでしょう?」なんてたまに聞かれるが、実はなんにも苦労しなかった。
それぞれプロとしての素晴らしい技術と知識を持った彼らと一緒にいると
困難な事項や、事故一歩手前の状況に陥っても、笑顔と余裕で乗り切れた



過去のライヴレポまとめ

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スーパープレゼンテーションまとめ

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スーパープレゼンテーション

しばらく予録したまま放っておいた番組をちょこちょこと見てみた。

【ミッチェル・レズニック「子どもにプログラミングを教えよう」】9.23 ON AIR
「スクラッチ」てゆう、誰でも簡単にプログラミングできるソフトの開発者が自身の体験を交えて易しく説明した。
スクラッチを使って作られたプログラムで母の日のカードを贈ろうとしたら、何パターンもあったから、
結局リンク先を教えたら、母親から「こんなソフトを開発した息子を誇りに思う」と言われ、
高齢の母もスクラッチを使って返信カードを作ってメールで届いたという話

一部の専門家だけだった世界が、ブロックを繋ぎ合わせるだけでゲームなどが作れて、
みんなに公開することでシェアできるだけでなく、現実世界ともリンクして利用できるってスゴイ。

「変数だって学ぶ理由が分かれば深く理解できる。
 そうやって、意味のある形で学ぶのは、物事のベストな学び方です」


【コリン・パウエル「子どもには規律が必要なのです」】9.30 ON AIR
アメリカでとても尊敬されている人物らしいが、軍隊式の規律を子どもに教え込むのはどうかな
「子どもが小学校に上がる前のしつけが大事。なぜなら、勉強が遅れたコは道を外れて刑務所に行く率が高いから」だって。
「よいスタートが大事」「自分を信じ、国を信じ、努力すること」

一理あるけど、教育を受けられない貧しい家庭もあって、個人の力だけじゃどうにもならないし、
「母親のしつけが大事」てゆうのは、父親は子どもの教育に無関心でいいのか?て疑問も浮かぶ。

伊藤さんのコメント
「自分に合った教育、仕事の道を選べる選択肢がたくさんあるのが理想的」てゆうのは賛成。



【フィル・ハンセン「震えを受け入れる」】10.7 ON AIR
学生時代に点描画に凝ってたら、手の震えが止まらなくなり、一時はショックで活動を止めていたが、
医師から「いっそのこと震えを受け入れてみたら?」のひと言に救われた。
その後は「制約は創造性を育む」と考え、むしろ制約の中でどんな表現が出来るか、アイデアは尽きないという。


画材やプロセスは斬新だけど、描くものは、モナリザやイチローなど皆が知っているものが多いんだな。

「結果、失敗、欠点に執着しないこと。ヒトは皆、基本的に制約の中で生きているんですから」


【シーグフリート・ウォルトヘック「レオナルドの本当の顔を探して」】10.7 ON AIR

自画像を決して描かなかったというレオナルド・ダ・ヴィンチ。
だが、彼が描いていたと過程して、それがどれかを当てるという話。
生涯に描いた数千点から、まず男性をピックアップして、横顔や抽象的なものを外し、
ハンサムだったという噂からピックアップしたら3点が残り、
本人をモデルにしたと言われる銅像に似ているため、この3点こそ彼の顔だと断言してたw



【ジャック・アンドレイカ「将来性のあるすい臓がん検査方法をティーンが開発」】10.14 ON AIR
すい臓がんで祖父を亡くした少年が、早期発見できなければ死ぬ確率が高いと知って、
自分がその検査方法を見つけてみせる!と決心した。
幼い頃からなぜなぜ坊やで、親が熱心に質問に答えていたというから、急に目覚めた才能ではなく使命なのかも。

「メソテリン」というたんぱく質を4000個目に発見。
抗体の授業中に、カーボンナノチューブの論文を読んでいて、両者を結びつければどうか?と思いついたv
200人の教授にメールして、興味を持ってくれたのはたった1人。
研究所を借りて通い、ついに材料費3セント、たった5分で検査できる装置を開発。精度は100%。
1滴の血液か尿を紙に垂らすだけというシンプルなもの/驚

 

伊藤さんのコメント
今の医療開発とは、何兆円もかけて研究するから、金儲けできる研究しかしない。
より低コストでという考え方はITベンチャーに通じるもの。

これが早く実用化されて、世界中の病気が早期発見されて治療に結びつくのも夢じゃないな

「家族の一員を病気で失うことがなくなればいい。病気の苦しみや悲しみがなくなればいい」


【メグ・ジェイ「“30代は20代みたいなもの”じゃありません」】10.21 ON AIR

「自分の変えたいところは、20代のうちに変えるべき」

このスピーチが“もっとも感動した”と評価を受けたらしいが、
「20代で結婚しろ」てなんだか時代遅れで偏ってる感じがしたなあ。
アメリカの離婚率の高さとか言及してないし、
90歳から絵を描きはじめた人、泳いだり、走りはじめた人だっているし。

それに、実際20代に「今から将来見据えて頑張れ」といっても、
まだまだ周囲も自分もよく見えてないのが現実。
昔より寿命が延びた分、人生のステージもズレるのはむしろ自然では?

1.自己喪失に陥ってないでアイデンティティを築くこと。
2.親友とつるむのはほどほどに。出会いが減り、視野も狭くなり、仕事のチャンスも減ります。
  友だちの友だちの友だちなどという、遠いつながりこそが役に立つ。

“自分は誰か”とか“なりたい理想”が分からないのが若者だ。
今はとくに昔と違って「大企業で働いて、結婚すれば=しあわせだ」ってイメージが、周りの現実を見て崩れ去ってるし。

「30代になるとプレッシャーが増えます。キャリア構築、住む町選び、結婚・子作り・・・
 30代でいっぺんにやるのは難しいってことです」
(働く女性の悩みを反映してるってことは言えるな


【ダニエル・スアレース「殺しの判断をロボットにさせてはいけない」】10.28 ON AIR

 

●社会は争いを解決する道具によって決まる
これまでのヒトの歴史、国のなりたちを、軍備から考えたのが興味を引いた。

最初は馬に乗って槍などで戦い、防衛のために城を建てた。
→ひと握りの人間が権力を持つ社会が形成された。
→銃が発明されると、城は意味がなくなる。
→兵士の質より数のほうが重要になった。
→軍隊の規模の拡大にともなって「国家」が成立。
→「代議政治」が始まり、民主的な社会が形成される。

●自律型ロボット兵器が出回ると、社会はどう変わる?
兵士の数が極端に減る→民主化の流れを覆す恐れがある。

●もう現実化している
 
今、70の国が「無人航空兵器」を開発している。

・無人機で膨大な量の映像資料を撮影できる(米軍は無人機で延べ71時間の監視映像を撮影している
・無人機の遠隔操作を無効にする電波妨害もある。

・より自律性が求められ、ヒトの指示なしで考えるようになる。
・闇取引される可能性も高い→「見えない敵との戦い」
・小国や個人ですら威力を行使する。
・法律や市民社会という仕組みが壊れる。

●ハイテク国のほうがロボット兵器に弱い

・「データ社会」を分析すれば、オピニオンリーダーが特定できる。
・改革運動は、早い段階で察知され、発言の自由が奪われる。
・暗殺も気軽にできる上、犯人を特定しにくい。

●ロボット兵器の条約が必要
・米軍では自律型兵器が禁止になった。
・国際的な法的枠組みが必要。
・ロボットにプライバシーはいらない(全ロボットに識別番号を与え、居場所を追跡できるようにする
・悪いロボットを取り締まるロボットが必要。

●ロボットを有意義に利用する
環境監視、捜索救助、物流、、、用途はたくさんある。

まさに「攻殻」の世界じゃん。
模造銃があるんだから、模造ロボット兵器が出回っても全然フシギじゃない。
でも、軍事が国の決断に任せられてる今も、そう安全な世界じゃないよね。



【ベンジャミン・ザンダー「クラシック音楽には人を変える力がある」】11.4 ON AIR
オーバーな仕草で、観客を巻き込みながら、クラシック音楽の素晴らしさを熱弁して面白かった。
“音痴なんていない”(方言や、トーンを聞き分ける耳は皆持っているから
“片尻奏法”「(ピアノを弾きながら)気分がノッてくると、なんで片尻が上がるんでしょうね?」てw

ベテラン指揮者のスピーチは、企業のリーダーへのエールにもなり、
ときどき挟むエピソードは、人生の大先輩としての重みがあって、笑って、感動した回だった。

ピアノを習い始めた子どもが10歳頃になると飽きて止めてしまったり、
会場の1600人の中でクラシック音楽が好きか、嫌いか、温度差が激しかったり、
「いい音だ」と思って聴き始めても、途中から「今年の夏はどこ行こう?」て別のことを考えちゃったりw

「リーダーは、皆を信じないといけないんです。皆がちゃんとついてきてくれるってね」
「指揮者に必要なのは、奏者にパワーを与える能力なんです」

「皆、一度は自分に問うてみるとよい。この世の中で、私って何なんだろう?」

「私の成功の尺度は、金・名声・権力ではなく、周りの人の“目の輝き”です」

最後に付け加えたエピソード。

アウシュビッツを生き抜いた女性がいた。
収容所行きの列車の中で、弟が靴を履いていないことに気づいて、
「無くすなんて、なんてバカなの!」と姉として叱った。
それが最後の言葉となってしまい、今でも深く後悔している。
そこで、彼女はこう誓った。

「それが最後の言葉になったら困るような発言は、二度としない」



【ギャヴィン・プレイター=ピニー「曇り時々喜び」】11.11 ON AIR
 
最近、空を見上げて雲を見ましたか?
あの雲はなにに見えるかっていうのは、タダでできるロールシャッハテストみたいなもの。

 

ヒトはもっと空想するべきです。
空想するというのは、気を静めるということ。
のんびり、今を生きることが大事なんだ、と。
気分転換になるし、創造力も豊かになるし、魂も癒されます。

「たまには、なんにもしないのも、いいことだ」


【ニロファー・マーチャント「会議は歩きながら」】11.11 ON AIR
現代人は1日9.3時間座っています。睡眠の平均時間7.7時間より長い。
乳がん、大腸がんの原因の1つは、「運動不足」です。

外に出ると発想が豊かになる。
「仕事」と「運動」を分けずに、共存できるって発想が大事。


伊藤さんもウォーキングマシンに乗りながら仕事する方法を取り入れてるという。
(なんでもやってるんだな、この人/驚

亀田の柿の種

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最近の気になるトピックス。

Suica(スイカ)ペンギンの着せ替え用ステッカー
雑貨屋さんで見かけて笑ってしまったw
ペンギンさんの顔がちょうどいい感じに名画などにハマる、顔ハメ看板みたい。
チャージする際に詰まってしまう可能性があるって口コミもあるから注意が必要かもだけど


映画『ゲノムハザード ある天才科学者の5日間』(1月24日公開)

西島秀俊さんが初の本格的アクションに挑戦した。映画オフィはこちら。
記者会見で、「これから挑戦してみたいアクションは?」との質問に、
「映画でよくある、走る列車の上に乗るやつをやってみたい」とのこと。
むしろ、同席してた伊武さんの答えが何だったか聞きたかったなw


「No.1 Cafe」亀田の柿の種とコラボ@渋谷LOFT2階 2/14まで

ランチメニューにまで柿の種が入ってて面白い。




図書館で借りたCDシリーズ。
自宅のカセットテープをデジタル化していく、ひとりリバイバルコーナー。

明日に架ける橋/サイモン&ガーファンクル
ウチにあるカセットテープと同じものを借りようとして微妙に違った。ま、いっか。

新しい夜明/ボブ・ディラン
♪Day of the Locusts が好き。

Feels Like Home/Norah Jones
最初の♪Sunrise がお気に入りv




「2355」で流れるペギー・リーのスモーキーな声に酔う

I Don't Wanna Play In Your Yard/Peggy Lee


これの次の曲♪The Gold Wedding ring も同じく。

ボリス・ヴィアン感想メモまとめ

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TO ZION

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ブラサキラジオ2014.1.28 OA

♪There Is Something On Your Mind

【ユキさん(1965生)の武勇伝コーナー】
Cohさん「まず48歳って時点で面白い」て/爆

その他にも
・高円寺にて。何もしてないのに、子どもに指さして爆笑された。
・ステージの真ん中に立っただけで笑いがとれる。
・肉じゃがのエピソードはスナック宇宙でも聞いたね。

【居酒屋コーナー】
サボテンで行った北九州のお店を紹介。

【Cohさん+修二さんの(真面目な)音楽コーナー】

♪Bebop Spoken Here/Charlie Barnet

初期のビバップとのこと。底抜けに明るくて、カッチョいい!



その他のトピックス。

ふたりの時計

 

ムロさん、アイドル路線なのでしょうか?w
なぜか静止画。途中ときどき動画。
あ、このペンギンさん、スカイツリーの中の水族館だ→here


モツナベの緊急取調室 田中哲司さん・後編

 

「グレー」を「グレン」と言っってしまったシーンについて。

それに対する被疑者の言い分は、
「いや、もう疲れてて、これくらいの噛みはいいだろう」
「無表情で、触れないでねって思ってたら、天海さんが許してくれなかった」w

 

「役者同士のバトルが観れます。ボクは入ってないですけど、その中には」
後編も面白かった




図書館で借りたCDシリーズ。
自宅のカセットテープをデジタル化していく、ひとりリバイバルコーナー。

The Miseducation Of Lauryn Hill/Lauryn Hill
たしか『WOMAN』てコンピで♪EX-FACTOR が気に入って借りた1枚。
息子のことを歌った♪TO ZION も聴くたび鳥肌がたつし、ボーナスに大好きな♪君の瞳に恋してる がステキアレンジで入ってて嬉しい。


スパイク/PUFFY
やっと♪プールにて が聴けるv


miss M./中島みゆき
初めて自分でカセットテープで買ったアルバムだから、このテープはさすがに捨てられないんだけど、
何度もリピートしてるうちに、やっぱり伸びちゃったんだよね



「lyrics」もアップしました。


『地球異変』(ランダムハウス講談社) vol.2

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『地球異変』(ランダムハウス講談社)
朝日新聞社/編


*************************インドネシア

●燃える大地

人が放った火は、森だけでなく、泥炭にも延焼

農地開発等に伴い、泥炭地の乾燥化が進んだ結果だ。
パーム油をとるためのアブラヤシの植林が爆発的に広がっている。
排出されるCO2は年平均20億t。化石燃料を消費して出る8%に相当する。



インドネシアでは、毎年、四国ほどの面積の森が失われ続けている。
焼き畑に加えて、コピー用紙の原料や、ウッドデッキ材などとして、樹木が切り続けられる。
焼き畑をしても、数年たてば作物はつくれなくなり、また焼き畑を繰り返すため森は再生しない。


泥炭層から運河に染み出した水は赤褐色をしている。

●売られるギボン

政府に保護されているはずの国立公園内でも、人の手による森林火災、違法伐採が後を絶たない。
森が減って、ギボンは狭い範囲に集中して住むようになり、ペット業者に捕まりやすくなった。


道路に沿って延々と7.5kmも続く「森の墓場」
違法伐採による丸太は、皆伐するため直径がバラバラなのが特徴。

●苗木を育てる
日本や欧州のNGO支援で、火災の焼け跡に植えた苗木を育て、枯らさなければ、少額ながら定期的にお金が支払われる。
共通するキーワードは、森を守るための「動機付け(インセンティブ)」。


6度目の大絶滅
地球の歴史の中で、ここ5億年の間に5回大絶滅が起きている。
今、6回目の大絶滅が進行していると言われる。その速度は、過去の1000倍以上。


*************************オーストラリア


干上がったウィンドリー湖
半世紀前にメルボルンオリンピックでボート競技が行われた場所。

2006年、オーストラリアの「100年に一度」という大干ばつは、日本の讃岐うどんの値段を上げた。


湖岸が後退し、桟橋がとり残された


民家に納品される雨水を貯めるタンク

庭の水やりを巡って住民のトラブル、殺人事件も起きている。
洗車、芝生の水やりなどを罰則付きで制限する州もある。
が、2008年は水害が起きるほどの豪雨となった。


*************************南太平洋諸島

●温暖化で最初に沈む国 ツバル

大潮前後の満潮時、集会所前の広場は冠水する

『砂上の船 水上の家 アラル海とツバルふたつの水物語』(ポプラ社)も参照。

環礁の島々は、大海原を漂う船のように弱い存在だ。
近年は塩害による不作が目立つようになった。


テプカ島の海岸は浸食され、ヤシの木が倒れる

環礁の島は、サンゴ礁のかけらや砂が積もった、脆い地面でできている。
首都フナフティへの一極集中により、湿地や池の上まで住宅がひしめき、浸水被害につながる。



海面上昇で次に消える島 バサフア島


IPCCが予測する100年後
1980年代に温暖化を予測した当初は、「人為的な影響ではなく自然変動だ」などという意見もあった。
気温上昇は、感染症を媒介する蚊などの生息域を広げる。

 
このまま使い続けると、石油は41年、天然ガス63年、石炭147年分しかない。
「対策はもう待ったなしなのです」


*************************ガラパゴス諸島

世界自然遺産第1号の島は、2007年、緊急な保全策が必要な「危機遺産」となった。

 
リクイグアナ/グンカンドリ

天敵がいないため動物たちはあまり人を恐れず、野鳥も写真撮影に望遠レンズがいらないほど。
島に寄港した船乗りたちは、大量のゾウガメを殺して食べ続けたため、個体数が激減。

ガラパゴス諸島は、かつて大陸と地続きになったことがない「海洋島」のため、
島の生物種同士の競争が厳しくなく、外来種が入ると、固有種は一気に脅かされる。
在来植物は約500種、外来植物は約800種。

●エコツアーの先進地
1人のガイドが案内できる観光客は16人まで。
観光の中心サンタクルス島では、年間10万人以上が訪れる。
水道水から基準を大幅に超える大腸菌が検出された。
諸島を領有するエクアドル政府は、厳しい選択を迫られている。

『ガラパゴスがこわれる』(ポプラ社)も参照。


*************************アマゾン

 
森林に開発道路が走る/森を焼いた後は、肉牛を放つのが一般的

世界最大の熱帯雨林が広がるが、各地で違法伐採が横行している。
木材業者は、勝手に森に道路を造り、木々を根こそぎ切り倒す。
伐採跡地は焼かれ→広大な牧場に変わる


熱帯雨林を切り拓いた広大な大豆畑

日本も資金援助や専門家の派遣などで開発を後押しした。2007年の生産量は世界2位。
バイオエタノールの原料となるサトウキビの増産も進む。


野生のカワイルカとたわむれる地元の少女

開発が進み→人口が増加し→魚の消費が増えた→漁師は魚をとられまいとイルカを殺している


バイオ燃料は地球を救う?
主なバイオ燃料は2種類。バイオエタノールとバイオディーゼル。
バイオエタノールの3/4はアメリカとブラジルが生産している。原料はサトウキビとトウモロコシ。

ヘンリー・フォードが開発したT型自動車は、エタノールを燃焼にする計画だった。
ルドルフ・ディーゼルが発明したディーゼルエンジンも、ピーナッツ油が燃料だった。

バイオ燃料をつくるために森林が切り開かれ、原料の価格が高騰している。
「世界で何億人も飢えに苦しむ中で、穀物で燃料をつくる必要があるのか」という批判も多い。


*************************アフリカ


旧市街の建物は砂に飲まれて扉まで埋まっている

砂漠の広がりで遊牧民の生活圏が狭まってしまった。
水や牧草地を巡る農民と遊牧民のトラブルが深まっている

砂は内陸部の町を飲み込み、じわじわと広がっている。
昔はナツメヤシの林が青々と茂っていた。


「馬上の悪魔」と呼ばれるジャンジャウイードの攻撃で焼き討ちされた村の廃墟


ミレットが育たない

●「高地マラリア」
マラリアは、エイズ、結核と並ぶアフリカの3大感染症の1つ。
免疫力の低い子どもたちの命が狙われている。
住友化学が協力した蚊帳工場の利益で小学校に新校舎が建った。


援助で配られた蚊帳は、小魚を干すために使われていた


*************************南極


アゴヒゲペンギンが乗った氷山

地球上の氷の9割を抱える南極。
最近、氷の動きが速くなり、氷が減りつつある。


スノーアルジー
気温上昇がもっとも激しい場所の1つで、雪氷藻類が大発生している。


雨でずぶ濡れになったジェンツーペンギン
撥水性のない羽毛に水が入ると凍って凍死してしまう

 
上陸する観光客/かつての捕鯨基地が放置されている

南極は世界で唯一、国境のない大陸。南極条約によって領有権が認められていない。




問題は変化するスピードの速さ
20世紀は「人間活動が爆発的に膨張した時代」と言われる。
穀物生産は7倍、鉄鋼生産やエネルギー消費は約15倍、アルミニウム生産は数千倍に伸びた。

「今の100年は、昔の地球の1000万年の変化を地球上に起こしている」東京大学・松井孝典教授

1億年近くかけてつくられ、3億年間地中にあったものが、200〜300年で掘り出され、燃やされようとしている。

1972年「成長の限界」という報告書では、
「今の成長率が続けば、100年以内に成長は限界に達し、制御不可能な人口・工業力の減少が起こりうる」と警告した

最大の外来種はヒトなのかもしれない。


追。

巻末に「FSC ミックス品」マークがついていた。
この本は、森林環境保全に配慮し、地域社会の利益にもかない、
経済的にも持続可能な形で生産された木材からつくられた紙を使用しております。


『地球異変』(ランダムハウス講談社) vol.1

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『地球異変』(ランダムハウス講談社)
朝日新聞社/編

さすが新聞社だけあって、現地に密着した鮮やかな写真ばかり。
地球が発するSOSは、文章で訴えるより、実際の生の写真を観たほうが危機感が伝わる。

本書にも記述があったが、冒頭に取り上げられているのは、写真家・星野さんがかつて暮らしたことがあるアラスカ、
まさにシシュマレフ島の危機が紹介されているほか、著書で何度も出てくる生物たち、マッキンリーの山々などが出てきてショックだった。
星野さんが危惧したとおり、さらに激変しつづけているというリポートが悲しい。

まずは、現状をしっかりと知ることからはじめよう。


【内容抜粋メモ】

「地球第三の極」と呼ばれるヒマラヤでも巨大な氷河はやせ細り、人々は危機にさらされている。
自然の摂理によって制御されてきた地球の精妙なメカニズムが、
この40年で2倍にまで膨れ上がった人口、2.5倍に増えたエネルギー消費によって、大きく崩れつつある。

国境や政体の違いを越えて、エネルギー多消費社会から脱却する道を探ることが急務。
朝日新聞は、2003年から「地球異変」というタイトルで地球温暖化を現場から報道してきた。その集大成が本書。


*************************アラスカ

北極海に面したシシュマレフ島は、海岸の永久凍土が高波に削られ、家屋が次々と倒壊していた。
2007年、夏、北極海の海氷が観測史上もっとも小さくなった。

海に氷が浮かぶ風景は、不毛な世界を思わせるが、実は海に豊かな恵みをもたらしている。
氷の縁は、生物たちの楽園なのだ。


大規模な森林火災の跡地に広がるヤナギランの大群落
2004年、過去50年のうちで最大の270万haが森林火災で焼けた

キナイ半島では「キクイムシ被害」が深刻で、白く立ち枯れた針葉樹が広がる。
焼けて衰弱した木々は、虫害に遭いやすくなる。


落雷か人為的な失火でくすぶり続ける森林@フェアバンクス近郊

●退く氷河
コバシウミスズメ:コロンビア氷河の周りで繁殖期を過ごす。この20年間で7〜8割が減った。


北極海の油田からアラスカを縦断する石油パイプライン(約1300km
カリブーの季節移動のルートにも重なる。


土台を失い倒壊した家屋@シシュマレフ島

住民が村ごと本土に移住する計画もある。
極域の自然は脆く、壊れやすいため、地球環境の変化を映す「センサー」と呼ばれる。



*************************シベリア

油田掘削プラント建設のためにつくった道路はツンドラを傷つけている。

昔から放牧をしてきた少数民族ネネツたちに土地の所有権はない。
そこに、開発許可をもらった石油会社が入り、次々とプラントを作り、
化学物質が湿地の水を汚染し、それを飲むトナカイが内臓の病気で死んでゆく。

中国向けに輸出する木材の集積地ダリネレチェンスクでは、丸太を満載した貨車がずらりと並ぶ。
半分は保護地区などで違法に伐採されたものだという。

サハリン北部で進む大規模油田開発。
重油などが漏れれば、海流の影響で一番被害を受けるのは、チュレニー島だという。


夏の森林火災で燃えた地中の泥炭が、冬になっても雪の下でくすぶり続ける

●『デルス・ウザーラ』の末裔たち
かつて辺境に暮らす先住民族は、保護政策によって安定した生活を送っていた。
ロシアとなった今、市場原理が生活を支配する。
人々は森を捨てて大都市に出かけ、近代的なマンションに住み、高級車を持とうと競争する。


*************************グリーンランド

●短くなる海氷の季節
NASAなどは、グリーンランドを覆う氷河の年間流出量が10年間で約2.5倍になったと報告。
海氷が解ける時期が早くなり、犬ぞりを使える期間は年々短くなっている。
犬ぞり猟の最中に氷が割れ、猟師が流される事故も増えている。
橇を引くことだけが仕事のエスキモー犬たちは、どんな運命をたどるのだろうか



*************************スバールバル諸島

●ホッキョクギツネ
ホッキョクグマを除けば、自分たちより強い動物はいないこの島は楽園だった。

 
世界最北端にある郵便局から手紙を出すために列を作る観光客。
観光客の立ち入りを厳しく制限しているが、大型観光船の一時立ち寄りは例外。

魚を追って生育域を北に移す鳥もいる。
北の動物にとって、短い夏は繁殖、子育て期。
そこに侵入者がやってくれば脅威となる。


●北極海の氷がなくなる?
予測をはるかに上回るスピードで北極海の氷は減少している。
ほぼ10年で半減し、日本7.6個分も縮小した。

1997〜1998にかけての「エルニーニョ現象」が一気に推し進めた。
いったん沿岸部の氷が減ると、氷は風の影響でどんどん動き始める。

北極海から大西洋に流れ出す海氷が増えている。
北極海の黒い海は、白い氷に比べて太陽の日射を吸収しやすく、さらに暖められるという悪循環に陥る。


*************************ヒマラヤ


「ヒマラヤの氷河は、温暖化の影響を探る鋭敏なセンサー」と言われる。

「白く輝くヒマラヤだからこそ私たちは憧れ、その頂点を極めたいと思った」


30年ぶりの空撮カメラがとらえたのは、やせ細る氷河と、拡大する氷河湖ツォ・ロルパの姿だった。
モレーン(氷と岩くずが堆積したもの)が天然のダムとなって大量の湖水をせき止めているが、モレーンは脆い。

湖が決壊すれば、川の下流にあるベディン村は、15分後に大洪水に見舞われる。
女性やお年寄りが川岸に石を積み堰堤を造っていた。

ネパール国内の氷河湖20個に決壊の危機があるという。


「ヒマラヤは私たちだけの宝ではない。一緒に守ろう」


ここにも児童労働があるなぁ・・・



*************************バングラデシュ

●水がひかない

雨期明けから2ヶ月過ぎても浸水地が広がる

3つの大河と幾千もの支流は低地へ広がっていく。
国土の多くは標高3m以下。異例の2回目の大洪水に襲われ、1000人が亡くなった。


知人が見つけてくれた写真1枚だけが唯一の財産

2007年、史上最大級のサイクロンが襲った。900万人が被災、死者・行方不明者は4000人以上。
だが住民は「温暖化? 聞いたことないし、わからない」という。

洪水になると、生活に使う水に汚水が混ざり、下痢に苦しむヒトが爆発的に増える。

家畜の世話は子どもの大事な仕事。

各地で鳥インフルエンザが確認され、大流行が懸念されている。


ハティア島は川の浸食で、別名「動く島」と言われる。

洪水、サイクロン、自然災害に翻弄されるバングラデシュ。
温暖化の原因となるCO2を大量に出している先進国のわたしたちは安全に暮らしているというのに。
まさに地球の危機が迫ってきた今こそ、国境、利害を越えて協力して乗り越える知恵を活かす必要がある。


*************************沖縄

●白いサンゴ
サンゴ礁は、世界の海の約0.2%だが、海の魚の1/4種が暮らしている。
医薬品開発や自然の防波堤としても役立っている。

2006年、サンゴ礁の30%が深刻な損傷を受け、30%は2030年までに失われる可能性があると言われる。
世界の平均気温が1〜2度上昇すると、世界のサンゴ礁のほとんどが白化し、
2度以上になると広範囲が死滅すると報告されている。

環境の変化に敏感なため「海のカナリア」と呼ばれる。
(昔、炭坑で有毒ガスを吸わないようカナリアを伴ったことから

 
「ホワイトシンドローム」で左半分が死に絶えている/白い固まりはサンゴの腫瘍


褐虫藻が抜け出して真っ白になったサンゴ。このままだと死に絶える


移植のための稚サンゴ

慶良間諸島の研究所は、サンゴを卵から育てる人工増殖で世界をリードする。
沖ノ鳥島は、波による侵食が激しく、海中に沈めば約40万平方kmの排他的経済水域を失う。
慶良間諸島で育てた稚サンゴを移植するため沖ノ鳥島に運ばれた。




水曜ミステリー9「逆光 保護司・笹本邦明の奔走」

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水曜ミステリー9「逆光 保護司・笹本邦明の奔走」
出演:橋爪功、萩原聖人、藤田朋子、田中哲司、嶋田久作、品川徹、川上麻衣子 ほか

連ドラや、こーゆーサスペンス劇場的な2Hドラマって、
今まで見る習慣がなかったけど、最近は、哲さんつながりで
あちこち出演作が多いから、すっかり馴染みになってしまった感じ。

で、刑事もの、犯罪劇ってほんと人気あるんだねぇ。

▼story
住職で保護司をしている笹本は、人妻殺しで17年服役した名本の仮出所を迎えに行く。
身元引受人の工務店で働きはじめて間もなく、名本の幼なじみ・きよ子が死体で発見された。
名本は、事件当夜、きよ子と関係を持ち、罪悪感から先に旅館を出たと話す。

名本は幼い頃、川で溺れた2人を助けに行き、きよ子は助けたが、もう1人は助けられなかった罪悪感をずっと背負っている。
その事件を知る元刑事・高梨は、笹本がきよ子を殺した犯人だと執拗につきまとう。
小学5年生に2人も助けるなんてムリなのに、刑事や母親まで責めるなんて、そりゃ人格も歪んじゃうよ・・・

名本は、山間の家具職人のところに転職するが、そこの主人の妻から言い寄られる(誘惑に弱いんだな
そして、その近辺で再び絞殺死体が発見された・・・

「オレ、向こうに戻ります。美味いですよ、刑務所の水」

「弱虫でも生きてる。生きていくんだ」


加害者には、たとえ無期懲役でも、こうして出られて、手厚い保護もあるのに、
被害者には、なにもケアする制度がなく、マスコミに追われて、さらに傷が深まることが多いのはなんだかひっかかったな。

でも、このドラマでは、刑期を真面目につとめても、世間の眼が冷たかったり、
以前の悪い仲間に絡まれて悪事に戻ったり、なにか事件があるたびに警察に問い詰められるという被害があることや、
とくに性犯罪は再発が多く、出所しても繰り返される傾向にあることも分かった。


 
哲さんは、シャープな眼鏡かけてた/必殺の流し目w

 
なぜかイスに逆にかけてる/立ち姿も決まってますよv

ところで、なにが逆光だったんだろ???

notes and movies(2003.2〜 part3)

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過去のノートにある映画感想メモシリーズ。
part2からのつづきで、このノートのラスト。
昔のメモなので、不適切な表現、勘違い等はお詫び申し上げます/謝罪
なお、あらすじはなるべく省略しています。


■『ザ・リング』(2002)

監督:ゴア・ヴァービンスキー 出演:ナオミ・ワッツ、マーティン・ヘンダースン ほか
怖かった〜〜〜 日本版を最初に観た時の衝撃ほどじゃないが。
これだけお金かけてリアルにリメイクされたら、お客さんが可哀相だ
観客インタビューで「ホラー好きでよく観てるけど、こんな怖いの初めて〜〜〜」って言ってたのも分かる。
ほぼ日本版通りだが、さすがに貞子じゃなく馬の話になってた。アメリカ人にはそのほうが分かりやすいからか?
で、続編『らせん』も作るかな? ワッツは来日もしたし、新作も続々。

これは見せられたほうにゃたまらん反則行為だよね〜
でも見ちゃう人間の好奇心ってほんと食えない・・・ほんと、このプロットってうまくできてる(感心
キング・オブ・ホラーのS.キングも思いつかないだろう。ホラーの夜明けか?
これで日本ホラーの輸出が増えたら面白い。金田一耕助シリーズとか思い切りドロドロ系のやつ。


■『マリー・アントワネットの首飾り』(2001)
監督:チャールズ・シャイア 出演:ジョナサン・プライス、ヒライリー・スワンク、クリストファー・ウォーケン ほか
以前読んだ『悪魔(デイモス)の花嫁』の話(王妃にソックリな娼婦が、
一夜の名声と富、愛欲しさに処刑の身代わりになる)かと思ったら全然違った。

フランス革命の引き金ともなった首飾りを巡るスキャンダルという実話に基づく中世劇。
事件関係者が本を書いて騒がれる形はこんな昔からあったらしい。
ここでの王妃は贅沢をしながらも民衆の支持を切望し、命もいとわない女性に描かれている。
過去のことは人の口に伝えられるかぎり、様々な主観によって歪められる。真実はどうだったのか?
波乱万丈とはこのこと。民主主義の現代になっても、政治、宗教、金、スキャンダルの縁は切れない。


■『クロエ』(2001)

監督:利重剛 出演:永瀬正敏、ともさかりえ、塚本晋也、西島秀俊 ほか
ボリス・ヴィアンの不条理で無限に自由な世界を、多少設定は変えても大切に映像化したのが
日本で今の時代だということに驚き、そして嬉しい。本人はどうだろうか?
とてつもなく絶望的な結末なのに、ここまで美しく純粋な感動の余韻が残るこの傑作が
当時なぜ受け入れられなかったか不思議でならない。
ヴィアンに巡り会わせてくれたひやむ、ひいてはスカパラに感謝

少年が小説のネズミの代わりか? 医師が高太郎を慰めるために妻の写真を見せるシーンもちゃんと入っている。
いつもはキレた役が多い永瀬が優しい青年を好演。塚本さんまでリンクしているのにはビックリ。
やわらかな音楽と、2人の親密さと絶望感を表す部屋の照明が原作のイメージより、ずっと暖かなのが分かる。
これを機にヴィアン作品を全部映画化ってどーかな? 不条理さもそのまま、より原作に忠実なままでv


■『プレッジ』(2001)
監督:ショーン・ペン 出演:ジャック・ニコルソン、ベニチオ・デル・トロ、ロビン・ライト・ペン ほか
予告編に感動して、観てみたら、泣くよりも胸騒ぐサスペンス劇。
豪華なキャスティング、渋い音楽の使い方、そして大ベテラン、ニコルソンの演技が見事。
止まらない幼児誘拐、レイプ、殺人、行方不明でも犯人が死刑になっても、
わが子を失った家族らの深い悲しみは消えない。

ハッピーエンドと思いきや、真実もハッキリしないまま寂しい終わり方。
が、このほうがよりリアルに恐怖と孤独感が伝わる。
平和な日常が描かれるほど、その裏に潜む暗い影がヒシヒシと伝わり、緊迫感が伝わる名演出だ。


■『シンプル・プラン』(1998)
監督:サム・ライミ 出演:ビル・パクストン、ビリー・ボブ・ソーントン、ブリジット・フォンダ ほか
何年か前、Nさんから原作本をもらって一気に読んだミステリー。映画にしてもやっぱ面白い。
大金への欲がいかに簡単に人の善悪、良心、罪悪感の秤を狂わせてしまうか。
もっとも正直者だと思っていても分からないもの。微妙なバランスで保たれている人間関係も、家族ですら危ない。

「父が言っていた。男を幸せにするものはシンプルなこと。愛する妻、まともな仕事、
 信頼、尊敬し合える仲間と隣人。自分は気づかずに全て持っていた。幸せなはずだった」

以前ならささやかでも幸せだった家庭が、今となっては偽善で空しいだけになってしまっても
どうしようもないラストが哀しい。


■『悪いことしましょ』(2000)

監督:ハロルド・ライミス 出演:ブレンダン・フレイザー、エリザベス・ハーレイ ほか
派遣先の誰かが絶賛してた1作。『ハムナプトラ』の男優の達者な変化ぷりと、
『オースティン〜』の女優の迫力あるセクシーコスプレで、人の欲を叶える大人のマジックテイル。
笑えてほのぼのできる1本!

世界一繊細な男になっても、夕陽にいちいち泣けて「いつになったら沈むんだ!」て爆
プロバスケ選手になっても、滝のごとく汗をかいてバカ丸出し/爆泣

「本当は悪魔も神も自分の中にある。天国も地獄もこの世にあるの」

「マジックで叶えられるものじゃない。ゴールが重要じゃなく、プロセスが大事なんだ」


■『キャッツ & ドッグス』(2001)
監督:ローレンス・ガターマン 出演:エリザベス・パーキンス ほか
可愛い&よく出来てる! 本物の動物たちの撮影も大変だろうけど、メイキングにあったCGや、
コンピュータで動く人形?の組み合わせが絶妙で、犬猫の愛らしさを残しつつ、うまく擬人化させてる。
CGは無限の可能性だね。人と動物の見事な共演v

でもこれって犬好き向きだな 会議中フリスビーで遊ぶ犬を高級ドッグフードで黙らせて、「SIT!」w
本部では本格的な訓練をさせているのに、人を見るとお互いのお尻を嗅いだり、
穴を掘ったりして誤魔化したりw 細かいギャグが可笑しい。


  

photo6:剣さんもいる。
photo5:ジャパサキのチラシ。
photo4:ポップジャムのハガキ(これは外したほう



【読書感想メモ】
「ヴェルコカンとプランクトン」ボリス・ヴィアン(追加で別記)
「赤い草」
「人狼」
「帝国の建設者」
「ぼくはくたばりたくない」
「死の色はみな同じ」
「醜いやつらは皆殺し」

「陰陽師11」岡野玲子/著 夢枕獏/原作
「からだレッスン」寺門琢己
「大阪学」大谷晃一
「続・大阪学」
「こんな飼い主と暮らしたい 犬編」澤邦彦


【歌詞をメモした曲】
♪FLYING BABY/真心ブラザース
♪FLY/YO-KING


【イベントメモ】
「善光寺7年に1度の御開帳」@長野


【ライヴレポ(追加で別記)】
冷牟田竜之presents TABOO 2003.2.14
ポップジャム公録@NHK 2003.2.17
CRAZY KEN BAND in FRIDAY@関内 2003.2.18
JAPAN CIRCUIT vol.10@赤坂BLITZ 2003.3.9
スカパラ HIGH NUMBERS TOUR@CLUB CITTA' 2003.3.19
FACTORY公録@フジテレビ 2003.3.29
ミシェルライヴ@赤坂BLITZ 2003.4.9
スカパラ@渋谷クアトロ 2003.6.5
ロッキングタイム@野音 2003.6.7
スカパラ HIGH NUMBERS TOUR FINAL@東京ベイNKホール

notes and movies(2003.2〜 part2)

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過去のノートにある映画感想メモシリーズ。
part1からのつづき。
昔のメモなので、不適切な表現、勘違い等はお詫び申し上げます/謝罪
なお、あらすじはなるべく省略しています。


■『鉄男』(1989)
監督・脚本・美術・照明・編集・撮影・出演:塚本晋也 出演:田口トモロヲ、藤原京、石橋蓮司 ほか
ひやむ推薦。インパクトあるタイトルとジャケット写真で気にはなっていたが、
こういう前衛&試験的なのは体調のいい、時間にゆとりがある時じゃないとね
病気そのものってカンジ。地獄で見続ける悪夢。
安心して死ぬことすらままならない。こういう作品って“付き合わされる拘束感”を感じる。

まさに自作自演の低予算。藤原は衣装や助監督も兼用。ヨーロッパのなんか賞をとったんだっけな?
TVチャンピオンの特殊メイク選手権に出れるよ。カラーじゃとても耐えられまい。
ゴールデンタイムだってムリだ。子ども、大人だってコレを観て「カッチョいい〜」て真似する奴も出かねない。
一応、撮影風景は和やかだったっりして。カットの後「今の笑えるよねー!」みたいな。
たしかモックンの出た『双生児』も同監督? アレも独りよがりでワケ分かんなかったな、長いし。


■『まぼろし』(2001)

監督:フランソワ・オゾン 出演:シャーロット・ランプリング、ブリュノ・クレメール ほか
静かな映像が自然なリアリティを演出。子どものいない熟年夫婦に訪れた突然の死。
泣き叫ぶわけでもなく、ただ受け入れることを拒んで日常に戻されてゆくという現実。
誰かを愛するということは、その人の死さえも受け入れることでもある。
ランプリングの自然な内部から湧き出る知性と美しさ、抑えた演技が、
テーマをより深く訴えるにふさわしいものにしている。

「自殺するような一族じゃない。男の夢を追って家出したんだよ。あんたに飽きたか、家族も作らないから」
「老人ホームより精神病院に行くべきよ」
「あんたのほうが先に入るさ。母と子の絆をナメちゃいけない」
「私は妻よ」
こんな会話が哀しい。近い関係で愛すればこそ傷は深く受け入れがたいんだ。

新しい恋人を見つけるべきかもという思いと、夫への未練、罪悪感が
眠る妻に触れる2人の男の手で表現されているのが象徴的。
老衰による自然死ならまだしも、まだ若いうちに亡くしてしまった、残された家族の悲しみと絶望、
どうしようもない空虚感は想像もできない。
それでも自分の人生を生き抜く力もやはり持っているのが生命の力。


■『インソムニア』(2002)
監督:クリストファー・ノーラン 出演:アル・パチーノ、ロビン・ウィリアムズ ほか
犯人当てミステリーではなく、ベテラン警官を巻き込むことで“人が人を裁くこと”
“何が正しく、何が罪なのか?”を深く問い質す作品になっている。

良心の呵責から不眠症になり、精神も体も限界になることでタイムリミットの緊張感も生まれる。
同僚を撃ってしまった男は、刑事として犯人を挙げる正義感と、良心に苛まれ、
結果死ぬことで永遠の眠りと安息を得られるというラストが哀しい。
刑事役が板についてきたアル・パチーノと、変質者づいてる?ロビンのベテラン競演が見所。
アメリカ田舎の壮大な自然美が素晴らしい。

ロッジの女主人が証拠捏造についてどう思うか訊ね
「その時正しいと思ってしたことなら、それとともに生きるしかない」という答えがイイ。
善悪は必ずしも常に完璧に白黒つけられるものではなく、ましてや、一警官、一判事の判断ですべて解決するものでもない。
その時何をすべきかは、自分の良心の物差ししかなく、それが正しかったか、失敗だったか、
どちらにせよ、一度下した決断は消せない過去となる。


■『ザ・ロイヤル・テネンバウムズ』(2001)
監督:ウェス・アンダーソン 出演:ダニー・グローバー、ジーン・ハックマン、アンジェリカ・ヒューストン、ビル・マーレイ、
グウィネス・パルトロウ、ベン・スティラー ほか ナレーション:アレック・ボールドウィン
本を読む感覚で進む。淡々としながらも変テコファミリーがひとつにまとまるまで。
多彩なキャスト皆クセがあり、ファッション、音楽で醸し出す'70っぽさがハマる。
ヴァン・モリソン、ヴェルヴェッツ、ニコetc...

マンガのような静止画と抑揚のないセリフ回しがなんとも言えない。
親子、兄妹の愛情表現は十人十色、何十年ものブランクも古い傷も
誠意ある言葉と、たった数日間でも取り戻せるだろうか。

こんな風に和解して納得して最期を迎えられるのは幸せなことだろう。
ビーグル犬が可愛い(轢かれちゃったけど・・・


■『御法度』(1999)
監督:大島渚 出演:ビートたけし、松田龍平、武田真治、浅野忠信 ほか
大島渚の復帰作品。『戦場のメリークリスマス』 のメンツ以下豪華スタッフでの時代劇。
とはいえ、幕末のせいか、イスに座ったり、考え方、喋り方も現代風。しかもテーマが侍のゲイ騒動。
たけしさんが珍しく?一番冷静で公平な立場。時代の変化は武士魂を失わせ、統率力も落ちたと見える。


■『華の愛』(2001)
監督:ヨン・ファン 出演:宮沢りえ、ジョイ・ウォン ほか
ここ最近は宮沢りえの当たり年。今作と国内の時代劇で賞を総なめした。
まだヤセすぎくらいと思うが、その美しさに円熟味が加わり、女優として大輪の華を咲かせたというところか。

今作は時代の変化とともに衰退していった貴族社会と、それに翻弄された2人の女性の
同性愛にも似た愛情物語をまったりと描いている。超高音で歌われる伝統的な歌が作品を彩る。

ラストが曖昧で物足りないが、敢えて湿っぽいドロドロした部分を省略したのだろう。
複雑な思いに悩み苦しむジョイ・ウォンの演技力の確かさ、これ以上ない男性の魅力を持つ男優にも注目。


■『チャーリーズ・エンジェル』(2000)
監督:マックG 出演:ビル・マーレイ、ドリュー・バリモア、キャメロン・ディアス、ルーシー・リュー ほか
女性アクションものが続く中、三様の個性と美貌の3人が見せる本格アクションは痛快!
TVシリーズを一新させて、こちらもすでに2を製作中の上、『新絶叫計画』でもパロられてるあたり、
分かりやすいギャグと展開、お色気サービスたっぷりのハリウッド娯楽の王道。
数十曲のノリノリサントラの中には、なんと!ピチカート・ファイブもあり、
Fatboy Slim 、ロッド・スチュアート他豪華アーティスト目白押し。

開放的すぎて車狂のキャメロン、ワルのドリュー、機械ものに強く、俳優と付き合ってるルーシー。
ちょっと鍛えてあれだけになれるなら大したものw
でも、どんなに強くても、イイ男には従順で、チャドって男に支配されてるんだよね。
レース会場でのドリューのお色気作戦ほか、スキなしのボディをフルに使って、
いろんなファッションに身を包み、やりたい放題の開放感も観ていて楽しい。


■『レニングラード・カウボーイズ・ゴー・アメリカ』(1989)
監督:アキ・カウリスマキ 出演:マッティ・ペロンパー、カリ・ヴァーナネン ほか
同監督の新作『過去のない男』のサントラにCKBが使われるとのこと。以前聴いてファンになったらしい。
フシギなリーゼントに、同じくとんがった靴の大所帯バンドは、今作のヒットで来日も果したとか。
民謡から急にロックもできちゃうところが可笑しい。
星の数ほどいる明日のスターを目指すバンド。客の心を掴む、掴まないって実際何がポイントなのか?
見た目インパクト+演奏レベル+曲の良さ?

「なぜウケないか? 顔色が悪いからだ」

死体を運んでいるのを咎められ、留置所に数日間入れられてる間もずっと缶を叩いて音楽好きなのが笑える。
ホーンもしっかり入るとけっこーイケる音v 続編も作られたが今作ほどじゃないとか。


■『キューティ・ブロンド』(2001)
監督:ロバート・ルケティック 出演:リーズ・ウィザースプーン、ルーク・ウィルソン  ほか
F氏オススメ。観て3日も経ったから細かいところまで覚えてないが
アメリカン・ドリームの女の子版。途中所々安易な展開はあるけど、軽いラブコメで観た後爽やかだからOK。
ペディキュアの中年女性と仲良くなり、配達人との間もとりもつ。
落し物を拾って、胸を張りながら起き上がるやり方は、成功率90%の男の落とし方とか? うーんアメリカでのみ通じる?
F氏曰く「ヒロインの顔が好きじゃなかったけど、観た後可愛く見える」んだとかw


■『ハリー・ポッターと秘密の部屋』(2002)

監督:クリス・コロンバス 出演:ダニエル・ラドクリフ ほか 戸田奈津子訳
待望の第2作。ポスター等ではトビーがクローズアップされてた。
奇しくも同時期に、しかも同じく3部作で、同じファンタジー原作ものの『ロード・オブ・ザ・リング』
の2作目にも似たようなゴブリンが出てきて、まともに張り合ってる感じ
私は今シリーズのほうが好きだが、けっこー話が込み入ってきたから、子どもらが観て理解できるのか?

ハリー役の子が急に大人びてビックリ ロンは声変わり?
どんどん成長してゆく彼らのもっとも儚く、美しく過ぎ去ってゆく時代を夢物語とともに
急ピッチに記録しているタイムリーさがなんとも言えない。
ジニー役の子も妙に色気があるし、エセ教師役にはケネス・ブラナーがはじけている。
しかし、重要な校長役が本作を撮って亡くなったということで、残る1作をどうするのか気になる。
CGシーンも1作目は多少機械っぽい部分が残っていたが、今作ではより自然でスピーディに展開してゆく。
ストーリーに溶け込み、リアルなマジックワールドに完成v

「生まれより、何を選択するかで人間が決まる。自分で決めるんだ」みたいなセリフがとてもイイ。
トビーはHの機転で主人から靴下をもらって奴隷から自由の身となる。

notes and movies(2003.2〜 part1)

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過去のノートにある映画感想メモシリーズ。
今回はスカパラの切り抜きが貼ってある透明なルーズリーフからご紹介。

  

photo1:ロッキングタイムほか@野音
photo2:PE’Zもいる。
photo3:ミシェルも見たv

昔のメモなので、不適切な表現、勘違い等はお詫び申し上げます/謝罪
なお、あらすじはなるべく省略しています。


■『新・仁義なき戦い』(2000)
監督:阪本順治 出演:豊川悦司、布袋寅泰、佐藤浩市、岸部一徳、村上淳、松重豊、哀川翔 ほか
これがシリーズで今のところ最新。音楽も布袋さんが担当。
最初のつかみを使った今っぽいロック系と、ラストはヤクザ映画にありがちな渋い歌謡曲系。
話はやはり組長の座を争う内部抗争。
だいぶ静かな争いがホラーと同じで、指をつめたりする基本的ルールは今でも変わってないのね。
やってることはずーーーっと同じなんだな。キリがない。

どんどん若い連中(主に暴走族とかをスカウトしてるらしい)を取り込んで、
この不況下でも様々なビジネスをやって活動を続けてる。
下っ端から始まって上へのし上がるには、サラリーマン以上に厳しい世界じゃないかな?
上下関係もハンパない。時に体育会系な情も絡めてる。
だんだん男性ホルモンが薄くなってきてるし、昔ほど凄みのある男がいなくて、そのうち弱くなってこないかな。
しかし土木系だけじゃなく、「○×経済事務所」なんて看板もあるんだ。
黒い車といかついオジサンたちがいなかったら一見分からないよね。


■『チョコレート』(2001)
監督:マーク・フォスター 出演:ハル・ベリー、ビリー・ボブ・ソーントン ほか
初の黒人女優オスカー作品ということでいかにアカデミーが偏ってるか改めて分かった。
『マルコムX』『アメリカン・ヒストリーX』ほか同テーマは繰り返し描かれ、
そのつど波紋はよんでもなかなか根絶しない根強い差別意識。

「黒い女を抱いてこそ男だ」

アメリカ映画はあくまでもハッピーエンドにしたいらしい。納得できたのだろうか?
報復は憎しみしか生まないが、差別の家に育ち、そう簡単に考えが根本から変わるか?
ヒロインがハル・ベリーほど美しくなかったらどうか?

今作のように差別は、親や環境から受け継がれているもので、それ自体深い理由などない。
人には生まれつき良心があって、差別主義ですらその矛盾に無意識では抵抗を感じ、苦しいことだろう。
ここまで極端でなくても誰でも心の中に優劣を作ることがある。
自尊心のためだったり、恐怖心からくるもの、この2人の男女のように
どん底の悲しみを共有することでしか同じ人間だと気づけないのは悲しいことだ。


■『サイン』(2002)
監督:M.ナイト・シャマラン 出演:メル・ギブソン、ホアキン・フェニックス ほか
思った通りのB級ぶり。妻の死に泣けもせず、宇宙人との対決に恐怖も刺激もなく、
政治的陰謀もなく―――唯一コメディとしてなら観れる1作。
やたらとアップの多い撮り方が素人臭いし、ひいた男はMr.ビーンソックリw
奇跡を信じろという宗教映画か。

逆光を浴びて、なんか足がいっぱいの、着ぐるみのモジモジ君に近い。
『シックス・センス』では、あんなに緻密なプロットと、
真に迫る映像でアッと驚かせた監督がなぜこんなことに・・・
F氏がオススメの誕生パーティのビデオに写った宇宙人もデカすぎる。
以前“これマジ!?”で流した小人型のほうがカワイクて好きだな


■『ドニー・ダーコ』(2001)

監督:リチャード・ケリー 出演:ジェイク・ジレンホール、ドリュー・バリモア ほか
『シックス・センス』的ドンデン返し。
限られた時間と着ぐるみウサギ、カッチョいい主演男優がブッ飛びまくり。
バリモア出演が不安だったが、怪しい彼とともに意外な使われ方をしていてgood!
絶望感漂うREM風音楽もハマってる。

そんなに自分の死期が知りたいか? タイムリミットが分からなきゃ楽しめないか?
“リヴァースムーヴィー”が流行ってるなあ。
腐った大人と、ダルイ学校、異常と正常の境が分からない日常。

「自分の最期を安心して迎えるために夢に見せてもらいたい。やりたい事がたくさんあるので」

でも一体どこまでが妄想なのか?
本人はよく納得しても、死で最も辛いのは残された家族ではないのか?


■『THE X-FILES SEASON 6』
監督:クリス・カーターほか 出演:デイヴィッド・ドゥカヴニー、ジリアン・アンダーソン ほか

【FILE No.609 Terms of Enderament】
久々の再会! この曲聴くと心が落ち着くw それにしてもなんだかなぁ。
『ローズマリーの赤ちゃん』のパロか。ここまでくるとブラックジョーク。
X-FILEは超自然現象をなんとかリアルな現実的こじつけ理由をつけて、
少なくともスカリーが納得するように作るところがミソだと思うんだが・・・
元妻に魂を与えるこの悪魔「ノーマルな子どもが欲しかっただけ」ってイイ奴じゃんw


【FILE No.610 The Rain King】
今度は究極の雨男w ほんとにネタに困ってきてるみたいね。
♪Over the Rainbow が流れる中、これまたウソっぽいほど夢みたいな虹の風景。
「スカリーみたいな魅力的な女性と一緒にいて何もしてないだって?」
S「モルダーが恋の相談相手? あなたが最後にデートしたのは一体いつのこと?」
などのギャグもまじえつつ、恋のキューピッドになった2人のほのぼのエピソード。


■『クローン』(2001)
監督:スペンサー・オーラム 出演:ゲイリー・シニーズ、マデリン・ストウ ほか
ゲイリーファンのための1本か?w あとSFファン。
でもストーリー展開としては物足りない。近未来ものでは金がかかってるほうだが。
スパイ同士と知らずに愛し合ってたってワケ?ってゆー悲哀が残るSFらしい結末。

人の体温を感知したり、脊髄の部品で犯人を確実に追う未来の捜査や、
切り傷をシューっとふさぐ医療器具、手形でロックするドアetc...ステキな未来世界アイデア満載。
『タイムマシン』にはこの要素が足りなかったからSF映画としちゃ弱い。

が、なんといっても今作の見所はゲイリーv 『ザ・スタンド』の頃のステキな姿復活
いつも苦虫噛んでるような目元、ほどよく鍛えられてるスレンダーボディ、
危機に追いつめられる演技も素晴らしい〜。
完璧な美にちょっと老いが見られるマデリンもSFづいてる。


■『ムーラン・ルージュ』(2001)
監督:バズ・ラーマン 出演:ユアン・マクレガー、ニコール・キッドマン ほか
オーソドックスに時代を再現したミュージカル映画を復活させて笑わせるのかと思いきや、
あのパンク風『ロミ・ジュリ』を撮った監督らしく、ヒップホップをカンカンで踊るハイテンション。
話はありがちだがきっちりボリュームある作品にまとまってる。

アップがこれまた満載なのが気になるが、とりあえずニコールは、たとえ汗びっしょりでも、
涙ひとすじ、口から血ひとすじ流してもパーフェクトな美しさ
透明なソプラノも披露。おとぎ話風ストーリー。
考えてみれば公爵は悪くない。ってゆーより金目当てにダマされた可哀相な男じゃないか

挿入歌が他にも♪HERO、♪Sound of Music などなどアレンジして、隠れネタ探しも楽しいかも。
DVDだとなんでもメイキングを見せて夢の種明かしをしてしまうが、撮影方法を見せたら興ざめだ。
映画が夢やマジックでなくなったら意味がない。

古い街並みをなめるようなカメラワーク、オモチャみたいにキラキラしたセットで、夜歌う恋人のシーン、
次から次へと妖しいメイクと衣装のダンサーが踊るショーのシーン、
夢の舞台裏は観客に見せないほうがイイ。


■『穴』(2001)
監督:ニック・ハム 出演:ソーラ・バーチ ほか
予告編にも使われてる最初のつかみが効いてる!
フラフラブンブン(ハエの音)歩いてる少女が学校の電話から119していきなりキャ〜〜〜
と見事な叫びっぷり。穴の中で何があったのかウソの証言に友人の証言。
最後まで引っ張られ、真実を知った後もモヤモヤが残る。

少女の情熱に任せた未熟な愛情。
相手を神格化し、所有できないなら共に死んで永遠に一緒になれると錯覚する。
確かに直接殺人はしていないが、監禁し死に至らせた立派な犯罪だろうに。
少女が原因だとは思わない周囲の先入観を見事に利用し、逆手にとってる。

おいおい、カウンセラーが警察にひと言話せば内側ドラ他、物的証拠はいくらでも見つかるだろうに。
暗い中に食糧もなしに閉じ込められた時の人間の恐怖と衰弱からくる異常行動は計り知れない。
フラッシュライトに照らされるクレジットの演出効果がまた効いている。


■『ドールズ』(2002)
監督:北野武 出演:菅野美穂、西島秀俊、松原智恵子、三橋達也 ほか
なんといっても絵がキレイ 桜から始まって、夏の海、真紅の紅葉、そして雪の白。
日本の四季を舞台に、三様の男女物語が限りなく静寂に綴られてゆく。
暴力的なヤクザ映画から始まった北野作品。
歳を重ねるごとに深く穏やかな心象風景の変化が分かる。
次作『座頭市』も完成前から世界が待ち望んでいるし。

文楽劇がたっぷり5分プロローグとして挿入され、生きているような人形の男女の表情。
和を感じさせる色鮮やかな菅野の衣装が目を引く。
深田の歌うポップスは、なんと小西康治作曲。いろんなところに絡むねえw
人形のように抑えた演技。とゆーか全編歩くだけだが、様々な心情の動きを内包している。
が、皆死につながるのはなぜか?
あっけなく命は消えても、誰かを想う気持ちだけ温かく残り、自然の美しさはそれを静かに見守り、彩って余りある。

ドラマ『かなたの子』

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ドラマ『かなたの子』
出演:坂井真紀、井浦新、宮?将、満島ひかり、永瀬正敏、藤村志保 ほか

たまたま観たドラマ『紙の月』に心動かされて、原作が角田光代さんと分かって納得。
その他の作品も調べて観てみた。
「日曜美術館」の司会でしか見たことない井浦新さんが出ててカッコいい。


●第1話「巡る」
山岳ガイド・野澤が率いて富士山に登るグループ。イトコは朦朧とする意識の中で亡娘ナツキを見た。

「山は生きている者だけじゃなく、死者もたくさん歩いているんです」

縁結びのため、病気治癒のためなど、それぞれ登山目的が違う。
ある女性は、亡夫の遺体を18年間火葬もせず手許に置いておいたが、気持ちに区切りをつけたいと漏らす。

「忘れてしまうくらいなら、苦しむほうがいいと思います」

イトコは、幼い頃に祖母の家に預けられ、母に捨てられた。
祖母から、村はずれの寺にあるという即身仏(ミイラ)の話を聞く。
その昔、ミイラとなった上人に質問の答えを聞く「お道ゆき」という慣習があったが、
ミイラは、罪人だということが分かった(『湯殿山麓呪い村』みたい・・・
イトコは村の友だちと見に行ってみると、廃墟となった寺の奥にはまだミイラがそのまま放置されていた/怖

「わしは怖かった。罪から逃れる姿に自分を重ねちもうだ」

富士山って、こんなに木も草もない砂地ばかり続く道なんだな。登山というより苦行だ。



●第2話「道理」
第1話で途中から登山に加わる若い男・岩渕啓吾の話。
妻・シズエと不妊治療のことでケンカして、昔の彼女サクミに電話する。
(5年も前の恋人に電話する気持ちは分からないなぁ。自分でフっておいて番号を残こしてる時点でおかしい。。

ヨガの講師・佐和に「運命の人じゃなくて、運命そのもの」だと言われ、サクミと別れて付き合い始める。

「運命に出会った。僕にはどうしようもない。それが道理だから」
「道理ってなに? 私も勉強するから!」泣きつくサクミ。

サクミの家で手料理を食べ、メールのやりとりをしていたが、それがエスカレートして迷惑メールが大量に送られてくる。
(すぐ着信拒否して、交番に届ければいいのに。ストーカー犯罪がまだ知られていない頃か?

「この世には決められた1本の筋があり、人はみなそれを辿って生きているのかもしれない。
 それこそが正しい生であり、それを無視したり、外れたりすると、
 とんでもないしっぺ返しをくらうのではないか。
 道理というものを無視してしまったら、着実に捻れていってもう修復不可能なのではないか」


満島ひかりちゃんらしい役だね 不法侵入だけじゃなくて、家のベッドに寝てるって怖すぎる。
ケイゴは優柔不断なハッキリしない男で、見ていてイライラした。
チャリティを装ったカルトかぁ。みんな何かにすがりたいんだな。
トランス状態になった姿も怖いし



●第3話「同窓会」
野澤は山伏(行者)。普段は在家でガイドをしながら、時々修行しているという。
山小屋の主人マコトとは、小さい島の少人数の小学校時代からの同級生。その野澤の話。

「なぜ山伏になったんですか?」
「友を弔うため」

マコトの個展に呼ばれた同級生たち。飲み会で、当時、事故で亡くなったダイゴの話になる。
その後、リョウイチ、野澤、トシエ、マコトの4人で集まり、ダイゴの事件を思い起こす。

マコトが持ってきた古い旅行用スーツケースの中に入る遊びをしていて、
ダイゴを入れて鍵のダイヤルを回してしまって開かなくなり、
どうしていいか分からずに、怖くてそのまま置いてきてしまう。
翌日、遺体で発見されたダイゴ。
その後、4人は真実を言えぬまま、暗闇になるとパニックを起こす症状を抱えながら25年経ってしまった。

野澤は富士山の修行を始める(「六根清浄」って富士講なのかな?

「どうにも逃げ切れないと分かったから、こっちから捕まることにしたんだよ」


「オレな、おまえと一緒に遊びたかった」


スーツケースの中に入るなんて、想像しただけで苦しすぎ
誰も悪くないからこそ、どうしようもない悲しみが襲ってきて号泣してしまった。



●第4話「かなたの子」
そして、最後はイトコの話。
離婚後、夫は養育費を払わず、イトコは朝4時頃からチラシ配り、夜までお絞り工場でパート勤務で疲労困憊していた。
娘ナツキは、孤独感から次第にイトコを困らせるようになり、ある日、とうとう首を絞めて殺してしまう。
心神喪失ということで3年の刑期がつくも、祖母の家で心身を休める。
(どうして母親は全部1人で抱え込んでしまうんだろう。ここにも追いつめられたシングルマザーの姿がある

ミイラは土に埋められて、寺ももうないという。

「どうせ罪からは逃げられない」

祖母は、家を出て行った母親について初めて話す。
最初の子を流産したショックで心のバランスを崩したのは、自分が責めたからだと深く後悔していた。

「ナツキを強く抱きしめると、私も抱きしめられたいと思うの。私なんか生まれなければよかった」
「死んで楽になるなら、ばあちゃんが殺してやるから、それまでは生きろ!」

こんな悲しい負の連鎖、止まらないものなのか。

夜通し富士山に登り、イトコは再びナツキの幻影と出会う。

「何度も会ってたよ。何度も、何度も」
「また、いなくなるんだね。ママとナツキは、何のために出会ったの?」
「それでも、また出会うよ」

悲しみは消えない。消えないで、背負い続けたまま、生きていくんだ。
人の業を描いた壮絶なドラマだった。





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