■『ピアノ・レッスン』(1993)
監督・脚本:ジェーン・カンピオン
出演:ホリー・ハンター、ハーヴェイ・カイテル、サム・ニール、アンナ・パキン ほか
▼trailer
感想メモは「notes and movies」カテゴリーからの抜粋です。
1年に1本出逢えるか出逢えないかの名作をどうこう評価するのは難しい。
舞台は厳しい自然。
野蛮で粗野な開拓前の容赦ない自然と共に生きていた時代の女傑伝説とでもいおうか。
確かに周囲に翻弄される忍耐強い女性という従来の典型的ヒロインではあるけれども、
聾唖というハンデキャップが、かえって自我を押し通す意志の力となっているエイダには、
同性として共感する部分もあり、複雑な思いを抱かせる部分もある。
ハンターはまさに適役。
小柄な身体にまとった喪服のような黒い衣装、黒い髪、青白く病的に透き通った肌、
その華奢さからくるセクシャルさ、男の支配欲をかきたてる頑固さ。
中国でその昔、少女を未成熟に抑えこむ風習が好まれた話を思い起こさせる。
対照的に働く男たちの胸の厚み、カイテルのヌードは女性より美しくハっとさせられるのは女性監督ならではの1シーン。
近頃過激になる一方のラブシーンより、静的で、強烈な精神の愛は、観客の官能を震わせる。
母の口の代わりとなり、愛情を独り占めしようとする娘はいじらしく、その子役が高く評価されたのもうなづける。
1シーン、1カットすべてに流れるピアノの音のように静かな詩、美、芸術。
(穴のあいた靴から覗く真っ白い足のシーンがあったよね?
監督・脚本:ジェーン・カンピオン
出演:ホリー・ハンター、ハーヴェイ・カイテル、サム・ニール、アンナ・パキン ほか
▼trailer
感想メモは「notes and movies」カテゴリーからの抜粋です。
1年に1本出逢えるか出逢えないかの名作をどうこう評価するのは難しい。
舞台は厳しい自然。
野蛮で粗野な開拓前の容赦ない自然と共に生きていた時代の女傑伝説とでもいおうか。
確かに周囲に翻弄される忍耐強い女性という従来の典型的ヒロインではあるけれども、
聾唖というハンデキャップが、かえって自我を押し通す意志の力となっているエイダには、
同性として共感する部分もあり、複雑な思いを抱かせる部分もある。
ハンターはまさに適役。
小柄な身体にまとった喪服のような黒い衣装、黒い髪、青白く病的に透き通った肌、
その華奢さからくるセクシャルさ、男の支配欲をかきたてる頑固さ。
中国でその昔、少女を未成熟に抑えこむ風習が好まれた話を思い起こさせる。
対照的に働く男たちの胸の厚み、カイテルのヌードは女性より美しくハっとさせられるのは女性監督ならではの1シーン。
近頃過激になる一方のラブシーンより、静的で、強烈な精神の愛は、観客の官能を震わせる。
母の口の代わりとなり、愛情を独り占めしようとする娘はいじらしく、その子役が高く評価されたのもうなづける。
1シーン、1カットすべてに流れるピアノの音のように静かな詩、美、芸術。
(穴のあいた靴から覗く真っ白い足のシーンがあったよね?