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どうする?保育士不足 働く親を支えられるか?@週刊ニュース深読み

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どうする?保育士不足 働く親を支えられるか?@週刊ニュース深読み


共働きでないと生活がたちゆかない夫婦が増え、
保育所は増やしているが、待機児童の数はそれを上回る現状。


●保育士になる方法


国家試験を受けて資格をとる。
子どもを育てる初期教育は重要なため、試験課目が多く、専門性が高い。実技(ピアノ、絵画)なども必要。
受かる確率は2割以下の難関。

せっかく、その難関を突破して資格をとり、働き始めても、あまりの過酷さで2年ほどで辞めてしまうケースが多い。
その理由は・・・?


●業務が多様、長時間労働、賃金が低い、クレーム対応などのストレスetc...


1.業務が多様


0歳児の赤ちゃんも多いため、さまざまなリスクが大きい。
眠っている時の呼吸チェック、1人ずつアレルギーを気遣った食事、など。

 



2.長時間労働~約9時間/日
母親もフルタイム労働が増え、朝6:30~夜21:00まで開いている所が多い。

※シフトで対応するのも難しい。
1日のリズムを見る必要があり、シフトだと朝と晩の連絡だけでは充分に把握できない。

3.ストレス~クレーム対応など

ある母親から「息子が葉っぱで手を切ったので、今後、葉っぱを触らせないでくれ」と言われた、などなど。

4.低賃金~平均21万円
これだけの激務&ストレスなのに、それに見合った賃金をもらえず、昇給もない。

理由1.経営の半分は税金。その予算が他に回され続けている。
理由2.その根底にある考えは「子育ては女性のするもの」→「保育士に対する世間の評価・関心が低い」こと。

家賃を抑えるため、実家から遠い保育園に通ったり、シェアハウスを利用したりして、一人暮らしもできない。
最初の志が萎え、モチベーションも上がらず、他の高待遇な職場に移らざるを得なくなる。

妊娠・出産をきっかけに辞めるケースも多い。


[FAX]

・条件の見合う求人がない。
・20歳の保育士です。手取り13万円で過酷。子どもが可愛いと思えなくなって辞めました。
・経験が反映されない。
・なんでも保育士に任せきりではなく、親の教育・しつけも大事。


専門家:
「0歳から申し込まないと保育園に入れないのが現状」

「搾取の構造も問題。経営困難を人件費削減で対応している」

「両親の“働き方”から変えないと、根本的解決にならない。まずは、親を支援(育休など)することから」

「子どもが減る」→「年金額が減る」高齢者も“身近な自分の問題”として考えること。
 実際、20~30代の賃金は減り続けている」

「初期教育の質を上げる」→「社会全体をよりよくする」ことにもつながる最重要課題と考えるべき。


●その他の問題
・OJT(On-the-Job Training、オン・ザ・ジョブ・トレーニング。職場で実務をさせる ことで行う従業員のトレーニング)が必要。
・月齢に合わせた発達に対応する必要がある。
・掃除までやらなければならない保育士もいるため、補助業務員の補充も必要。

虐待死する児童の増加
母親のストレスを軽減すること。1人で子育て&仕事の両立はムリ。


●潜在保育士は多い
 
潜在保育士の数/待機児童の数

結婚・出産で辞めたり、資格は持っていても仕事に就いていない人はたくさんいる。

 

・研修を受ける。2年以上勤務すれば授業料の返済免除。
※これはあくまで緊急対策用の項目なので、解決後は元に戻す。

・小学校の教員資格を持っていて、教員職でない人も含む。


●地域ネットワークでサポート
 

団塊世代で元気な方、主婦で子育て経験が豊富な方が地域にいる。
その方々は、手際もよく、若い保育士が知らない知識も豊富で勉強になる。
団塊世代の男性の方も参加しているNPO活動もある。保育を知るきっかけになる。


************対策案の実例

●潜在保育士を呼び戻す@多摩市
 



「短時間でもいいので、都合の良い時間に入ってください」と募集をかけたら大勢来た。
「朝なら大丈夫」という人がいれば、フルタイムの保育士は、朝少し遅く出勤することができる。
「夜なら大丈夫」という人がいれば、逆に保育士は早く帰れて、長時間労働の解消となる。

子育て中の人が多いため、長時間は難しいけれども、数時間ならOK」という人たちをシフトに組み込んで成功した例。


[FAX]
・公務員にすればいいのでは?


専門家:
「赤ちゃんや子どもの1日のバイオリズム見れない、連絡の引継ぎが難しいという課題もある」

「保育士の賃金の予算は3000億円必要だが、他に回され、後回しにされる」

「パートタイマーだとさらに低賃金。ボーナスも昇給もない」

「長時間労働、地域の仕組み、1人1人の考え方から変える必要がある」

「人をケアする仕事(保育士だけでなく介護も)を、社会が軽視してきた歴史がある。
 保育士の専門性の高さを理解・評価し、問題を共有すること」

「“恒久予算”をつけること」

「働く女性が減る→税金が下がる→年金が下がる。まさに、みんなで考える問題」

「保育士さんが普段どう働いているのか、現場を見ることもよい」



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