Quantcast
Channel: メランコリア
Viewing all 8719 articles
Browse latest View live

官兵衛を支えた24人の男たち~@歴史秘話ヒストリア

$
0
0
いつだってみんなのヒーロー~官兵衛を支えた24人の男たち~@歴史秘話ヒストリア
★タイトル

・母里太兵衛
 
街の人々の一番人気は母里太兵衛。絵図を床の間や神棚に飾るようになった

・日本号の逸話
織田信長を経て、豊臣秀吉に渡り、秀吉から福島正則に与えられた。
ある日、酒豪を争って、太兵衛が勝って正則から家宝の槍をもらっていった。
あとで「返してくれ」と頼んだが、「武士に二言なし」と断ったというw

 
その逸話が後に♪黒田節 の歌詞となった

・原種良
 
戦で兵に囲まれ危機一髪の時に朗々と歌をうたって、みんな引いて逃げたというw

・吉田長利
 
逃げた忍者を走って追いかけ、しとめた

・久野重勝
 

 
「日本で由緒正しきそろばんは前田利家のものだったが、定説が覆る可能性は十分にある」(専門家)


・官兵衛の「家中間善悪之帳」
 
「人事は政治という言葉がある。人の仲の良し悪しを詳しく調べてメモし、組み合わせを吟味した」(教授)

・母里太兵衛+栗山善助
短気な太兵衛と知略家の善助に義兄弟の契りを結ばせたところ、暴れん坊の太兵衛が丸くなったw


・「関ヶ原の戦」
三成は各大名の妻子を人質に差し出すよう命令。官兵衛の妻・光姫を救い出すため、
太兵衛と善助は商人の姿に化け、光を俵に入れて、見張りに囲まれた城から担ぎ出す。

 
光のソックリさんを用意する周到さ/箱の中身を聞かれて「中を見るなら私が相手だ!」と脅しが成功

 
官兵衛が幽閉中、さらに絆を深めるためにサインした


・官兵衛は「福岡」の名付け親
 


博多は商人の町で、福岡は武士の町なんだ/驚

 

兵火に焼かれて焦土と化した土地を復興させたのも黒田二十四騎。
その後、次第に人が集まり、元通りの活気がよみがえった。

 
国内屈指の防衛力を持つ、国内最高峰のお城

 
敵が登ってきたら石を落としたり、熱湯をかけたり/干しワラビは非常食にもなる

・今はなき天守台を見る
 


官兵衛の死後、代々の藩主と折り合いが悪く、二十四騎の子孫らは半数近くが追放された。
バラバラになった福岡藩の絆を取り戻そうと10代藩主・黒田斉清が考えたのが二十四騎の正確な絵図の制作。
それまで描かれた絵は大体な感じだったため、お抱え絵師・尾形洞谷に依頼。

彼は子孫を1人1人訪ねて詳細を聞き、大量の伝記や資料を集めて詳しくメモした。
絵図の完成には、10年以上かかった。

 

 
昔の野口/修正後

 

 
1人ずつを1枚ずつに描いた、長さ10mの大作は本邦初公開!

 

 
版木を使って版画が刷られ、広く大衆にまでいきわたり、神として祀られ、信仰を集めた

 
二十四騎の格好をして練り歩く

 
太兵衛の子孫・母里忠一さんは師範。みねでうつ方法は「人を殺さず生かして使う」黒田家のポリシー


追。
黒木さんがご当地の麺料理を食べてるシーンは、思わず「LIFE!~人生に捧げるコント 西田尚美のニッポン麺紀行」かと思っちゃった/爆


オラたちの関ケ原 ~天下分け目の合戦VS.農民~@歴史秘話ヒストリア

$
0
0
オラたちの関ケ原 ~天下分け目の合戦VS.農民~@歴史秘話ヒストリア
出演:石井正則(アリtoキリギリス)

 

番組でもゆってた通り、「関ヶ原」というと、何もない広い原っぱを想像させるけれども、
そこには村があり、しかも季節は、これからたわわに実った稲穂を刈り入れようという矢先。

大河ドラマや時代劇では、勇壮に戦う様子ばかりがダイナミックに描かれるけれども、
実際は、その土地土地に住む農民たちの暮らしを一変させ、家も焼かれ、田畑を踏み潰され、
さらには妻子までさらわれる、まさに戦場、戦争とはそういうものなんだ。
関ヶ原の合戦を農民側からみた視点が興味深かった。


【内容抜粋メモ】(ネタバレ注意
 

 

この地図は、地元の有志が検地帳を元に当時の関ヶ原を調査して作成。
慶長5年当時、関ヶ原には8つの村に約2000人が住んでいた。
米だけでは足りないため、麦も育てて暮らしていた。

ある日、石田三成ら西軍が進軍し、大垣城に入る。
大垣城は、当時珍しい天守と濠をもつ城で、難攻不落と言われていた。

 
領主は西軍として出陣中で留守。農民らは命令されるまま無休で土地の案内、土木作業をさせられた

農民は、お金を払って禁制を出してもらった。また、兵に乱暴されぬよう女房、子どもを山奥に逃がした。

 

 


・兵農分離


村は稲の刈り入れ前。戦国時代ですら秋に合戦はあり得ないことだった。
以前は、農民は戦になると狩り出されたが、収穫期は兵役を断って農業を続けることができた。
「兵農分離」となってからは、兵士の命令に従わざるを得なくなった。

 

そこで、米が熟す前に稲を刈ることにする。「青田刈り」


家康は、大垣での決戦を避けて大坂へ向かうと言い出す。東軍も関ヶ原へ軍を進めた


9月15日早朝。農民らはなにかあった時に避難する裏山に逃げ、戦の様子を見守る

当時、野上村には54戸、212人ほどの村人が住んでいた。
戦闘開始。領主・竹中は西軍から東軍に寝返っていた。

家康は本陣を進めたことで、三成は総攻撃の合図ののろしを上げる。
松尾山にいた西軍の小早川秀秋が家康側に寝返ったことで西軍は敗走。
合戦の犠牲者は1万2千人といわれる。

 
家康は、庄屋で数人とこっそりと勝ち鬨をあげ、石を天下に見立ててペタペタ踏み、上機嫌だったというw

家康は後始末を竹中に命じ、迷惑料として米千石を渡した。
家康軍は関ヶ原を離れるも、落ち武者が怖くて多くの村人が村に戻らなかった。
全滅にされた田畑にすぐに麦を蒔かなければ、村の存亡がかかった一大事となると相談し、
家康を追って「禁制」を出すよう直談判。これは命懸けの賭けだったが家康は承諾。「自力救済」

 

 
落ち武者狩りは行われず、村人が墓を作って弔った

 
遺族がこっそり故郷の石を運んで作った塔


特集ドラマ『途中下車』(2014)

$
0
0
特集ドラマ『途中下車』(2014)
原作:北村森『途中下車』
脚本:喜安浩平
出演:北村一輝、原田知世、松田知己、野際陽子、六角精児、池津祥子、野間口徹、木内みどり、村松利史 ほか

まだまだココロの病気の中では知られていない「パニック障害」。
「過呼吸」とか、「うつ」とかと混同されたり、それらも症状に含まれるケースもあるから余計に説明しづらくて、伝わらない。
それをこうして書籍や、ドラマを通じて知る人が増えて、理解してくれたら嬉しいかぎり。

▼story(ネタバレ注意
次期編集長と期待される灰島(40)(やっぱり編集者なのね・・・)は、
スケジュール帳に隙間を作りたくないほど忙しいほうがテンションが上がる
各地のホテルを覆面調査する企画が当たり、ヨーロッパ特集もようやく企画が通って1カ月の滞在となるはずだった・・・

ある時、新幹線がトンネルに入って、灰島は急な発作にみまわれる。
(息が出来ない、胸の圧迫感、鼓動が極度に早まり、手足が冷えて、痺れる、気が遠くなる、など、ひと言で言えば「死ぬかも」という恐怖感

その後、地下鉄での通勤もムリ、飛行機もムリ、狭くて暗い会議室もムリ、美容院でタオルをかけられても発作が出る(パニ障あるある
病院で「パニック症」と診断され、1ヶ月後、退職願を出した。

妻・紗江は司書(パートかもね)、一人息子・樹(イツキ)には病気のことを隠して、
「もっと自由に制約のない仕事がしたいから辞めた」と言って、自宅でできる仕事を探すがなかなか見合ったものがない。
こっそり飲んでいたクスリでようやく病名を聞き出した紗江は、カウンセリングを薦める。


カウンセラー・沢渡「タフだと思っている人でもかかる。今は100人に1人、予備軍は何百万人もいる病気」
「なぜ会社に理由を言わなかったのですか?」と問われた灰島は、
「“あいつ、ついに壊れた”と言われるのが嫌だった。ヒマな部署に回されるのは目に見えている」

家に帰り、紗江に「カウンセリングなんて、ダラダラ話してるだけで時間のムダだった」と話すと、
「じゃ、やめれば? あなたが“相談してほしい”て言う時は、“yes”って言って欲しい時。
 弱味を見せたくないんでしょ? ほんっとにちっちゃいね、あなたって」


沢渡「あなたは、ペンのキャップをくわえると、自分の限界以上の仕事ができていた。
   今度は、そのスイッチが思わぬタイミングで“発作”として出て、OFFにするのが難しい状態。まずはリラックス

灰島は、サエがやっている「おはなし会」にこっそり行き、『はだかの王さま』を読んでいるのを聞いて、自分のことだと思う。
イライラをイツキにぶつけ、サエ「こんな時だけ父親ぶらないでよ! 私たちのことなんてどーでもいーんでしょ

カウンセラーに「孤立感」を話すと、
沢渡「この病気の人は孤独を感じている人が多いです」

ずっと家にいる父親を見て、イツキ「僕、どうすればいいの?」サエ「フツーにしてようか、今まで通り」
(これが一番イイんだよね

灰島「どうせ、オレなんか家にいても邪魔なだけだろ?」
サエ「じゃあ、イツキと一緒にいなよ。今、一緒にいないともったいないよ。大きくなるのなんかあっという間なんだから」


家のローンも抱えているため、サエは夫の分まで働こうと、スーパーなどのパートを増やし、
カレンダーにギッシリ予定が組まれていることに気づく灰島。

頼まれた買い物も、レジの列がちょっと長いだけで発作が出て、自分の無力さ、変化に戸惑い号泣する。


乗り物が大好きなイツキと電車に乗った時も発作が出て、イツキはチュッパチャップスを渡して
「これ何味か当てて?」という遊びをすると、いくらか気が紛れて、海まで遠出する

灰島「パパにはスイッチがあって、それがいつ入るか分からないんだ」と話すと、
イツキもまた給食に出るみそ汁が大嫌いでサボったことを明かす。
灰島「パパも嫌いなものたくさんあったよ」


沢渡「(認知行動療法は1駅ずつ試すのが普通で、急な遠出をした灰島を叱るが)
   息子さんと一緒に乗りたいって気持ちがスイッチを止めたのかもしれませんね」


そんな時、サエが急性腸炎で入院してしまう。なんにも分かってくれない夫に対して号泣するサエ。

見舞いに来てくれたパートの同僚から、サエにも見栄っ張りなところがあると指摘されてハッとする。
「辛い時は、そう言ったほうがイイんだから」


灰島「立山でライチョウを探そう!」
イツキ「それ、幼稚園の時も言ってた。行かなかったけど。大丈夫? 乗り物いっぱいだよ。
    トロリーバス、ケーブルカー、トンネルもたくさんあるよ」

1泊2日の旅行をカウンセラーにも許しを得て挑戦する灰島。
灰島「イツキともっとそばにいて、どんどん付き合ってみたい。そうゆうことだろ、君の言いたいのは」
サエ「絶対ムリだけはしないで」

ダムで出会った老夫婦も、夫は30年勤めた会社を辞めて、半年間無職。それから夫婦でジョギングを始めたのだという



灰島「ごめん、オレのせいだよな。君が病気になったのは。『はだかの王さま』ってオレのことだろ? 分かっていても認める勇気がなくて」



サエ「でも、アレって王さまのせいだけじゃないから。周りがダメにしたの。諦めて、見て見ぬフリして、
   どうせ何も変わらないって、そうやって病気になるまで放っておいたの。
   正直言うと、仕事を増やしたのは、あなたといると、自分まで苦しくなりそうだったから。だからお互い様でした」



灰島「病気になって分かった。ほんとはパパ、小さい人間だったんだなって。弱いんだパパは。
   パパがここまで来られたのはイツキのお陰だから。イツキはパパのお守りなんだ」



サエ「すぐには変われないもんね、人は」
灰島「オレさ、こうなって良かったと思って」
サエ「でも、最後に自分を大事にしてあげられるのは、自分だからね。ムリはしない。あなたもね」

灰島「乗っていかないか?(地下鉄に)」


手をつなぐって大事/涙

サエ「言ってよ、途中でダメになったら、そしたら一緒に降りましょう」
灰島「そん時は、また歩こうか」

****************************

ここから社会復帰した人のストーリーも知りたいなあ。

カウンセリングは心療内科とは別に保険対象外だから30分で5000円などとお金がかかるし、
本当は「退職」などの大きな決断は避けるべきなんだけど、当人は限界状態で、予備知識もないから、そうもいかない。
自立支援、ソーシャルワーカーなど、これが連続ドラマなら、もう少し具体的な突っ込んだところまで知ってもらえたかも。

どのみち、どんな病も、同じ状況になってみないと分からないもの。
同じ病でも、夫婦や、独身、男女の場合など様々な立場で微妙に違うから、それぞれの立場に立って想像してみることが必要。

1人だけで乗り切ろうと思わずに、早めに周囲にヘルプ信号を出して、
あらゆる人、福祉サービス、周囲に頼ってもイイんだ。
まずは、今まで人一倍頑張り続けて、走り続けてきた自分をゆっくりと休ませてあげること。

「誰かのためにならなきゃ生きている意味がない」とか「働かざる者食うべからず」とか
自分を責めたり、追い詰める代わりに、「ゆっくりと自分と向き合う時間が持てた」ことに感謝すること。

自分で自分を肯定すること。

誰からも褒めてもらえなくても、これまで頑張ってきた自分に「お疲れさま」「今日も1日生き延びられた」ことだけでも奇跡
無意識にムリしてきたことに1つずつ気づいて、立ち止まって、「それが自分にとって本当に必要か」を考えてみる。
そして、時間をかけて本来の「等身大の自分」を見つけること。

これって、病に関わらず、ヒトがこの世を生きている意味だと思うんだ。

だから、周囲は静かにその過程を見守って、アドバイスはせず、「早く治ってね」とプレッシャーをかけず、
本人が話したい時だけ聞き役に徹し「傾聴」「共感」「肯定」、長い目で寄り添っていて欲しいんだ。




灰島さんの日常に、パニ障になりやすい人の傾向がちょこちょこ見られたな
・人の仕事まで引き受ける(そのほうがラクだから
・洗濯物もキッチリと畳まないと気が済まない(几帳面さ
・リラックスするにも「目的」をキチンと作ってこなさないとヤル気が出ない などなど


作家別

J・D・サリンジャー

topics~真心新譜『Do Sing』、羽生くん献血ポスター ほか

$
0
0
最近の気になるトピックス。

木曜日に新年初のクリニックに行ってきた。
その待合室で、私の大好きな『銀河鉄道の夜』が大好きなパロル舎から出ているステキな本に出会った。
挿絵の小林敏也さんは賢治の作品をライフワークにしているとのこと。
以前知った金井田英津子さんに通じる雰囲気があって、気になって調べたが最寄の図書館には『銀河鉄道の夜』はなかった。残念。
でも、ブログ内を検索したら、何冊かもう読んでいたな。

小林敏也さん

【ブログ内関連記事】
『画本厄除け詩集』(パロル舎)
画本宮沢賢治『かしわばやしの夜』
『雪わたり』(パロル舎)
『やまなし』
『蛙の消滅』


その帰りに、もろもろの用事を済ませて(火災保険を払ったり)、
ランチの「デリプレート(ドリンク、スープ付き)」が美味しかった。
オシャレな店内。ランチアワーはワッフル食べ放題v 焼き加減がすごい軽い/驚 つけるハチミツもサラサラ!

「MOTHER LEAF」
 


ホームで羽生くんのポスター発見/驚



●ベッタリついて剥がれないシールの剥がし方@あさイチ
・サラダ油をしみこませると粘着性が弱まる
・180度ピール法→紙が古いほど弱いため、剥がす方向に寝かせるようにして、ゆっくりと、均等な力で剥がす
・ドライヤーをあてて、糊を温めると粘着性を弱める→跡に残った紙は消しゴムでこする
(消しゴムでこすってもとれなかったことあるけどなあ!

柳澤さんが「商品に剥がれないくらいベッタリ値札を貼るのはなぜか?」と聞いて、私も聞きたかった!
答えは「簡単に剥がれてしまうと、値札を張り替えられてしまったりするので、店側の対策」とのこと。
でも、せっかく買ってきたばかりのガラスコップやら、お皿の値段を剥がすのに失敗すると、
もう取れにくくなって、商品価値が著しく下がるよね


浅田真央と羽生結弦…。「もう五輪出場ない」発言の波紋と複雑な事情
“羽生のコーチであるブライアン・オーサー氏は、先月発売された著書の中で、彼のことを「頑張りすぎる」タイプだと評価している。”
スポンサーや連盟の金儲け主義の波、メディアの引き抜き合戦に巻き込まれたり、アスリートも大変だ


●LIFE!ステージ~人生に捧げるコントライブ~
 

 



総合司会を任されたムロさんに、早速ダメ出しする三津谷氏(メガネが照明でおかしなことになっちゃってるww
最近、お笑いはあまり興味がないからコント部分は飛ばして(スミマセン)、彼らにつっこむゲスさんの部分とか見た。


真心新譜『Do Sing』
2月のライヴまでに新譜を聴かねば!と焦って、レンタルしてしまいました/謝(初回限定盤はDVD付だったか・・・
ライヴで聴いた曲もあり、初聴きもあり。
「聴いた人の肩が軽くなるような曲を作りたいの、これからは特に。」とヨーキンさんがゆってたのが、そのままアルバムになった感じv


●OCEANUS 10th Anniversary PARTY“ KING OF BLUE ”@舞浜アンフィシアター
2015.2.8 [ SUN ]  開場 16:00 / 開演 17:00

[出演]
クレイジーケンバンド、東京スカパラダイスオーケストラ、TOKYO No.1 SOUL SET、
akiko & GENTLE FOREST JAZZ BAND、須永辰緒、伊藤陽一郎、藤枝伸介、G-Rockets ほか

剣さん、スカパラ、藤枝さん、ジェントルってすげーラインナップ
しかも、舞浜アンフィシアターなんてあったっけ???/驚
藤枝さん、またかっちょいいアー写だなあ!


J・D・サリンジャー著『フラニーとゾーイ』

$
0
0
J・D・サリンジャー著『フラニーとゾーイ』

『ライ麦畑でつかまえて』に代表される「永遠に年をとらない青少年」と呼ばれる主人公たちの語り口調で書かれた、
「7人の神童」と世間で騒がれた兄妹たちと家族を巡る物語の1つ。

今作をはじめ、このちょっと変わったグラース家のシリーズはどれも秀逸。
読んだのは随分前だけど、いまでもサリンジャーは大好きな作家だ。

ストーリーは、カンペキなルックスなのに、ギリギリの感情のフラニーとBFとの珍妙なやりとりからはじまる。
家にひきこもり、ロクに食べずに祈りをつぶやく生活に心配した親は、兄ゾーイに説得するように頼む。
チキンスープをひと口でも飲ませようと必死な母と息子のおかしな会話は滑稽でもあり、感動でもある。

ゾーイは妹に、自分たちは2人の兄に宗教観念をわんさと詰め込まれた畸形児であること、
祈るには、少なくともその対象であるChristを好きでなくてはならないことなど、
ワイシャツを汗びっしょりにして話すがうまくいかない。

クライマックスは、兄の部屋から「役立たずの電話」で、兄バディのフリをしてフラニーに話すところ。

自殺した長兄シーモアのいっていた「僕らはあの『太っちょのオバサン』のために一生懸命やるのさ」という件がわたしは今でも大好きだ。
この太っちょのオバサンとは誰のことか?
自分自身でもあり、みんなでもあり、そして神さまなのかもしれない。


心の中のベストフィルム~『風と共に去りぬ』(1939)

$
0
0
『風と共に去りぬ』(1939)
原作:マーガレット・ミッチェル 監督:ヴィクター・フレミング
出演:ヴィヴィアン・リー、クラーク・ゲイブル、レスリー・ハワード、オリヴィア・デ・ハヴィランド ほか

trailer


ブログにないマイベストを、もう一度、ノートを見返して確かめてみたら、
今作だけ、辛うじて一番古い記録の中から見つけることができたv

今作を初めて観たのは、たぶん高校生の頃。
感想メモは、観た当日のものと思われ、あまりに興奮しすぎて支離滅裂だから、ちょっと訂正しました

(以下、その転記

今日、図書委員会の読書週間の締めくくりは、視聴覚室でのぶっちぎりビデオ一挙放映。

なんと素晴らしい、これが人のなせる極限の力。
2本分のテープの中に、スカーレット、バトラー、
そして、何百人もの人たちが生き生きと動いている。
物語の中でまさに生き続けている!

こんなものすごい映画がこれまであっただろうか。
観客はみんなスカーレットになり、愛し、愛され、苦難と冒険に満ち満ちた
まったく危険な橋をともに渡りきった。

人の深く、底知れぬ表情、感情、行動、狂気と正気が入り乱れ、
それでもなお立ち上がり、明日を見つめて歩き出す。

そして次は、私たち自身がスカーレット・オハラを演じ、バトラーを夢見るのである。
少女たちは夢から醒めても、なお、現実という夢を観続ける。

私は一生忘れない。


  

これで感動して、ポスターをどこからか入手して部屋にずっと貼っていたっけ。

なかなか主演女優が決められないまま撮影が始まり、
そのロケの様子を見に来ていたリーを見た製作者のセルズニックが
「スカーレット・オハラがここにいる!」と言って起用したというのは、有名な伝説。

リーの完璧な美しさ。
華やかな衣装で屋敷から出てくるシーンから、もう魔法のように惹きつけられる。
彼女が片方の眉を高くあげる表情を、実は、当時、練習してみたこともある/恥

私の好みとしては、バトラーよりもアシュレーで、
主演男優のクラーク・ゲーブルは、ちょっと濃すぎるけど、
今作を観たら、その魅力にハマること間違いなし。


“After all, tomorrow is another day.”
(とにかく、明日は別の日なのだから)


タラの大地を踏みしめて言う、ラストの名ゼリフは「明日は明日の風が吹く」という和訳で有名になった。

この後、私は原作を読み、さらに深い感動を味わって、しばらくの間、夢からさめなかった。
それから、名作ものにハマって、『嵐が丘』『若草物語』等々も読んだ。

昔は、毎年のように年末年始には、こういった長編の名作映画を流して、
深夜になるまで母とうっとり観たものだったけど、最近はなくなったねぇ・・・




『ノーザンライツ』(新潮社) vol.2

$
0
0
『ノーザンライツ』(新潮社)
星野道夫/著


******************************郵便配達人~ヘイリー・ティケット

セスの小さい頃の話。
昔、ヘイリーの奥さんがアンブラー村の郵便局の仕事をしていて、
冬になるとセスの父はまったく村には行かなくなるから、小さな小屋が我が家の郵便物で一杯になる。
ヘイリーの狩猟への想いが重なると、犬ゾリでついでに持ってきてくれるのさ。

ヘイリーは必ず父に聞いた「オオカミがやって来るかい?」

ある日、ヘイリーはスノーモービルでオオカミを追っている時、エンジンが止まってしまい、息絶え絶えに家にやって来たことがあった。

その後、父は一番優秀な2匹のリードドッグが亡くなり、犬ゾリへの興味を急に失った。

12、3歳の頃、ヘイリーの家に寄ると、白人の作るガラクタにいつも文句を言っていた。
テレビ、カセットデッキ、CBラジオ、コーラ・・・。

つい数ヶ月前、国立公園の人間がアンブラー村に来て、セスについていろいろ尋ねたらしい。

「ここは新しい国立公園の境界線の中に入っています。
 この家は不法侵入ですので、私がいつでも火をつけて燃やせるリストに挙げられています。
 もう21世紀なのですから、こんな暮らしは出来ないんですよ」


******************************最後の白人エスキモー~ドン・ウィリアムス


レインジャーをしていたドン

1960年。ドンはコバック川流域を訪れた。セスの父、ハウイ・キャントナー一家らとともに土のイグルーを建て、
狩猟だけによる原野の生活に入った。ドンは、マッキンレー国立公園のレインジャーだった。

1980年。星野さんは、ドンに初めて会う。

多くの若者が、原野の暮らしにあこがれて、この土地にやって来ては消えて行った。
極北の自然は歳月の中で彼らをふるいにかけ、素晴らしい理想さえもこぼれ落ちてゆく。
ある者は最初の冬で去り、ある者は何年かの貴重な体験を思い出を胸に町の暮らしへと戻ってゆくのだ。

コバック川流域に来た仲間の中でドンだけがこの土地に残された。
エスキモーのメアリーと家庭を持ったドンには、もう帰る場所がなかった。



人はいつの日かどこかで根を下ろさねばならないことを、ドンの憂いを秘めた笑顔はそっと教えてくれた。

セスにとって、ドンの一人息子アルヴィンはたった一人の親友だった。
アルヴィンは家庭を持ち、レッドドッグ鉱山で働いている。
現金収入の機会がないこの土地で、多くの若者たちが鉱山で働くことを夢見ていた。

「新しい時代との狭間で、エスキモーの若者たちはどうしていいかわからないんだ。
 彼らだって変わってゆきたいのだと思う。だから仕事があるということは、きっといいことなんだよ」(セス)

アラスカはアメリカに残された最後のフロンティアだった。
1968年、北極圏の油田発見は、それを根底から変えていった。

壮大な原野の広がりは何も変わらないが、人々の心の中に、どうしても消し去ることができないラインが引かれていったのである。
アラスカの原野に散った開拓者たちは、その見えないラインによって閉め出されようとしていた。

そのラインは、エスキモーやインディアンの人々の土地に対する観念さえ変えつつあった。
太古から、土地は個人が所有するものではなく、ただそこに存在するものだった。
しかし、「アラスカ原住民土地請求権解決法」により、それぞれの土地所有権が決まった。
ある村人が、自分の土地で誰かが焚き木を切ったとこぼしていた話をドンは信じられない思いで語った。

誰もが、人生の中で、何かを諦め、何かを選びとってゆくのだろう。
アラスカもまた、人の一生のように、新しい時代の中で何かを諦め、何かを選びとってゆく。


******************************苦悩するグッチンインディアン~リンカーン

地平線をわずかに滑ってゆく束の間の太陽を見つめていると、可笑しな話だが、その愛おしさに心が満たされてくる。

「北極圏野生生物保護区における油田開発の問題」ほど、アメリカの環境保護運動の歴史の中で大きな論争はなかったかもしれない。
かつてアイゼンハワー大統領が、未来の世代のために残そうと指定した場所だった。


アメリカ中を揺るがした論争の中でさえ、グッチンインディアンの人々は忘れられ続けていた

リンカーン:グッチンインディアンの若きリーダー的存在の一人。星野さんの古い知人。

「オレたちの想いは、あなたたちの考えている自然保護とは少し違う。
 オレたちは季節とともに通り過ぎるカリブーを殺し、カリブーと共に生きている。
 自然は見て楽しむものではなく、存在そのものなんだ」

星野さんにとっても「野生生物保護区」は特別な土地だった。
カリブーの旅を“間に合って”見ることができた大切な世界。
狩猟民から見たカリブーの世界を追いたかった。


オールドクロウ村でのグッチンインディアンの集会
若者たちの伝統的文化の喪失、アルコール中毒、自殺、古老と若い世代のギャップ、未来への不安。
彼らの抱える問題が、そのまま僕たちの問題であるという驚きにとらわれた。

長い目で見れば、今抱えている問題も、次の時代へたどり着くための、通過しなければならない嵐のような気もしてくる。
一人の一生が、まっすぐなレールの上をゴール目指して走るものではないように、ヒトという種の旅もまた、
風向きを見ながら、手探りで進む航海のようなものではないだろうか。

「バッファローの大群は消えてしまったが、私たちはまだカリブーを救うことができる」

「大変な時代がやってくるだろうな」とリンカーンがつぶやいた言葉は忘れられなかった。
それは、グッチンインディアンだけでなく、私たちも含めた人間の時代という意味だった。

混沌とした時代の中で、私たちはある無力感に襲われる。それは正しい1つの答えが見つからないからである。
が、こうも思うのだ。正しい答えなどはじめから存在しないのだと。
しかし、その時代、時代で、より良い方向を模索してゆく責任はある。

あの集会で出会ったグッチンインディアンをゆっくり訪ねてみよう。
新しい時代の中でどう生きてゆこうとしているのか、もっとゆっくり耳を傾けてみよう。




******************************アラスカはだれのもの?

開発か自然保護かの選択は、人間が抱える環境問題の1つのシンボルとして、世紀末に生きる私たちに課せられた最後のテストのような気もする。

「1960年中ごろに開かれたNYのワールド商業フェアが大きな引き金になったかもしれない」(シリア)

「私たちが“アラスカ自然保護協会”を作ったのは1956年だった。最初の目的は、“北極圏野生生物保護区”のラインを地図上に引くことだった。
 当時、アラスカは州に昇格したばかりで、資源開発による経済自立を目指しはじめていた」

「ワールドフェアで、伝統的な土地がアラスカは州政府議員によって売りに出されていたの、別荘にどうかって。
 “州昇格法”によって、アラスカの1/3が州に委譲され、25年以内に具体的な土地の選択を行うよう定められた。
 土地の選択が進むにつれ、原住民の“アボリジナル・ライト(原住民土着権)”と至る所で衝突していたの」

「原住民土着権」が定められたのは1867年。
“原住民は、現実に使用している土地の利用は妨げられないが、所有権を取得する条件は、将来の議会の立法に委ねる”という曖昧なものだった。


「ランパートダム計画」
ユーコン川のランパート渓谷に巨大ダムを築き、アメリカに500万kwの電力を供給する計画。
もしシリアらが中止活動をしなければ、多くの内陸インディアンの村々が水の底に沈んだだろう

1968年、プルードー湾に大油田を発見。
1971年、「原住民土地請求権解決法」ができ、原住民に4000万エーカーが与えられた代わりに、アボリジナル・ライトを放棄し、10億ドルが与えられた。
シリアは、アメリカでもっとも権威のある自然保護団体「ウィルダネスソサエティ」の女性初会長となり、ワシントンDCに移った。
会長を2年務め、フェアバンクスに戻り、地元の新聞『フェアバンクス・デイリーニューズマイナー』に週1回のコラムを書き始める。

「開発派が圧倒的で“反対意見って?”と聞き返した編集者の言葉を覚えているわ」

シリアの最初の記事に驚いた新聞社は、2回目以降、どんどん片隅に場所を変えていった。
シリアのコラムは今も続いている。

1980年、カーター大統領により「アラスカ国有地自然保護法」が成立。1億400万エーカーが国立公園、野生生物保護区になった。
カーターは大統領選に敗れ、共和党のレーガンの時代となる。

「100%の勝利なんて絶対存在しないのよ。
 時代はいつも動き続けていて、人間はいつも、その時代、時代にずっと問われ続けながら、何かの選択をしなければならないのだから・・・」



ブッシュパイロットのドン・ロス

「アラスカの厳しい自然は観光客を寄せ付けないし、壮大なカリブーの旅を見るヒトもいない。
 人々が利用できない土地なら、たとえどれだけ貴重だろうと、資源開発のために使うべきではないか」(ドン)


******************************「何かがおかしい」と見通す力~アークティックビレッジ

12月のフェアバンクスの太陽は、じれったいほどなかなか昇らない。
が、長い長い夜をへて現れる太陽に、人々は生かされているという温もりを感じ、人間の脆さに気づかされる

アークティックビレッジに行こうと思ったのは、歴史的な土地制度に唯一参加しなかったこの村を訪れてみたかったから。
二十数年を経て、理想的だと信じた土地制度は、さまざまな問題を生み出している。
個々が所有した広大な土地は、何の利益も生み出さないことで、目先の利益のために売られる危険性が出てきた。

アークティックビレッジは、連邦政府からの補助金を受け取らない代わりに、アメリカの資本主義経済に組み込まれることを拒否し、
「リザベーション(留保)」という自治権を獲得した。

オールドジョンレイクには、「カリブーフェンス」という19Cのカリブーの狩猟跡がある。
移動ルート沿いにV字状の巨大な木の柵をつくり、知らずに入ってくる獲物を槍や弓矢で殺す。
上空から見下ろすと、ナスカの地上絵のように白いV字が浮かび上がるという。

古老の話は、アラスカに対するぼくのイメージをゆっくりと変えた。
手付かずに残された、未踏の原野は、実はさまざまな人間が通り過ぎた、物語に満ちた原野だった。



トリンブル:村で尊敬される牧師

村人に「土地制度に参加しなくて良かったですか?」と聞くと、
「大切なのは、お金ではなくて、昔からの暮らしをこの土地で続けられるかどうかだからな」
「その判断はどう決めたのですか?」
「みんなで話し合って決めたのさ。未来の孫たちのことを考えると、なんとなく、それが一番いいような気がしたのさ」

「ヒトが生き延びるために一番大切なのは、自然に対する畏怖という感覚を持てるかどうかだと思う」

次の世代を担う人々と話していて感じるのは、村の古老が次々と世を去ってゆく悲しみと焦りだ。
大切な舵を失いながら、嵐の中の航海へ出てゆくような不安なのだろう。

先週この土地を去った90歳の老女の訃報は、アラスカ中のインディアンの村々を衝撃となって駆け巡った。
彼女は、最後のスピリチュアルリーダーの一人だったのだ。


******************************クリンギット族の寡黙な墓守~ボブ


ボブ

「エスキモーやインディアンだけでなく、白人だって新しい時代を迎えるだろうな。
 もう何かが変わろうとしているよ。次の時代を背負う世代が少しずつ出てきているから」

目まぐるしく、加速度的に動き続ける時代という渦の中で、ぼくは新しい力が生まれつつあることを確信しはじめている。
それは、ただ“昔は良かった”という過去に立ち戻ることではない。
ノスタルジアからは何も新しいものは生まれてはこない。
自然も、ヒトの暮らしも、決して同じ場所にとどまることなく、すべてのものが未来へ向かって動いている。

「クリンギットインディアンにとって、デビルスクラブほど大切な薬草はない」(ボブ)


歳月の中で消えてゆく木の文化~トーテムポール
北アメリカとユーラシアが陸続きだった1万8000年前、干上がったベーリング海を渡り、
インディアンの祖先の最初の人々が北方アジアからアラスカにやって来た。
その中に、後にトーテムポールの文化を築いたクリンギット族がいる。

それは後世まで残る石の文化ではなく、歳月の中で消えてゆく木の文化だった。
そして多くの古いトーテムポールは、世界中の博物館に持ち去られていった。

ボブは10代の終わり~20代にかけてアラスカ中を転々とし、アル中、ドラッグ、ある種のアラスカ先住民の若者たちが陥る世界の中で、
一時は浮浪者にもなり、やがてフェアバンクスにやって来た。

1970年、さまざまな村から出てきたインディアンを差別視する警察との闘いは熾烈だったらしい。
ボブは逮捕され、すさまじいリンチを受け、フェアバンクスから追い出された。
ボブは古老たちから“人を許すこと”を学び、白人へ憎しみも消えていったという。

故郷の南東アラスカには、誰も見向きもしない古いロシア人墓地が住宅建設の場所となった。
だが、そこは千年以上にわたるクリンギットインディアンの墓地だった。
工事が始まり、人骨は投げ出され、埋葬品は盗まれた。
ボブは毎日一人で骨を土に戻していった。この行動が大論争を引き起こし、住宅建設はストップされた。

「ボブがあの墓を守ってから、この町のクリンギットインディアンの世界が少しずつ変わった。
 とくに若者たちが自身のアイデンティティに目覚めていった。そしてとても自信を取り戻した」

アメリカ陸軍フェアバンクス分隊の小部隊が去年の秋から墓地の下草刈りを手伝っている。

“木も、岩も、風さえも、魂をもって、じっと人間を見据えている”
いつか聞いたインディアンの神話の一節をふと思い出していた。


******************************思い出の結婚式~アル・スティーブンス

アル・スティーブンス:アサバスカンインディアン。アラスカ大学の新学期に星野さんと出会って意気投合した。

「パイプラインができてからムースの数がめっきり減った。どうしたらいいのか、知りたかった」

アルと白人のゲイの結婚式。買い物に想像以上に時間がかかったが、人々は4時間も待っていてくれた。
翌日は快晴。こんな秋の日を「インディアンサマー」という。本当にいい式だった。

 


「アルカトラズ」
サンフランシスコ湾に浮かぶ小さな無人島。1969年、14人のインディアンの若者が上陸して、19ヶ月占拠した。
彼らは、この島が先祖から受け継いだ神聖な大地の一部だと訴えた。その中心人物がアルだと星野さんは知る。

「ミチオ、誰もが自分の人生を書きつづる力があったらいいだろうな。どんな人間も人生を語るに値するものだと思う。
 とても時間がかかったけれど、白人に対する憎しみが消えてから、オレは生まれ変わったような気がする」


******************************ベトナム帰還兵・ウイリー

 
それぞれのクランの衣装をまとう村人/ウイリー

南東アラスカに約100年ぶりにトーテムポールが建てられた。
そこには、初めてワタリガラスとハクトウワシが一緒に刻まれた。

クリンギットインディアンの人々は、祖先の始まりを動物と信じ、それぞれの家系(クラン)の物語をトーテムポールに託した。
クランは大きくワタリガラスとハクトウワシに分かれ、さらにハイイログマ、シャチ、とさまざまに分かれてゆく。
21世紀を迎える現代も、人々はクラン同士の長い歴史の中で対立や怨念さえも生み出してきた

「ミチオ、明日漁に出るけど、一緒に行くか?」
「それ、ジャパニーズタイム? それともインディアンタイム?」
ジャパニーズタイムは、時間になっても来なければ行ってしまうこと、インディアンタイムは遅れてもいつまでも待ってくれること。
つまり時間通りになんて誰も現れないことだ。


ベトナム戦争
より多くの黒人が、より危険な前線に送られたように、エスキモーや極北のインディアンもまた同じ運命をたどった。
ベトナム戦争で、5万8132人の米兵が命を落としたが、戦後、その3倍の約15人の帰還兵が自殺したことはあまり知られていない。
ウイリーも首をつって自殺未遂を図ったが、7歳の息子が必死に支え続けたという。

10年以上前、ぼくはワシントンDC郊外の「ウォール(壁)」と呼ばれるベトナム戦没者慰霊碑を訪れた。
戦後、生きて帰った多くの若者が、「ポストベトナムシンドローム」という精神病に侵されていった。


セブンサークル
ジャコウウシの群れはオオカミに襲われた時、円陣を組んで、知恵のある年寄りが外側に立ち、一番内側にいる子どもを守る。
つまりオオカミは、ドラッグ、アルコール中毒、自殺、暴力、、、今の子どもたちが抱えている問題のこと。
セブンサークルは、そんな願いをもったグループ。


スウェットロッジ
スー族、ナバホ族などアメリカンインディアンに残る古い儀式。
自己の魂と出会うため、たった一人で何も食べずにヴィジョン・クウェストという旅に出る時、ここで身を清める。

私たちは裸になって焚き火の周りに立ち、“シャチがやって来た”という古いクランの歌がうたわれた。
テントの中で輪になって座り、“火を守る女”によって焼けた石がテント内に運ばれる。
すり潰した薬草が回ってきて、祈りながら石にかけると、テント内はその匂いに満ちた。

「グランドファーザー・・・私は祈ります・・・聖なる大地、ストーンピープル、家族、ワタリガラスの魂のために・・・」
グランドファーザーは、なにか大いなる存在を意味しているのだろうか。
ぼくは意識が薄れる中で、人が祈るという姿に打たれていた。
人はいつも、それぞれの光を捜し求める、長い旅の途中なのだ。


******************************クジラとともに生きるエスキモー~エイモス

人々はただ自然に生かされているのである。


エイモスはポイントホープ村の次世代を担う男

星野さんは十数年ぶりにポイントホープ村を訪れる。
エイモスは荷物をスノーモービルに積みながら“ミチオがポイントホープに戻って来た”と独り言のように何度も呟いている。

21Cを迎えようとしている今、遥かなエスキモーの村のどの家にもテレビ、ガスのキッチンもある。

ぼくが立っていたのは、何百年、いや何千年も昔の土のイグルーで作られたポイントホープの住居跡だった。

ぼくはこの土のしたに眠る古老を知っていた。ローリー・キンギック。
アラスカのさまざまな村で、新しい時代に希望を託す次の世代が確実に生まれている。


******************************約束の川の旅~シーンジェック


アラスカ大学の博物館に飾られるミュリー夫妻の絵

ミュリー兄弟:
アラスカの伝説的な動物学者、ナチュラリスト、探検家、パイオニア。『マッキンレー山のオオカミ』の著者。
オーラス・ミュリーと妻のマーガレットがブルックス山脈を旅した時の姿が絵に描かれた。
未亡人となったマーガレットが書いた『Two in the Far North』は今もアラスカの古典。

ミチオと、シリア&ジニーは「いつか一緒に川下りをしよう」と約束してから何年も経っていた。

 
ワクワクしながら出発を待つ4人/焚き火でくつろぐシリア&ジニー

誰もが、それぞれの老いにいつか出会ってゆく。
それは、しんとした冬の夜、誰かがドアをたたくように訪れるものなのかもしれない。
年齢の差を超え、私たちが大切な友人同士だったのは、アラスカという土地を、同じ想いで見つめていたからだろう。
シリアとジニーは、ずっと遅れてこの土地にやってきたぼくに、何かを託すように語り続けてくれた。
そしてシーンジェックの旅は、ぼくが最初で最後に分かち合う、2人の物語になるような気がした。
夜が明ければ、シーンジェックの美しい流れが私たちを運んでゆく。


あとがき:ミチオとの旅~シリア・ハンター

アラスカのシーンジェック川をのんびりと旅した話の結末は、私たちの最良の友ホシノミチオが亡くなってしまったために、
残念ながら私が書くことになってしまいました。

ミチオと私たちの旅の目的の1つは、この地を訪れ、北極圏の野生生物保護に多大な貢献をした夫妻を讃えることにありました。

ミチオは、食事当番を決める段になると、頑として、それは自分がやるんだと譲りません。
自然の中を旅する時には、美味しいものをたっぷり食べたいんだ、だから食事のことは自分が計画をもって担当する、と宣言したのです。

私たちの旅は、のんびりとした、楽しいものでした。
(アラスカの人なら、こういうたびを「レイドバックな」旅と言うでしょう)
毎日、数時間、川をボートで行き、後の時間は岸に上がって周辺を探索してまわるのです。

ジーンと私は、今でも、あの不思議な旅のこと、そしてあのような素晴らしいプレゼントをしてくれた、穏やかで、思慮深い男のことを多い浮かべます。
自分のスピリットを自然界の鼓動に共鳴させていた男、それがミチオでした。
彼は大地と一体になり、そこに暮らす動物たちと一体になっていました。

ミチオのおかげで、私たちは、人間の生活とともにある野生の役割、そしてその存続が人間に必要であるということを、理解することができるのです。
1996年8月13日


『ノーザンライツ』(新潮社) vol.1

$
0
0
『ノーザンライツ』(新潮社)
星野道夫/著

「彼らはオーロラをノーザンライツ(北極光)と呼ぶ。
 星野道夫はこの遺作のなかで生きている。」


図書館には1997年発行と、2000年発行の新潮文庫の2冊だったので、古いほうを選んだ。
表紙も上半分が黒いほう。



星野さんの遺作ということで、他の作品を読んでから最後にとっておいた1冊。
星野さんの著書の集大成であると同時に、アラスカに埋もれた伝説を後世に伝える貴重な1冊でもある。

それぞれの人物の伝記はたくさんあるかもしれないけれども、
アラスカという土地にオーロラぐらいしか思い浮かばない日本人の私たちにとっては、
星野さんを通して知る物語はかなり貴重。

シリアとジニー。
2人の怖いもの知らずのパイオニアが、まだまだ未開のアラスカに引き寄せられ、
「キャンプ・デナリ」を建て、そこに無数の伝説的クライマー、ナチュラリストらが集い、
後には部族、土地の権利・保護活動の中心人物にまでなるわけだけれども、
ここでは本書にある通り、サン・テグジュペリが書いた『夜間飛行』の時代が生き生きと描かれていて
無鉄砲な冒険の数々にただただ夢中になってしまう。

その2人の若いパイオニアが女性だというところが、とくに私を強烈にひきつけた。
それらの人物が偉業を成し遂げるつもりなどまったく想像すらせずに、
ただひたすら空を飛びたくて、山に登りたくて、アラスカという土地に惹きつけられて生きていた様子が、
文章とともに所々にはさまれた当時の写真に見られるのも素晴らしい。

過酷なブッシュパイロットの遭難救助の件は『岳』を思いださせる。

他の著書がアラスカに棲むカリブー、グリズリーなどの動物に焦点があてられているのと比べて、
遺作となった本書には、星野さんも含め、アラスカに魅了されて一生を捧げた人々の壮大な物語がたくさん詰まっていた。

同時に、その後、かつてのパイオニアたちは、時代の流れとともに散り散りになり、
油田開発という大事件が起こって西洋文明がなだれこみ、国立公園が指定されたことで原住民や土地に“見えない線”が引かれ、
かつて太古から受け継がれてきた精神文化と消費文化の狭間で悩み、もがく姿も描かれ、居た堪れない思いに囚われる。

先日観た岩合さんの写真展では、広大な国立公園で自然環境に近い状態で野生動物が生きている様子を写真で観て、
「自然が守られている」という安心感を持ったけれども、その自然を糧にして、共存してきた人々にとっては脅威だったんだな・・・

一点から見ると「善」でも、別の視点から見ると「悪」にもなる。この世界の複雑さ。
星野さんは今でもきっと空から時代の流れと、アラスカの人々、動物の暮らし、自然の移り変わりを静かに眺めていることだろう。



【内容抜粋メモ】(ネタバレ注意

  

「フロンティアというのはね、2つの種類の人間を魅きつけるところなの。
 実に魅力的な人々と、悪人たち・・・両方とも、生まれ育った世界に溶け込めず、何かから逃げてきた人間たちだからね」

フェアバンクスの町も、何もない原野に一人の詐欺師が現れたところから始まった。

1901年 ゴールドラッシュ
一攫千金を夢見てアラスカに来た商人バーネット。
蒸気船の煙を見つけて、何か手に入る物資はないかと、何マイルも山中を走ってきたイタリア人探鉱者・フェリックス・ペドロ。
ペドロは砂金を掘り当て、原野は一夜でブームタウンと化し、バーネットは最初の町長となる。

1917年 ジニー・ウッド産まれる@オレゴン州モロ
1919年 シリア・ハンター産まれる@ワシントン州アーリントン

1927年、リンドバーグが大西洋無着陸横断に成功。
1929年、ドイツの飛行船ツェッペリンが世界一周に成功。


******************************シリアとジニー、アラスカへ

シリアもジニーも、初めての飛行機との出会いは「バーンストーマー」。バーン(納屋)ストーマー(嵐)
彼らは空軍からボロボロの練習機を安く買って、アメリカ中の農場に突然現れ、5ドルで5分の空の旅という商売をしていた

シリア「女性パイロットのパイオニア、アメリア・イアハートは私の憧れだった」
製材所の事務員となったシリアは、ある日、なにかに導かれるように小さな飛行場で飛行訓練の申し込みにサインする。
その後、民間の航空学校をトップの成績で卒業した。

ジニーは、大学の飛行クラスを終えて、パイロットライセンスを持っていた。

WASP(約150人の米空軍女性パイロット)
 

彼女たちは造られた飛行機を戦闘各地に運ぶ仕事をした。
最新鋭戦闘機には、たった一人のパイロット席しかなく、飛行訓練を十分に受けることもなく、
新品の飛行機を、マニュアルを反駁しながら飛ばさなければならず、命を落とした仲間もいた。

第二次世界大戦が終わり、WASPは解体、女性パイロットは職を失う。
彼女らはアメリカ中に飛行機を運んだが、アラスカだけは除外されていた。
フェアバンクスのアラスカ空軍基地には女性用施設が何もなかったため。

ジーン・ジャックという詐欺師が、アラスカに古い飛行機を運ぶ仕事を持ってきて、シリアとジニーは飛びつく。

ジニー「確信していたの。本当にやりたいことを想い続けていれば、いつかその夢は叶うって」

アーチー・フィガーソン:キング・オブ・コッツビューと言われた男。レストランやロードハウス(宿泊所)を経営し仕切っていた。


1946年12月6日 アラスカに飛び立つ
 
シリアとジニー/小さなイグルー

飛行機があまりにボロくて、それを女性が運ぶというので許可が下りず、どんどん遅れる予定の中、ギリギリで飛び立つ。
ジニーの飛行機“小さなイグルー”とシリアは並んで飛んだが、途中ではぐれ、キンブリングという緊急滑走路で再会する。
気温はマイナス60度。「ウィングオブノース」というラジオ番組は、2人の女性パイロットの様子を毎日のように伝え、
飛行時間27日目、1947年1月1日、2人はフェアバンクスに到着する。


******************************多民族をまとめた「アラスカ核実験場化計画」


エドワード・テラー:「水爆の父」と呼ばれた物理学者。

「プロジェクト・チェリオット(アラスカ核実験場化計画)」
アラスカ北極圏で原爆の実験を目的とした人工港を造ろうとした計画。
1万年以上も個々に散らばって生きてきた先住民(エスキモー、アサバスカンインディアン)をまとめる引き金となった。
シリアとジニーらも、その反対運動の中心人物となる。


環境調査が行われた頃のケープトンプソン

19C。
イギリス人のキャプテン・ビーチェイが率いる探検隊が初めてティキラック地方(現ポイントホープ村)を訪れ、ケープトンプソンと名付けた。
星野さんがアラスカに移住した1978年、最初の旅で行った場所でもある。

1939年。考古学者ルイス・ギディングらが調査し、何万年と手付かずだった600~700戸の壮大な住居跡を発見。
現ポイントホープ村は、人間が暮らし続けてきた北アメリカ最古の場所だった。

1945年。オッペンハイマー率いる「マンハッタン計画」に参加。
同年。ヒロシマ、ナガサキに原爆投下

テラーは、ビキニ環礁での実験で反対を受け、新たな実験場所を求め、“あまり人が住んでいない”という理由から
AEC(アメリカ原子力委員会)がアラスカを選んだ場所は、皮肉にも人間が太古から暮らし続けてきたポイントホープ村だった。


ビル・プルーイット:

環境調査を任された生物学者。シートンを愛読して、北方の自然に憧れ、1953年、初めてアラスカにやってきた。
ビルのフィールドバイオロジストとしての力は圧倒的だった。

物理の専門用語ばかりの話を理解する村人はほとんどいなかったが、
ケープトンプソンの風景が、キノコ雲とともに消えるアニメーションは衝撃を与えた。

「放出された原子灰のほとんどは数時間で無害になります。原爆で生き残った日本の被爆者はすっかり回復に向かっています。
 カリブーや海の生物には何の影響もありません」と説明する関係者。

ポイントホープの村人は、委員会の発言を自慢のテープレコーダーにすべて録音した。
計画の環境アセスメントの委託を受けたアラスカ大学は、巨額な予算に酔いしれていた。
アラスカの財政を潤すという魅力に、小さな政界、経済界はすっかり揺さぶられた。


******************************アラスカは誰の土地か?

反対運動の芽は、まずエスキモーの中からはじまった。
村で一番多くカリブーを食べている男が放射能量がもっとも高かった。

カリブーが主食とする地衣類は、放射能を蓄積するもっとも理想的な生物だった。
その関係に気づいたビルは、この計画が生態系に及ぼす未来がはっきり見えたが、こよなく愛したアラスカから去らねばならない未来も見えた。

1960年。ネバダ州はアメリカンインディアンの居留地がある砂漠地帯で、アメリカの最初の核実験場になったばかりだった。
核開発の信奉者だったウィリアム・ウッドがアラスカ大学の学長となり、大学に巨額の予算を引き込もうとしていた。
ビルのレポートは、データのいくつかが大学側によって削除された。
地衣類とカリブーの食物連鎖と放射能の危険性を示唆した箇所はまったく削られ、心配はほぼないという根拠のない安全性が強調されていた。

当時の一般大衆の核への知識は低く、環境保護論者さえ、自然破壊となるダム建設に代わるものとして大きな期待をかけていた。

結果的には、委員会に雇われた3人の研究者が、計画を潰すために立ち上がる。
FBI、CIAエージェントが来て、ドン・フットはその後不慮の死を遂げる。
3人の研究者は解雇されたが、シリアとジニーが送り続けたニュースレターは、アメリカ本土で論争を巻き起こす。

1961年。アメリカ人宇宙飛行士が月面着陸成功、キューバ危機。

ハワード・ロック(当時50歳):一時期は浮浪者だったが、エスキモーの芸術家が故郷のポイントホープに戻り、やがて救世主となる。

ニュースレターは、「アメリカンインディアン協会」(代表:マディガン女史)を大きく動かした。
マディガン女史「アメリカがロシアからアラスカを買った時(約100年前)の土地法「先住民権」で、伝統的な暮らしが保障されています」
ハワードは村の代表として内務省に抗議の手紙を書いた。



白人が来るずっと以前から暮らしてきたエスキモーたち


同じ頃、バロー村では一人の村人がケワタガモを撃って逮捕された。渡り鳥はクジラが捕れない時期、生存に関わる食料となる。
1961年。「国際渡り鳥条約」が施行され、狩猟は営巣が終わる9月以降に限られた。
この条約は白人のスポーツハンティングのために作られた。

同年、バローの集会場にさまざまな村から200人以上のエスキモーが、有史以来初めて1つの目的のために集まった。
モンゴロイドがベーリング海峡を渡って以来、これほど大きな歴史的出来事はなかっただろう。
ニューヨークタイムズの記事は「地衣類を食べるカリブーが核実験の障害となるかもしれない」と見出しを飾った。

1962年。アメリカ原子力委員会の計画に内務省が介入するという通告が届く。
同年。委員会は記者会見を開き「プロジェクト・チェリオット」は中止された。

しかし、ビルはブラックリストに載り、カナダに移住。30年が経つ。
1994年。星野さんはビルを訪ねにウィニペグに行った。
1979年、星野さんが海鳥の調査をしていたある鳥類学者とビルは知人だった。
ビルは、星野さんの愛読書『Animals of the North』『旅をする木』の著者でもある。

3年前の夏、アラスカ大学の図書館員が、古い資料から、当時、計画中止後も、核廃棄物が極秘で実験的に
ケープトンプソンに埋められたままになっている事実を見つけて、周辺のエスキモーの村をパニックにおとしいれた。

2年前、ビルは長年の極北の野生動物の研究業績に対し、カナダ科学アカデミーから最高賞を与えられた。
アラスカ大学も名誉博士号を与えたが、ビルは1週間滞在後、カナダにすぐ帰っていった。


フェアバンクスにあるビルの丸太小屋。30年近く手放さなかったが、2年前に他人に譲った

"Give me a winter
Give me dogs
And you can have the rest"

(私に冬を与えてくれ。私に犬を与えてくれ。あとはすべてお前にあげるから)
ビルが好きなある探検家の言葉。



現在は、マニトバ大学の動物学で教授を務めるビルに、星野さんは核について一切話さなかった

この一連の事件は、後にアラスカを大きく揺るがす「原住民土地請求権」の闘いへとつながる。


******************************マッキンレー山への挑戦

 
左からウッド、テイラー、レス、ジョージ/空からサポートしたジニー

1954年。4人の若者が誰もなしえなかったマッキンレー山を南面から登るルートを探していた。
エルトン・テイラー、ジョージ・アーガス、レス・ベリック、オートン・ウッド(ジニーの夫)。
4人はむしろこの登山がニュースになるのをとても避けていた。

「登攀(とうはん)」登山で、険しい岩壁などをよじ登ること。とはん。

登山開始から3週間後、最大の難関、巨大な雪庇が立ちはだかっていた。
が、まるで誰かが導いたように、小さな氷のトンネルを見つけて入っていった。
そこを抜けるとサウスバットレスの稜線の上にいた。
翌日パーティは山頂に立ち、すっかり高度順化ができあがっていたため、ハイキングのように下降をはじめた。



屈強のクライマー、エルトン・テイラー

突然、エルトンが滑り落ちた。雪壁からザイルにぶら下がった彼はすでに息絶えていた。
ジョージは骨盤を外していたため、食料とともにテントに残し、2人は下山し助けを求めた。
この救出行は、南面からの初横断の成功とともに、『タイム』『ライフ』に取り上げられ、全米に報道された。
その後、このルートから登った者は誰もいない。

エルトン遭難後、すでに妊娠していた妻バーニーはアラスカを去った。
バーニーは、幼い頃に両親を亡くし、夫の遭難、不慮の事故で他人の子どもを轢死させたことで、晩年は精神に破綻をきたした。
40年ぶりにアラスカに戻って、キャンプ・デナリでジニーと再会を果す。

バーニー「ひとつだけどうしても悔やまれるのは、エルトンが父親になることを知らずに死んでしまったこと」
ジニー「それは違う。あの日、ルース氷河で最後のフードドロップをして、あなたが妊娠したことを私は確かに伝えたわ」


******************************キャンプ・デナリ~伝説のロッジ

 
キャンプ・デナリからマッキンレーを見る

シリアとジニーにアラスカの中でもっとも懐かしい場所はどこかと聞くと「マッキンレー国立公園ね」と迷いなく答えた。
ブッシュパイロットの時代が終わり、彼女たちの青春はマッキンレーの山麓に広がっていく。
パイオニア時代からある、アラスカの歴史的なロッジを建てたのが2人だった。

ジニーはレインジャーのウディと結婚して、カトマイ国立公園の初めてのレインジャーに任命された。

レス・ベリック:
マッキンレー登頂の仲間の1人。後にビルとともに「プロジェクト・チェリオット」と闘い、アラスカ大学を追放された植物学者。
晩年、「アラスカの植物学の父」と呼ばれ、フェアバンクスで暮らした。


 
アコーディオンを弾くウディ

シリア「私たちは大工、水道管工事、医者、ガイド、なんでもやった。キャンバステントからスタートしたのよ」
小さな山小屋は、さまざまな出会いの場所となった。

ビル・ベリー:アラスカの伝説的な動物画家。キャンプ・デナリの最初のコック。
ミュリー兄弟:『マッキンレー山のオオカミ』の著者。アラスカの生物学のパイオニア。
ブラフォード・ウォッシュバーン:マッキンレー山域の地図を作成した著名な地理学者。
クレム:フェアバンクスの山道具屋の老主人。ヒッチハイクをしていてジニーに拾われた。そのままドイツに帰らず、アラスカに移住。

1976年。「私は最初、環境保護論者でも何でもなかった」と言っていたシリアは、のちに
アメリカでもっとも権威のある自然保護団体「ウィルダネスソサエティ」の女性初会長となる。

星野さんは、毎年3月、日本の子どもたち十数人をルース氷河に連れてきて、キャンプをし、星やオーロラを見る体験ツアーをしていた。


 
ドン・シェルドン/マッキンレーに向かうドン・シェルドンが操縦する飛行機

ドン・シェルドン:マッキンレー山域でひとつの時代を築いた伝説のブッシュパイロット。1975年、53歳で死去。

優れたブッシュパイロットとは、飛行技術だけでなく、さまざまなレベルの客の気持ちや体験を、どれだけ同じ立場に立って、
その苦しみや感動を互いに分かち合うことができるかのような気がする。
客を運ぶために飛ぶだけのパイロットならいくらでもいる。

1972年。ドンは5人の日本女性隊をカヒルトナ氷河に運んだ。
1週間後、最後の頂上アタックに向かった3人が行方不明になり、遺体が見つかるまでドンは10日間、毎日飛び続けた。
その飛行時間の莫大な捜索費用は、妻と相談して、一切請求しなかった。


ドンとブラフォード・ウォッシュバーンの出会い
ウォッシュバーンは、マッキンレー山域の地図を作成する夢を抱いていた。
空気が究めて薄く、高山での飛行には特別なセンスが要求されるが、ドンはどんな場所にも冷静にランディングした。
ウォッシュバーンは、旧友ボブ・リーブに「あいつはいつか山で命を落とすか、信じられないほど優れたパイロットになるだろう」と語っている。

ボブ・リーブ:氷河への着陸に初成功したアラスカの山岳飛行のパイオニア。

ウォッシュバーンは、あらゆるピークの標高を測り、あらゆる氷河を測量し、現在の地図を作った。
ドン亡き後、彼が愛したルース氷河源流にドン・シェルドンの名前がつけられた。


ドン・シェルドンの飛行機格納庫

星野「アラスカで会ってみたかったが、ぼくは間に合わなかった」
(この著書にも、この「間に合った」「間に合わなかった」という言葉がよく出てくる
が、彼の未亡人ロバータと知り合った。日本の子どもたちの体験にシェルドン小屋を使わせてくれと相談したのがきっかけ。


******************************タクシードライヴァー

コバック川の川沿いには、わずか5つのエスキモーの村がある。
ノルビック、カイアナ、アンブラー、ショグナック、コバック・・・・その人口はきっと1000人にも満たない。
「早春の頃、雪解けとともにこの川が流れはじめるだろ。その時の風景がすさまじいんだ」

 
セス、白人のステイシー

セス・キャントナー:
アラスカ大学を卒業後、両親は狩猟だけによる原野の生活を求めてコバック川流域に移住した。
10年前、脳腫瘍を患った母アーナのため、両親はハワイ島に移住。
セスは白人でありながら、エスキモーの魂を持つという複雑な境遇にあり、それを著作『タクシードライヴァー』にしたためた。

その最初の一文でセスの立場がよく表れている。白人は、白人女性を決して「白人女性」とは呼ばないからだ。
セスは、老婦人が自分を胡散臭そうに見ているのを感じる。それらしく振る舞おうとするほど、なぜか泥沼に入ってゆく。
老いてゆくことが無用な存在になるアメリカ社会と、それが重要な存在になってゆくエスキモー社会との違いを感じる。

路上で酔い潰れているエスキモーの脇を情けない思いで通り過ぎた後、あれは自分が子どもの頃に世話になった知人ではと気づいたりする。
セスのストーリーには、白人社会とのギャップと、変わりゆくエスキモー社会に対する悲しみが、
どちらにも属することができない自身の想いの中で生き生きと描かれていた。

キャントナー夫妻の長男コールは原野を去り、それまで一度も学校に行った事がなかったのにアラスカ大学に一番の成績入学した。
その時、フェアバンクスの新聞社のインタビューを思い出すと今でも笑ってしまう。

「君は一体、今まで北極圏の山の中で何をしていたのですか?」
「・・・生活をしていました」

コールは大学卒業後、「ピースコア(アメリカの青年海外協力隊)」に参加し、アフリカに渡った。

セスは白人のステイシーと今年結婚し、コッツビューで、セスはエスキモーに野菜の栽培を教え、ステイシーは図書館で働き、
それが終わるとコバック川の原野の家に帰る。

「ミチオ、いつかコバック川の家を失うかもしれない。
 国立公園のレインジャーが火をつけて燃やすことができる家のリストにずっと入っているんだ」

アラスカの土地所有権問題は、ゴールドラッシュなど比較にならないほど歴史的な出来事となり、激動の時代になっていった。
アラスカの原野は、アメリカ、アラスカ州、先住民の間で見えない線が引かれ、かつてのフロンティアは終わりを告げた。
セスにとって、国立公園ほど恐ろしい存在はなかったのだ。


(vol.2につづく

楳図かずお著『14歳』をamazonで買ってみた

$
0
0
[小学館]

●小学館 ビッグコミック スピリッツ        全20巻 定価 :本体485円+税 発売日 1995/10/30 判型/頁 B6/224頁
★小学館 ビッグコミック スピリッツ(小学館文庫) 全13巻 定価 :本体581円+税 発売日 2002/07/16 判型/頁 文庫/336頁
●小学館 ビッグコミックススペシャル        全4巻  定価 :本体2,286円+税  発売日 2012/11/30 判型/頁 4-6/866頁


*********古本の値段

[BOOK OFF]
1 小学館文庫 定価¥627(税込)中古価格¥198(税込)発売年月日2001/08/16
2 ¥298(税込)
5 ¥498(税込)
6 ¥498(税込)
8 ¥498(税込)
10 ¥498(税込)

[ネット]
ネットオフ ¥119~ 1,3,4,5,6,9,12 1248円+¥257(関東への配送料)※新たに個人情報の入力が必要
ブックサプライ 二番館 2,8,11   708円+¥257(関東への配送料)※新たに個人情報の入力が必要

amazon
・文庫版全13巻完結セット ¥4,965 + ¥257(関東への配送料)
・文庫版全13巻完結セット \3000 + ¥257(関東への配送料)

例:
全部1円+送料257円×13巻=3354円
定価581-257=324円が目安


*********実際のamazonでの購入価格

#1 \374 三蔵屋書房
#2 \258 ブックアイランド狭山台店 (埼玉県)[追跡無しゆうメール]
#3 \258 イチノミヤ書房【クリーニング済/防水梱包/午前中の決済で当日出荷】
#4 \258 中古通販・買取ならエコマケ
#5 \258 中古通販・買取ならエコマケ
#6 \409 エブリブックス(旧どりーむめでぃあ)
#7 \50 古本のアルファ
#8 \456 reuse book store *puremia*年中無休de毎日発送→当日17時迄のご注文確定分→即日出荷致しマス
#9 \135+ギフト券使用=303支払う 西荻文庫 浅草店☆商品はクリーニング済み☆雨対策バッチリ梱包
★10 \355で検討中
★11 \251で検討中
#12 \456 エブリブックス(旧どりーむめでぃあ)
★13 \345で検討中

カード払いのみ
・ネットオフ
・ブックサプライ
・呂向書店


*********買い取り価格

[まんだらけ](中野・渋谷・秋葉原どの店舗も同じ値段。状態による
・楳図作品は人気があるため、積極的に買い取る方向。1冊100~150円が相場。セットでも1冊単位
・状態が悪い場合は、セット買いになることもある。1冊50円、10円もあり。
・店舗によって在庫が少なければ、高く買い取る場合もある。
・宅配だと送料は自分もち。
(「楳図先生」って呼んでたのが良かった

[BOOKOFF]
・本の種類、状態ごとに査定して1冊100円~10円。
・「高価買い取り」はもうちょっと高め(店舗ごとに違うが『進撃の巨人』ほか今人気、アニメ化されてるコミックが対象

[TSUTAYA]
・タイトルによるが『14歳』の場合1冊10円がマックス(安っ!)。状態によってはもっと下がる。
・店舗によるから、店舗ごとに聞くしかない。店舗の規模より、在庫数によるかも?

「ヴィレヴァン」ではヒットせず。
「ネットオフ」をすすめる人あり。


******************その他メモ

・最初に1円+送料257円=258円で全巻の値段を計算する。セット価格でそれより安いものをまとめ買いのほうがイイかも?
・文庫、ワイド版など、同じマンガでも何種類もある。


『14歳』(小学館文庫)(全13巻)

$
0
0
『14歳』(小学館文庫)(全13巻)
楳図かずお著

“本作を最後として、楳図の長編漫画は発表されていない。
 楳図の代表作『漂流教室』の続編ともいえる作品で、環境破壊による人類滅亡、危機的状況を乗り切ろうとする子供たちの奮闘、
 親子の絆と別れといったテーマを圧倒的な迫力で描ききっている。また、過去の楳図作品の集大成としての意味も持っている。”(ウィキ参照

  

・小学館 ビッグコミック スピリッツ 全13巻
・小学館 ビッグコミック スピリッツ 全20巻
・小学館 ビッグコミックススペシャル 全4巻

私がamazonで買ったのは文庫の全13巻。
10,11,13巻だけはTSUTAYAレンタルで借りた(1冊1週間100円

これが楳図さんの究極か。これ以降マンガを描いていないのも分かる気がする。
これまで読んだどのマンガより強烈。人類、地球の破壊地獄絵、異星人までが同じ状況って・・・

「そりゃ、たしかに私たちは子どもには違いないけど、もう14歳なのよ!
 14歳といったら、もう子どもの限界の歳じゃない!」

というヨッコの親友・計子の言葉に、楳図さんの真意が見え隠れしている。
『わたしは真悟』にも似たようなセリフがあったのを思い出した。



西暦2121年。ヒトの文明はついに地球を狂わせた。
ずーーーーっとハイテンションのままでひと息つく間もない展開。
環境破壊で地球があと3年でヒトが住めない場所になってしまうって、
D.ボウイの♪Five Years を思わせる。

私が集めた文庫本の表紙画を手がけたのは坂内和則というイラストレーターさん。
私が大好きな眉村卓さんのSF小説の表紙画家・木村光佑さんと、どことなく通じるものがあってとても気に入った。


▼あらすじ(ネタバレ注意
10代で身ごもったヨッコは、よく当たると噂の占い師から「その子は14歳で死ぬ運命にある!」と告げられる。

 

ササミの食品工場から突然変異で生まれ、人智を超える高度な科学の知識を持って自らを「チキン・ジョージ」と名乗る謎の男。

  

彼は青年を使って人体実験を繰り返し、決定的な人類の未来を知っておののく。
拉致されていた青年は命からがら脱出してアメリカ大統領・ヤングに伝え、
チキン・ジョージ博士の実験室に連れて行くが、そこは異次元の世界だった。

 

世界中で全身緑色の子どもたちが産まれる。
ヤング米大統領の息子「アメリカ」の髪の毛も緑色で産まれる。

 

ヨッコが産んだ子どもも緑色だった。「きよら」と名付ける。
きよらも14歳までしか生きられないとチキン・ジョージから告げられるが、
ヨッコの強烈な母性愛に感動して、緑色の色素は抜いてあげる。ヨッコは彼を神と勘違いする。



チキン・ジョージは、相方の鶏ルーシーとともに、地球上のあらゆる動物を乗せて、
現代版ノアの方舟とも言える「チラノザウルス号」で宇宙に新天地を求めて旅立とうとしていた。

「逃げよ! 逃げよ! 人類から逃げよ! 人類がまき散らす災いからできる限り遠くへ!」

その資金を得るため、経済界を牛耳るローズに「不老不死の秘密」と交換条件を結ぶ。
ローズは、老いさらばえた姿を世間から誤魔化していたが、全財産を投げ打ってでも不老不死の秘密を知りたがっている。
(ローズの執着心があまりにブキミすぎて気分が悪くなった

 


ローズは自分の若さを保つために、子どものエキスを注入していた


****************

突然、地球から緑が失われ、それを大衆に知られないため、米副大統領は、地下にホテルが沈み、
政府に訓練された最強のヒロイン、SOS30号が人々を救うというシナリオを描き、
実際に事件を起こして、人々の関心を一気にメディアに釘付けにする計画が成功する。
(ゴミ処理技術は進み、地下のプレートに乗せて、マグマに流し込むシステムになっている

 

その誰をも惹きつける美しいヒロインをチキン・ジョージに見せて誘惑し、
彼が握っている不老不死、人類の未来を聞きだそうという意図もあった。
その策略を知りながら、ヒロインを愛してしまったチキン・ジョージは、自らの知識を忘れる選択をする。

 

地球の地軸が曲がり、自転が急速回転し、大地震、大噴火、大津波、空が落ちてきて空気すらなくなる。
これまで地下に捨てていたゴミがあふれだし、埋めていた核廃棄物も噴き出してしまう。

 


****************懺悔



国際会議では、一斉に懺悔が始まった。

「振り返れば、アメリカは率先して自然破壊を続けてきた。まず、アメリカ大陸、そして先住動物を絶滅させてしまった。
 自然は無限だと信じ込んでいた。自分が正義でいるためには敵が必要だった。そのためにいろいろな国々に迷惑をおかけした!」

「いや、ヨーロッパこそ悪かった。上流階級主義は、そうでない者をアメリカへ追いやった。
 工業の発達でどこより早く地球を汚した。私たちが無料で吸っている空気は、私たちが軽蔑しているよその場所で作られたものだった」

「日本こそ謝らなくてはいけない。小国のくせに経済発展で、あらゆるものを買いあさり、あらゆるものを作り出した。
 その結果、おびただしいゴミを生み出し、陰では“ゴミ大国”と呼ばれたため、“生活大国”と呼び方をすり替えた。
 私たちは常に、法律とお金以上に、“美意識”というモノサシを持つべきだった!」

(こうまでならなきゃヒトは後悔、和解しないものなのか。ここでは政治家だけの懺悔だったけど。
 アインシュタインの最後に言い残したのが“美意識”だったっていうのはフィクション!?


****************脱出

政府は、各国から「賢く、健康で、かつ運の良い子どもたち」をデータで集め、一縷の望みを賭けて宇宙に脱出させる計画を試みる。
一方、クローン人間を大量に作り「もの」と呼んで奴隷化する。

息子アメリカは父のもとへヘリコプターで向かう途中で事故に遭い、緑色の髪の毛だけ残して死亡する。
ヤング大統領は悲しみに耐えられず、双子の兼松博士にクローンとして再生してくれと頼む。

調べた結果、遺伝子がたった1個だけしか違わない「きよら」と合成する。
それは、きよらもロケットに乗るにはヤング大統領の息子になるしかないと願ったヨッコの強い想いでもあった。
ヨッコの元には、1個だけ残った形見が送られる。ヨッコはひと目きよらに会いたいと走り出す。

 

 

人々はパニックとなり暴徒化し、ロケットが国会議事堂にあることが知れる。
ロケットには、子どもと大人も乗り込んだが、木星に衝突しそうになり、チラノザウルス号に移動する。
あらゆる遺伝子を持ち合わせ、きよらとも合体したアメリカ、副大統領の娘エリザベス、
日本代表の子どもタロウ、ヤング大統領の優秀なボディガード(もの(人工人間))5人をつける。



人類と同様、絶滅の運命を背負ったエイリアンが襲来する。
遺伝子の交配を試みるも失敗に終わり、地球の霊力を吸い取って、また宇宙へあてのない旅に出て行く。
(精力?を吸い取られる長い長いシーンは、大人でもトラウマになりそうなのに、
 子どもが見たらどうなってしまうか、心配になった

 

「もしも宇宙で怪物に遭遇したらどうするか?」
「気配を消すこと。周りと一体化すると姿が見えなくなります」
(これは『漂流教室』で私がもっとも覚えているシーンと同じ。あの時はイスか机になりきったんだった




チラノザウルス号はアンドロメダに向かっていた。
ヤング大統領は、チキン・ジョージになり代わって彼の異空間に入り、
チラノザウルス号にいる息子と交信が可能となる。

「大切なのは“心”です。このロケットは心のパワーで飛んでいるらしいのです」

チラノザウルス号には、息絶えたローズの脳が移植された人工人間の少女「のばら」も乗っていた。
彼女は子どもらを支配し、なぜかボディガードも操られる。
ローズのクローンを造った兼松博士は、冷凍保存されていた。

地球では、「もの」がヒトを襲いはじめ、ヒトが死ぬとその本性が現れるようになってしまう。

 


チラノザウルス号には、チキン・ジョージの亡霊が出る。

「もしも宇宙で説明のつかない不可解な出来事に遭遇した時は、
 思いつく限りの意見を出し合って、潜在意識を目覚めさせること!」

アメリカの潜在意識から「きよら」が現れる。

チキン・ジョージは、チラノザウルス号の外側に付いていた。

「本当は、実際に操作してぼくを助けてくれたのは、彼だ。だからチキン・ジョージはぼくの命の親だったんだ」

宇宙も破滅しはじめているとドッペルが言う。


****************ムシ

それから10年が経ち、地球は人間の言葉を話し、知能を持ったゴキブリが蔓延している
ヤング大統領が常に持ち歩いて書いていた日記が聖書とされ、いつかヒトが戻って助けてくれると信じている。



「ぼくは信じる! 人間はやさしくて、美しく、賢い生き物だっ!
 そして、本当の神になるために宇宙へ出て行ったんだ!
 そして人間は帰ってくるんだっ! 僕たちを救うために」


ついに予言された14歳の誕生日を迎える子どもたち。

「たとえ神に見放されたとしても、僕たちは僕たち自身を信じるんだ!
 たとえどんな破滅がやって来ても、ぼくは破滅を信じない!
 なぜなら、身を滅ぼす目的で生まれて来た生物は、この世のどこにもいないからだ!
 僕たちは生きるんだ! そして進化するんだ! 僕たちは神に進化しよう! 生きて神になるんだ!
 そして、この世の不幸を一掃しよう! 地球を緑に変えよう!」



****************宇宙幻影


(世界中を旅した三蔵法師らが、実はお釈迦様の手の上から出ていなかった、みたいな結末





***********************************

たしかにゴッキみたいな虫たちなら、ヒトが誕生する前からいて、
核戦争にも数と種の多さでいくらでも乗り切れるだろうけど、
何万年経ったとしても、虫がヒトの言葉を話して、ヒトを崇拝するとは思えないなぁ。

虫は虫同士、もっと高度なコミュニケーション能力を持っていて、
ヒトになんか頼らずとも、これからも雄々しく生きてゆくだろう。

地球が星として生き残り、水さえあれば、なにかしら生まれるだろうし。
空が低くなったということは、大気層が薄くなって、水も相当失われちゃっただろうけど。

こんなに衝撃的な長編作が1990年から描かれていて、いまだ読み継がれているのに、
人々の暮らしはまったく変わらず、「まことちゃんハウスは周囲の景観を乱す」なんてゆってるんだもの。
今後も意識が急に変わるとは思えないなあ・・・
そのために宇宙ステーションを作って、ゆくゆくは地球から脱出する覚悟なのか。

そこには緑はあるのか? 山は? 河は
この深淵な自然の仕組みをそっくり真似ることなど不可能に近い。
アニメや映画で描かれる、コンクリートやガラスに囲まれている未来都市に住むくらいなら、星と一緒に滅びたい。

でも、子どもたちが生き延びることができたのは、何事にも冷静に、ポジティブに考えて、
それぞれの意見を活発に出して相談したからに他ならない。

大統領の息子アメリカらは、元の世界に戻って、きっと地球にも戻れるのではないかという希望が持てる終わり方なのが救いだ。
時空、次元を超えたり、時間軸、宇宙すらも無限に重なり合っているという理論もあることだし。

世界を支配しようとしていたのが男性で、宇宙を救ったのが女性だったというのも象徴的。


  


『YUZURU 羽生結弦写真集』(集英社)

$
0
0
『YUZURU 羽生結弦写真集』(集英社)
能登直/撮影

能登直さんオフィ

『YUZURU 羽生結弦写真集』特設ページでサンプル写真掲載中
写真展なんかもあったんだあ!驚


図書館の検索で羽生くんを検索したら出てきたから、思わず借りてしまったw
2014年10月29日初版だから、ほんとに発行されたばかり。
「7年間の軌跡」ってことは、13歳の頃からの写真か。

私が注目しだしたのは、たぶん♪ロミジュリ で感動した頃からあたりだな。
それ以前のエキシビションも動画などで一度見てみたいv

最初と最後に本人直筆のメッセージがあって、丁寧な文字で、誠意と心がこもっている。

 

羽生くんは、本来、男臭いほうだと思うけど、衣装によって中性的な魅力のイメージも強い。
ジョニー・ウィアー選手がデザインしてくれている衣装は、こうして細部まで改めてよく見ると、
宝石をちりばめたような煌びやかさ、繊細なレース、グラデーションの美しさ、どれも素晴らしい!

  

首にいつも身に着けているファイテンのチタンネックレス「 RAKUWA」は広告にも使われているけど、
もう1つ、ずっと気になっていた菱形の黒い石がトップがついているペンダントのほうは、これか
パワーストーンらしい。アスリートはいろんなジンクスを持っているからね。



1枚1枚、心を込めて撮られた、それぞれの記念的瞬間の写真をこうして観ると、
まっすぐな眼、キレイな肌と歯、華奢な身体、豊かな表情、本当にまっすぐに育ったんだなぁって感じ。

  

ジュニア時代から華々しい記録を築いて、今や20歳にして世界のトップ選手になっている。
彼の活躍はまだまだこれから。

真の王者は、追われる立場に立って、なお勝ち続けること。
それは、羽生くん自身も言っていて、十分、自覚している。

パトリック・チャン他、世界の強豪、次々と現れる後輩との闘いを、これからもたくさん見せて欲しい。
そして、もっともっと感動させて欲しい。

それには、まず、健康第一だからね~!
それでなくとも、過酷なトレニーニングや試合の連続で、アスリートは常になにかしらの故障、持病を抱えているのだから。

それから・・・羽生くんには、永遠にこのまま、少年と青年の間でいて欲しいなあ!

  


出場した試合、成績、使用曲などはウィキ参照

本編には、フォトグラファーの能登直さんのコメントがついている。
初めて撮影したのは、地元仙台で開催された全日本ジュニア選手権。

 

試合の他にも、2008.8.7の「全日本ジュニア合宿(名古屋)」、アイスショー、オフショットも満載。

能登さんもお気に入りで、とっても貴重なのは、現在、拠点としているトロントでのオーサーコーチとのリラックスした1枚。



前回もブログに書いたけど、テレビで放送される大会の他にも、たくさんの試合やアイスショーがあるんだってことが分かった。
一度、生でも観てみたい。会場内が寒すぎなければ


アイスショーmemo
・Dreams on Ice(新横浜)2009.6.19
・STARS ON ICE(東京)2010.4.9
・東日本大震災チャリティ演技会~復興の街、神戸から~(神戸)2011.4.9

 

・プリンスアイスワールド(新横浜)2011.5.4
・THE ICE(愛知)2011.7.23
・THE ICE(八戸)2011.7.27
・Friends on Ice(新横浜)2011.8.25
・Japan Open EX(さいたま)2011.10.1

・Dreams on Ice(新横浜)2012.6.15
・THE ICE(日光)2012.7.25
・Fantasy on Ice(福井)2012.9.1
・Art on Ice(東京)2013.6.1
・Fantasy on Ice(福岡)2013.7.6

・ソチオリンピック2014.2

 

・凱旋パレード(仙台)2014.4.26 約9万2000人が詰めかけた(野鳥の会ででも調べたのか?w

・NHK東日本大震災復興支援ソング『花は咲く』収録現場 2014.6(これも貴重!

 

“簡単な打ち合わせ後、初見の振り付けを練習して本番へ。
 短時間で自分の想いと歌詞をリンクさせられる表現力に驚きました。そして、この現場に参加できたことに感謝ですね”(能登)

・Together on Ice(仙台)2014.6.13-14

・in Tronto
“初めて訪れたトロントの練習拠点・クリケットクラブ。
 練習後に屋外で撮影中、結弦くんが「ブライアン、カモン!」と声をかけて実現した貴重なツーショットです。”(能登)

フィンランディア杯はよく出てるのなあ?

さて。本書は図書館でも予約数が多いから、早く返さないとねw




トルーマン・カポーティ

$
0
0
「われわれがいちばん欲しいと思っているのは、
 ただしっかりと抱きとめてもらい、
 そして言ってもらうことなんだ・・・
 "みんなそのうち、きっとよくなりますからね"って。」
(『 Other Voices, Other Rooms 』)


カポーティで最初に読んだのは、たぶん学生の頃の「名作シリーズ」(個人的な命名)で、『ティファニーで朝食を』だったと思う。
その時は、オードリーの映画の原作として、彼女をイメージしながら、意外と短編だったことに驚いた記憶がある。

一番好きなのは、『遠い声 遠い部屋』。
最初から難解で、1行ごとに読み進めるのに苦労したっけ
好きだと言いつつ、内容はすっかり忘れてしまったけれども、
ラスト、ひと言言って前進する主人公のシーンがあったことだけはなぜか覚えている。
その時言ったセリフはなんだったろう。

ブログの「クリスマス本」シリーズで、『クリスマスの思い出』 という、
私にとっては“彼らしくない”純粋な児童書を書いていることに気づいて驚いた。

それから、1冊ずつ読んでみようと思いはじめて、まだ途中。

【主な作品】(ウィキ参照
『真夏の航海』 Summer Crossing(執筆は1940年代と推定、出版は2005年)
『ミリアム』 Miriam(1943年)
『遠い声 遠い部屋』 Other Voices, Other Rooms(1948年)
『夜の樹』 A Tree of Night(短篇集、1949年)
『草の竪琴』 The Grass Harp(1951年)映画化名『グラスハープ 草の竪琴』

『わが家は花ざかり』 House of Flowers(ミュージカル。オリジナル戯曲と作詞、1954年)
『詩神の声聞こゆ』 The Muses Are Heard(ノンフィクション、1956年)
『クリスマスの思い出』 A Christmas Memory(1956年)
『あるクリスマス』
『ティファニーで朝食を』 Breakfast at Tiffany's(1958年)

『冷血』 In Cold Blood(ノンフィクション、1966年)
『カメレオンのための音楽』 Music for Chameleons(短篇集、1980年)
『叶えられた祈り』 Answered Prayers(未完、1986年出版)

【短編】
「花盛りの家」
「ダイアモンドのギター」
『おじいさんの思い出』


【映画】
『冷血』(1967)
『カポーティ』
(この主演フィリップ・シーモア・ホフマンは、イメージそっくりだったのに、惜しくも2014年2月に亡くなってしまった


topics~エレカシ、4年ぶり武道館 ほか

$
0
0
ブログのカテゴリーを見やすく改造中なのだが、図書館巡りのカテゴリー作成のために検索していたら、
ふと、母校の短大が2012年に閉校していたことが分かった(なんのお知らせも来ないんだぁ・・・
しかも、地図を見たかぎりでは、短大時代に住んでいた辺りが、広~いゴルフ場っぽい。
んーーーーこんなだったっけか???

小さい頃住んでいた家は、オリンピック道路と化したし、時代とともに変わるもんですなあ。
開発、開発、、、どんどん開発されてゆくんだ。


最近の気になるトピックス。すべて『ZIP!』関連。
大体、土曜日に1週間分の予録を飛ばしながら見ている。
お目当ては、良々が声優をしている『おはようハクション大魔王』

●エレカシ、4年ぶり武道館
 
WOWOWでOAされて、ライヴ友さんが録画するといっていたから、とっても楽しみ♪♪♪


●サザン、9年ぶりの年越しライヴ
 
これの一部が紅白で流れたんだな。♪Oh!クラウディア は名曲v


北陸新幹線 3月に開通
 

 

 

 

 



長野の友だちが話してた新幹線ってコレかあ! 海外旅行客の足を延ばそうってもくろみもあるみたい。


『攻殻機動隊』を実写映画化、素子役はスカーレット・ヨハンソン
 

だから、なんでもかんでもマンガやアニメを実写化するのは止めておくれよ・・・


●変わる新宿・歌舞伎町
 

 

 

 

 
去年11月から先行予約を受け付けて、週末・連休は予約でほぼ埋まっているんだってw


●本田望結ちゃん姉妹
 

可愛いフィギュアスケート選手で子役もやってるとF氏が話してたのは、このコたちか、やっと分かったv


●名古屋フィギュアスケートフェスティバル


 

みんな試合の合間にも、いろんなアイスショーに出てるんだなあ/驚


●大ちゃんが屋上で初滑り
 

 


●ゴールデン・グローブ賞 1月12日開催

アカデミー賞を占う重要な映画賞だそう。今年の注目作は、実在の人物をモデルにした作品が多いのが特徴。

 
「自分の過去の映像を見ているようだ」と本人のお墨付き

 
女優賞は、ぜひジュリアン・ムーアにとってほしいなあ!


●日本人が初めて宇宙旅行へ
 

・さまざまな宇宙旅行プランが計画され、予約も満杯
 
費用は約3000万

9泊10日で約52億円なんてプランもある。
宇宙ステーションでわざわざ宇宙酔いやら、不便な生活したいかなあ・・・/苦


●困ったわんこのクセを直すカリスマドッグトレーナー(huluにて配信中
 
モノに異常に執着して困ってたわんこが、見事に変身!

「毎回、犬によって抱えている問題が違う。犬の心を見抜いて、導く鮮やかさ、ビフォー&アフターが見事」(箭内道彦)

 


古田新太×小泉今日子の舞台『いやおうなしに』
 
ポイントのひとつは古田さんの衣装替え。12回もあって汗だくらしいw



大河ドラマ『花燃ゆ』 第2回「波乱の恋文」

$
0
0
大河ドラマ『花燃ゆ』
脚本:大島里美、宮村優子
出演:井上真央、大沢たかお、伊勢谷友介、高良健吾、東出昌大、原田泰造、優香、瀬戸康史、
劇団ひとり、佐藤隆太、要潤、かたせ梨乃、内藤剛志、檀ふみ、奥田瑛二、長塚京三、北大路欣也 ほか

第2回「波乱の恋文」あらすじ(ネタバレあり
文の姉・寿(ふさ)は、縁組が進んでいたが、兄・寅次郎が脱藩したと知らせが入り、一気にフラれる
寅次郎は、情熱の赴くまま、東北へも足を延ばしていた。
萩では、一時期「仙人」とまで言われた寅次郎は、「罪人」と蔑まれる。

「世の中を変えるのは寅次郎のような男です!」と伊之助はほうぼうを説き伏せる(兄は味方なのね

母は病死し、伊之助は死に目にもあえなかった。
「これでまた一人になった。帰りを待つ人ももうおらん」

一方、寿は「あの家から出るためにも早く嫁に行くんだ」とふさぎこんでいる。
文は、兄の手紙にも書いてあった通り、伊之助に姉を嫁にしてくれと頼む。

「寂しい人と、寂しい人が出会うたら、きっといいことがある。
 姉は、優しい小田村さんの前でなら泣けるかもしれん」

「寅次郎と家族になるっちゅうわけか。ならば乗った、その話! お前はオレの妹じゃ。よろしくな」
(自分が好きなのに、幼くてまだ分からなかったのかな?

 
ドラマに定番の思わずよろけて近づき、そのまま停止するシーンまであったのに・・・



 
大沢さん、鍛えてるなあ!

 
「あさイチ」では、「怖い悪役」って言われてたw


 

 

 


寅次郎の東北の旅は5ヶ月も続いた。海には時々、外国船が来ていることを知り憤ったという


長野出身者としては、寅次郎が「佐久間象山先生に入門できたぞ!」というセリフが一番嬉しかったv
『八重の桜』では奥田瑛二さんが演じたけど、今回は出てはこないのか???

大河ドラマ『花燃ゆ』 第1回「人むすぶ妹」

$
0
0
大河ドラマ『花燃ゆ』
脚本:大島里美、宮村優子
出演:井上真央、大沢たかお、伊勢谷友介、高良健吾、東出昌大、原田泰造、優香、瀬戸康史、
劇団ひとり、佐藤隆太、要潤、かたせ梨乃、内藤剛志、檀ふみ、奥田瑛二、長塚京三、北大路欣也 ほか

はじまりました、今年の大河ドラマ。1回目をうっかり見逃したから、土曜日の再放送を観ました
さすが「イケメン」揃いをうたってるだけあって、配役の豪華さ、フレッシュさも楽しみだけれども、
私が注目しているのは内藤剛志さんですv 初回から出てくれて嬉しい

オープニングも凝ってる! 「あさイチ」に出演していた、タイトルの書をかいた書家・國重友美さん。
彼女が考案した“英漢字”(ええかんじ。漢字+英語が合体している文字)を生で披露して大迫力で感動したあ!

國重友美さんオフィ

時代は幕末、兄を慕う妹ってことで『八重の桜』ともかぶる。
「あさイチ」に出演したイケメン3人の出演者イチオシの言葉は「せわ~ない」も、初回からたくさん使われてた。

文の少女期を演じた山田萌々香ちゃんは、たしかに井上真央ちゃんに似てる!
でも大河の子役時代って、どんどん短くなってないかい? その後の展開もなんだか早い、早い!
幕末動乱、その後の文の生涯も1年で描かなきゃならないから急いでる?!


第1回「人むすぶ妹」あらすじ(ネタバレあり
長州 萩。後に明治維新で活躍する人物が学んだ「松下村塾」で教えることになる吉田寅次郎(松陰)。
叔父で兵学者・玉木文之進のもとでスパルタ教育を受け、「己を捨て、公の為に尽くせ」「自分の頭で考えろ!」
と言われて、「人はなぜ学ぶのか」を考えさせられる。



そんな兄を慕う妹・文は、極度の人見知りで、弟トシ(敏三郎。耳が聞こえず、話せない)とばかり一緒にいる。



江戸から帰ってきた小田村伊之助が、自分の歩む道に悩み、河原で叫んでいたところを見てしまってうろたえる文。
その時、落としていった禁書(幕府が読むのを禁じた本。外国について書かれていた)を
「藩校・明倫館」に返しにいって、叔父に見つかりビンタを食らう。

伊之助の父は医師だったが政治に口出しして咎められ自害した。それがトラウマになっている。
小田村家の養子となってからは「明倫館」の講師となるよう育てられた。
母は体が弱いが、常に伊之助の将来を心配している。



文は、伊之助と兄を引き合わせ、2人はすぐに無二の親友となる。

「本は人じゃ。開けば、人生のあらゆる事を教えてくれる。そしてオレは、天命、人倫、至誠を知った。
 人はなぜ学ぶのか。知識を得るためでも、職を得るためでも、出世のためでもない。
 人にものを教えるためでも、尊敬されるためでもない。己のためじゃ。己を磨くために人は学ぶんじゃ」(寅次郎)

「人はなぜ学ぶのか。お役に就くためでも、与えられた役割を果すためでもない。この世のために己のすべき事を知るために学ぶのです」(伊之助)

「今までの学問では日本は守れん」と訴える寅次郎らに、長州藩第13代藩主・毛利敬親は、
「変わるのを恐れるのも、また人の心。焦るでない」と言い2人を不問とし、「九州遊学」を許す。「人こそ長州の宝」
長州藩右筆・椋梨藤太は、そんな2人のお目付け役を言い渡される。



「人の本性は善だとオレは信じる。お前のお陰で兄は一生の友を得たぞ」(寅次郎)

ペリー来航より2年前のことだった。


 

 

 


杉家は、とても明るい家庭だったとのこと。母は文にも学問を身に付けさせた(大事だよねv

図書館めぐりリスト

$
0
0
図書館めぐりのカテゴリーに2015.1現在、51件入っているが、ダラダラとして見づらいから行った順にリストにしてみた。
カテゴリーはそのままで、また次の図書館に行った日記を追加した都度、日付を変更する予定です(アナログだな

「東京図書館制覇!」さんのブログ内の「図書館訪問記」を参照しております/礼
究めている人ってどこにでもいるものだなあ!


■2008
8月
豊島区立中央図書館
小石川図書館

9月
板橋区立中央図書館
光が丘図書館
真砂中央図書館


■2010
3月
貫井図書館
赤坂図書館
小竹図書館
小茂根図書館
高島平図書館
成増図書館
角筈図書館
みなと図書館

4月
目白台図書館
鶴巻図書館

6月
石神井図書館
国際子ども図書館
四番町図書館
深川図書館

7月
市立大宮図書館

8月
京橋図書館


■2011
3月
和光市図書館

4月
日本橋図書館
都立中央図書館

5月
桜木図書館
蓮根図書館
根津図書室


■2012
1月
日比谷図書館
お茶の水図書館

2月
西葛西図書館
江古田図書館
三田図書館

3月
志村図書館

4月
ボローニャ子ども絵本館
東板橋図書館

7月
高円寺図書館

9月
北新宿図書館
豊洲図書館

11月
池袋図書館


■2013
2月
日暮里図書館

3月
上池袋図書館
千早図書館

5月
氷川図書館

6月
駒込図書館
田端図書館
本駒込図書館
千石図書館

7月
本郷図書館

8月
江東区立東大島図書館


■2014
5月
練馬区立図書館

6月
南大泉図書館×保谷駅前図書館
稲荷山図書館
春日町図書館
平和台図書館

7月
関町図書館

10月
米沢嘉博記念図書館



**********************

ブログにないけど、行ったことがある図書館。

西台図書館
赤塚図書館
天神図書室
多摩図書館
南浦和図書館
藤沢市総合市民図書館
長野県民図書館
長野市立図書館


楳図かずお

$
0
0
主要作品(ウィキ参照。●印は読んだもの

[連載作品]
・紅グモ - 『週刊少女フレンド』(1965年47号 - 1966年10号)
へび少女 - 『週刊少女フレンド』(1966年11号 - 25号)
赤んぼ少女 - 『週刊少女フレンド』(1967年30号 - 39号)

・猫目小僧 - 『少年画報』など(1968年 - 1976年)
・死者の行進

おろち - 『週刊少年サンデー』(1969年25号 - 1970年35号)

・イアラ - 『ビッグコミック』(1970年1月10日号 - 9月25日号)
・アゲイン - 『週刊少年サンデー』(1971年43号 - 1972年5号)

●漂流教室 - 『週刊少年サンデー』(1972年23号 - 1974年27号)

洗礼 - 『少女コミック』(1974年 - 1976年)

●まことちゃん - 『週刊少年サンデー』(1976年16号 - 1981年30号)

わたしは真悟 - 『ビッグコミックスピリッツ』(1982年8号 - 1986年27号)

●神の左手悪魔の右手 - 『ビッグコミックスピリッツ』(1986年31号 - 1988年32号)

14歳 - 『ビッグコミックスピリッツ』(1990年4・5合併号 - 1995年37号)

・SF異色短編集 - 『ビッグコミック』(1968年 - 1969年)
・蝶の墓 - 『ティーンルック』(1968年)
・おそれ - 『ティーンルック』(1969年)
・ウルトラマン - 『少年マガジン』(1966年 - 1967年)
・ロマンスの薬(原題:ロマンスの薬あげます!!) - 『なかよし』(1962年)

・恐怖 - 月刊誌『平凡』
『恐怖』1巻
●「恐怖 2巻」

[読み切り]
・愛の方程式 - 『高2時代』(1973年)
●ねがい - 『週刊少年サンデー』(1975年16号)
・男神 - 朝日ソノラマ『DUO』(創刊号)


『UMEZZ HOUSE』(小学館)


[映画]
楳図かずお恐怖劇場「蟲たちの家」(2005年)
『漂流教室』(1986)

心の中のベストフィルム~『風の谷のナウシカ』(1984)

$
0
0
『風の谷のナウシカ』(1984)
監督:宮崎駿

ジブリ作品で私がいちばん好きな1作。
永遠の名作アニメーション映画。

trailer

感想メモは「notes and movies」カテゴリーからの抜粋です。


土に生まれ、土に生きる、風に吹かれ、土に還る。これを繰り返し、繰り返す。

「地球に機械化の時代はやってこない」

宇宙服を身に着けた人間が、宙に浮かんだ物体に乗って行き来したり、
モノを原子に変えて、人さえ一瞬のうちに別の場所へ移動させたり、
そんな時代は来ない。すべての道は破壊への道だ。

みんな還るんだ。

水と土と太陽との巨大な浄化作用かもしれないし、
また新たな生命が海に、大地を割って、太陽を反射して発生する。

次にこの星の隅々まで覆いつくすのは、果たしてどんな形態なんだろう。
カブトガニか、ゴキブリか、ミドリムシや、サボテン類だろうか?

(また言い切り型のフシギなコメント。これがナウシカを観た最初の感想なのかな???
 ちょっと『14歳』に通じるものもあるけど
Viewing all 8719 articles
Browse latest View live